1話 現在把握 少年の望む力
「昨日はやってくれたな馬鹿共」
魔法関係者との話し合いから一夜明け、休日だというのに朝から学校で無断外泊分の補習を行っているバカレンジャーに対して、教室に入ってくるなり杜崎が開口一番に放った言葉がそれだった。
「違うんだよモッさん。あれは中村が先走っただけで、僕らの総意じゃないってば」
「あそこまで全面的に喧嘩売るつもりは無かったんだよ俺らは」
「そちらに対して思う所はありますが、先ず話を聞いてからでなければ否定も肯定もできませんので。完全にそこの阿呆の所為です」
「…まぁ全部言われてしまったので俺から言う事は何もありませんが…とりあえず中村が馬鹿です」
「うるせぇぇぇぇぇぇあぁ‼︎だから悪かったっつってんだろが昨晩から何遍もよぉぉぉぉぉぉっ⁉︎」
他四人からの総スカンに、中村が絶叫を轟かせた。
「昨夜の一件で主に若手と古残の連中から貴様らは反感を買ったな。少なくない人数がお前達の関係者入り再検討を具申しているらしい」
「はっ‼︎ 元から入りたいなんて言ってません〜〜!」
バカレンジャーに補習のプリントを黙々と解かせながら、合間に昨晩からの状況説明を行った杜崎の言葉に、中村が子どものように舌を出して反論する。
「だから何遍も言ってるだろ。どっちにしろネギの奴に関わってくのに、魔法関係者とやらとノータッチじゃいられ無えんだよ俺らは」
「どうやったって僕らより、関東魔法協会の組織の方がネギ君に対して干渉する時の権限が強いんだから、言ってしまえば最低でも協力関係まで漕ぎ着けないと、多分僕らこのまま締め出されるよ?」
「そういうこと。だからキれるな熱くなるなと言ったのにお前って奴は…」
「………う〜〜〜〜む……………」
中村が辻達の意見を受けて考え込む。思考回路がとことん単純に出来ている中村でも、状況があまり思わしくないことを理解出来てきたらしい。
「…というか貴様ら、どう取っても組織に諸手を挙げて協力しない旨を、その組織の一員である俺の前でよくもまぁベラベラと言えるものだな……」
黙って辻達の言い合いを聞いていた杜崎が呆れた様にそう告げる。
「…杜崎教諭はわざわざ俺達に告げなくてもいい己の組織の内情を晒しているのです。それは俺達に一定以上の信用を置いてくれていて、尚且つ心配もしてくれているのでしょう?告げ口のような真似はしないと、こちらも勝手に信用させてもらいますよ」
「……ふん」
大豪院の返しに何故か不機嫌そうな顔で鼻を鳴らし、杜崎は追加のプリントを用意し始める。
「…あ〜〜もう面倒臭え‼︎ゴリポン先生よ、そっちの事情とやらをもう説明しちまってくれよもう‼︎」
暫し黙ってプリントを仕上げていたバカレンジャーだが、やがて色々鬱憤の溜まった中村が立ち上がって杜崎に両の人差し指を突き付け叫ぶが、直後にゴガン‼︎という轟音と共に脳天に杜崎の拳骨を喰らって再び座席に沈む。
「杜崎先生と呼べ、馬鹿が。そしてその要望に対しての答えはNOだ」
「痛ってぇ〜〜この暴力教師が‼︎この中村様に対しての不当なぶべっ⁉︎」
言葉の途中で杜崎の正拳突きを顔面に喰らい、中村の頭が後方に跳ね飛び、バネ仕掛けの人形のように戻ってくる。
「なんで殴ったんだよ今⁉︎」
「何と無くだ」
すげ無く返して杜崎は新たなプリントを中村の前に積み上げる。中村はうげえ〜という顔をしながら、杜崎に対して疑問をぶつける。
「らしく無えぜモリモリ〜、何時もの糞がつく程厳しい教師っぷりはどうしたよ〜?ガキ苛めて楽しいかよ〜?」
「楽しい訳が無かろうが」
中村に負けず劣らず渋い顔つきで、吐き捨てる様に杜崎は返す。
「ゴリ…」
「杜崎…」
「モッさん…」
「先生…」
「杜崎教諭…」
「貴様らは辻と大豪院以外揃いも揃って……‼︎」
青筋を立てる杜崎だが、やがて脱力したようにがっくりと頭を落とすと、後ろを向いて静かに語り始める。
「…貴様らへの対応は上と相談して決めるものだ、俺の独断で勝手に情報は流せん。…俺から言えるのは例え話を聞いても貴様らは此方に賛同などしないだろうということだ」
「…碌でもない話かよ?」
豪徳寺が尋ねる。
「……そうだな、碌でもない話だ。個人的にはお前らと同じ気分だよ、糞食らえとな。…だが俺は麻帆良学園の教師であると同時に関東魔法協会に属する一魔法使いだ。組織に属すると決めた時に、個人の意見が全体と食い違った時、己を無いものにすると決めている。…集団に組するとは、そして働くとは少なからず
背を向けた杜崎の体に力が入る。
「お前達は未だ曲がらず正しい。俺を汚い大人と罵倒する権利がお前達にはある。…現状に納得がいっていない気持ちはよく解る、だから文句があるならば好きなだけ俺に言え。その上で、本気でネギ・スプリングフィールドの力になりたいと思うのなら全体を見て一時的な妥協も覚えろ。特に中村、お前だ」
「ぬぐっ⁉︎」
呻く中村に構わず、杜崎は話を続ける。
「俺達の
杜崎は辻達に向き直り、変わらぬ厳しい表情のまま最後に告げた。
「俺は無論だが、貴様らも暇ではあるまい?さっさと課題を終わらせろ」
「思ったより時間が掛かっちまった
な畜生…」
「時間ギリギリだねぇ」
辻達は陽が落ちてから暫くしてようやく課題を終わらせ、ネギ達との待ち合わせ場所に急いでいた。
今朝方ネギから全員宛にメールで連絡があり、内容は『本日会ってお話し出来ませんでしょうか?明日菜さんやのどかさん達の事、そして僕自身のことで是非とも皆さんと相談がしたいのです』というものだった。補習が入っていた為日中時間を開けられなかった辻達は、午後遅い時間に待ち合わせ時間を設定し、こうして急いでいるのだった。
「ここまで余裕が無いのは貴様の頭が悪すぎるからだ、バカ村が」
「本当にな、なんでお前はかけ算も満足に出来ないんだ小学生以下!」
「うっせー‼︎生きていく上で必要無えんだよあんなもん‼︎」
「かけ算は要るだろう、流石によ…」
馬鹿なやり取りを続けつつ、待ち合わせ場所の公園に赴くと、すでにネギ達は到着していた。
「ようネギ、悪りいな脳無しの所為で遅くなったわ」
「本当にごめんね、ネギ君、神楽坂ちゃん達も。頭の出来だけ小学生な男の所為で。待たせちゃったかな?」
「此方から時間を指定しておきながら申し訳ない。全ては
「うん、脳味噌お花畑男の所為だからどうか俺達を責めないでくれないか?」
「喧嘩売ってんのか殺すぞお前ら⁉︎」
「…成る程。ネギ君の要望は一先ず置いておくとして、宮崎ちゃんと綾瀬ちゃんは魔法の関わる世界について知りたい、もっと言うなら宮崎ちゃんは出来ればネギ君の力になりたい。ゆえにこのまま知らないふりをして、ネギ君と僕らの関わる裏事情から遠ざかりたくは無い。纏めるとそんな所かな?」
昼間、既に自分達だけで軽く話し合っていたらしく、意思の固まっているのどかと夕映の意見を聞いて山下が要点を纏める。
「は、はい〜…私なんかが何かお役に立てるなんて思えないですけど、……それでも、少しでもネギせんせーのお役に立てるならって、…そう考えていまして〜……」
余程恥ずかしいらしく、後半の台詞は後のネギ達に聞こえないように囁くような声量になりつつも、のどかは最後まで言い切った。そんなのどかを見て薄く微笑みながら、夕映もはっきりと辻達に告げる。
「私はのどか程褒められるべき高尚な動機はありませんが…この学園、私達が飽くなき探究心を持って挑んでいる図書館島。これらには全て魔法使いが関わっていると、私は推測しています。まだ見ぬ新しい世界、私はそれらについて少しでも多くのことを知りたいのです。…危険があるのは素人なりに理解しているつもりです。私に出来得る範囲で皆さんにご迷惑がかからないよう、最大限の努力を尽くします。私も仲間に、入れて頂けませんでしょうか…?」
のどかと夕映はこの上無く真剣に辻達を見据える。
「……うーん………」
バカレンジャーは各々何事かを考え込み、代表するように山下が困ったような唸り声を上げる。
「あ、あの、僕は危険だからって止めたんですけど……」
「いや、ネギ君。単純に僕達も駄目だと言いたい訳じゃないんだ。まあ二人共、言いたい事はしっかり理解したから、先ずは少し落ち着いて。僕らの返答は、先ずは話をしなきゃいけない全員の意思を聞いてからにしよう。じゃあ、次は神楽坂ちゃん」
「あ、あたし?」
やや面食らった様に自身の顔を指差す明日菜に、山下は頷く。
「うん。神楽坂ちゃんは既にばっちり荒事に巻き込んでしまったけど、だからって今後も事件が起こった時に戦力として当てにする気なんて僕らは無いよ、神楽坂ちゃんはあくまで一般人なんだから。まあ、宮崎ちゃんと神楽坂ちゃんはネギ君と
明日菜は山下の言葉を聞いて、目を閉じて考え込む。やがて目を見開いた明日菜は、しっかりとした強い視線で山下の目を見返し語り始める。
「…ありがと、山下先輩。でもさ、私の意思は、もう決まっちゃってるんだ」
明日菜はネギの頭に軽く手を置き、髪を緩く梳きながら言葉を続ける。
「こいつ、何かあったらすぐにわたわた慌てて、な〜んか頼り無いとこあんのよ。まあ、まだガキなんだから当たり前なんだけどさ。その癖なんか色々頑張ってるじゃない?あたしガキは嫌いだけど、頑張ってる奴のことは、ガキだろうが何だろうが嫌いじゃ無いのよ。本屋ちゃんや夕映ちゃんに偉そうに何か言える程、あたしも何か出来る訳じゃ無いけど……ネギの事、助けてやりたいって思うの。だから先輩達、先輩達の邪魔になんない様にあたしも努力する。だからあたしも力にならせて」
明日菜ははっきり、そう言い切った。
「あ…明日菜さん……!」
「な、なによ…って何で涙ぐんでんのよ大袈裟なガキねー⁈」
明日菜の言葉に感動して目を潤ませているネギの頭を、顔を赤らめながら照れたように明日菜がかき回す。それをのどかが微妙にやきもきした様子で眺めているのが、なんとも青春という感じである。
「…へーいへい、ご馳走様で〜す」
「僻むなバカ村。ならば朝倉、貴様はどうだ?」
大豪院の問いかけに、朝倉は苦笑しながらも答えを返す。
「う〜ん、明日菜っちの言葉の後じゃあ、なんとも巫山戯て聞こえるかもしれないけどさ…あたしはあたしのジャーナリスト魂って奴の元に、夕映っちとはまた違う理由で魔法使い達の世界ってのを知りたいんだ。あ、心配しなくても先輩達の忠告も意見もしっかり覚えてるよ。…その上であたしは関わりたいって思う。あたしもさー、伊達や酔狂で
口調は軽いながらも、真剣な顔で朝倉が手を合わせて頭を下げる。
「…んーじゃ、近衛ちゅわんよ。あと桜咲ー?、お前らは?」
中村の問いを聞いて、木乃香は困った様に微笑み、言葉を紡ぐ。
「んー……ゴメンなぁ先輩達……ネギ君らから話聞いて、ウチなりに考えてはいたんですけど、ウチはまだどうしたいか…って具体的に決められへんのです……」
「お嬢様…」
心配気に声を掛ける刹那の手を、木乃香は小さく笑って握りしめ、言葉を続ける。
「ネギ君達にも、先輩達にもウチはすんごいお世話になりました。せやからウチも力になれたらなぁ…とは思うとるんです。…でも、ウチは正直修学旅行の事思い出すと、怖くなってしもて……またあんな事あったら〜思うと、明日菜やのどかみたいに胸張って力になりたい、なんていう覚悟はあれへんし、かと言うて夕映や朝倉みたいに、好奇心や知識欲、なんてものに任せて飛び込もうと思える程の情熱も無いんや、って自覚出来てもぉて……でも、ネギ君や先輩達がなんや危ない目ぇに遭うってなったなら、ウチはそれを知らんふりして過ごしてたくは無いんです。まとまった返事にはなってへんのですけど、これがウチの今の正直な気持ちです……」
「…OKー、全然それでいいぜ、近衛ちゃん」
中村の言葉に刹那も頷き、続いて語り始める。
「私の意思は既に決まっています。修学旅行の一件ではネギ先生や先輩方には多大な恩を受けました。皆さんは、恩に着せるつもりは無い、などと仰るのでしょうが、恩や貸し借りなどと言う言葉に囚われず、私はネギ先生や先輩方に協力したいと思っています。お嬢様」「せっちゃん…?」「…こ、このちゃんがどういった選択肢を選ぼうと、私は私に出来る範囲で、全面的に力をお貸しします!」
刹那は迷い無く宣言した。
「…じゃあ長瀬は中村から一応話を聞いちゃあいるからいいとしてよ……」
「…古、貴様がここに居る訳も一切合切包み隠さずに話せ……!」
豪徳寺が苦笑しながら放った言葉を大豪院が低い声で遮り、古に問い掛ける。
「ふっ、ポチ風情に語る口は持たないアルが、仕方ないアルね〜特別アルよ〜?」
「叩き返すぞ貴様……!」
「キレるなよ大豪院。それで?古ちゃん」
いきり立つ大豪院を手で押さえ、辻が促す。
「うむ、私の理由は簡単アル。ネギ坊主が、明日菜や木乃香達が危ない目に遭うならば、一人の武人として見過ごせない。それだけアル‼︎ポチは私を子ども扱いして遠ざけるアルが、私だて闘えるアル!大体楓の参戦を中村は少なく共認めたと聞いてるアルよ!楓が良くて私が駄目な理由は無い筈アル‼︎」
「貴様は……!」
「へいへい、嫁が心配なのも解るがポッチン。先ずは全員にあべし⁉︎」
「誰が誰の嫁だ‼︎」
「何故に私がポチの
茶化しながらも大豪院を宥め様とした中村が大豪院の冲捶と古の炮拳を喰らって宙を舞う。錐揉み回転しながら八m程も飛んだ中村が、潰れる様に着地しながら怒鳴る。
「仲良く殺人的なツッコミ入れてんじゃねーよカン夫婦⁉︎折角人が珍しく真面目に話進めようとしてたのに⁉︎あ、カン夫婦ってのはカンフーと連中の出身の中華の前時代の漢の、二つを夫婦にかけてだな…」
「どうでもいいし、そもそも大して上手く無いよ馬鹿」
辻が面倒臭そうに遮る。
「…ま、まあ兎に角、一応皆の主張は解ったかな?」
唐突に目の前で繰り広げられたバイオレンスな光景にのどかがアワアワと震え、夕映が目を丸くしているのを見て、引きつった笑みを浮かべつつも山下が軌道修正を図る。
「だな。ちっと待ってろよお前ら」
豪徳寺がネギ達に待ったを掛け、遠くの中村を呼び寄せてバカレンジャー五人で車座になり相談を始める。
「な、なに話してるんだろう、ゆえ〜…?」
「…まあ十中八九私達をどうあしらうか、でしょう。
微妙に悔しそうな表情になりながらも、夕映はのどかの疑問に答える。
「まーまー、んな悲観的にならなくてもいいじゃん?それを言ったらあたしもあんま役に立たないし、あの先輩達のことだから悪いようにしないって」
朝倉がそれを聞いて苦笑しながらフォローする。
やがて辻達が相談を終え、ネギ達の元に帰って来る。
「皆。俺達で皆の要望を検討してみた。別に俺たちはこの中では年長者だけど、俺達の決定に絶対に従えとは言わない。でも君たちの性格や実力を加味して、検討した上で出した結論だから、できれば素直に言うことを聞いてほしい」
辻の言葉に、その場の全員が固唾を呑んで次の言葉を待つ。
「…手っ取り早く結論だけを先に言う…基本的に皆魔法には関わっていいと俺達は判断する」
「……は…………?」
夕映は思わず間の抜けた声を上げる。諦めるつもりは毛頭無かったとはいえ、一発で色良い返事が貰えるとは思っていなかった故にである。
「理由としては、先ず大事なものを一つ。別に君達に魔法の事を教えて共に過ごすのと、危険な目に遭わせることはイコールじゃ無いからだ」
次の言葉に、全員あまりよく意味が理解出来ない、という顔で辻を見返す。
「…詳しく説明するとね。君達が勘違いしている点として、別に魔法関係について見聞を広めたい、現状役には立たないが力をつけて戦力になりたい。それ自体は別に俺達に止める権限も無ければ拒否する様な無謀な言い分でも無いんだ。別に俺達は長瀬ちゃんや古ちゃんみたいに即戦力になる存在を求めている訳じゃ無い。俺達は
言い切る辻に、ネギが躊躇いながらも不安そうに声を上げる。
「……でも、辻さん………」
辻は安心させるようにネギに微笑み、話を続ける。
「…勿論、俺達が関わらせないようにしたからといって、絶対に危険が無い訳じゃない。勘違しないで貰いたいが、俺達は絶対に安全を保証出来る訳では無い。無論君達の安全において全力を尽くすつもりだけど、物事に絶対は無い。君達が危惧した通り、危険な目に遭うこともあるかもしれない。もう一度言うけれど覚悟を決めて自ら望んで踏み入るなら、俺達に止める権限は無い、好きにすればいいんだ。…それを覚悟の上で関わるなら、俺達はこれ以上何も言わない。…近衛ちゃん」
「は、はい‼︎」
唐突に声を掛けられ、やや慌てて返事をする木乃香に、優しく笑い掛けながら辻は告げる。
「俺達は答えを急かすつもりは無い。君の善意からの気持ちも、修学旅行で味わった恐怖も、俺達はよく理解しているつもりだ。自らの方針を決められないからといって、俺達は君を蔑ろにはしない。ゆっくり考えて、答えを出してくれ」
「…辻先輩………」
瞳を揺らしながら呟く木乃香に辻は頷き、改めて全体に告げる。
「以上だ。俺達の意見を踏まえた上で、改めて関わるかどうかをよく考えてくれ」
辻の言葉に、全員が真剣な顔で頷いた。
「……さて、話が一段落した所でネギ、改めてお前に対して質問がある」
全体の方針が決まり、一息着いた所で大豪院がネギに問い掛ける。
「は、はい‼︎」
緊張した顔で返事を返すネギ。
「お前は最初に言ったな。修学旅行で自分の力不足を痛感した。だから周りの皆を守れる程に強くなりたいと」
「…はい……!」
ネギは大豪院の言葉に頷きを返す。
「…その志自体は立派なものだ。男の子ならば、守られるままで居たく無いという気持ちも、守りたいという決意も、子どもだからといって俺達は否定はしない。…しかし、ならばネギよ。お前はどのような強さを身に付けたいのだ?」
「え?」
想定外の問いに、疑問を返すネギに、大豪院は続けて告げる。
「改めて宣言するまでも無いことだが、達は今後もお前や周りの皆に何かあったのなら無条件で手を貸そう。まだまだ至らぬ所のある俺達だが、今後は長瀬や、認めたつもりは無いが古までもが力を貸すと言っている。つまり現状立派に戦力は整っていると言えるのだ。…この状況でお前はどんな力を望むというのだ?」
閲覧ありがとうございます、星の海です。申し訳ありません、登場人物紹介を上げる予定でしたが、なんだか書いている内に思ったより長くなってしまったので、先に話を進めさせていただきます。登場人物紹介は、チマチマ書き進めていますので、書き上げ次第投稿します。今暫くお待ち下さい。この章から、原作のネギまとは、部分部分で大分展開が変わってきます。受け入れて頂ければ幸いです。それでは、今回はこれにて。次話もよろしくお願いします。