ダンジョン潜って美少女配信者を助けてバズるとか無かったけど、なんか凄いことになった件   作:にがりの少なかった豆腐

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雑魚処理

 

 この空間、今では先に続く道が出来ているが、俺が初めてここに到達したときはそんなものはなく、本当に先はないのかとあれこれ探しているうちに先に進む道を開くためのギミックを見つけて、先に進めるようになったのだ。

 

[この部屋、何か変…]

[待ってこの部屋ってダンジョンの最下層にある小部屋なんじゃ]

[でも、先に進む穴があるが?]

[何なんだろうここ]

[本当にどこにあるダンジョンなんだ]

 

 なぜか困惑しているチャット欄のコメントを横目にこの先にある空間へ移動した。

 移動した先は今までの景色とは異なり、完全に森の中のような場所になっていた。

 

「早速お出ましか」

 

 出入口を出てすぐ何かが迫ってくる音が聞こえ、樹の影に隠れていたサル型のモンスターが飛び掛かって来たので対処する。

 ここからの階層は今までの階層と比べて、侵入してきた者に対しての殺意が高くなっている。

 

「立ち止まると永遠にモンスターが襲ってくるから少し急ぐな」

 

[ベノムデスモンキーで草]

[こいつって深層でも下の方に出てくる奴じゃなかったか? 入ったとたんに出てくるとかおかしくね]

[永遠と?]

[そもそも階層移動した瞬間にモンスターが襲い掛かってくるとか聞いたことないんだが]

[また瞬殺]

[おかしいて]

 

 森の中を縫うように進む。

 その最中もわらわらと最初に出てきたモンスターと同じやつらが次々と襲い掛かってくるが、1体当たりの強さはそこまでなので、対処するのは難しくない。

 

[なんで走りながら対処できる?]

[死角から来ているのも普通に倒しているし、何なんだよ]

[ほぼ蹂躙じゃんこれ]

[おかしいな、ここまでモンスターが寄ってきているのに移動の足が減速しているように見えない]

[全部ワンパンで草、まった草じゃねえわ]

 

 次々と寄ってくるモンスターに少しうんざりするが、この階層はこういう物らしいのでこうなっても仕方がない。それによって来るモンスターは所詮雑魚なので、数が多くて面倒なだけで特に苦労することはない。

 

「本当に多いなこの階層は」

 

 移動しているにもかかわらず、倒しても倒しても寄ってくるモンスターに嫌気がさして愚痴が漏れる。

 

 実のところ普段は爆速で移動して寄ってくるモンスターを振り切って強引に次の層へ移動しているのだが、今回はあくまで実力を示すのが目的なので無視せず処理している。

 

[ムっちゃ寄って来てて草]

[ずっと剣振っているみたいだけどほぼ残像しか見えないw]

[おかしいってマジでさ]

[近づく端から消し飛んでいるんだが]

[こんなにわらわらモンスター寄ってくるダンジョンとか知らん]

[モンスターハウスかってくらい襲い掛かってきてるな]

 

 さすがに数が多いのでチャット欄を常時確認することはできないが、ちらちら見えた部分の反応はまあ悪くないようだ。若干俺への反応というよりもダンジョンに対する反応が多い気もするが、とりあえずまあいいだろう。

 

 そうして寄ってくるモンスターたちを倒しながら、次の階層への入り口までたどり着いたが、そこにはゲートキーパーのように出入り口を守るように1体の大型モンスターが陣取っていた。

 

「もうゴリラ君。邪魔だからどいてくれよ」

 

 ゴリラとライオンを足して2で割ったような見た目のモンスターは、俺の言葉を拒否するように咆哮を上げ、飛び掛かって来た。

 勝手に寄ってきてくれるので攻撃しやすくていいのだが、当然この間も他のモンスターたちは俺に襲い掛かってきている。

 

[ゴ、リラ?]

[えぐい顔してるけど、どっかの狩りゲーで見たことあるような見た目だな]

[ゴリライオンだ?]

[こんなに早くゲートキーパー?]

[他のモンスターも普通に襲い掛かって来てるのやばくね。殺意高過ぎねえ?]

 

 止まることなく襲い掛かってきているモンスターを倒しながら、飛び掛かって来たゴリラ君を両断する。

 先ほどのゴーレムほど大きくはないがそれに近いサイズをしているため、切った後の死体や滴る体液に当たらないよう距離を取る。

 

 一応この階層のボス的存在を倒したことで、新たに襲い掛かってくるモンスターはいなくなった。そのことをしっかり確認してから少し息をつき、改めてチャット欄を確認する。

 

[まーた一撃]

[追加来なくなったな]

[こいつ倒すと来なくなるのか]

[マジで強いなこいつ]

[こんだけやって剣の状態とか大丈夫なのか? 刃こぼれとかしてそうだけど]

 

「こいつは俺の自信作でほぼ刃こぼれはしないな。ま、したところですぐに再生するし」

 

 見た目はシンプルな剣だが、こいつは俺が丹精込めて作り出した剣なのだ。この程度のモンスター相手に雑に扱ったところで刃こぼれするようなものではない。

 

[再生?]

[あれだけ使って刃こぼれゼロはないだろ。どんな金属使ってんだよ]

[ずっと切れ味いいし、何なら返り血とかも一切ついてないんだよな。単純にこいつの技量の問題かもしれんが]

[血とかは単に剣の振りが早いから切ると同時に吹き飛んでいるだけでは]

[素材何使ってるの]

 

「こいつはアダマンタイトをベースにオリハルコンとミスリルを少し、後はディメス鋼を使った合金を使っている。他にもいくつか入っているが微量だ」

 

 ディメス鋼は再生する金属として有名なものだ。後の金属も見つかるまでは伝説上の(ファンタジー)金属と呼ばれていたもので、ダンジョンの中で少量ではあるが産出される。

 魔力を使ってこいつらを合成し、その合金を俺自ら鍛錬し形成したものが今俺が使っている剣になる。

 

[オリハルコン!?!?]

[なんだその夢の合金www]

[え。てことはその剣だけでも数億クラスの金がかかっているってこと]

[億で済むのか?]

[そもそもファンタジー金属同士で合金化できたのか]

 

「ガチで手間はかかるが、できなくはない。正直、俺は数百億積むから新しく作ってくれって言われても拒否したくなると思う」

 

[どれだけ手間かかってんだよw]

[百億拒否とかすげーな]

[でも、その位なら強いんだし自力で稼げるんじゃね]

[見た目地味なのに、スゲー剣だったのか(◎_◎;)]

[実際売ったらいくらになるんだろうな]

 

 作っている途中、思い付きで作ろうと思ったのをマジで後悔したからな。やり始めた以上最後までやったが、本当に苦行のような時間だった。

 まあその分、すごくいい剣が出来たから、出来上がったときは無茶苦茶気分が良かったけどな。

 

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