mix color   作:御沢

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雷門に吹く風
入学式


ハラハラと桜の花びらが、可憐にはかなく散ってゆく。そんな景色を、私は1人、眺めていた。

今日は、雷門中学校の入学式。私、山吹楓も、今年の入学生。

真っ白なブラウスにピンク色のリボン、水色のスカートに紺色の靴下、そして茶色のローファーをはいている。腰には、紺色のセーターを巻いている。

 

 

一見すると、ただの新入生。でも、私は―――

 

 

10年前、イナズマジャパンのFFI優勝は、日本中にかつてない“サッカーブーム”を巻き起こした。イナズマジャパンのメンバーを多く輩出した、此処雷門中学校は、サッカーの名門として、多くのサッカー好きのあこがれの学校となった。

そしていつしか、サッカーの実力が学校の地位まで決めるようになってしまっていた。―――サッカーが弱い学校は、学校としての地位も低い。サッカーが強ければ、学校としての地位も高い。

そんな現在の学校を管理する、サッカー大型組織“フィフスセクター”。そこから派遣されてくる、監視者“シード”。私は、それであり、それでない。

 

 

私のほかに、シードはもう2人。

 

 

1人目は、剣城京介。

私も面識があり、いわゆる幼馴染というやつ。しかし、ここ数年は会っていない。昔は、たくさん笑い合ったりしていたのに・・・。

彼は、公のシード。サッカー部の監視のみが目的。

 

 

2人目は、河原翔。

私と同じく、シードであって、シードでない。サッカーの実力は、そこそこ。

彼は、確かに私と同じ立場だけど、理事長のみ知っている、いわば“陰のシード”。目的は、剣城と同じく監視のみ。

 

 

そして、私。

私は、聖帝・イシドシュウジの勅命で動く、唯一無二の存在。イシドシュウジの正体は、実は豪炎寺修也さん。あの、イナズマジャパンのエースストライカーだった。私は、そんな彼の正体を知る、数少ない存在でもある。

私の存在は、校長も知らなければ理事長ですら知らない。

私の目的は、サッカー部の現状の監視。邪魔をしたり、勝敗指示を出すわけではない。そして、共にサッカー部と“風”を起こしてほしい、というもの。でも、風とは何なのか・・・よくわからない。

 

 

周りを見ても、まだ誰も来ていない。

当り前だ。まだ、入学式まで1時間もある。しょうがないから、私は桜の木に上り、周りを眺めた。

「やっぱり・・・此処からの眺め、最高」

青い空、白い雲、ピンクの花びら・・・そして、稲妻町の街並み。私の長い黄髪が、風になびいた。下を見てみると、ちらほら人がやってきている。その時だった―――。

 

 

ドォンッ!!!

 

 

はげしい大きな音が、サッカーグラウンドのほうから聞こえてきた。はっとして、そちらのほうを見る。

「あらら、セカンドチーム、倒れちゃってる」

そこにいたのは、サッカー部らしき人達と、紫の制服の人。その紫の制服を見て、私は桜の木から飛び降りた。

「あれって・・・剣城?」

私は、グラウンドのほうへと走って行った。

 

 

「やっぱり・・・剣城だわ・・・早くも動いているんだ・・・」

そこにいたのは、やはりサッカー部と剣城だった。サッカー部セカンドチームは、早くもボロボロだった。その時、私の後ろに人気を感じた。はっと振り返ると、藍色のウェーブのかかったショートの女性と、茶髪の天然パーマの男の子がいた。そして、気がついた時には、その茶髪の天然パーマの男の子が、グラウンドへと飛び出していた。やばい、止めなくては・・・!

でも、とめられなかった。彼は、剣城によってボロボロにされていく。

 

 

「あの子、京介に勝つつもりなのかしらね」

「!・・・瑠奈・・・おはよう」

そこにいたのは、今目の前にいる剣城の双子の妹・剣城瑠奈だった。彼女は、私がフィフスにいることも、なぜ剣城がフィフスに入っているのかも、すべて知っている。

「・・・そうみたいね。まぁ、無理だったみたいだけd・・・」

「おまえたち!神聖なグラウンドで何をしているんだ!!」

その時、すごい怒声が聞こえてきた。私たちは、そちらを向く。

 

 

「来たわ・・・雷門中学校サッカー部ファーストチーム。そのキャプテン・神童拓人!」

 

 

「俺は、サッカー部キャプテン神童拓人!」

「神童・・・拓人・・・?だれよ、それ」

「サッカー部キャプテン。その力は、フィフス内でも、高く買われているわ」

神童拓人、剣城京介、そしてこの茶髪の天然パーマ、松風天馬。この3人の力が、これからのサッカー部を、きっと大きく変えていきそう。そして・・・

 

 

“風”を起こすかもしれない・・・!

 

 

 

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