有名な人
帝国学園で、レジスタンスの存在を知った翌日。
俺―――天馬たちサッカー部は、いつものように練習に励もうとしていた。もちろん、剣城も一緒だ。
今は、部室でユニフォームに着替えている。着替え終わった人たちは、部活の前にあるらしいミーティングのために、ミーティングルームへと向かっていた。
ちなみに、マネージャーたちはキッチンへいっていて、楓は別室で着替えている。
俺は着替え終わり、ミーティングルームへと向かった。
隣には信助と、無理やりだが剣城がいっしょだ。
「ねぇ、2人とも!いつか必殺技、作ろうよ!!」
「いいね、それ!僕、剣城がいたら何でもできそうだよ!」
「・・・気が向いたらな」
そんなたわいのない話をしながら、ミーティングルームに着く。
「キャプテン!今日のミーティングって何話すんですか?」
「あぁ、今日は今後についてだn―――」
ウィィィィィン―――・・・
キャプテンが話している最中だった。部屋の自動ドアが開いた。まだ来ていないのは楓だけだから、皆楓だと思っただろう。もちろん、俺も楓だと思った。
でも、入ってきたのは別の人だった。マネージャーたちでもなく、先生でもなく監督でもなかった。
そこにいたのは、藍色のストレートロングの髪、オレンジ色の奇麗な瞳をもつ女性だった。否、俺たちと同級生にも見えなくもない。もしかしたら、高校生かもしれないが。
俺は一瞬、変な感覚に陥った。―――この子、どこかで見たような気が・・・。
その子を見るなり、一番変な態度になったのは、意外にも剣城だった。
「ッ!?おま、えっ!?ちょっ!?どうし、て、ここ、に・・・ッ!?」
いつもの剣城とは違う、戸惑ったような態度。
女の子はというと、剣城を見つけるなりそちらへ飛んで行った。
「京介、ちゃんと練習に参加しているのね!偉いじゃない」
「・・・別に、おまえに褒めてもらわなくたってなぁ・・・」
俺は2人を見て思う。―――似てるな・・・。そして、2人とも美人・・・じゃなくて!
「き、君は誰なんだ?」
俺は、その子に対して問いかける。すると、霧野先輩が驚いたように言った。
「天馬、知らないのか?この人は、イタリアとかで活躍する一流モデルで、メイプルハニーなどの有名雑誌の専属モデルの・・・」
「はじめまして、雷門イレブンのみなさん。私は、ルナです」
その子は、奇麗な笑みを浮かべながら言う。あぁ、どうりで見たことあるわけだ・・・。
キャプテンが、質問をする。
「えっと・・・ルナさん。剣城とはどういう関係で・・・?」
そう聞かれると、ルナさんはしばらく考えて、笑みを浮かべながら言った。
「私は・・・京介の彼女です」
「ふーん・・・って、えぇぇぇぇぇぇ!?」
サッカー塔内に、俺たちの叫び声が響き渡った。その声につられて、マネージャーたちもやってきた。
「どうしたの、天馬?」
「あ、葵!あのね、この人知ってr―――」
俺が言い終わる前に、葵が声をあげた。
「わぁ!ルナだ!本物だ!」
―――本当に、有名なんだな。・・・じゃなくて!
「あのね、ルナさんと剣城は、付き合ってるんだって!」
「へぇ・・・って、えぇぇぇぇぇぇぇ!?」
マネージャーたちも、俺たちと同じ反応をする。そりゃあそうだろう。こんな有名な人の彼氏が、仲間だったなんて。
「ちゅーか剣城、ずるい!」
「確かにな・・・」
先輩たちは、何か言ってるけど、そんなことはどうでもいい気がする。
一方、剣城本人は困惑している。
「ちょ、瑠奈!?何言って・・・」
「え、ちょ、皆さん!?」
そんな中、またドアが開いた。
「ちょっと、騒がしいわね・・・って、あれ?瑠奈!」
楓がやってきた。葵が、興奮気味に言う。
「あのね、楓!ルナって、剣城君の彼女なんだって!」
楓も一瞬驚いたような顔をして、そしてニヤリと笑った。
「へーそうなんだー。京介、可愛い彼女ねぇ?瑠奈さんも、お幸せに」
楓がそういうと、剣城とルナさんは、息をそろえて言う。
「「もう/おい!楓の意地悪!!」」
すると、楓は目を見開き、そして大爆笑し始めた。
「・・・ねぇ、皆さん。“ルナ”の名字って知ってる?」
急に楓が問いかける。
「そりゃあ・・・」
俺はそういいかけて、とまる。
「・・・あれ?なんだっけ?」
皆が考え込む中、茜さんが言う。
「ルナって名字公開してない」
俺たちは納得。どうりで知らないわけだ。
楓は、笑いながら言う。
「あのね、“ルナ”の本名は・・・剣城瑠奈っていうのよ?」
俺たちは復唱する。
「剣城瑠奈・・・って・・・えぇぇぇぇぇ!?」
「つ、剣城!?」
そう、このことから言える結論はただ1つ・・・。
「そうよ、つまり2人は・・・兄妹ってこと」
「ごめんなさい」
楓が言ったすぐ後に、ルナさんが謝った。
「本当はすぐに言うつもりだったの。でも、言うタイミングのがしちゃって・・・」
そんなルナさんを見ていたら、俺たちは許してしまった。
「・・・まったく、瑠奈ってばこういうところ、子供ねぇ」
「楓に言われたくないわ・・・京介と、くだらないケンカばかりしてたでしょ?」
「ッ!うるさいわね・・・もとはといえば、京介が悪いのよ」
「・・・はぁ?俺!?」
「「反応が遅いわっ!!」」
―――そしてわかったこと。ルナさんと剣城と楓は、どうやら仲良しらしい。
ルナさんこと、剣城瑠奈さん―――。
今日から、また新しいことが増えそうです。