フラッシュさんとの恋愛日記   作:ココアポタージュ

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大好きな恋人との初めての〇〇 ⑤

第5章 初めての誕生日

 

付き合い始めて四か月。

 

季節は初夏。

 

あなたの誕生日が近付いていた。

 

だが、あなたは知らなかった。

 

エイシンフラッシュが一か月以上前から、あなたの誕生日の準備をしていたことを。

 

 

放課後の教室。

 

あなた

「そういえば来週、自分誕生日なんだよね」

 

友人

「おめでとうを言うにはまだ早いだろ」

 

あなた

「確かに」

 

友人

「彼女と過ごすのか?」

 

あなた

「自分はそのつもりなんだけど...」

 

友人

「どうかしたのか?」

 

あなた

「なにせ、フラッシュだからな」

 

友人

「あー」

 

納得された。

 

 

同時刻、別の校舎にて

 

エイシンフラッシュ

「……」

 

ノートを開いている。

 

そこには『誕生日計画』という文字が大きく書かれている。

 

そしてプレゼント候補として、あなたの好みや興味を示したもの、最近の会話の内容等が全て記録されていた。

 

エイシンフラッシュ

「候補は三つ」

 

彼女は後にこの時のことを「受験よりも真剣に取り組んだ」と述べている

 

 

誕生日当日の朝。

 

あなた

「おはよう」

 

エイシンフラッシュ

「おはようございます」

 

いつも通りにあいさつが返される。

 

あなた

「……」

 

エイシンフラッシュ

「?」

 

彼女の反応から、ついこちらから尋ねてしまう。

 

あなた

「何か忘れてない?」

 

エイシンフラッシュ

「特には」

 

あなた

「そうか」

 

彼女の返答に少しだけ落ち込む。

 

 

昼もいつも通り。放課後もいつも通り。

 

あなた

「……」

 

エイシンフラッシュ

「元気がありませんね」

 

あなた

「いや別に」

 

エイシンフラッシュ

「嘘です」

 

あなた

「やっぱり分かる?」

 

エイシンフラッシュ

「はい」

 

少しだけ彼女が意味深に笑う。

 

 

夕方。

 

あなた

「どこ行くんだ?」

 

エイシンフラッシュ

「あと少しです」

 

あなた

「?」

 

案内された先は、小高い丘の公園だった。

 

街全体が見渡せ、夕日が綺麗な場所。

 

そしてあなたは、以前何気なく『ここ好きなんだよな』と言った場所であることを思い出す。

 

あなた

「覚えていてくれたの?」

 

エイシンフラッシュ

「当然です」

 

あなた

「……」

 

彼女はベンチへ座り、小さな箱を差し出した。

 

エイシンフラッシュ

「誕生日おめでとうございます」

 

あなた

「!」

 

エイシンフラッシュ

「日付変更直後に言う案もありましたが」

 

あなた

「うん」

 

エイシンフラッシュ

「あなたの反応を観察した結果、この瞬間が最適と判断しました」

 

あなた

「絶対わざと黙ってたな」

 

エイシンフラッシュ

「はい」

 

彼女はイタズラな笑みを浮かべながら素直に認めた。

 

プレゼントを開けると、欲しかった物があり、あなたはとても驚く。

 

以前、雑談の際に一度だけ話したそれを彼女はしっかり覚えていた。

 

あなた

「すごいな」

 

エイシンフラッシュ

「何がですか?」

 

あなた

「だって」

 

あなた

「俺、自分でも忘れてたぞ」

 

エイシンフラッシュ

「私は覚えていましたので」

 

彼女は当然のことのように言う。

 

あなた

「……」

 

彼女の言葉に胸が熱くなる。

 

 

2人でしばらく夕日を眺めて、静かな時間を過ごしてから、

 

あなた

「フラッシュ」

 

エイシンフラッシュ

「はい」

 

あなた

「ありがとう」

 

エイシンフラッシュ

「どういたしまして」

 

あなた

「本当に嬉しい」

 

エイシンフラッシュ

「それは良かったです」

 

彼女にとっては、あなたの安心した顔。それが何より嬉しかった。

 

あなた

「なあ」

 

エイシンフラッシュ

「はい」

 

あなた

「聞いていい?」

 

エイシンフラッシュ

「どうぞ」

 

あなた

「プレゼントより気になることがある」

 

エイシンフラッシュ

「?」

 

あなた

「いつから準備してた?」

 

彼女は珍しく黙って、少し目を逸らす。

 

あなた

「まさか」

 

エイシンフラッシュ

「……」

 

あなた

「かなり前?」

 

エイシンフラッシュ

「三十七日前です」

 

あなた

「長い!」

 

エイシンフラッシュ

「最適解を求めました」

 

あなた

「受験か」

 

エイシンフラッシュ

「重要事項ですので」

 

 

日が沈み、空が紅く染まり始める

 

あなた

「今日さ」

 

エイシンフラッシュ

「はい」

 

あなた

「今までで一番嬉しい誕生日かも」

 

エイシンフラッシュ

「……」

 

彼女は少し驚き、小さく笑った。

 

エイシンフラッシュ

「それは高評価ですね」

 

あなた

「いや、満点だよ」

 

エイシンフラッシュ

「本当ですか」

 

あなた

「うん」

 

エイシンフラッシュ

「なら、来年は更新を目指します」

 

あなた

「競うなよ」

 

エイシンフラッシュ

「努力は重要です」

 

あなた

「らしいな」

 

 

夕暮れの帰り道を2人は手を繋いで歩く。

 

エイシンフラッシュ

「……実は」

 

あなた

「うん?」

 

エイシンフラッシュ

「もう一つあります」

 

あなた

「え?」

 

彼女は立ち止まり、少し照れたように微笑んで、あなたの方を見る。

 

エイシンフラッシュ

「生まれてきてくれて、ありがとうございます」

 

あなた

「……」

 

完全に不意打ちだった。

 

あなた

「それは反則」

 

今度はあなたが照れる番になる

 

エイシンフラッシュ

「はい」

 

あなた

「今日一番効いた」

 

エイシンフラッシュ

「そうですか」

 

あなた

「うん」

 

エイシンフラッシュ

「それは良かったです」

 

そして二人は並んで歩き出す。

 

来年も、再来年も、その先も一緒に祝えたらいい。

 

そんなことを自然に思えるくらいには、二人はお互いを大切に想うようになっていた。

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