「はぁっ?!」
私は今混乱している。手にはボロボロのインキュベータ、それはいい、でも目の前で起きたことに理解が追いつかない。だってあの巴マミがまどかと美樹さやかを勧誘せずに帰った。しかも、私に説明を丸投げした。
それどころかボロボロのインキュベータを無視した。いや、孤独じゃないからインキュベータに執着はしないのかしら?
「いい加減、手を離してくれないかな」
ほうけているうちにインキュベータが増えた。壁に持っていたボロボロのインキュベータを叩きつけて、まどかと美樹さやかに説明をする。
「えっと…どこから伝えたほうがいいかしら?」
「最初からお願いします」
「転校生も魔法少女?」
「ええ、」
頭が痛い、個性という超常能力も概要だけしか理解できていないのに、今までど全く違う進み方をしている。でも、これならプラス方面以外の説明もできる。
「ボクと契約して魔法少キュペっ「私の前でよくそれができるわね、セールスマンもびっくりの商魂ね、」
「大丈夫なの?それ、」
少し考えているとインキュベータが契約の売り文句を言い始めたので、その頭を打ち抜いておく。こんなやつも心配するまどかは優しいわね。
「まずは、魔法少女とは何かね。こいつ、インキュベータと契約してさっき貴方たちを襲ってきた奴らと戦う存在。個性とは全くの別物よ。かく言う私も無個性だしね」
「なるほど?」
「それでも貴方を襲ったのは使い魔、絶望から生まれる魔女の手下、たまに単独行動で魔女へと進化するものもいるわ。そして、魔女は魔法少女の成れの果てよ」
「え?」
「はっ?」
「少し語弊があったわね。精神が安定していれば魔女にはならないわ。よくある闇落ちみたいなものよ」
ここで恐怖を植え付ける。でも、その代償を軽めに表現する。例えば、最初の世界で美樹さやかに進められた漫画のキャラ、名前は忘れたけど闇落ちというあれ認識させる。
「じゃぁ戻るんですか?」
「基本的に、闇落ちがもどることはないわよ、漫画でもそうでしよ、光落ちはあっても、闇堕ちが光落ちになるご都合主義なんて……結構あるわね」
「……戻らない認識でいい?」
「ええ、今はそれでいいわ」
「じゃぁ何で魔法少女になったの?」
「!知らなかったからよ、実際にこのことを知らない魔法少女は多いわ。インキュベータは嘘をつかない、でも喋らない、事実しか言わないけど都合のいい場所しか喋らなくて、いざというときは聞かれなかったって言う、信用しないほうがいいわ。ともかく、契約するなら相談しなさい、巴マミには聞かないほうがいいわ。たぶん当てにならない」
納得したような、腑に落ちないよな顔ね。でも今は十分、インキュベータを悪いものとして認識させれれば、契約する意欲も減ってくる。それに願いの部分は伏せて話したから、契約の内容は力を得るが魔女になる可能性があるものという認識になっているはず。どんな願いもかなうという一番の飴を二人は知らない。相談事もこっちに来るように話した。現状やり直しのなかで一番いい方向に向かってるわね。