「クソッ・・・まぁいい。楓、ゴットエデンに帰るぞ」
「・・・わかったわよ」
渋々牙山の言うことを聞いて、私はゴットエデンへ帰ろうとした。その時だった。
「楓っ!いるのか!?」
そんな声が聞こえて、窓を開けて振り返ると、近くに白竜がたっていた。私のことを見るなり、目を見開いた。
「帰ってきてたのか・・・」
―――何、この京介との差・・・。まぁ、白竜にだけは、私が聖帝のお気に入りだと話していたから、あたりまえかもしれないが。
「えぇ、久しぶり。でも、今は話せそうにないから・・・後で、白竜の部屋に行くわ」
私はそういうと、牙山の運転する乱暴な車に乗り込んだ。
私は、ゴットエデンの中を自由に移動できた。
黒地にピンクのラインの入ったジャージを着ているのは私だけらしく、一目で監視者は私とわかる仕組み。胸元には、フィフスセクターのマークが刺繍してある。
どこでも移動できたのだが、しかし、ある部屋だけは行くことができなかった。
―――フィフスセクターは、選手しか必要としない。ならば、葵たちはどこへ行った?それは、つまり、そこに葵や瑠奈やお兄さんたちがいる、ということだ。
「助け出すくらい・・・楽勝ね」
ニヤリ、といたずらっ子のような笑みを浮かべて、ちょっと仕事を済ませ、私は白竜の部屋に向かった。
途中で、研修中のシードとであった。シードからすれば、私はあまり知られていない存在なのだが、ゴットエデン内では、知らない人はいないらしい。
「楓様!帰ってこられていたのですか!?」
「えぇ・・・ちょっと、白竜のところに行くから」
すると彼は、目を見開いた。
「白竜様は、ゼロの特訓に行っておられますが」
私は、疑問が浮かんだ。―――ゼロって・・・?
気がつけば、私はお礼も言わず、グラウンドへ走って行っていた。
「まだだ!もっと成功率を高めるのだ!」
「はいっ!」
ドアを開け放つと、そんな声が聞こえた。その場へ走って行き、教官―――牙山に尋ねる。
「牙山!ゼロって何よ!?聞いていないわ!教えなさい!・・・京介たちと戦うのは、アンリミテッドシャイニングじゃないの!?」
きりっと睨みつけて、怒りに身を任せて怒鳴る。牙山は、気味悪い笑みを浮かべる。
「・・・雷門は、もうすぐエンシャントダークと試合だ。気になるだろう?」
私が一瞬ひるむ。―――エンシャントダーク・・・。
「・・・気にならないといえば、嘘になるわ・・・元チームメイトだもの・・・」
―――そう、私はもともとエンシャントダークのキャプテン。私が雷門に行くと同時に、シュウが現れた。だから、シュウにチームを任せた。
「・・・行ってくる」
私はそういうと、踵を返し、出口へと向かった。
後ろから、誰かがつけてきているのはわかった。それはおそらく、白竜だろう。
「捕まえたッ!」
「・・・離して」
フィフスセクター内で、1,2を争う俊足の白竜には、そこそこ足が速い私もすぐ追いつかれてしまった。
「離さない。楓1人じゃ、何しでかすかわからない」
「・・・わかったわ」
渋々了承して、私は白竜に手をひかれ、エンシャントダークの森へと向かった。
俺―――天馬たちは、アンリミテッドシャイニングとの試合の後、倒れこんでしまった。なのに、起きたのは洞窟の中。
しかも、皆いる。一体、誰が・・・?
その時、俺は思いだした。
「そうだあのとき・・・円堂監督がいた」
「えっ!?まさか・・・」
信助のそんな言葉に、夢だったのかな・・・と思う。そりゃあ、円堂監督がいるわけ、ないか・・・。
「呼んだか?」
不意に、円堂監督の声が聞こえた。
・・・え?円堂監督・・・?
「よっ!!みんな、気がついたみたいだな!」
「「円堂監督!?」」
皆が、一斉に叫んだ。そして、喜びの声を上げた。
そのあと、たき火を囲んで、イナズマジャパンの皆さんと会った。
輝のことは、やっぱり知っているみたいで、驚いていた。でも、優しい言葉をかけてあげていた。
俺たちは、輝の叔父さんのことは知らないけど、相当イナズマジャパンと関係しているらしい。
「訳も話さずチームを離れることになってしまって、すまなかった・・・実は白恋中との試合の後、ある事実を知ってしまったんだ・・・」
円堂監督は、重い話をし始めた。続きは、吹雪さんたちが話した。
「僕は、この島に少年たちを閉じ込め、シードを生み出すための恐ろしい特訓を、行っている施設があることをつかんだんだ・・・。そのことを、雷門と白恋の試合の時に、円堂君に伝えた・・・」
「俺たちの調査によると、シードは、フィフスセクターが運営するいくつかの特訓施設によって、生み出されている・・・」
「その中には、高い能力を持つプレイヤーだけを集めた最高ランクの特訓施設が存在する・・・それが、究極のプレイヤーを生む島・・・ゴットエデンだ!」
「問題はやり方だ・・・この島では、少年たちを閉じ込めて、無理やり特訓をさせている可能性がある・・・」
びっくりした。まさかフィフスセクターが、こんなことをしているなんて・・・。
「それが本当なら、大問題ですよ!!」
「その通りッス!」
「円堂監督、これからどうするんですか?」
さまざまな声が、皆からあがる。そして、円堂監督は言い放った。
「もちろん俺たちは、ここで特訓を受けている少年たちを解放して・・・フィフスセクターの陰謀を暴く!!」
そのあと特訓中、聞き覚えのある声が聞こえた。
「雷門の皆さん、こんにちわ。あなたたちにお伝えいたします。3日後、雷門とフィフスセクター公認チームのスペシャルマッチを行います。場所は、もうご存じだと思いますが、島の中央にある“ゴットエデンスタジアム”です。こちらには・・・人質がいます。拒むことはできません。それでは、楽しみにしています。・・・フィフスセクターシード長、山吹楓」
―――この放送は、楓からだった。絶句した。・・・楓が、フィフスセクターのシード長?本当なのか?
「・・・楓の声は、震えているな。だから、俺は信じる。さぁ、お前たちはどうする?・・・楓のためにも、鬼道のためにも、絶対に勝つ!」
円堂監督は、決意表明をする。俺たちも、勝つことを表明した。
大特訓をするため、俺と信助と剣城は、とある森へ来ていた。
そこで見つけたのは、お地蔵さま。近づくと、人の気配があったのに、急に消えた。
俺たちはお地蔵さまを見ていた。その時、強烈なボールが、俺たちに向かってきた。
「誰だッ!?」
「へえ、少しはやるじゃないか・・・」
―――そこへやってきたのは、変わった髪型の少年たちだった。