透明な捕食者は、今日も退屈な日常を蹂躙する   作:味噌汁ちゃん

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もうちょい攻めれるかな〜


第3話:忠犬の皮を被った猛獣

図書室での西園寺麗華の、あの蕩けきった表情は今も脳裏に焼き付いている。あの日以来、彼女は以前にも増してどこか上の空で、講義中も時折、自分の肩や胸元を無意識に撫でるような仕草を見せるようになった。俺はその姿を、親友の瀬戸との他愛のない雑談をこなしながら、静かに、そして貪欲に観察している。

「おい零、最近の西園寺さん、何かあったのか? あのお嬢様がどこか上の空で、妙に色っぽいというか……」

「そうか? ただの疲れじゃないのか」

「だといいんだが。……まあいい、せっかくの学園祭シーズンだし、お前ももっと積極的にいけばどうだ? 二階堂あたり、高嶺の花を落とすコツでも考えてみろよ」

 瀬戸がスマホで二階堂美咲のSNSを見ながらニヤついている。俺たちはいつものように、女子学生たちの噂話で盛り上がる「ただの阿呆なコンビ」を演じている。だが、俺の中で次のターゲットは既に決まっていた。

 二階堂美咲だ。彼女は俺に対する疑念を強めており、俺の周囲を鋭い視線で探るような行動を繰り返している。その張り詰めた緊張感、俺を暴こうとする必死な形相を、完全に内側から破壊してやりたくなった。

 美咲は今日も、放課後のキャンパス裏の小道を一人で歩いている。

 そこには、どこかの学生が講義中に預けているのか、一匹のゴールデンレトリバーが首輪を繋がれたまま待機していた。

 俺は瀬戸に「ちょっと用事があるから先に戻るわ」と告げ、死角へ回り込み、意識を集中させた。

 ――全細胞、光学透過。気配遮断。

 風景に同化し、俺は影のようにその犬の横へと滑り込み、自分自身の肉体を操作し始めた。俺の体は、「その犬」そのものへと変質する。光学迷彩などではない。今の俺は、紛れもない本物の犬だ。

 俺は尻尾を振り、美咲の足元へとトコトコと駆け寄った。

「あら、可愛いワンちゃんね。どこかの学生さんの?」

 美咲は足を止め、俺の頭を優しく撫でた。俺は「ワン」と鳴き、彼女の手に鼻先を擦り付ける。彼女の指先が首筋を撫でるたび、俺は本物の犬のような愛らしさを装いながら、彼女の隙を虎視眈々と狙っていた。

(視点:二階堂美咲)

 放課後の静かな小道。最近の私は、何かに常に監視されているような、奇妙な圧迫感に悩まされていた。

 (……私は、一体何を恐れているのかしら)

 ふと視界に入ったのは、大人しい一匹の犬。私はその柔らかな毛並みに触れ、少しだけ肩の力が抜けるのを感じた。

 (可愛い……。少しの間だけ、癒やして頂戴)

 犬はとても人懐っこく、私の足元に体を擦り付けてくる。私はしゃがみ込み、その頭を撫でた。犬の温もりは、最近の私の張り詰めた心に、不思議なほど心地よく響いた。

(視点:相馬零)

 美咲の警戒心は、犬に対する無防備さで覆い隠されている。俺は好機と見て、彼女の膝へと頭を乗せた。そして、そのまま顔を上げ、彼女の喉元、顎のラインから首筋へと、熱い舌先を這わせた。

 俺は鳴き声を上げながら、彼女の肌を執拗に舐め上げる。ザラリとした舌の感触。本物の動物の唾液ではない、俺自身の意志を持った熱が、彼女の皮膚を蹂躙する。

 (敏感なところ……ここか?)

 俺は首筋から耳の裏、そして彼女のシャツの襟元から覗く鎖骨のくぼみへと舌を滑り込ませた。美咲は犬に舐められていると思っているからこそ、身をよじるようにして困惑を露わにする。その顔は、いつもの凛とした高嶺の花のものとは違い、野生の獣に翻弄される獲物のそれだ。

「っ、や、やめ……っ! くすぐったい、わよ……っ!」

 彼女は自分の身体に何が起きているのか理解できず、ただ混乱して尻餅をついた。俺は畳み掛けるように、彼女の足元から腰回り、そして太ももの内側へと鼻先を潜り込ませた。

 (犬の皮を被っていれば、どれほど卑猥に舐め回しても、彼女は「動物の行動」として誤魔化されてしまう)

 俺は彼女の太ももの内側に舌を這わせる。柔らかな布越しではなく、時折鼻先で布を押し上げ、その奥の素肌に近い場所を舌でなぞる。

「ひゃあぁあ……っ! あ、だめ……っ、そんな、ところを……っ!」

 美咲は信じられないものを見る目で、自分の膝に顔を埋めたままの俺を見つめた。彼女の理性が崩れかける音が聞こえる。

 俺はさらに、彼女の腕、脇、そして服の隙間から覗く素肌のあらゆるところを、執拗に舐め回し続けた。

 美咲は崩れ落ちたまま、膝を抱えていた。その瞳には、恐怖と困惑、そして抗いようのない羞恥心が渦巻いている。彼女は自分の太ももの内側を舐め回され、さらには無防備に開かれた脚の付け根付近にまで執拗に舌を這わせる「犬」を、突き放すことができない。

(視点:二階堂美咲)

 ……頭が、真っ白。

 この犬は、どうしてこんなに……。ただの動物の、愛嬌のあるスキンシップではない。まるで、私の身体の最も弱いところ、自分でも触れたことのない秘密の場所を、すべて見透かして蹂躙しているような……そんな、悍ましいほどの熱。

 (あ、ぁ……っ! だめ、そんな……っ!)

 私が脚を閉じようと力を入れるたびに、犬の鼻先がそれをこじ開け、より深く、より際どい場所へと舌を送り込んでくる。熱い。喉の奥から、自分でも聞いたことのないような湿った声が漏れ出て、恥ずかしさで死にそうになる。

 (誰か、見て……いや、お願い、見ないで……でも……っ!)

 高嶺の花として完璧を求められ続けてきた私にとって、この無様な姿は地獄そのもののはずだった。けれど、首筋から鎖骨、そして太ももの内側へと這うその熱に、私の意識はどろりと溶かされていく。

(視点:相馬零)

 美咲の体は、限界を迎えていた。彼女の凛とした表情は崩れ去り、ただの「快楽に屈するだけの雌」のそれになっている。

 俺は犬の姿のまま、彼女のブラウスの胸元を鼻先で押し上げた。ボタンが一つ、弾け飛ぶ。そこに現れたのは、淡いピンク色のレースに包まれた、豊満な果実だ。俺は視覚と嗅覚、そして触覚で彼女のサイズを推測する。Cカップ、いや、今の彼女の興奮状態なら、Dカップに近い膨らみがあるだろうか。その柔らかさは、掌で包み込むと手に余るほどの官能的な弾力で俺を迎え入れた。

 俺は鼻先で下着の端をずらし、その柔らかな頂点を直接舌先で捉える。

「ひゃぁあああぁっ!!」

 美咲が、見たこともないような甲高い嬌声を上げた。

 瞳からは涙が溢れ出し、口元からは糸を引くほどの涎が滴り落ちる。彼女は激しい快感に全身を硬直させ、指先で地面を掻きむしった。

 (そう、その顔だ。普段の完璧な姿からは想像もつかない、あまりに無防備で、あまりに卑猥な絶頂の表情)

 俺は彼女の胸元を執拗に舐め回し、そこから腹部、そして細く引き締まったウエストのくびれをなぞるように舌を滑らせる。彼女の吐息はすでに悲鳴に近く、息も絶え絶えになっていた。

 彼女の身体は、俺の舌先一つで限界まで追い詰められ、何度も何度も快感の波に飲み込まれていく。涙と涎で顔を濡らし、あえぎ声すら枯れ果てた頃、美咲は最後に大きく体を反らせた。

 「ぁ、あああぁぁッ……!!」

 彼女の全身が激しく痙攣し、意識が完全に白濁する。絶頂の余韻に浸り、彼女は泥のように図書室の隅の小道で崩れ落ちた。

 十分に堪能した。俺は最後に、彼女の耳元で小さく鳴き声を上げると、ふっと力を抜いた。

 ――全細胞、光学透過解除。

 俺は影のようにその場を離れた。小道の角を曲がり、完全に姿を消す。

(視点:二階堂美咲)

 ……夢、だったのかしら。

 気づけば、私は小道の真ん中で座り込んでいた。服は乱れ、身体のあちこちが濡れていて、ひどく熱い。

 (誰もいない……犬も、どこかへ行ってしまった?)

 胸元のボタンが弾け、下着が露わになっている。その事実に気づいた瞬間、私は自分の胸元を押さえて震えた。

 (誰か……誰かが、いたの。確かに、そこに……)

 自分の身体に残る粘り気と、火照り。それは間違いなく、さっきまで私の身体を蹂躙していた「何か」の痕跡。私は涙をこらえながら、震える手でブラウスを直した。悔しい。恥ずかしい。でも、それ以上に……。

 (……私は、誰に触れられていたの?)

(視点:相馬零)

 俺は数分後、何食わぬ顔で瀬戸の待つラウンジへ戻った。

「おう零、遅かったな。何してたんだよ?」

「いや、ちょっと近道してたら、美咲さんに会ってな。少し話してたよ」

「なんだと!? あの高嶺の花と二人きりだと?」

 瀬戸が興奮気味に詰め寄ってくるが、俺はコーヒーを一口飲み、窓の外の青空を眺める。

 美咲の香りが、まだ指先に残っている。彼女が今、あの小道で何を思い、どうやって震えているかを想像すると、それだけで飯が三杯は食える。

 誰にもバレない。誰にも気づかれない。

 俺の日常は、誰よりも濃密で、誰よりも低俗な愉悦に満ちている。

 美咲の疑念は、今の蹂躙でさらに複雑なものになったはずだ。次は彼女をどうやって精神的に追い詰め、その高貴な仮面を剥ぎ取ってやろうか。

 俺の欲望は、まだ底を知らない。キャンパスという名の遊び場は、今日も俺を待っている。

 俺は「平凡な大学生」の顔を作り、瀬戸のつまらない話に笑いながら、新たな「悪巧み」を脳内で組み立て始めた。

 ――さて、次は結衣か、それとも美咲をもっと深く、底なしの沼へ沈めてやるか。

 俺の歩む先には、誰にも知られることのない、退屈とは無縁の地獄が広がっている。その地獄こそが、俺の、最高に幸福な楽園なのだ。

 

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