ドラえもんのび太の異世界からの来訪者   作:セナドライ

8 / 8
#第八話 ブリザーガ

警報音が鳴り響く中。

「んにゃろう!!」

真っ先に飛び出したのはジャイアンだった。

「待ってジャイアン!!」

のび太が叫ぶ。だが止まらない。

「ぶっ飛ばしゃいいんだろ!!」

ラボの扉を勢いよく開け、吹雪の中へ突撃していく。

「バカ!!」

今度はアキノリが飛び出した。

「無策で突っ込んでも意味ないって!!」

慌てて追いかける。

「ジャイアン待ちなさい!」

しずかも叫んだ。

ドラえもんは額を押さえ、

「もうっ!」

即座にポケットへ手を突っ込む。

「みんな、これ!」

取り出したのはタケコプター。

のび太、しずか、スネ夫へ次々渡していく。

「上空から援護するよ!」

「えぇぇまた飛ぶのぉ!?」

のび太が涙目になる。

「文句言ってる場合!?」

ナツメが即ツッコミ。

一同は吹雪の空へ飛び立った。

 

 

その先。

氷原の中央に、“それ”はいた。

巨大だった。

山のような氷の塊。

人型にも見える異形。

吹雪そのものを纏い、白い冷気を撒き散らしている。

ブリザーガ。

近づくだけで空気が凍る。

「……大きい」

トウマが息を呑む。

ジャイアンはすでに地上へ降下していた。

「うおおおおお!!」

ドラえもんが慌てて別の道具を放り投げる。

「ジャイアン! これ使って!!」

「おう!!」

よく分からないまま受け取っていた。

一方。

「#朔夜くん!」

ドラえもんが弓を差し出した。

「え?」

「これ!」

弓には奇妙な装置が取り付けられていた。

「自動矢生成アタッチメント! 引けば無限に矢が出る!」

「そんな雑な……」

いや未来道具だから今さらか。

#朔夜は小さく息を吐き、弓を構えた。

戦闘が始まる。

 

◇◇

 

『おりゃあああ!!』

メラメライオンの炎。

『いくズラ!!』

コマさんの妖術。

トウマの剣撃。

ジャイアンの突撃。

のび太達の秘密道具。

矢が飛ぶ。

爆発が起こる。

吹雪が乱れる。

だが。

「効いてなくない!?」

ケータが叫ぶ。

ブリザーガは微動だにしない。まるで巨大な氷山そのもの。

攻撃が表面を削っても、すぐ再生していく。

「どうすんだよこれぇ!?」

スネ夫が半泣きになる。

その時。

朔夜は目を細めた。

 

◇◇◇

 

(……あれ?)

ブリザーガの腕。

メラメライオンの炎が直撃した部分だけ、 

ほんのわずかに。

本当にわずかに。

氷が溶けている。

再生も遅い。

「……炎」

朔夜が呟く。

次の瞬間、叫んだ。

「炎!、効いてる!!」

一同が振り向く。

「え!?」

ケータが目を見開いた。

「本当か!?」

ドラえもんも反応する。

「氷の再生が遅れてる!」

その言葉で空気が変わった。

「炎主体に切り替える!!」

トウマが叫ぶ。

『燃えてきたメラァァァ!!』

メラメライオンが炎を爆発させる。

コマさんの妖術。

雪女の冷気制御。

青龍の巨大な妖力。

そこへドラえもん達の道具も加わる。

 

◇◇◇◇

 

極寒。

灼熱。

温度差が空間を歪ませていく。

ブリザーガの身体が軋み始めた。

バキッ――!!

巨大な氷が砕け落ちる。

「効いてる!!」

のび太が叫ぶ。

さらに炎。

さらに衝撃。

氷の肉体が次々剥がれていく。

やがて。

「……土?」

しずかが呟いた。

氷の奥。

そこに見えたのは、大地のような茶色い層。

まるでゴーレムの核。

 

◇◇◇◇◇

 

「今だ!!」

トウマが叫ぶ。

『いくズラァァァ!!』

『吹き飛ばすメラァ!!』

『凍てつけ――!!』

青龍。

雪女。

メラメライオン。

三体の妖力が重なった。

極端な温度変化。

膨張。

収縮。

そして。

――轟音。

ブリザーガの身体が、一気に崩壊した。

氷の巨体が砕け散る。

吹雪が止む。

静寂。

白い雪だけが、ゆっくり舞っていた。

「……倒した?」

のび太が呟く。

誰もすぐには答えられなかった。




なんでそんな簡単に倒せるんだよ!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。