mix color   作:御沢

90 / 97
彼のサッカー

砂が崩れだしたら、それが流砂の始まる合図。

キャプテンの言葉をきき、雷門も流砂の使い方をマスター。さらに、神のタクトでボールをつなぐ。

信助のあのファイトが、雷門を活気づけたようだ。

神のタクトでつながったボールは、ゴール前のキャプテンへとつながる。

 

 

「何としても、革命を成功させる!」

強い意志を込めて、キャプテンの化身発動。キーパーと1VS1。

「ハーモニクス!」

美しいボールが、ゴールへと向かう。しかし、ここはあいてもひかない。しかも、相手はあの佐田さん。今大会、失点数が一番少ないとか。

「鉄壁のギガドーン!ギガンティックボム!」

化身技でシュートを止めにかかる。

しかし、このボールは、皆の思いのこもったボール。

「本当のサッカーを、取り戻すんだ!」

 

 

―――皆の強い意志が勝利した。

ボールはゴールへと突き刺さる。1VS2へと追いついた。

ふっと太陽を見てみると、息を荒くしながらも、太陽は笑っていた。―――太陽は、こういう雷門と戦いたかったんだね。

「もう1点、取りに行くぞ!」

キャプテンの言葉に皆でうなずき、再びフィールドへ散る。

 

 

太陽のドリブルは、体調の悪さを感じさせないようなものだった。

次々と抜いていき、信助と1VS1に。

「太陽神アポロ!サンシャインフォース!」

しかし新守護神が、黙っているわけもない。

「護星神タイタニアス!」

そして、見覚えのあるポーズをとる。確かこれって・・・

「マジン・ザ・ハンド!」

やっぱり。この前の立向居さんの特訓が、ヒントになったのね。

太陽はその場に崩れ落ち、胸を押さえながら言う。

「すごい・・・すごいよ、雷門は。僕の考えていた以上に、すごい・・・!」

 

 

そんな太陽を見て、天馬の顔は浮かない顔になる。

「天馬」

私が話しかけると、天馬はビクっとなる。

「楓・・・どうしたの?」

無理やり笑っているのがばればれだ。それでも、今は放っておこう。そのうち、京介からのお説教でもある気がするし。

「ううん、なんでもない。本気で、躊躇なんかしないで頑張ろう」

「あぁ!」

・・・ねぇ、天馬。言葉の意味、わかってる?太陽に、本気で挑んでね、ということなんだよ?

 

 

そのあと、私ににボールが渡る・・・

「出てきてッ!大天使ミカファール!」

・・・と見せかけて、化身をおさめる。その後ろにいたのは・・・

「はぁぁぁぁ!奏者マエストロ!」

キャプテン。しかし、ここまで読んでいる人も中に入る。でもまさか、ここまではないだろう。キャプテンまで化身を引っ込める

「はぁぁぁぁ!剣聖ランスロット!」

―――さらに後ろに、京介。これが狙い。私とキャプテンにDFをひきつけておいて、攻撃は京介が行う。

「ロストエンジェル!」

化身シュートが炸裂。雷門のエースストライカーの化身シュートを、そう簡単に止められるわけがない。

見事シュートは決まる。

「相手キャプテンの太陽がすべての得点をしているけど、こっちはキャプテンがすべてに絡んでるわ」

2VS2と表示される得点板をみて、思わずほほが緩む。

 

 

試合はさらに白熱。

攻撃だった太陽まで、守備に回った。そして、浜野先輩からボールを奪う。

「太陽・・・」

私の前を走る天馬が、心配そうな声を出す。天馬の前を走る京介と、私は目配せをする。

―――やっぱり、集中できていない。

やがてキャプテンがボールを奪い、太陽はその場に膝を立てる。そりゃあ、私だって心配じゃないわけない。でも、試合中だ。

「天馬っ!」

キャプテンからのパスが、天馬へ通る。天馬がシュートをしようとする。

しかし・・・

「させるもんか・・・!」

後ろから、必死に迫る太陽。太陽に気づいた天馬は、戸惑いの色を見せ、そして・・・

 

 

―――シュートを外した。

 

 

天馬の後ろにいる京介の顔が、怖かった。真剣にしない天馬に、相当腹が立っているのだと思う。

そして前半が終了。皆が一斉にベンチに戻る中、私と京介が、天馬の前に立つ。

「松風、なぜ手を抜いた」

その言葉は心外だ、という顔をする天馬。やっぱり、自分で気づいていないんだ。

京介のその言葉に、周りのみんなも反応する。

「今、雷門で本気を出していないのは、貴方だけよ、天馬」

「やる気がないんなら、フィールドから出ろ」

京介のその言葉は、かなりのショックだったようだ。

 

 

そのまま控室へと入ったけれど、天馬の元気はなかった。

私だって、天馬の様子が気になる。少し言いすぎたかもしれない。同じ心境なのに。

だから、お兄さんの話もあまり耳へはいってこなかった。

唯一聞こえたのは、倉間先輩を輝君と交代させるということ。確かに流砂の体力消耗は、予想より結構なものだ。

そのまま、キャプテンが声をかけて、チームのムードは最高。しかし、天馬だけは違ったようだ。

「言い過ぎたかしら」

隣の京介に聞く。京介は首を振る。

「いいんだ。本当だからな」

「・・・そうね」

 

 

後半早々、京介がボールを奪う。

そしてすぐに輝君へパス。2人を抜いた輝君が、再び京介へとパスを出す。

しかし、戻っていた太陽がインターセプト。さすが、太陽。休憩で、すこし体力が戻ったようだ。

ボールの動きは見事で、みるみるゴール前。

「楓、天馬、止めるぞ!」

キャプテンの声に、私が返事をする。おくれて天馬も返事。

やがて、天馬と太陽の1VS1。本当は私の方が近かったけど、ここは試合中でも、天馬に譲るべきところだ。自分の心に、ちゃんと問いかけてみなさい。

 

 

「太陽・・・」

「天馬」

2人は目を合わせてから、ボールの奪い合いとなる。

しかし、天馬は太陽のボールに触れることすらできない。太陽の実力もあるけど、それだけではない。

「天馬、貴方の実力って、そんなもの!?」

問いかけるけど、天馬はうつむくばかり。

「君が本気を出しても出さなくても、僕は本気を出して、勝ちを取りに行くよ」

太陽のその言葉に、天馬は眼を見開く。

「君は・・・自分の体がどうなってもいいの?」

「次の試合は、またプレーできるかどうか分からない。だから1試合1試合を大切に、本気で戦う!」

そして、正面からのボールの蹴りあい。

 

 

「それが、雨宮太陽のサッカーなんだ!」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。