砂が崩れだしたら、それが流砂の始まる合図。
キャプテンの言葉をきき、雷門も流砂の使い方をマスター。さらに、神のタクトでボールをつなぐ。
信助のあのファイトが、雷門を活気づけたようだ。
神のタクトでつながったボールは、ゴール前のキャプテンへとつながる。
「何としても、革命を成功させる!」
強い意志を込めて、キャプテンの化身発動。キーパーと1VS1。
「ハーモニクス!」
美しいボールが、ゴールへと向かう。しかし、ここはあいてもひかない。しかも、相手はあの佐田さん。今大会、失点数が一番少ないとか。
「鉄壁のギガドーン!ギガンティックボム!」
化身技でシュートを止めにかかる。
しかし、このボールは、皆の思いのこもったボール。
「本当のサッカーを、取り戻すんだ!」
―――皆の強い意志が勝利した。
ボールはゴールへと突き刺さる。1VS2へと追いついた。
ふっと太陽を見てみると、息を荒くしながらも、太陽は笑っていた。―――太陽は、こういう雷門と戦いたかったんだね。
「もう1点、取りに行くぞ!」
キャプテンの言葉に皆でうなずき、再びフィールドへ散る。
太陽のドリブルは、体調の悪さを感じさせないようなものだった。
次々と抜いていき、信助と1VS1に。
「太陽神アポロ!サンシャインフォース!」
しかし新守護神が、黙っているわけもない。
「護星神タイタニアス!」
そして、見覚えのあるポーズをとる。確かこれって・・・
「マジン・ザ・ハンド!」
やっぱり。この前の立向居さんの特訓が、ヒントになったのね。
太陽はその場に崩れ落ち、胸を押さえながら言う。
「すごい・・・すごいよ、雷門は。僕の考えていた以上に、すごい・・・!」
そんな太陽を見て、天馬の顔は浮かない顔になる。
「天馬」
私が話しかけると、天馬はビクっとなる。
「楓・・・どうしたの?」
無理やり笑っているのがばればれだ。それでも、今は放っておこう。そのうち、京介からのお説教でもある気がするし。
「ううん、なんでもない。本気で、躊躇なんかしないで頑張ろう」
「あぁ!」
・・・ねぇ、天馬。言葉の意味、わかってる?太陽に、本気で挑んでね、ということなんだよ?
そのあと、私ににボールが渡る・・・
「出てきてッ!大天使ミカファール!」
・・・と見せかけて、化身をおさめる。その後ろにいたのは・・・
「はぁぁぁぁ!奏者マエストロ!」
キャプテン。しかし、ここまで読んでいる人も中に入る。でもまさか、ここまではないだろう。キャプテンまで化身を引っ込める
「はぁぁぁぁ!剣聖ランスロット!」
―――さらに後ろに、京介。これが狙い。私とキャプテンにDFをひきつけておいて、攻撃は京介が行う。
「ロストエンジェル!」
化身シュートが炸裂。雷門のエースストライカーの化身シュートを、そう簡単に止められるわけがない。
見事シュートは決まる。
「相手キャプテンの太陽がすべての得点をしているけど、こっちはキャプテンがすべてに絡んでるわ」
2VS2と表示される得点板をみて、思わずほほが緩む。
試合はさらに白熱。
攻撃だった太陽まで、守備に回った。そして、浜野先輩からボールを奪う。
「太陽・・・」
私の前を走る天馬が、心配そうな声を出す。天馬の前を走る京介と、私は目配せをする。
―――やっぱり、集中できていない。
やがてキャプテンがボールを奪い、太陽はその場に膝を立てる。そりゃあ、私だって心配じゃないわけない。でも、試合中だ。
「天馬っ!」
キャプテンからのパスが、天馬へ通る。天馬がシュートをしようとする。
しかし・・・
「させるもんか・・・!」
後ろから、必死に迫る太陽。太陽に気づいた天馬は、戸惑いの色を見せ、そして・・・
―――シュートを外した。
天馬の後ろにいる京介の顔が、怖かった。真剣にしない天馬に、相当腹が立っているのだと思う。
そして前半が終了。皆が一斉にベンチに戻る中、私と京介が、天馬の前に立つ。
「松風、なぜ手を抜いた」
その言葉は心外だ、という顔をする天馬。やっぱり、自分で気づいていないんだ。
京介のその言葉に、周りのみんなも反応する。
「今、雷門で本気を出していないのは、貴方だけよ、天馬」
「やる気がないんなら、フィールドから出ろ」
京介のその言葉は、かなりのショックだったようだ。
そのまま控室へと入ったけれど、天馬の元気はなかった。
私だって、天馬の様子が気になる。少し言いすぎたかもしれない。同じ心境なのに。
だから、お兄さんの話もあまり耳へはいってこなかった。
唯一聞こえたのは、倉間先輩を輝君と交代させるということ。確かに流砂の体力消耗は、予想より結構なものだ。
そのまま、キャプテンが声をかけて、チームのムードは最高。しかし、天馬だけは違ったようだ。
「言い過ぎたかしら」
隣の京介に聞く。京介は首を振る。
「いいんだ。本当だからな」
「・・・そうね」
後半早々、京介がボールを奪う。
そしてすぐに輝君へパス。2人を抜いた輝君が、再び京介へとパスを出す。
しかし、戻っていた太陽がインターセプト。さすが、太陽。休憩で、すこし体力が戻ったようだ。
ボールの動きは見事で、みるみるゴール前。
「楓、天馬、止めるぞ!」
キャプテンの声に、私が返事をする。おくれて天馬も返事。
やがて、天馬と太陽の1VS1。本当は私の方が近かったけど、ここは試合中でも、天馬に譲るべきところだ。自分の心に、ちゃんと問いかけてみなさい。
「太陽・・・」
「天馬」
2人は目を合わせてから、ボールの奪い合いとなる。
しかし、天馬は太陽のボールに触れることすらできない。太陽の実力もあるけど、それだけではない。
「天馬、貴方の実力って、そんなもの!?」
問いかけるけど、天馬はうつむくばかり。
「君が本気を出しても出さなくても、僕は本気を出して、勝ちを取りに行くよ」
太陽のその言葉に、天馬は眼を見開く。
「君は・・・自分の体がどうなってもいいの?」
「次の試合は、またプレーできるかどうか分からない。だから1試合1試合を大切に、本気で戦う!」
そして、正面からのボールの蹴りあい。
「それが、雨宮太陽のサッカーなんだ!」