mix color   作:御沢

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どうにもならないこと

「あ・・・こないなぁ・・・」

俺―――松風天馬は、とある人物を探していた。

「天馬っ!なにしてるの?練習始まるよ?」

遠くから、葵や水鳥さん、茜さんがやってきた。

俺はとある人―――剣城を探していると、みんなに打ち明けた。すると、茜さんが

「さっき出て行った」

「えぇ!?」

いつのまに・・・!?

「ど、どっちに行ったんです!?」

「どっちって・・・あっt―――」

水鳥さんが言い終わる前に、俺は水鳥さんの指さす方へと、猛ダッシュした。

「あいつ・・・剣城ん家、知ってんのか?」

水鳥さんが、そういっていることなんて、俺は知る由もなかった。

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

俺は、ユニフォームのまま、無我夢中で走った。しかし、息が切れて、立ち止まる。ぐるりとまわりを見渡すと、俺は見つけた。

「!!・・・剣城・・・」

しかし、すぐに怪訝に思う。だって剣城が入っていったのは・・・病院だったから。

 

 

中に入ると、剣城はエレベーターの前にいた。

「剣城・・・」

つぶやいても、当然それが剣城の耳に、届くはずもない。すぐにエレベーターに走ってゆくが、間に合わなかった。

ようやくついたところは・・・“315 剣城優一”

「そんなに毎日来なくてもいいんだぞ?」

中からは、そんな声が聞こえた。

「気を使うな?」

「気なんて使ってないよ、兄さん」

「―――兄さん?」

ってことは、此処にいるのは・・・剣城のお兄さんなのか?

「練習はどうした?勝ち進んでいるんだから・・・さ。次は準決勝か。全国大会、行けるといいな。瑠奈もそう思っている。楓ちゃんと、一緒に頑張れよ」

「え・・・楓?」

頭が混乱してくる。瑠奈って誰だ?楓って・・・あの山吹楓か?楓は確かにシードだが、剣城とそこまで仲良さそうではなかったけど・・・。

「あぁ・・・」

「?・・・どうした?最近、元気がないぞ?」

「・・・ッそんなことないさ。水、飲んでくる」

あ、やばい!剣城が、やってくる・・・!しかし、隠れるところもなかったし、時間もなかった。

「あ、あの・・・!」

「ッ!・・・お前・・・ッ!」

「君は・・・」

よし、こうなったら、自己紹介だ!

「お邪魔してすいません。雷門中1年の松風天馬と言います」

「京介の、チームメイトだったね」

「はい」

やばい、剣城怒ってる・・・。

「京介をよろしくな」

「あぁ・・・はい。あの、今日は実は、剣城に―――」

「いいからここを出ろ!!」

「あ、あぁ」

話しの最中、剣城に腕をひかれ、俺は病室を後にした。

 

 

「何の真似だ!」

「俺、町で剣城を見かけたから・・・」

「後を付けてきたのか?」

そうか、そうだよな・・・。俺、剣城のプライベートに、突っ込もうとしているんだよな・・・。

「ご、ごめん・・・。お兄さん、どこか悪いの?もしかして、練習に来ないのは、お兄さんの看病の為なのか?」

「うるさい、俺の事に、首を突っ込むな」

そう言い残すと、剣城は病院内に消えて行こうとした。

瑠奈って誰・・・?楓との関係は・・・?

聞きたいことは、山ほどあるのに・・・聞くことは、できなかった。

 

 

最後に、俺は言い残す。

「準決勝の相手、帝国学園に変わったんだ・・・。フィフスセクターが仕組んだんだって、先輩たちは言ってる。帝国学園は、今までの相手とは違う。みんな、勝つための作戦を必死に考えている。そう、楓だって・・・」

ちょっと鎌をかけてみる。剣城が、若干反応する。しかし、至って冷静だった。

「それがどうした?」

言うか言わないか・・・。悩んだけど、やっぱり言おう。

「アルティメットサンダー!勝つための・・・必殺タクティクス」

「アルティメットサンダー?」

剣城が、また反応する。

「でも、それには、剣城の力が必要なんだ!キャプテンが、そういってた!」

「知ったことか」

でも、剣城は冷たい。

「万能坂中途の試合では、本気になったじゃないか!」

「勘違いするな!この前の試合は・・・ちょっとそういう気分になっただけだ!本気でお前たちの仲間になったわけじゃない」

「剣城ぃ!!」

俺は叫ぶ。しかし、剣城は怖い顔で、俺を睨み返す。

「世の中には、どうにもならないことがあるんだ!お前なんかにはわからない!」

俺は、ひるんでしまった。その瞳は、かなり悲しそうだった。

そして、剣城は病院内へと消えて行ってしまった。

 

 

 

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