転生したら雪音クリスだったので、曇りポイントを撃ち抜きます 作:ブラックだあああぁぁぁぁぁ(小並感)
泣き疲れて眠るなんて、いつ以来だろう。
そう思った瞬間、違う、と気づいた。今の体は幼い。泣いて眠ることくらい、きっと珍しくもない。けれど、中身だけは違う。大人だった頃の感覚が残っているせいで、母親の腕の中で眠ってしまったことが、妙に気恥ずかしくて、同時にどうしようもなく安心していた。
その安心を、夢が引き裂いた。
赤い光。黒い煙。遠くで響く銃声。誰かの叫び声。地面に散らばった楽譜が、泥と血で読めなくなっている。バイオリンケースが倒れていた。白い布が風に揺れて、そこにいるはずの人たちの顔だけが、どうしても見えない。
「パパ……ママ……?」
呼んでも返事はない。声は煙に飲まれる。足を動かそうとしても、体が重い。小さな手を伸ばしても届かない。違う。これは記憶じゃない。自分が実際に見たものではない。知っている未来の断片が、勝手に形になっているだけだ。
分かっているのに、怖かった。
「っ……!」
目を開けると、見慣れないはずなのに見慣れた天井があった。
自室。柔らかい布団。窓の外はまだ薄暗い。どこにも煙はない。銃声も聞こえない。家の中は静かで、遠くから誰かが動く気配だけがする。たぶん、母が朝の支度を始めているのだろう。
胸に手を当てる。心臓がばくばく鳴っていた。小さな体には、恐怖がそのまま響く。呼吸を整えようとして、うまくいかない。子どもの体は、思ったよりずっと感情に引っ張られる。
「……夢じゃ、ない」
この状況そのものは、夢ではない。
自分は雪音クリスになった。父も母も生きている。けれど、このまま放っておけば、二人が帰ってこない未来へ進んでしまう。昨日、母に「行かないで」と言えた。それだけで終わりではない。むしろここからが本番だった。
布団から抜け出し、机に向かう。椅子によじ登るように座ると、近くにあったクレヨンを握った。鉛筆もあるが、今の手にはクレヨンの方が扱いやすい。白い紙を一枚引き寄せて、そこに大きく書く。
しゅっちょうをとめる。
ひらがな混じりの文字が、妙に切実だった。続けて、思いつく限りの作戦を書き出す。
なく。
ねつをだす。
こわいゆめ。
あぶないっていう。
まいごになる。
ごはんをたべない。
せいじょうふあん。
こくれんのしせつだん。
最後の二つを書いたところで、手が止まった。
「……これは、だめだな」
幼児が言うには明らかにおかしい。政情不安とか国連とか、普通の子どもが朝から口にしたら、両親は出張をやめる前に病院を予約する。自分でもそうする。子どもが急に危険地域の情勢を語り出したら怖すぎる。
だから、正面突破は無理だ。
なら、子どもらしさで押すしかない。怖い。行ってほしくない。帰ってこない気がする。それくらいなら、昨日の流れから自然に言える。問題は、それだけで予定を変えられるかどうかだ。
紙をじっと見つめる。
幼い手で握ったクレヨンが、少し震えていた。
「……泣き落とし、か」
大人だった頃なら、使いたくない手だった。
でも今は、自分の体が子どもであることを利用するしかない。かっこ悪いとか、卑怯とか、そんなことを考えている余裕はない。失敗したら二人は死ぬ。失敗したら、この家の朝は消える。
そう思ったら、紙に書いた「なく」の文字が一番頼もしく見えた。
朝食の時間になって、作戦一号を開始した。
まずは、危険予測からだ。泣き落としは最後の切り札にする。いきなり泣くと昨日の続きになってしまうし、あまりにも不安定な子どもだと思われるかもしれない。まずは理性的に、できる範囲で伝える。大丈夫。落ち着け。私は大人。中身だけは大人。
「パパ、ママ」
「どうしたんだい、クリス」
雅律がスープの皿を置きながら、穏やかにこちらを見る。ソネットも席につき、心配そうに微笑んだ。昨日あれだけ泣いたせいか、二人ともいつも以上に優しい。胸が痛い。これからその優しさにつけ込むのだと思うと、少しだけ罪悪感が湧く。
けれど、ここで引いたら意味がない。
「あのね。遠くのお仕事、やめたほうがいいと思う」
「昨日の話ね」
「うん。だって、えっと……その地域は、せい……せいじょ……せいじょう……」
言えない。
政情不安定。大人なら普通に言える言葉が、幼い口にはうまく乗らない。しかも、途中まで言った時点でソネットの表情が変わった。あ、まずい。子どもが妙な言葉を使おうとしていると気づかれた。
「せいじょう?」
「せ、せいじょう……じゃなくて。えっと……あぶないかも、だから」
無理やり軌道修正する。
雅律は少し考えるように目を細めた。怒ってはいない。ただ、こちらの言葉をきちんと聞こうとしている顔だった。それがかえって怖い。変なことを言えば、ちゃんと変だと思われる。
「どこかで聞いたのかな」
「んー……夢で」
便利な言葉、怖い夢。
これなら子どもでも許される。昨日も使った。今日も使う。未来知識を夢に押し込める。罪悪感はあるが、今の自分に使える包装紙はそれくらいしかない。
「夢で、パパとママが帰ってこなかった」
言葉にした瞬間、喉が詰まった。
嘘ではない。夢で見たのも本当だし、そうなる未来を知っているのも本当だ。ただ、夢だから怖いのではない。現実になるから怖い。そこだけは言えない。
ソネットが椅子から立ち、こちらのそばに来た。昨日と同じようにしゃがみ込んで、目線を合わせる。
「クリス」
「……行かないで」
作戦ではなく、本音が出た。
朝食の匂いがする。パンの焼けた香りと、スープの湯気。雅律の指がテーブルの上で止まっている。ソネットの手が頬に触れる。温かい。これを失うかもしれないと思うだけで、目の奥が熱くなった。
「行かないで。パパも、ママも。おうちにいて」
泣く予定ではあった。
でも、こんなに早く泣く予定ではなかった。もっと計画的に、もっと上手く、子どもらしく不安を訴えるつもりだった。なのに、涙が勝手に出る。声が震える。スプーンを握る手に力が入らない。
泣き落としというより、ただ泣いているだけだった。
「クリス、こっちにおいで」
雅律が静かに言った。
その声に逆らえず、椅子から下りる。雅律のそばまで行くと、彼は何も言わずに抱き上げてくれた。小さな体が、父の腕にすっぽり収まる。前の自分なら絶対に体験しない距離感だった。恥ずかしいのに、安心する。
「どうして、そんなに怖いんだい?」
「……わかんない」
「わからない?」
「でも、帰ってこない気がする」
雅律の腕が、ほんの少し強くなる。
ソネットも隣に座った。二人の視線が交わる。大人の会話が、言葉にならないところで行われている。自分には全部は分からない。けれど、軽く流されてはいないことだけは分かった。
「夢にしては、ずいぶん怖かったのね」
「うん」
「昨日からずっと、そのことを考えていたの?」
「……うん」
「だから、鏡の前で強くなろうとしていたのかい?」
雅律の言葉に、固まった。
聞かれていた。母だけではなかったらしい。昨日の「うっせぇ」とか「撃ち抜いてやる」とか、あれも聞かれていたのだろうか。終わった。別の意味で終わった。
「ち、ちがうし」
「そうか。違うのか」
雅律は真面目な顔で頷いた。だが、目が笑っている。ソネットも口元を押さえている。まずい。これは完全に微笑ましい子ども扱いされている。
強気クリス作戦、初期段階から壊滅。
「あれは……その、れんしゅう」
「何の練習?」
「つよそうな、あたし」
「今のクリスも十分強いわ」
ソネットがさらっと言った。
違う。そういう話ではない。今の自分は全然強くない。銃もない。ギアもない。頼れるのは涙と子どもの訴えだけだ。だが、その頼りない武器で、今まさに運命に喧嘩を売っている。
そう考えると、確かに少しだけ強いのかもしれなかった。
「ねえ、クリス」
雅律の声が、少しだけ真面目になる。
「私たちの仕事は、音楽を届けることだ。安全な場所だけで弾く音楽も大切だけれど、そうではない場所にいる人たちへ届けたいと思うこともある」
「……うん」
「けれど、それは家族を不安にさせてまで、無理に押し通すものではない」
顔を上げる。
雅律は笑っていなかった。優しいが、真剣な顔だった。ソネットも同じだった。二人とも、子どものわがままとして切り捨ててはいない。泣いたから仕方なく折れるのではなく、本当に考えてくれている。
「予定はすぐに決まるものではないし、変更できる部分もある。現地へ行くことだけが支援ではないからね」
「ほんと?」
「ああ。お母さんとも、もう一度きちんと話すよ」
「……ほんとに?」
「本当に」
その言葉を聞いた瞬間、体から力が抜けた。
完全に止まったわけではない。まだ分からない。大人の「話す」は、子どもの願いがそのまま叶うという意味ではない。それでも、昨日より前進している。何もしなければ進んでいた道に、初めて石を投げ込めた。
朝食後、作戦二号も一応実行した。
仮病である。
いや、正確には仮病未満だった。少し具合が悪そうにしていれば、二人がもっと心配してくれるかもしれない。そう思って、ソファに横になり、毛布をかぶり、わざとらしく「んー……」と唸ってみた。
「クリス、熱を測りましょうか」
「……はい」
一瞬で負けた。
ソネットは体温計を持ってきて、慣れた手つきで熱を測った。結果は平熱。むしろ元気。雅律は隣で心配そうにしていたが、途中から少し微笑ましそうな顔になっていた。
「お腹は痛い?」
「……ちょっと」
「どのあたり?」
「んー……このへん?」
「それはお腹というより、眠い時に丸くなる場所ね」
母は強かった。
仮病作戦、即終了。
それでも、完全な失敗ではなかった。ソネットは笑っていたが、馬鹿にしているわけではない。むしろ、こちらの不安が一日で消えるものではないと受け止めてくれたのだと思う。毛布をかけ直してくれて、髪を撫でてくれた。
「怖いなら、怖いって言っていいのよ」
「……うん」
「強くなろうとしなくてもいいの。クリスはまだ子どもなんだから」
それが、少し刺さった。
まだ子ども。確かにそうだ。けれど、中身は子どもではない。少なくとも、普通の子どもではない。未来を知っている。危険を知っている。死を知っている。だから甘えているだけではいられない。
でも、この腕の中では少しだけ甘えたかった。
「ママ」
「なあに?」
「こわいって言ったら、やめてくれる?」
ソネットはすぐには答えなかった。
それが、かえって誠実だった。簡単に「もちろん」とは言わない。仕事には仕事の責任がある。音楽家として、支援活動に関わる人間として、二人には二人の信念がある。自分の怖い夢だけで全部を放り出せとは言えない。
でも、子どもとしてなら言える。
「やだ」
小さく呟く。
「行かないで。いなくならないで」
ソネットの指が止まった。
少しして、彼女は自分を抱きしめた。昨日よりも強く。母親の匂いが近い。涙はもう出ないと思っていたのに、また目の奥が熱くなる。
「……ちゃんと、考えるわ」
それが、その場での答えだった。
その日の夜、雪音家では大人の話し合いが行われた。
もちろん、子どもである自分は参加できない。寝なさいと言われた。素直に寝るわけがない。廊下に出て、足音を忍ばせ、リビングの扉の近くまで行く。盗み聞きである。良くないことだとは分かっている。でも今さら良い子ぶっている場合ではない。
扉の隙間から、低い声が聞こえた。
「クリスの反応が、ただのわがままには見えない」
雅律の声だった。
「ええ。昨日も今日も、本当に怯えていたわ」
「予定を見直そう。現地入りは取りやめる方向で話を進める。公演そのものも、今回は安全が確認できる場所に限定するか、国内からの支援に切り替えられないか相談する」
息が止まった。
現地入りを取りやめる。
その言葉が、頭の中で何度も反響する。完全中止ではない。支援活動そのものをやめるわけでもない。けれど、一番危険な道からは外れた。少なくとも、知っている未来とまったく同じ道ではなくなった。
「いいの?」
ソネットの声は、心配そうだった。
「あなた、ずっと準備していたでしょう」
「準備はやり直せる。だが、クリスの不安を置き去りにしてまで行くべきではないよ。それに、現地情勢も不安定だ。支援の形を変える理由にはなる」
危ない。
廊下で泣きそうになった。
声を出したらバレる。だから口を押さえる。小さな手では心許ないが、それでも必死に口を塞いだ。膝が震える。うまく立っていられない。けれど、倒れるわけにはいかない。
変わった。
本当に、少し変わった。
「クリスには、明日伝えましょう」
「ああ。あの子は、きっと安心する」
安心する。
その通りだった。全身から力が抜けて、廊下に座り込みそうになる。けれど、ここで見つかったら盗み聞きがバレる。そろそろ戻らないとまずい。そう思った時、背後から声がした。
「クリス?」
心臓が跳ねた。
振り返ると、ソネットが立っていた。なぜ。さっきまでリビングにいたはずなのに。いや、扉から離れたところに立っている。つまり、こちらが話に集中している間に、別の出入り口から回ってきたらしい。
母は強い。
何度目か分からない敗北感が胸に広がった。
「……お、おみず」
「そう」
「お水、飲みに……」
「リビングの扉の前で?」
「……道に迷った」
「自分の家で?」
詰んだ。
ソネットはしばらくこちらを見つめた後、困ったように笑った。怒られると思ったが、彼女はしゃがみ込んで、自分の頭を撫でた。
「明日、きちんと話すつもりだったのだけれど」
「……聞いちゃった」
「そうね」
「ごめんなさい」
「悪いことだと分かっているなら、次からはしないこと」
「うん」
素直に頷く。
ソネットは少しだけ目を細めた。怒っているというより、心配している顔だった。彼女は自分を抱き上げ、部屋へ戻るために歩き出す。子どもの体は軽い。こんなに軽いものを置いて、危ない場所へ行こうとしていたのかと思うと、自分でも少しだけ責める気持ちになる。
でも、それは二人が悪いからではない。
世界が悪い。戦場が悪い。悲劇が悪い。
だから撃ち抜く。
「ママ」
「なあに?」
「行かない?」
「危ないところへは、行かないようにするわ。約束する」
「パパも?」
「ええ。パパも」
約束。
その言葉が、胸に染み込んだ。
部屋に戻り、ベッドに寝かされる。ソネットは布団を整え、額に口づけた。子ども扱いだ。今さらながら、少し恥ずかしい。でも嫌ではなかった。嫌なはずがなかった。
「おやすみ、クリス」
「おやすみ、ママ」
「怖い夢を見たら、呼んでね」
「……うん」
扉が閉まる。
部屋に静けさが戻った。しばらく天井を見つめる。今度は知らない天井だとは思わなかった。この家の天井だ。雪音クリスの家。パパとママがいて、朝ごはんの匂いがして、音楽がある場所。
守れた。
完全ではないかもしれない。未来がどう変わるかは分からない。危険な予定をずらしただけで、別の悲劇が来る可能性もある。自分の行動で、もっと大きな歪みが生まれるかもしれない。
でも、今日だけはいい。
今日だけは、最初の標的を撃ち抜けたと思ってもいい。
翌朝、正式に話をされた。
雅律とソネットは、予定していた海外での活動を見直すことにしたらしい。危険地域への移動は取りやめる。支援そのものは、別の形で続ける。安全が確認できる国での公演や、国内からのチャリティー、医療・物資支援への協力に切り替える。
子どもに分かるよう、二人はゆっくり説明してくれた。
本当は、ほとんど分かっている。むしろ、難しい部分まで分かってしまう。けれど、今は子どもとして頷いた。うん。うん。よく分からないけど、危ないところに行かないならいい。そんな顔をして、二人の話を聞いた。
「クリスが怖いと言ってくれたから、私たちも考え直せた」
雅律がそう言った。
「言ってくれてありがとう」
ありがとう。
その言葉に、胸が詰まった。
自分は二人を利用した。泣いて、怖がって、子どもの立場を使って、予定を変えさせた。けれど、二人はそれを責めなかった。むしろ、言ってくれてよかったと言ってくれた。
「……うん」
それ以上は言えなかった。
泣きそうだったから。
その日の午後、鏡の前に立った。
昨日より少しだけ、姿勢を正す。目は泣き腫らしている。鼻も少し詰まっている。どう見ても強そうではない。けれど、胸の中には小さな勝利があった。まだ弾丸はない。まだ歌も知らない。それでも、未来の一部を変えた。
「撃ち抜いてやったぜ」
言ってみる。
鼻声だった。
まったく決まらなかった。鏡の中の幼い自分は、涙の跡を残した顔で、精一杯悪ぶっているだけだった。あまりにも迫力がなくて、思わず肩の力が抜ける。
「……んー、まあ」
素の声がこぼれる。
「最初にしては、上出来……かなぁ」
鏡の中の自分が、少しだけ笑った。
その笑顔は、知っている未来の雪音クリスとは違っていた。傷だらけで、怒っていて、誰にも近づかせないための顔ではない。守れたものがある子どもの顔だった。
けれど、その瞬間に気づいた。
一つ変えた。
なら、次も変わる。
両親が生きている未来は、知っている未来とは違う。自分がこの家で育つなら、あの孤独な雪音クリスにはならない。二人が生きていることで、自分の歌も、適性も、出会う人も、全部少しずつズレていくはずだ。
怖い。
それでも、もう戻れない。
「いいよ」
鏡の中の自分に向かって、小さく頷く。
「ズレるなら、ズレた先でも守ればいい」
言い切った直後、部屋の扉が開いた。
「クリス、おやつにしましょう」
「はぁい」
反射的に返事をしてから、しまったと思った。
今の声は完全に素だった。強気でも何でもない。鏡の前で決意を固めた直後に、母のおやつに釣られて元気に返事をしてしまった。雪音クリスとして、それはどうなのか。
いや、いい。
おやつは大事だ。
世界を変えるにも糖分は必要だ。
「あ、いや……うっせぇ! 今行く!」
慌てて言い直す。
廊下の向こうで、ソネットが楽しそうに笑った。
「はいはい、強いクリスちゃん」
「ちゃんって言うなぁ!」
叫びながら部屋を出る。
階段を駆け下りる足音が、家の中に響く。台所からは甘い匂いがした。リビングからは雅律のバイオリンの音が聞こえる。ソネットの歌声が、それに重なる。
この音を守った。
今日だけは、そう思っていい。
まだ銃はない。まだ戦い方も知らない。けれど、最初の平和防衛戦は、どうにか勝利で終わった。
そして私は、おやつの皿を前にして、ひそかに次の標的を考える。
次に守るべきものは、きっともうすぐ向こうからやって来る。