ダンジョン潜って美少女配信者を助けてバズるとか無かったけど、なんか凄いことになった件   作:にがりの少なかった豆腐

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大穴に飛び込んで

 

 

 ドラゴニクスが居た階層からさらに下へ移動した。

 

 この階層は上2つとは異なり、完全に荒れ果て荒野と化した元森の中を進むことになる。

 見晴らしのいい階層ではあるのだが、1つ問題がある。

 

[また即行で階層移動したし]

[何もなくね]

[倒木ばっかりだな。火事でもあったのか?]

[モンスター居なくね]

[どんなエリアだここ]

 

 そう、この階層。マジで何もない。何か岩などの障害物があればまだましだったかもしれないが、それすらもないのだ。あるとすれば辛うじて燃料にできそうだが木材としては使えそうにない倒木だけ。

 

 この階層は先に進めるようになるまでマジで手古摺ったからな。本当にまさかの攻略ルートだからなぁ。そのルートの可能性を思いついたとき、さすがに俺も自分を疑ったし。

 

「この階層はマジで悪質というか、意地が悪いんだよ」

 

[どういうことや]

[モンスター居ないなら攻略は楽だろ]

[あの階層の次だから簡単に行けるとは思えないけど、こいつだからなぁ]

[意地悪って何だよ]

[見渡す限り荒れ地過ぎる]

 

 この階層は普通に次の階層への出入り口を探そうとすると見つかることはない。ここが俺的に意地が悪いと思っているところなのだが、その理由を知れば視聴者たちも同じことを思うだろう。

 

 荒野の中を進んで行き、この階層の中心に存在している大穴の前に到達した。

 

「ここはマジで最初に見つけた時は信じられなかった」

 

[ダンジョン内の大穴とかどこに繋がっているかわからないやつ]

[まあ落ちんようにな]

[落ちたら死確定]

[飛び込んでみるw]

[ダンジョンの中にある穴はマジで怖い。底なしパターン多いんだよな]

[え、うそだろ]

 

 本当に底が見えていないここに飛び込むとか考えないよな。普通は。

 

 この階層の正規ルートがここに入るって気づくまで本当に時間がかかった。ダンジョンの中にある底なし穴には入るなって先入観があるとマジで入りたくないからな。

 普通は下手しなくても死ぬし。

 

「ここから先少し暗くなるけど、気にするなよ」

 

[ん(。´・ω・)?]

[え、何そういう事]

[まじで飛び込むのか(@_@)]

[いやこれ地獄への落とし穴だろ。入ったら帰ってこれなくなるやん]

[なまじ、中に入っても死なないとして、どうやって帰ってくるん?]

[こいつなら普通に帰ってきそうな気もするが]

 

 視聴者に注意してから大穴の中に飛び込む。

 飛び込んだ後は重力に従い穴の底へと加速しながら落下していく。そして十秒近い浮遊感を覚えたのち、衝撃を受けることなく地面に着地した。

 

 降り立った先の空間は薄暗く、空間の端まではっきりと見ることが出来ない。

 着地してから数秒、こちらに向かって大量に何かが迫って来ている音が響いて来た。

 

[穴の底ってこんな感じなのか]

[事故配信の時はそのまま永遠に落下して突然映像が切れたけど、ここは違うのか]

[すげぇ嫌な予感するんだけど]

[地響きからして何かは予想がつくような、考えたくはないが]

[落下の衝撃がないの変だな]

 

 視聴者の中にもこれから起きることを予測出来ている人が多いようだが、これから起きるのは2つ前の階層でやられたあれよりも度合いが桁違いの襲撃だ。

 

 薄暗い空間にその地響きを上げている存在たちの姿が浮かび上がる。

 周囲360度、全方向からモンスターが俺に向かって殺到する光景は圧巻であるが、正直これは少し温めだと思う。

 周囲からモンスターが襲い掛かってくるわけだが、上や下からの奇襲は存在しないので、対処はそこまで難しくないのだ。

 

[予想通り過ぎて吐き気がする]

[モンスターハウス的な場所か]

[いや2つ前に同じようなことしたやんか]

[落下してすぐに襲われるとかやばあ!]

[絶望やん、普通のやつだったら]

[何か余裕そうに見えるし、普通に勝てるんでしょ]

 

 モンスターたちが俺のところへ到着する前に、正面から迫って来ていたモンスターたち目掛けて一気に距離を詰める。そして接敵した瞬間、魔力をまとわせた剣を思い切り振りぬいた。

 

 そしてそのままモンスターたちの中に入り込み、一気に数を減らしていく。立ち止まればそのままモンスターの勢いに呑まれてしまうので、足を止めることなく、次々と迫って来るモンスターたちをまとめてなぎ倒していく。

 

「数は多いがやっぱそんなに強くないよな」

 

 時々大型モンスターも混じって襲い掛かってくるが、むしろデカい的でしかないため、苦も無く討伐を進めていく。

 

[うぉおお!]

[自分から突っ込んでいった!]

[無双ゲーやんこれ]

[今普通にドラゴン混じってたけど、あっさり消えたな]

[ワンパンで消し飛ばしてるのやっぱおかしいよ]

[明らかに一振りで10体以上倒してるでしょ! (≧▽≦)]

 

 戦い始めだけあっていくら倒してもモンスターの数が減っている感覚はないが、倒していけばそのうちいなくなることはわかっているので、淡々と向かってくるモンスターを処理していく。

 

[ガンガン倒しているのに数が減ってる気しないのやんばい]

[もう何なんだよこいつは]

[もしかしてこいつ国内最強なのか?]

[最強さんは最近表に出てきてないからなぁ]

[さすがにそれはないんじゃね]

 

 ある程度数が減って来たので、モンスターを殲滅する手を止めずに軽くチャット欄を表示しているスマホを確認する。

 どうやらこの光景を見て俺の実力を実感している視聴者は多いようだ。これなら問題ないだろう。

 

 しかし、本当に今回の配信は視聴者数がありえないくらい伸びているな。もう30万を超えている。

 ここまで来ると伸びている程度の言葉では表せないくらいだが、これまでやっていた配信は何だったのかと思うくらいに反応が良すぎる。

 

 最初からこの方向性で配信していたらどうなっていたのだろうか。

 美穂から聞いた感じ、今は話題性で視聴者数が増えているらしいから、普通にこの配信をしていたらさすがにここまでは伸びていなかっただろうな。

 だが、俺が今までしていた配信よりも圧倒的に人気が出ていたであろうことは容易に想像できる。

 

 本当にこういう配信がウケのとかもっと早く知りたかった。いや、元々参考にした配信もかなり受けはよかったはずなんだが、俺の配信と何が違ったのか。

 

[こいつこんな状況でスマホ確認してやがる(;'∀')]

[どんどん数が減ってて草]

[ちょっと前まで減ってる感じしなかったのにマジで速いな。これ剣1本でやってるってマジ?]

[一振りで何体倒しているんだよこいつ]

[殲滅機やん]

[ここまで来ると動きえぐくてきもい]

 

 あれこれ考えながらモンスターを倒し続け、ようやく最後の一体まで討伐し終えた。

 

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