ホテルを囲むように仄かな光を放つ魔法陣が地面に展開していた。
「…………………」
辻は黙って携帯を取り出し、大豪院に電話をかける。
「…辻、どうし「全員直ちに嵐山に集合‼︎訳わからない魔法陣がホテル全体を覆ってる‼︎」
大豪院が出るのももどかしく辻は叫んだ。
「…!了解だ‼︎」
短く叫んで大豪院が通話を切る。
…無差別大規模テロでも仕掛けてきたのか、敵は⁉︎
辻は刀を手にホテル内へと突っ込んだ。
「…ね、ねぇ桜咲さん。本当に大丈夫?」
明日菜が心配そうに傍らの刹那に声をかける。
「…はい、大丈夫です、神楽坂さん」
返事を返す刹那だがその顔色は誰が見ても青く、傍から見ていて可哀想な程緊張していた。
刹那が此れ程緊張している理由はただ一つ、木乃香と会話をする為であった。ホテルに帰ってから刹那は明日菜に頼み込み、木乃香と話がしたいので自由時間になったら木乃香を呼び出して欲しい旨を告げた。明日菜は少し驚いたような顔をしてから笑って快諾、席を用意した。
そして今は約束の時間であり、木乃香は既に待っている。後は刹那が顔を出すだけなのだが、刹那は有り体に言ってしまえば尻込みしていた。
刹那が木乃香と話したのは千草によって木乃香が攫われたのを奪還してホテルに帰る最中、木乃香が目を覚ましての会話が最後である。それから先は逃げ回ってばかりで真面な会話はしていない。ましてや今から刹那はある程度自分の事情を語り、昔のようには今すぐ仲良くは出来ないと、ある意味嫌っていると取られても文句の言えないことを伝えようとしているのだ。木乃香に自分がどう思われてしまうかを考えると、刹那はどうしても次の一歩が踏み出せなかった。
明日菜はそんな刹那の様子に一つ溜息をつき、腕を振り上げると刹那の背中を思い切り引っ叩いた。
「ひゃあっ⁉︎」
スパァン‼︎‼︎と非常にいい音と共に刹那はつんのめる。
「な、か、神楽坂さん何を…?」
「明日菜でいーわよ、私も刹那さんって呼ぶから。あのねぇ、もう呼んじゃったんだから話すしか選択肢無いでしょ?いつまで迷ってるのよ?」
「は、はい…わかってはいるのですが……」
明日菜はふっと笑って言う。
「木乃香なら大丈夫よ、ちゃんと話せば絶対わかってくれるわ。それとも小さい頃からずっと付き合ってて、木乃香のこと信じて無い訳?」
「……いえ」
「ならどーんと行って来なさい‼︎こういうのは当たって砕けろよ‼︎」
「いえ、砕けても困るのですが…」
言いながらも刹那は先程よりも気持ちが軽くなっていた。
…成る程、本当に気持ちのいい気質の人だ……
刹那は頷き、足を踏み出す。部屋のドアに手をかけながら明日菜を振り返り、刹那は言った。
「ありがとうございました、明日菜さん。…行ってきます」
「ん。頑張って、刹那さん」
明日菜はニカッと笑って返した。
「今度はなんだ一体‼︎」
「知るか、兎に角急げ!」
「辻は正面玄関から入った筈だ、合流するぞ‼︎」
中村、豪徳寺、大豪院の三人は嵐山と青山を繋ぐ露天風呂前の通路を爆走していた。嵐山側の裏手口を開けようとして鍵がかかっていたので中村が蹴りを叩き込み扉を破った。
「っしゃアッ‼︎」
「どうすんだこれ…」
「後で謝るか場合によってはばっくれるぞ」
言いながらもホテル内に突入、通路を突き進む一行は曲がり角で何者かの影を視認した。
「誰だオラァッ‼︎」
「何者アルか⁉︎」
飛び出し様身構える両者、が…
「…古か」
「おおっ、ポチ早速逢えるとは幸先いいアル‼︎」
「お〜いきなりでござるな」
そこに立っていたのは古と楓のバカレンジャー二強の二人だった。
「古、生憎だが今お前に構っている暇は無い。麻帆良に戻ってからでも⁉︎」
言葉の途中で飛んできた鋭い崩拳を大豪院は化勁で流す。
「…なんの真似だ、古?」
「ふっふっふ、ポチの何時もの誤魔化しには引っかからないアル。また上手いこと言て私から逃げるつもりアルな、そうはさせないアル‼︎」
古はそのまま大豪院に打ちかかる。進歩と跟歩が滑らかに繰り返され滑るように、だが半呼吸程の間も無い程に疾く大豪院の懐に飛び込む。小柄な体躯を活かしリーチの長い大豪院の打撃を打たせ難く、同時に躱し難いように胴から足にかけての連打を見舞った。
「ちっ…古、聞け‼︎」
攻撃を捌きながら大豪院は呼びかける。
「口ではポチに敵わないから聞かないアル‼︎」
古は足払いで大豪院の体勢を崩し、膝をつく大豪院に下段突きを繰り出す。足払いからの転倒後に突きを打ち込む後掃腿撃地捶が大豪院に炸裂した。
「がっ⁉︎」
大柄な大豪院が優に三mは地面を転がりながら移動し、壁に激突した。
「どうしたアルかポチ‼︎動きが鈍いアルよ?」
「こ、の単純バカ女が……」
大豪院が怨嗟の声と共に起き上がる。それを見ていた中村が半目になりつつ言う。
「…よし、豪徳寺、行くぞ‼︎ポチは放っとけ‼︎」
「ああ⁉︎」
「なんだと貴様⁉︎」
豪徳寺と大豪院が異口同音に声を上げる。
「うるせーこれだから最近のポチは‼︎この非常事態に嫁に絡まれてんじゃねえよ馬鹿たれ‼︎」
「誰が誰の嫁だ巫山戯るな
「お前が言って聞かねえなら聞くわけねーだろ阿呆!嫁を放っとくからタイミング悪い時に夫婦喧嘩が起こんだよもういいわ嫁とバトってろ‼︎行くぞ薫っち!」
「ああもうしょうがねえ、さっさと追いつけよ大豪院‼︎」
「待て巫山戯るな貴様ら‼︎」
大豪院の制止も聞かず中村と豪徳寺は奥へ…
「ぶべぇぇぇぇっ⁉︎」
進もうとして中村が足に絡まった鋼線付きの錐によって転倒する。
「まあ待つでござるよ中村殿。拙者も折角参加した以上は強い者とどうせなら手合わせがしたいでござる」
犯人は楓であった。あいあいと気楽な顔で頷きながら鋼線を張る。
「おめーも捕まってどうすんだよ⁉︎」
豪徳寺のツッコミに答えず中村は平坦な顔でむっくりと起き上がる。そしてコキコキと首を鳴らしながら静かに言った。
「…先行ってろ薫っち」
「大豪院と同じじゃねーか‼︎」
「一分で片付けたるわぁ‼︎どうせ言ったって聞かねえよこっちのバカブルーも‼︎それにもしかしたらここで起きてんのは襲撃じゃねえかもしれん‼︎」
「はあ⁉︎どういうことだ⁉︎」
叫んで中村は手刀を足下に振り下ろす。仄かに光るそれは楓へと伸びる鋼線を鋭い音と共に断ち切った。豪徳寺の疑問には答えずに手振りで行けとサインを送る。
「おおっ♪やるでござるな‼︎」
ウキウキした調子で楓が鋼線の端を引き戻しつつ言う。それを見て楓に転ばされた時に覚えた疑問からの中村の推測は確信に変わる。
…恐らくなにかを感じ取る感覚は俺以上に鋭え楓ちゃんがこうまで気楽に絡んでくるってことは少なくともホテル内の人間に危害は及んでねえ。ってことは敵の攻撃とかじゃ無くてネギとかの魔法がなんかトラブル起こしてんのかもしれん。あのガキよく暴走して魔法暴発させるらしいし。
中村は考えながら豪徳寺に呼びかける。
「説明してる暇が無え‼︎兎に角辻と合流して山ちゃんと一緒にいるネギ探せ‼︎あいつがなんかやってるかもしれん」
叫んで中村は楓に突っ込む。豪徳寺は何か言いたげに口を震わせるが、踵を返し走り出す。
「さっさと追いつけよ馬鹿共‼︎」
姿の見えなくなった豪徳寺の去った方向を見つつ大豪院が舌打ちをして構える。
「おおっやる気になたアルかポチ‼︎」
「その呼び名は止めろと言ったぞ古。中村、敵では無いのか?」
「この二人が呑気に勝負挑んできてる時点で違和感無えかポッちん‼︎」
中村が飛んでくる苦無を叩き落としながら叫ぶ。
「死ね…確かにな」
大豪院は一つ息をつき、古に告げる。
「手早く片付ける、いいだろう本気でやってやる、古‼︎」
「望むところアル‼︎」
バトル脳二組がぶつかり合いを開始した。
『おぉーーっと開始早々トップレベルの戦闘力を持つ二班と武闘派先輩の二人が激突だぁーっ⁉︎』
「うっわすっご……」
「古はやっぱり大豪院先輩狙いかー熱くなって来たんじゃない⁉︎」
「って言うか楓中村先輩狙い⁉︎なんか激しく意外なんだけど…」
「楓達はバカレンジャー繋がりで先輩達と結構仲良いからじゃない⁉︎」
「見た所ホテルの中は荒事が起こってる感じじゃ無いんだが…」
辻はホテルのロビーを突っ切りつつ呟いた。人気は無いが真夜中近いなら自然なことである。それにしても物騒な殺気や戦意のようなものを一切感じない。
…妙だな……ん、向こうから誰か……⁉︎
曲がり角に突き当たり辻は唐突に四人の後輩と出くわした。
「あれ……辻先ぱ、いぃっ⁉︎」
「か、刀ーっ⁉︎」
「おい何が大丈夫だよ委員長めちゃくちゃ殺る気じゃねーかこの先輩⁉︎」
「あ、あの、辻先輩?先輩が桜咲さんに操を立てているのは私達全員承知しておりますので真剣まで持ち出して威嚇せずとも……」
「ショタが絡まなきゃ良識派の雪広ちゃんにまで俺はそんな認識かい、いい加減にしろよどいつもこいつも⁉︎
そしてなんの話だよ‼︎」
僅かに怯える四人に辻は刀を一旦降ろしつつ全力のツッコミを放った。
「え、なんの話って…」
「先輩、あたしらにターゲットにされたくないからそんな物持ち出してきたんじゃないの?」
「だからなんの話だ⁉︎いや、そんなことよりこの近辺に怪しい奴を見なかったか、君達?」
「いや、どう考えても日本刀片手に女子中学生しか泊まってないホテル内彷徨いてる先輩が一番怪しいんすけど…」
辻の質問に千雨が容赦の無いツッコミを入れる。
「…いや、そうだろうけどそういう事じゃ無くて…」
微妙にダメージを受けつつも説明しようとする辻を遮りあやかが叫ぶ。
「もしや!辻先輩はネギ先生にキスの後その場の勢いで何かをやらかしかねない不埒物を警戒してそのような獲物を⁉︎」
「は?」
あやかのぶっ飛んだ予想に間の抜けた声を上げる辻。
「確かにそれはこの上無く
「ああーーっいいんちょ、善良な辻先輩騙くらかしてなに抜け駆けしようとしてるのーっ‼︎」
「て言うかいいんちょの言ったこといいんちょが一番実行しそうじゃん‼︎」
「いや、委員長、あたしも流石にそれはどうかと思うんだけどよ…」
「なっ、何を言っているのです皆さん‼︎この私がそのような真似、してかすとでも思っているのですか⁉︎」
「いやまあ…」
「やるよね、ぶっちゃけ」
「…まあ、あたしからは何も言えないな…」
帰ってきた返答にあやかはワナワナと全身を震わせ、両手の枕を構える。
「…上等ですわ貴女達、やる気ですわね⁉︎」
「こっちも上等だよいいんちょ、最初からこっちはそのつもりだったしね‼︎」
「やってやろうじゃん、来なよいいんちょ‼︎」
直後、三人による枕を用いた激しい打撃戦が幕を開けた。
…なんだ、この流れ……?
辻の理解を越えた事態にこの日二度目のフリーズを迎えていると、辻に対して呼びかける声がする。
「辻ーっ!ここにいたか‼︎」
現れたのは豪徳寺である。一人蚊帳の外に逃れていた千雨がうわ、増えたと呟くがそれに構わず辻は問う。
「豪徳寺!中村達は⁉︎」
「色々あって少し遅れる。それよりなんだよこの騒ぎっつーか乱闘は?」
「ああ、こっちも話せば長いんだが…」
「あのー先輩方?」
そんな二人に声が掛けられる。
「先輩方、あたしはやってらんねーからもう帰らせてもらいますよ。先輩達を狙ってる人は多分いないと思いますけど、新田先生なんかも彷徨いてますから、そっちの物騒なもの仕舞っておいた方が良いと思います。じゃあ、失礼…」
「待った、確か長谷川ちゃんだよね。頼むからこれがどういう事態なのか説明してくれない?」
踵を返そうとする千雨を捕まえ、辻は説明を請うた。このままでは埒が明かない。
「どういうって…先輩達もしかして何も聞いていないんですか?」
「だから何かって何を誰から?」
辻の言葉に千雨は溜息をついて言う。
「あ〜道理でテンション違い過ぎると思いましたよ、辻…先輩でしたよね?あの朝倉の阿呆になに言われてこっち来たのか知りませんけど正直さっさと帰った方がいいですよ」
「朝倉?あのパパラッチが何なの?」
「いや実は…」
「矢張りやるアルねポチ‼︎でも負けないアル‼︎」
古は片手を地面に着き、穿弓腿を放ち大豪院の顎を蹴り上げようとする。
「ちぃっ‼︎」
大豪院は上体を逸らし垂直に近い軌道で上がってくる蹴りを躱す。足を引き様、地面を鋭く踏み締め大豪院は斧刃脚を繰り出す。本来は足を狙う蹴りだが上体を深く沈めた古に対しては頭部を狙う蹴りとなり、文字通り斧ねような破壊力を咄嗟に腕でガードした古に発揮した。
「くぅっ⁉︎」
古の身体が冗談のように吹き飛び、壁に激突する。
「化勁の修行が足らんな、古。お前の技はキレがあるが攻め気が過ぎると防御が疎かになりがちだと前に言ったばかりだろうに?」
微妙に先程の蹴りで引き裂かれた衣服の襟を合わせ直しつつ、大豪院が告げる。
「っ痛〜、ポチは八極門が専門の癖にゆらゆらと受けも上手くて攻め辛いアル、でもだからこそ燃えるアル‼︎」
古は跳ね起き、再び構えを取る。
「っつーかてめえらいつの間にか呑気に指摘し合いながら楽しく組手やってんじゃねーよ‼︎さっさと沈めて先に行けやポチ‼︎」
中村が四人に分裂した楓と激しい打ち合いをしつつ大豪院に吼える。
「こっちは実力が逼迫しているのだそう簡単に決着が着くか阿呆‼︎貴様こそさっさと勝負を決めろ‼︎」
「巫山戯んなこっちの相手は四人に増えてんだぞ⁉︎単純に言って有効打が入んのも四分の一だってのにんな早く沈められるわけねーだろがボケぇ‼︎」
「いやいや、その割りに中村殿は」「拙者の本体に強力な一撃を見舞ってくる割合が多いでござるよ?」「これでも分け身には自信があるでござるが」「どうやって見分けをつけているでござるか?」
休み無く攻撃を繰り出しながら四人の楓が代わる代わる中村に問いかける。
「ああ四方向からうるせえ‼︎知らねえよなんとなくだ勘だこんなもんそして多分てめえだオラァ‼︎」
叫び返して中村の放った三日月蹴りが楓達の一体の水月に吸い込まれる。
「っ⁉︎」
咄嗟に片手でガードするが堪えきれず吹き飛ぶ楓の一体。同時に、
「当たりみてえだな周りも動き鈍ったぞオラァ‼︎」
矢継ぎ早に繰り出した首狙いの抜き手、裏拳での脾臓打ち、頭部を蹴り上げる後ろ蹴りが残りの三人を打ち抜き、それぞれを消滅させる。
「……本当に、やるでござるなぁ、中村殿」
痺れの残る片腕を振りながら楓が楽しそうに呟く。
「楓ちゃんよぉ、好い加減にしてくんね?こちとら急いでんのよマジで。三分も無駄にしちまったじゃねえのどうしてくれんのよ」
中村がウンザリいたように楓に告げる。
「ふむ?先程も言っておられたようでござるがなにをそんなに急ぐのでござる中村殿?よもや中に目当ての女子がいて無理矢理に接吻でもしでかそうと言うなら拙者も女の端くれとして幾ら何でも止めさせてもらうでござる」
楓は不思議そうに返した後身構える。
「しねえわンな真似‼︎俺は確かにエロいこと大好き女の子大好きだが無理矢理は大っ嫌いなんだよ!エロゲでも強姦モノは一切やらねえし俺の座右の銘は痴漢は死ねだっつーの‼︎」
中村が失礼なこと言うんじゃねえと憤慨する。
「だったら貴様が繰り返している覗きは何なんだ変態めが‼︎」
双掌打を向かって来た古にカウンター気味に叩きつけながら大豪院がツッコむ。
「あれはいいんだよ女とは男に見られて羞恥心を感じることにより自らの性をより強く意識し、美が磨かれるのだから‼︎つまり俺は寧ろ女子達の手助けをしているのだ文句あるか⁉︎」
「無い女子の方が少ないと思うでござるが…しかしならば尚更なぜ急ぐでござる?朝倉殿からの指示か何かでごさるか?」
「は?」
「何?」
楓の言葉に中村と豪徳寺の両方が疑問符を上げる。
「およ?」
「…楓ちゃんよ、なんであのパパラッチが出て来る訳?奴には俺が密かに決行しようと企んでいた女子水泳部の合同練習の更衣室を覗いちゃおう大作戦をリークされてプールの底に沈められる一件があってからどうもいい思い出が無えんだが…」
「それは単に自業自得でござるが…もしや何も聞かずにここにいるでござるか?」
「だから何がだ⁉︎」
古の放つ青龍探爪を飛び下がって躱しつつ大豪院が叫ぶように問う。
「いや、実は…」
偶然にも、まったく同じタイミングで異口同音に叫び声が発せられ、ホテル『嵐山』の中に響き渡った。
「「「「朝倉ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」」」」」
「…ネギ君、なんだろ?この叫び声」
「さ、さあ…?」
「……?せっちゃん、今の辻先輩達の声やない?」
「…そのようですね……」
混沌の舞台は、加速する。