少しディストピアな世界で逝くIS×AC   作:同感するワイト

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Case.1 始まり

西暦2022年。

100年以上前に起こった国家の崩壊、それと同時に起きた企業の国家支配により、管理による秩序を保たれ続けた世界が今《俺》のいる世界だ。

 

そして10年前までは《ARMORED CORE》、通称《AC》が主兵器として君臨していたが、時が進むにつれ、その勢いは新兵器に負け、落ちていき、今では《篠ノ之 束》の開発したパワードスーツ《インフィニット・ストラトス》、通称《IS》が主兵器として扱われ始めた。

 

だが、それを許さないのが企業だ。

企業は主に《アーキバス・コーポレーション》、《ベイラム・インダストリー》。この2社が中心として動いていた。

まぁ、この2社以外にも、今は亡きかつて存在した企業や、前述の2社の傘下企業含め企業は色々あるが政権の主をになっていたのはこの2社だ。

 

2社はISの中核を担う動力源《ISコア》の解析を全霊を持ってして解析し、その素材であるレアメタル《時結晶(タイム・クリスタル)》の解析に成功。そして時結晶を回収、そしてISコアを開発し、その技術を用いて新たなACを製造した。

それが今存在する新たなACという訳だ。

 

正直旧型で云々してた個人的な感想を言わせてもらえば旧型一式売ってパーツ2、3程度しか買えない値段にしてるのは正直クソだとは思う。特にアーキバスだ。ハイエンドばっか作んじゃねぇとは思ってしまう。

失礼。取り乱した。

まぁ、何やかんやありながらも一応機体は組み上がってるからどうでも良くはある。

 

これが俺のいる世界の話だ。

元々ISを俺は知っていたが、それはあくまでライトノベルとしてのものであり、それどころか俺の知っているISのストーリーとは全く違うものだった。

多少は困惑したが、もう順応はしたし、なんなら楽しんではいる。

 

話を変えよう。

この世界は元のISのような愉快で平和なものではなく、傭兵業やらが普通なディストピア世界だ。

企業、及び企業からの認定を受けた組織に所属での傭兵業以外は普通に違法だ。つまるところ独立傭兵は禁止だ。

ちなみに俺は違法組織にすら所属してないゴリゴリの独立傭兵を生業にしている。

 

しかし、違法と言っても必ず取り締まられている訳ではなく、ある程度の実力と名があれば企業が黙認してくれる。

理由は企業にとって独立傭兵は都合のいい駒だからだ。

企業所属のAC乗りのようにパーツを制限されなく、理想的なアセンブルを組める上、公認組織ができない依頼も、金を払えば動いてくれる良い駒以上の何でもない。

 

独立傭兵と企業、まさしくウィンウィンな関係だ。

だが、この関係を許さない組織が存在する。それこそが《IS学園》だ。

 

IS学園とは、ISパイロットを育てる育成機関だ。

まぁ、そんな立場である為、企業や組織所属の傭兵なら良いものの、違法たる独立傭兵を許さず、抹消しようとする組織でもある。

 

正直言って独立傭兵は皆、IS学園には手こずらさらされている。とにかく執着心が凄いのと、無駄に数が多いことにある。

やはり、自分に合ったアセンブルをできるISと比べれば特定のフレーム群で固定されるISでは汎用性が違う。だからこそそれを利用して自身の縄張りに追い込み、一掃すると言う戦法をとる者が大半で、IS学園はそこまで強くは無いものの、とにかく数が多いというのが手こずる大半の理由だ。

 

そもそもな話、独立傭兵は依頼を受けてそれをこなす事で金を稼ぐ。稼いだ金はACの修理代や弾薬費に消える。その為裕福なのは一部の凄腕独立傭兵だけであり、殆どはカツカツの生活を送っている。そんな中で何度も襲撃されてはたまったもんじゃない。

 

それに─────『新着メッセージ1件』依頼が来たのか。まぁ、独白自語りの区切りとしてもいい所か。

 

「依頼は……中小組織かよ。───まぁ、金額も悪くはないし、受けはするか」

 

パソコンを閉じて、椅子から重い腰を上げた。

金が貰えるのはいいが、如何せんやる気にはなれない。独立傭兵3人組の撃墜任務。相手は『ハウンズ』と呼ばれ、全員が逆関節脚の同じアセンブルをした、割と名を馳せている猛者達だ。

いくら何でもあの老いぼれの飼ってる傭兵の名を騙るのはトリッキーなもんだとは思うが、実際そいつらは実力もそれなりにある。警戒して損はないだろう。

 

「ここから撤退する為の金稼ぎと行くかね」

 

一体誰に呟いてるのか、自分自身でもたまに思う。

面と向かっての人付き合いがないとメンタル壊れるとはよく聞くが、こういうことか。最もな話、大抵が人格破綻者の独立傭兵に言えたことじゃないが。当然俺含めの話だ。

 

コンテナから出て、その隣にある廃工場の中を進んでいく。その中にはボロボロの工場の外見とは裏腹に整備の行き届いた空間が広がっていた。

内装はクレーンやACを懸架するハンガー、更にはACや武装の運送用のトラック等が置かれたガレージ。別に俺が作った訳でもなく、元々ここにいたやつが使っていたガレージを借りてるだけだが、まぁ使い易い。なんならカタパルトだって置いてあるくらいだ。

 

俺はその中心部にあるハンガーに向かった。

ハンガーには人型に近いフォルムをした藍色に白のディテールが入ったAC(愛機)《ビストロ》が懸架されている。

 

「んじゃ、乗るか」

 

装甲の表面に触れると、装甲や骨格が光の粒子へと変わり、俺の身体を包んでいった。それから背中、厳密に言えば脊椎にチクリとした痛みを感じ、顔を顰める。正直、この痛みに慣れることは一生ないと思う。

 

『メインシステム、通常モードを起動』

 

COMの合成音声が耳に直接入ってくる。

真っ暗だった視界から一変、周りの風景が生身の時以上にクリアに見えた。網膜投影によるものだ。

手を握って開いたり、脚を片方ずつ上げたりする。いつも通り、好調だ。

 

ガシャン、ガシャンという関節の駆動音や装甲が床にぶつかる音を聞きながら、カタパルトに脚を固定した。

腰を下げて姿勢を低くし、シャッターが開き、見えるようになった外の光景を見据えた。

目の前にカウントを表す5という数字が投影され、それが1秒ごとに1減っていく。

 

皮膚がヒリつく。この感覚は何時(いつ)でも俺をワクワクさせる。その興奮に思わず口角が上がってしまう。

残り3カウント。碗部内の操縦桿をより強く握った。

 

3───

2──

1─

 

「Go───ッ!」

 

我ながら、死ぬか生きるか、殺すか殺されるかの理不尽な条理が渦巻く戦場に赴くものとは思えない昂った声を発すると同時にカタパルトが高速で前方に射出される。

全身を押し潰すかのようにかかるG負荷。それすらも自身の命を燃やすためのスパイスへと変え、背部のブースターを吹かし、カタパルトから離れたと同時に急加速(アサルトブースト)で空を飛んだ。

 

戦場(快感)。それはいつだって、女神(死神)が憑いてる方に賽が転がる、イカれた場所だ。

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