ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

8 / 165
#第八話 ブリザーガ

警報音が鳴り響く中。

「んにゃろう!!」

真っ先に飛び出したのはジャイアンだった。

「待ってジャイアン!!」

のび太が叫ぶ。だが止まらない。

「ぶっ飛ばしゃいいんだろ!!」

ラボの扉を勢いよく開け、吹雪の中へ突撃していく。

「バカ!!」

今度はアキノリが飛び出した。

「無策で突っ込んでも意味ないって!!」

慌てて追いかける。

「ジャイアン待ちなさい!」

しずかも叫んだ。

ドラえもんは額を押さえ、

「もうっ!」

即座にポケットへ手を突っ込む。

「みんな、これ!」

取り出したのはタケコプター。

のび太、しずか、スネ夫へ次々渡していく。

「上空から援護するよ!」

「えぇぇまた飛ぶのぉ!?」

のび太が涙目になる。

「文句言ってる場合!?」

ナツメが即ツッコミ。

一同は吹雪の空へ飛び立った。

 

◇

 

その先。

氷原の中央に、“それ”はいた。

巨大だった。

山のような氷の塊。

人型にも見える異形。

吹雪そのものを纏い、白い冷気を撒き散らしている。

ブリザーガ。

近づくだけで空気が凍る。

「……大きい」

トウマが息を呑む。

ジャイアンはすでに地上へ降下していた。

「うおおおおお!!」

ドラえもんが慌てて別の道具を放り投げる。

「ジャイアン! これ使って!!」

「おう!!」

よく分からないまま受け取っていた。

一方。

「#朔夜くん!」

ドラえもんが弓を差し出した。

「え?」

「これ!」

弓には奇妙な装置が取り付けられていた。

「自動矢生成アタッチメント! 引けば無限に矢が出る!」

「そんな雑な……」

いや未来道具だから今さらか。

#朔夜は小さく息を吐き、弓を構えた。

戦闘が始まる。

 

◇◇

 

『おりゃあああ!!』

メラメライオンの炎。

『いくズラ!!』

コマさんの妖術。

トウマの剣撃。

ジャイアンの突撃。

のび太達の秘密道具。

矢が飛ぶ。

爆発が起こる。

吹雪が乱れる。

だが。

「効いてなくない!?」

ケータが叫ぶ。

ブリザーガは微動だにしない。まるで巨大な氷山そのもの。

攻撃が表面を削っても、すぐ再生していく。

「どうすんだよこれぇ!?」

スネ夫が半泣きになる。

その時。

朔夜は目を細めた。

 

◇◇◇

 

(……あれ?)

ブリザーガの腕。

メラメライオンの炎が直撃した部分だけ、 

ほんのわずかに。

本当にわずかに。

氷が溶けている。

再生も遅い。

「……炎」

朔夜が呟く。

次の瞬間、叫んだ。

「炎!、効いてる!!」

一同が振り向く。

「え!?」

ケータが目を見開いた。

「本当か!?」

ドラえもんも反応する。

「氷の再生が遅れてる!」

その言葉で空気が変わった。

「炎主体に切り替える!!」

トウマが叫ぶ。

『燃えてきたメラァァァ!!』

メラメライオンが炎を爆発させる。

コマさんの妖術。

雪女の冷気制御。

青龍の巨大な妖力。

そこへドラえもん達の道具も加わる。

 

◇◇◇◇

 

極寒。

灼熱。

温度差が空間を歪ませていく。

ブリザーガの身体が軋み始めた。

バキッ――!!

巨大な氷が砕け落ちる。

「効いてる!!」

のび太が叫ぶ。

さらに炎。

さらに衝撃。

氷の肉体が次々剥がれていく。

やがて。

「……土?」

しずかが呟いた。

氷の奥。

そこに見えたのは、大地のような茶色い層。

まるでゴーレムの核。

 

◇◇◇◇◇

 

「今だ!!」

トウマが叫ぶ。

『いくズラァァァ!!』

『吹き飛ばすメラァ!!』

『凍てつけ――!!』

青龍。

雪女。

メラメライオン。

三体の妖力が重なった。

極端な温度変化。

膨張。

収縮。

そして。

――轟音。

ブリザーガの身体が、一気に崩壊した。

氷の巨体が砕け散る。

吹雪が止む。

静寂。

白い雪だけが、ゆっくり舞っていた。

「……倒した?」

のび太が呟く。

誰もすぐには答えられなかった。




なんでそんな簡単に倒せるんだよ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。