とうとう帝国学園との試合だ。
昨日の剣城との会話が、昨日から頭から離れない。剣城も、戦ってるんだ。たった1人で・・・。これは、俺たちには、どうすることもできない。
実はあの後、楓と話をした。
―――昨日
「楓、ごめんね。練習で、疲れているのに・・・」
「いいのよ。それより、今日遅れたのは・・・剣城関係ね?顔を見ればわかるし、天馬がサッカーの話をするときは、もっと顔が輝いてるもの」
楓は、すべてを見透かす。
俺は、包み隠さず、剣城とのことを話した。楓は、真剣に聞いてくれた。そして、ふっと笑った。
「楓・・・?」
「ごめん・・・。天馬、剣城の事は大丈夫。私と剣城は・・・シード時代は、良きライバルだったの。瑠奈っていうのは、そのうちわかるわ。私は、剣城のお兄さん―――優一さんと知り合いなだけ。だから、何回かあったことがあるの」
ちょっと疑問は残るけれど、とりあえず謎は解決した感じになった。
―――今日
帝国学園は、大きかった。正面に、“帝”をかたどったものがあった。シンボルだろう。
「帝国学園も、変わったな」
「えぇ・・・まるで、軍隊みたい・・・兄さんも・・・どこか、別人みたいで・・・」
「勝ち進めば、絶対に理由がわかります」
端の方では、監督と音無先生と楓が、話している。楓は、やっぱり他のメンバーとは違う。先輩方とも違う。
俺はいつも通りMF。倉間先輩と楓がFWで2トップ、俺とキャプテン、浜野先輩、速水先輩がMF、信介、霧野先輩、車田先輩、天城先輩がDF、そして三国先輩がGKだ。
メンバーは11人いるものの、補欠がいないことはつらい。アルティメットサンダーで、足にダメージが行くことは目に見えているから、足がやられてしまうかもしれないし・・・。
倉間先輩、キャプテン、速水先輩、浜野先輩が、前はしなかった前向きな会話をしている。嬉しくなる。
「そうですよ!頑張れば、きっと道は開けます!」
「そう簡単に行けば、いいんだけどな」
きた、倉間先輩の毒舌。その言葉さえ、今は嬉しい。
「それにしても・・・今までの相手とは、迫力が違うぜ」
確かに・・・俺は、車田先輩の言葉を聞いて思う。きっと、この中にはシードが・・・。
「迫力は違っても・・・試合には変わりないわよ」
楓が、俺たちの心を見透かしたように、言葉をかけてくれる。その言葉は、心の奥に染み渡った。
ふとベンチを見ると、監督と先生が、何か話をしている。そして、音無先生は、どこかへと向かった。
一方楓は、帝国側のベンチを見て、切なそうな顔をする。帝国の監督らしき人と目が合うと、より一層切なそうな顔になる。でも、目には力がこもっていた。
ピーッ!!
ホイッスルの音で、試合が始まった。
倉間先輩が、楓にパスを出し、楓が上がっていく。楓は浜野先輩にパス。しかし、先輩はマークされる。
「浜野先輩!」
俺はすかさず先輩のところへ向かうが、俺もマークされる。
「神童!!」
先輩が、キャプテンにパスを出す。・・・が、パスはさえぎられる。
ボールは、どんどんパスされていき、とうとう帝国のキャプテンがゴール前へと上がっていく。DFも突破されてしまう。
「これが帝国学園・・・。今までの相手と、全然動きが違う!」
そうしている間も、どんどん上がっていく帝国のキャプテン。そしてとうとう、ゴール前、三国先輩と一騎打ちだ。
シュートはノーマルシュートだった。しかし、パワーは結構大きかった。三国先輩は、バーニングキャッチで、何とか止めた。
しかし、ダメージは大きそうだった。
三国先輩は、大丈夫だと言っていたが、明らかにダメージは大きい。
防御を固めた方がいいという意見が出たが、キャプテンは攻めた方がいいと言った。雷門のゲームメーカーだ。キャプテンは、やっぱりすごい。
試合は、これからが本番だ。