ダンジョン潜って美少女配信者を助けてバズるとか無かったけど、なんか凄いことになった件   作:にがりの少なかった豆腐

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当事者に聞くのが一番早い

 

 配信を始めて早々。視聴者数がすでに3桁を突破していた。

 自分の記憶では、このくらいの登録者の同時視聴数はそこまで多くなかったと記憶しているが、このペースなら相当な視聴数になりそうな予感がする。

 

 今まで経験したことのない視聴者数にかなり緊張するが、やることは今までとそこまで変わりはない。

 

[やめるって言ったのに配信始めてて草]

[よかった戻って来た]

[確認配信って何やねん]

[あの映像どうやって作ったのか教えてくれ。出来れば使ったアプリもな]

[気づくのに1週間かかったなぁw]

 

「これどういう状況?」

 

 配信画面が動き出した瞬間から複数のコメントがチャット欄に流れていった。今まで見たこともない速度で流れていくのに驚きつつもコメントを1つ1つ確認していく。

 どうにも俺がまた配信するかどうかの賭けをしていた視聴者もいた様子。後はなぜか映像製作関係のコメントが流れているが、正直これが一番意味不明である。

 

[こっちが聞きたいわ]

[配信再開してくれて助かるけど、何の配信これ]

[この配信は何が目的ですか]

[目的なく配信したって良い]

[で、なにこれ]

 

「いやさ。さっきチャンネル消そう思ってログインしたら見たことない数の登録者数になっててさ。理由もわからないし、当事者のあんたらに聞けばすぐわかるだろうと思って配信してる」

 

[わからない……?]

[調べればわかるんじゃないかなぁ]

[最後の配信終えてから半日後位にバズってたから、今調べても出てこないのか]

[いやそれはない。普通に出てくる]

[あえて視聴者に聞きに来るの草]

 

 どうして登録者が増えたのかその理由に気づいていない俺に対し、割と視聴者たちは辛らつな反応を返してきた。

 しかし、動画の感想やSNSの反応を見てもどうしてここまで増えたのかははっきりとわかっていないのだ。

 

「調べても意味わからんコメントしか出てこなかったんだから仕方ないだろ。コメントの多さ的にも最後の配信の何かが原因なんだろうくらいはわかるが、その部分がよくわからん。嘘つきとか言われても何のことなのかわからんし、使っている動画編集アプリを教えてくれとか言われても、使ってないからそもそも教えられん」

 

[なんでその※ピックしたw]

[アンチコメを的確に拾っていくスタイル]

[いまアーカイブの感想見たらアンチわらわらで草]

[お前がドラゴン瞬殺していたからだよ]

[お前の強さに惚れたそんだけのこと]

 

 本当に信じられないくらいのコメントがチャット欄に流れていく。出来れば配信を終わらせる前にこの光景を見てみたかったが、もうやめると宣言した以上再開する予定はないのだ。

 

「ドラゴン? あの配信でドラゴンなんて倒した記憶はないんだが」

 

 基本配信では採取系を主にやっていたし、最後に倒したのはドラゴニクスであってドラゴンではない。

 

[え?]

[倒してませんでしたっけ?]

[やっぱり嘘だったのか!]

[正確に言えばドラゴニクスを瞬殺していた]

[あれはドラゴンではなくドラゴニクスというドラゴンの上位種族です。間違えないように]

 

「ああ、そいつのことか」

 

 なるほどなあいつをサクッと倒したからこれだけ視聴者が増えたってこと……なのか?

 

「あいつってそこまで強いわけじゃないだろ。ダンジョンの中だったらもっと強いのはうじゃうじゃいるし、強くないとは言わんがかなり倒しやすい方だろ」

 

 動きが速いだけで割と動きは単調だし、ブレスを吐いてくる頻度もそこまで高くはない。変に瞬間移動するみたいな特殊能力があるわけでも姿を隠す厄介な能力を持っているわけでもない。

 簡単に言ってしまえば、フィジカルが異常に高いだけのトカゲとそう変わりはしないのだ。

 

[こいつ何言ってんの]

[そこまで強くない…………?]

[あれで弱いとかありえんだろ。着地点の地面爆発したみたいになってたんだぞ]

[↑弱いとは言っていない]

[↑強いとも言ってない]

 

「俺何か変なことでも言ったか?」

 

 俺の言葉にチャット欄に流れてくるコメントの多くが困惑したような内容に変わった。

 

「ぶっちゃけあいつは高速で突っ込んできてそのまま突進して来たり噛みついたり、殴ってくるくらいしか攻撃手段がないから対処するのは難しくないだろ」

 

[それが難しいって言ってんの!]

[超人は常人の感覚が理解できないらしい]

[さすがにイキり過ぎでしょ。さむいよ]

[まあ確かにあの動画ではそのままのことをしているわけだが……でもねぇ]

[まあ、ともかく登録者が増えた原因はその部分だよ。自分自身では理解できないかもしれないけど、あれを見てすげーとかいろいろ思ったやつがこぞって登録した結果ああなった。そんだけよ]

 

 どうにも俺の返事の内容が気に食わないらしく、少し語気が強くなっているようなコメントが多くなる。しかし、その中にちゃんと理由をまとめてくれたコメントが流れてきた。

 

「あーなるほど? 外から見た自分とかどう思われているかわからないものだし、とりあえずそういう理由なわけな」

 

 正直、あれがすごいという認識はないし、あれだけでここまで登録者の数が増えるとも思えないが、配信を始めてからチャット欄のコメントを見た感じそこまで間違ってもなさそうだ。

 

[こうやって配信しているけど、また配信すんのw]

[登録者も増えてるし、やめる必要なくなったねw]

[煽りコメが多くて草]

[話題になればその分変なのが寄ってくるからな]

[まさか再開するんですか?www]

 

「する予定はないが?」

 

 どうしてまた配信をするようになると思っているのか。一度もうしないと言った以上、それを撤回するつもりはない。

 

[え]

[はい?]

[じゃあなんでこの配信してんのさw]

[しないの?]

[強がるなってw]

 

「マジでこの登録者数がどうなってるのか聞きに来ただけだぞ。それ以上もそれ以下もない。ま、確認も終わったし、答えてくれた人ありがとうな。それじゃあこれで配信は終わりだ」

 

 そう言ってから少しの間エンディング映像を流し、配信停止ボタンを押して配信を終了した。

 

[こーれは不人気配信者]

[自己中の塊で草]

[おぉおう]

[えぇ、まあ乙]

[マジで辞めるのか、これ]

 

 エンディングの間もチャット欄に高速でコメントが流れていた。出来ればこれを配信活動を終わらせる前に見たかったが、いまさらだな。

 




次話は掲示板回になります。
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