今日は企画大好きの春奈さんからの提案で、私―――楓たち雷門イレブンは、肝試しをすることになった。
肝試しの舞台は、薄気味悪い森の中。まぁ、そこ意外だと面白みも何もない。
だが、その森というのは、山吹家が所有する森の1つであり、私は何度も行ったことがある。ふもとをぐるり、として帰ってくるらしいが、ちょっと入ったところに小さなロープウェー乗り場があり、そこから頂上へ行くと、山吹家の別荘もある。
怖くもなんともない。しかし、楽しみだ。
なぜなら、参加する人が関係する。
「楓-っ!狩屋のこと、ありがとう」
「あ、ヒロにぃ!ううん、いいの。私も、ちょっと気になってたから」
―――1人目、ヒロにぃこと吉良ヒロトさん。
「楓、此処の森か?」
「へェ、結構楽しめそうジャン」
「面白そうッス!」
「思いっきり、怖くしてくださいね?」
―――2,3,4人目、風丸さん、不動さん、壁山さん。
「やぁ、久々だね」
「面白そうじゃねぇか」
「お2人とも・・・FWの怖さ、とかってあるんですかね?」
―――5,6人目、吹雪さん、染岡さん。
「楓、すまないな・・・」
「でも、楽しそうじゃないか」
「あぁ!楽しもうぜ!なぁ、円堂!」
「そうだな!」
―――7,8,9,10人目、お兄さんこと鬼道有人さん、佐久間さん、網海さん、円堂監督こと円堂守さん。
「俺たちも参加するよ」
「一生懸命取り組むよ」
「ありがとう、リュウジにぃ。アフロディさんも」
―――11,12人目、アフロディさんこと亜風炉照美さん、リュウジにぃこと緑川リュウジさん。
なんと、大人組みの皆さんが、お化け役を買って出てくれたのだ。
だから、なんだか、面白そうな予感がする。
「それじゃあ!肝試し開始よ!まずは、ペア決めね!」
春奈さんは、相変わらずのテンション。でも、私たちは、ペアという言葉を聞いて、動揺している。
「え・・・ペアって・・・2人ひと組ですか?」
キャプテンが聞くと、春奈さんはキリッ顔でうなずく。こういうときだけ、キャラが崩れてしまうんだから・・・。
「それじゃ、くじを引いて!」
そう言われるがままに、私たちはくじを引き・・・
「結果発表でーす!最初に行くのは、一乃君、信助君ペアよ!そのあとの順番は、青山君、速水君ペア、車田君、天城君ペア、霧野君、剣城君ペア、神童君、茜さんペア、三国君、水鳥さんペア、天馬君、葵さんペア、瑠奈さん、倉間君ペア、そして最後が楓ちゃん、狩屋君ペアよ!」
春奈さんの発表が終わり、それぞれがペアになる。
私のペアは、狩屋だった。前の狩屋は接しにくかったけど、今の狩屋なら大丈夫そう。
「よろしく」
「よろしく、楓ちゃん」
私たちは“9”と書かれた札を胸につけ、出発を待った。
「―――それじゃあ、8番の瑠奈さん、倉間君出発―――!!」
「「はい」」
瑠奈と倉間先輩が出発した。残るは、私たちだけだ。3番くらいまでの人は、もう帰ってきている。
だが、春奈さんが決めた決まりにより、どんな内容かは話してはいけない。そのため、どんな仕掛けがあるのか、全く予想が付かない。
「・・・よし、それじゃあ、ラスト―――!!!」
さらにテンションの高い春奈さんの声で、私と狩屋が森へ入って行った。
「うへー、結構暗いじゃん・・・お化け役って、誰がやるか知ってるの、楓ちゃん?」
入ってすぐに、しゃべり始めた狩屋。怖いのか、はたまたただたんに話したいのか・・・。
「狩屋が知ってるのは・・・監督とお兄さん、ヒロにぃ、リュウジにぃくらいかな」
「えぇ!?ヒロトさんいるの?うわぁ・・・」
やっぱり、苦手らしかった。そのまま、私たちは進んでいった。佐久間さんは、皇帝ペンギン1号の真っ赤なペンギンをこんにゃく見たいにたらしたり、お兄さんはペンギン全シリーズ持っていたり、いろいろな意味で怖いこともあった。
その時だった。
「キャァァァァァァ―――――ッ!!!」
聞き覚えのある声の悲鳴が聞こえた。この声は・・・
「瑠奈っ!?」
「何っ!?瑠奈ちゃん!?」
狩屋は、ルナのファンだった・・・。こういう場合、男子が助けにいくものだ。
「何してんのよ、狩屋!男子なら・・・男なら、助けに行ってやりなさいよ!」
「はぁ!?」
狩屋は、戸惑った表情を私に向ける。
「で、でも、楓ちゃんは・・・」
「私は・・・此処、私の家も同然だから」
ウソ、本当はこんなに怖いと思ってなかった。
「それに、私、お化けとか大丈夫なタイプよ?」
あぁ、どうしよう、怖い。でも・・・
「瑠奈は、お化けが苦手なの!」
口が勝手に動く。
「だから、早くっ!アンタ、瑠奈のこと・・・好きなんでしょ!?」
もう言ってしまった。今更、怖いなんて言えない。
「ほら、早くっ!」
「あ、あぁ!」
そういうと狩屋は、全力で駆けて行った。私は、そのままそこに立ちすくんでしまった。
やばい、足に力が入らない。この場から、動こう似に動けない。
しばらくたったころ、お兄さんから電話があった。
「楓、今どこだ?もう、大人組も皆帰ってきたんだが・・・お前はどこにいる?」
そうか、いわゆる迷子状態か。私は心配をかけたくなくて、ウソをついた。
「ごめんなさい、途中で用事が出来て・・・もう家なんです。だから、解散してください」
「そうか、ならしょうがないな」
そういいつつ、お兄さんは電話を切った。このまま此処にいるわけにもいかない。
とりあえず、私はロープウェのりばへ行こうとした。周りは真っ暗だ。足を一歩前に出した時だった。
「キャァァァァァァ―――――!!!!」