「Hello, Runa. My name is a lily. it is very well. (こんにちわ、ルナ。私の名前はリリーよ。よろしくね)」
「I am very well. (私のほうこそよろしくね)」
―――この会話にも、もう慣れてきた。
私―――瑠奈が今いるのは、イギリス。フランスから始まった撮影も、いつの間にかヨーロッパ全土にわたるようになった。
今出会ったのは、イギリス在住のリリー・タナー。同年代のモデルさん。ブロンドのウェーブのかかったロングヘアー、奇麗なブルーの瞳、整った顔立ち。
とても美人だった。
彼女―――リリーとは、今日から数日間、いっしょに仕事をすることになった。
「Are you a junior high school student? (あなたは中学生なの?)」
「Yes.I am a student of the Raimon junior high school. (えぇ。私は、雷門中学校の生徒よ)」
「Do you have a brother? (あなたには兄弟とかいるの?)」
「Yes. I have two elder brothers. One person of them is my twins. (えぇ。私には2人のお兄ちゃんがいるわ。そのうち1人は、私の双子よ)」
「True one!? (本当なの!?)」
リリーとの会話は面白かった。でも、リリーのブロンドの髪と、親友―――楓の黄髪が被る。そして、どうしても会いたい、と思ってしまう。
そして、お兄ちゃんや京介とも・・・。
「会いたいなぁ・・・」
「Having said very, Runa? (何て言ったの、ルナ?)」
「There is nothing anything. (何でもないわ)」
―――会いたいわ・・・。
イギリスでの仕事は、あっという間に進んでいった。海に行ったり、港に行ったり・・・。町中に出かけたこともあった。リリーとの時間は、とても楽しくて、寂しさを少し和らげてくれた。
―――そして、次はイタリアへ行くことになった。
まだ、日本には帰れそうにもない。
別れの日となった。
「Do we meet again, Runa? (ルナ、また会おうね?)」
「It is natural. Do we certainly meet? (当り前よ。必ず会いましょうね?)」
リリーたちイギリス勢の人との別れ。また会おうね、と約束をし、私はイギリスを飛び立つこととなった。
その足で、私たちはイタリアへ。
「まだ、日本へ帰れないのかしら?」
「そうねぇ・・・まだまだかしらね。少なくとも、1学期中は帰れそうにないわよ」
「そうなの?・・・早く、帰りたいわ・・・」
飛行機内から、雲しか見えない外を眺めながら、私は俯いた。そして、ヘッドフォンをつけて、音楽を聴きほけった。
数時間後・・・。
イタリアの首都、ローマに私は立った。
「んー!気持ちいわねー!ねぇ、マネージャーさん、今日1日は観光してもいいんでしょ?だったら、コロセウムに行きたいわ」
「はいはい、わかったわ。さて、行きましょうか」
「本当に!?やったぁ!」
私は、はしゃいだ。こういう仕事をしていて、楽しいことの1つ。柄にもなく、はしゃぎすぎていて、私は前が見えなくなっていた。
そして、気がついたとき、私は1人の男性にぶつかってしまっていた。
「あっ・・・!」
「Io sono spiacente(ごめんなさい)」
目の前にいたのは、背の高い男の人だった。20代くらいで、茶髪、深いブルーの瞳、世の中でいうイケメンに分類されるだろう。もしかしたら、モデルにでもなれるんじゃないかと思った。いや、どこかで見たことある・・・気が・・・。
「すいませんっ!」
とっさに日本語で謝るが、此処はイタリア。それが通じるはずもないのだが・・・
「あれ、君は日本人かな?」
その男性は、日本語がしゃべれた。異国の地で、同じ言語を話せる人がいるということは、うれしいことだ。
「あ、はい。えっと・・・貴方は・・・」
「僕は、フィディオ・アルデナ。サッカーのイタリア代表なんだ。10年前のFFIにも出たよ」
あぁ、それで見たことがあったのね。
「私は、ルナっていう名前でモデルをやっていて・・・本名は剣城瑠奈といいます。FFIといえば、日本代表のキャプテンは、円堂守さんとかが出ていた奴ですよね?私の兄が、サッカーが大好きで・・・お会いできて、光栄です」
私がそういうと、その男性―――フィディオさんは笑いながら言った。
「そっかぁ。・・・あ、じゃあ、俺もう行かないと・・・。君も、マネージャーさんかな?あの人、前に行っちゃうよ?」
そして、マネージャーさんがもうかなり先にいることを確認して、フィディオさんにお礼を言って、私はマネージャーさんのところへと走って行った。
「ルナちゃんか・・・日本人といえば・・・マモルもだけど、カエデのことも思い出すな・・・」
私の後ろ姿を見つめながら、フィディオさんがそんなことをつぶやいたことなんて、私は知らなかった・・・。
楓ちゃん、かなりキーキャラかもしれない・・・
というか、この子がいるから、結構コラボがかなうんだ←