相坂さよ
ルシル君はタカミチに1Aのクラス名簿を見せてもらい、タカミチとしずなに相談した。
「地縛霊の相坂さよちゃん、誰にも気付いてもらえずに可哀想じゃない?」
「え、ルシル君は彼女の姿が見えるのかい?」
「私の目は一種の魔眼だからね」
念能力の【発】神霊眼だけどね。
「ルシル君は本当に凄いわね……」
「エヴァから彼女の存在は聞いていた。まるで地縛霊型登校地獄で毎年同じクラスだったって」
1A → 2A → 3A → 1A → 2A → 3A → 1A → 2A → 3A →1A……の繰り返しってねえ? 麻帆良は学年が変わっても教室は変わらない故の現象だが、悲惨極まりない。
「それは……、」
流石にタカミチとしずなも絶句している。
「彼女を夜コンビニで見つけて、何故コンビニにいるのか聴いてみたら、幽霊なのに夜が怖くて明かりを求めてコンビニにいるんだって」
さよちゃんにようやく気付いてもらえたと懐かれたからね。これは憑かれたというのだろうか? 家に連れ帰ったらエヴァが目をひん剥いてさよちゃんのことを教えてくれた。
「しずな先生、彼女の制服を用意してもらえる? これ、彼女の身長とスリーサイズ」
しずなにメモを渡した。
「ええと……、幽霊の制服を何故用意するのかしら?」
「彼女の依代を具現化して魂を定着させて蘇らせる」
「はい? …………彼女の身長とスリーサイズが何故わかるのかしら?」
「私のスカウターは正確だから」
「本当に凄い目をしているわね……」
「…………ルシル君ならできるんだね? 学園長に相談しよう」
ぬらりひょんに相談したところ、できるなら是非ともということで、やはり初恋の人だったのかと納得した。
放課後、ルシルはしずな以外人払いしてから、インベントリからランジェリーショップで購入してきた下着を出して、
「…………ルシル君、その下着はどこから出てきたのかしら……?」
「私の固有魔法、異空間収納魔法『インベントリ』。下着はランジェリーショップで買ってきた」
「それも羨ましい魔法ね…………ルシル君はランジェリーショップ恥ずかしくないのかしら?」
「普通にエヴァや明日菜、このか達に付き合って選んでるよ?」
「ルシル君ならランジェリーショップにいても違和感ないわね」
それでは早速と、相坂さよの肉体を具現化した。
「それでは下着を着せ…………なんかお人形さんごっこみたいで絵面的に相当危ない気がする……」
1/1スケールだからね…………ダ◯チワイフかと……
「(無駄毛がないし、妙にリアルね…………明日菜さんやこのかさん達と混浴しているのかしら……)そうね…………目覚めてから本人に着てもらいましょう」
しずな先生から後で聴かれたが、「なぜ一緒に具現化しなかったのかしら?」と…………本体が下着なのか、どちらなのか意味不明なことになりかねなかったので…………よくある?メガネが本体とか?
「さよちゃん、おいで」
さよちゃんは歓喜して具現化した肉体に入った。そして【発】文珠で魂を肉体に定着したところ、さよちゃんの心臓が動き始めた。
「さよちゃん、身体動く?」
目を開けたさよちゃんは衝撃を受けているようだ。
「は、はい! 凄いです! ルシル様、ありがとうございます!」
裸のさよちゃんに抱きつかれた。
「相坂さん、下着と制服を着ましょう」
しずなのコメントに自分が全裸だということを理解したさよちゃんは真っ赤になり、下着と制服を着た。
その間私は教室を出ていたよ。
着替えが終わってからしずなが出てきた。さよちゃんが恥ずかしそうにして「ルシル様……、ど、どうですか……?」
「さよちゃん可愛い♥️」
「あ、ありがとうございます……」
「ルシル君、さよちゃんの時代はドロワーズが主流でそんな破廉恥な下着はって抵抗されたけど、流行だからってお話しておいたから、あとはよろしくね」
しずなからウインクされたということは、そういうことだな。
「さよちゃん、学園長が会いたいって」
「はい、ルシル様」
学園長との面会になったのだが、さよちゃんは固まった。
「さよちゃん?」
「ルシル様、妖怪ぬらりひょんがいます……」
タカミチまで吹き出した。腹が痛い……
「さよちゃん、儂は近衛近右衛門じゃよ」
「はい……? あの近衛君が妖怪に……?」
「近爺、何か悪さして呪われたの?」
「さよちゃん、ルシル君、儂泣いちゃう……」
は、腹が痛い……
「時間って残酷なんだね」
「はい……」
「…………皆、さよちゃんのことは極秘で頼むぞよ」
「はい」
帝国移民計画実験体などのことかな? 魔法世界の幻想現実化のために利用されないようにという配慮?
「さよちゃんの住む場所は、ルシル君頼めるかの?」
「責任があるからね」
さよちゃんとも同棲することになった。戸籍は捏造する。権力万歳。
「さよちゃん、何か食べたい物ある?」
「ルシル様のお勧めでお願いします」
さよちゃんと手を繋いで退室した。
さあデートだ。さよちゃんの私服と私物を揃えないと。
下着購入が一番盛り上がった。
さよちゃんは本当に献身的でなんでもしてくれる素晴らしい女の子だ。さよちゃんの背後からエヴァの指導で股を開かせてクパア♥️させたり、ご奉仕の仕方を教わっている光景はマジで興奮した。
…………エヴァは性教育係を愉しんでいる…………明日菜とこのか、千雨、ルーナ、愛衣達に教えたのもエヴァだからね。
後日さよちゃんは長期療養が終了したため、登校できるようになったとタカミチから説明されて1Aに受け入れられた。
「ねえねえ、さよちゃん寮にいないけど、自宅から通ってるの?」
「わたしはルシル様の家にお世話になっています」
次の瞬間、黄色い悲鳴が上がった。
『ルシル”様”って!?』
「わたしはルシル様の側仕えです」
『なんて羨ましい(のですか)!?』
ルーナも側仕えだよ? ザジとルーナも『ルシル様』呼びだよ?
さよちゃんは周囲から認識されることが嬉しいのか、公園や映画館などでもしてくれる素晴らしい女の子なんだよね。認識阻害使えばバレないし。
ある日のこと、さよちゃんがお花摘みと言って席を立つ姿に、食事も普通にすることにしずな先生は疑問を抱いたのかルシル君に確認した。
「さよちゃん普通に生理現象あるよ?」
「え……、それはあの肉体も本物の女の子ということかしら?」
「普通に寿命のある女の子だね」
「…………よくそのような身体を具現化できたわね……」
「私は女体に詳しいからね」
「え……、それはまさか、エヴァちゃんのことかしら?」
微笑んでおいた。エヴァだけではないよ。
しずな先生はルシル君が既に経験があることを察した。
ルシル君はまき絵に誘われて部活動見学……新体操部を、まき絵の練習を見学した。
「どうだった、ルシル君!?」
「ん〜、厳しい意見と取り繕った褒め言葉、どちらを聞きたい?」
「え……、厳しい意見をお願いします!」
「恋を知らない純粋な女の子だなぁって」
「え……、二ノ宮先生ももしかして同じ意見ですか……?」
新体操部顧問の二ノ宮先生は気不味そうに視線を反らした。
まき絵が制服に着替えてから、ルシル君と一緒に個室に向かった。
「まき、シャワー浴びようか?」
「う、うん、ってあれガラス張りなんだけど?」
「一緒に浴びよう」
「えっ、ルシル君と、いいの?」
「恋、知りたくないの?」
「ルシル君と恋……、うん、浴びる!」
ということでまき絵を手で全身を泡立てて、まき絵に全身を使って私を洗ってもらい、ヤッてしまった。
後日先生から女の顔になっていて驚いたと言われたとか。
保健体育
体育の時間保健室を訪れたルシル君は認識阻害を使い、のどかと一緒にベッドを借りた。
「のどか、今日は保健室で体育しようね」
のどかには体調が悪いから保健室で寝てくると体育は欠席してもらった。
「? はい…………あっ、ルシルさん、」
保健体育閨実技です。今日はイメチェンした美少女のどか気分なんだよね。
のどかにご奉仕されているところで、保健委員の亜子が様子を見にきた。
「本屋ちゃん、大丈夫……ってルシル君!?」
「ん、おいで、亜子」
「あっ、」
いただきます
行為後、亜子は何か言いたそうにしているが、
「保健体育閨実技だから、亜子には保健委員として参加する義務がある」
「義務…………ううん、これはうちの権利や!」
よし、さあ今度はどこで誰としようかなと考えながら出ていった。
体育の後で教室に戻ったのどかと亜子は真っ赤になっており、ルシル君のガールフレンド達以外から相当心配されたそうだ。
「(こいつら、ルシル君とヤッてたな)」
「(ルシルとヤッてたわね)」
「(ヤってましたね)」
千雨や明日菜、ザジにはバレバレだ。
いや〜、洗浄魔術ヴァッシェン重宝するよね~ 想像したものはなんでも洗い流す。行為跡もなくなるんだから。ヴァッシェン・バリアで臭いも絶対にバレない。保健室というシチュエーションも重宝する。
放課後ルシル君はのどかと亜子から溢れ出ないかヒヤヒヤしたと零されたが、大丈夫、避妊は万全だ。【発】ステータスの裏技『安全日』設定。ここ浴場あるからシャワー浴びてきなさい。ヴァッシェン・シャワーあるよ。
「あれガラス張りやん…………ルシル君も一緒に浴びよう?」
「ルシルさん、一緒に浴びましょう」
「わたしも浴びる!」
それでこそガラス張りにした甲斐があるというものだ。まき絵も加わって放課後堪能した。この3人の組み合わせも素晴らしいグルメだ。
美少女3人によるオイルマッサージ至福。
亜子とまき絵、のどかがルシル君の家に遊びにきて、魔法を教えてほしいと頼み込まれた。
「ごめんな、ルシル君。まき絵とのどかにうちの背中のことバレて隠し切れんかったんや」
「ルシル君、わたし達にも魔法教えて」
「ルシルさん、お願いします」
「うちも治癒魔法使えるようになりたいんや」
「背中のこと? どういうことだ?」
エヴァに亜子の背中にあった傷跡を治癒して消したことを説明した。亜子の背中の傷跡の画像を見せたところ、エヴァは「女には酷だな」と呟いた。
「甚兵衛ほどではないけどね」
「ルシル、比較対象がおかしいぞ」
「甚兵衛さん? 誰のこと?」
「ここの使用人だね。身体中酷い傷跡だらけで亜子が見ても引くんじゃないかな」
人魚の肉を食べて不老不死になったが、不死身力は弱く、再生力も弱いためだそうだ。
…………よく人魚の肉など食べる気になったものだ。普通は忌避しないかな? それとも四の五の言えない差し迫った状況だったとか?
「え……、そんな人がおるんや……」
「甚兵衛の悩みはあの傷跡はとてもではないけど堅気には見えないヤクザだから、公衆浴場に入れないことだね」
甚兵衛にその傷跡消そうかって提案しても、これは戦友達との思い出だからと断られたからね。
「難儀な人やな……」
それはともかく
「いいのではないか。ルシルなら一般人に魔法を教えたところでオコジョの刑対象外だからな」
不思議そうな亜子とまき絵、のどかにメガロの一般人への魔法バレの刑罰を教えたところ、「なんでオコジョ?」と頭の上に疑問符を浮かべている。
「謎だよね。私には関係ないからどうでもいいけど」
そもそも何故メガロの法に従わなければならない? 治外法権か? んなこと許されるか。傲慢極まりないな。私達には関係ない。
「ルシル式で修行すれば魔力を知覚するのも早いからな」
このかや千雨達が魔力を知覚してから『火よ灯れ』を習得するのも早かった。知覚せずにひたすら『火よ灯れ』は効率が悪い。
「エヴァちゃんってわたし達くらいなのに中等部通ってないの?」
「まきちゃん、胸はわたし達よりも大きいよ……」
「羨ましいんやけど……」
エヴァはふっと笑い、上機嫌になった。
「わたしは既に卒業しているからな」
「はい?」
エヴァの事情を教えたところ、やはり驚愕された。
「魔力を知覚して『火よ灯れ』に成功したらお前等も一緒に鍛えてやる」
「あれ、でもエヴァは治癒魔法苦手じゃなかったかな?」
「治癒魔法はルシルに教われ」
「亜子ちゃん、まきちゃん、のどかちゃん、歓迎するわ」
明日菜達からも歓迎された。
一応これをぬらりひょんとタカミチ、しずなにも報告した。
「…………ということで亜子とまき絵、のどかにも魔法を教えることになったよ」
「なるほどのう。亜子ちゃんの傷跡はそれ程まで酷いものじゃったのか?」
「ルシルから傷跡の画像を見せてもらったが、あれは一級レベルの治癒術師でも難しいな。あの傷跡は女には酷だ」
しずなに画像を見せたところ、しずなは息を呑んだ。
「ルシル君、本当にありがとうございました」
しずなは女性だからこそ、亜子の傷跡のハンデに心を痛めた。ランジェリーショップでのフィッティングも躊躇う程だから。
「それでルシル君に憧れて治癒魔法を使えるようになりたい、か。寮で和泉君は佐々木君と同室だからバレても仕方がないね。寮でも一緒に練習できるから問題ないでしょう」
「のどかさんには何故バレたのかしら?」
「あの3人仲いいからね」
実は4Pする仲だなんて言える訳ないよね。テヘペロ
「うむ、ルシル君とエヴァ、よろしく頼むぞよ」
「了解。それで亜子が実家に帰省した時にご家族にもバレる可能性があると思うのだけど」
「それがあったのう……」
妖怪はどうしたものかと長い顎髭を撫でて思案している。
亜子は中学生になったから、家族にバレることはないとは思うけど、家族を安心させたいという想いもあると思うからねえ。
「私が通っていた魔法学校では一般人のご家族にはお子様は魔法使いですよとカミングアウトしている」
「は? ……それは、大丈夫なのかい?」
タカミチとしずな先生だけではなく、妖怪も目を瞠っている。
「普通に。周囲に自分達の子供は魔法使いだと言っても、頭を心配されるだけだから。魔法学校に勧誘する時に教師が赴いて説明しているけど?」
「なるほどのう。ルシル君の母校は柔軟なんじゃな」
麻帆良は柔軟性に欠けると思う。
「しかしジョンソン魔法学校では、」
ルシル君はパタパタ手を横に振って否定した。
「ジョンソンではない、メガロとは無関係の過疎ってる学校だから。近爺も知らないと思う」
「そんなとこがあったんか……」
エヴァはお腹が痛そうだ。異世界の魔法魔術学校とは想像もできまいと。
「魔法使いと一般人が結婚したとして、秘密を隠し続けるのは結構ストレスだと思う。ラングレー……CIA工作部や警察庁公安、国防軍防諜部などなら家族にも自分の仕事を秘匿するのは常識だと思うけど」
「爺、和泉亜子の両親に発覚した時に説明するのは構わんな?」
「うむ、魔法のことは他言無用を誓ってもらえれば構わんよ」
エヴァの確認に妖怪は頷いた。
それではと学園長室をルシル君とエヴァが失礼した後で話題になった。
「エヴァの『登校地獄』を解呪したり、さよちゃんを蘇らせたり、亜子ちゃんの傷跡を癒したり、ルシル君は凄まじいのう」
まるで古の立派な魔法使いそのものだと……
「千雨君の体質に気付いて魔法を教えるようになったことについても人ができていますね」
「うむ、まさか世界樹の認識阻害が効かない体質とはのう…………ルシル君なら石化した人達も救えるかもしれんの」
「学園長それは、ナギの故郷の村人達のことですか?」
「うむ、時期を見て頼むことにしようかの」
悪魔に襲撃された村のことだ。はたしてどうなることやら……
「のどかさんは図書委員の図書館島本返却での問題点を指摘されて中等部正面大階段脇にエスカレーターとエレベーター設置ですね。あの指摘と対応も素晴らしいと思います」
「魔法など使わずとも解決できる、ですからね」
「魔法に頼らない姿勢も素晴らしいものがあるのう」
「ルシル君に指摘された通りに一々魔法で助けていたらキリがありませんよ。バレる度に記憶消去だなんてナンセンスだって」
「行動力も目を瞠るものがあります。クラスメイトの那波さんに即座に業者へ見積もりを発注するくらいです」
「ふぉっふぉっふぉっ、儂はただハンコ押すだけじゃったからのう。男女共学化のモデルケースとしてこの上ない逸材じゃな」
「そうですね。ルシル君は既に1Aの中心人物です。明日菜君とあやか君もルシル君に従順なので助かってます」
しかし男女共学化したとして、普通は逆セクハラの的にならないだろうか? 男子にとってある意味辛いことになるのでは?
あやかの部活動……馬術部見学に誘われたルシル君は明日菜とこのかと一緒に訪れた。
「ようこそいらっしゃいました、ルシル様!」
「やあ、あやか。世の中の馬術部はブラックが多いと聞くけど麻帆良の馬術部は大丈夫かな?」
「そこは専門職員を雇用しているから心配ありませんわ」
「ルシル、馬術部ブラック多いってどういうことなの?」
朝4時起き、厩舎の馬糞掃除、餌やり、馬糞堆肥加工、馬の維持費用馬鹿高いからアルバイトに追われる家畜の奴隷などなど挙げ連ねていくと明日菜は引きつっている。
「麻帆良の馬術部がブラックなら寄付しようかなと考えていたんだけど心配ないみたいだね」
「家畜の奴隷は辛いなー」
「ああ、そういえばルシルの幸運値バグってるものね」
「どういうことですの、明日菜さん?」
「ルシルの趣味の一つお馬さん、要は競馬なんだけど、賭けると必ず当たるのよ」
「一回百億円賭けるとか桁がいくつも違うんよ」
「ひゃっ、す、凄まじいですわね……」
原作では明日菜は早朝新聞配達して学費を返していたが、この織地では学生は学業優先だからと、所詮その程度端金だからと閨でルシル君は明日菜をウインウインパンパンパンパンしながら説得した(笑)他にも多数これで説得した。
「あら……? 馬が皆ルシル様を見て怯えているのは……?」
「ルシル君がお馬さんを見る目が完全にお肉だからやえ」
「はい?」
「私には馬とは競馬と馬肉でしかないからね」
『ヒヒーーーン!?』
「馬達はお肉にされる!?って怯えているんだよ」
「あはは、((((;゚Д゚))))ガクガクブルブルしてるなあ」
「本当に馬って賢いわね」
「だから馬は怯えて使い物にならなくなるから絶対に私を乗せてくれることはない」
「まあ、それは残念ですわね……」
心の中でジュルリと涎もの、舌舐めずりしているのがわかるのだろう。
なにせユルゲンシュミットで私は愛馬主として有名人だからね。他領地の馬とエーレンフェストの鳥型魔獣チョコボを交換している。チョコボを食べるようなことはしないが、馬肉は美味い。
ジュルリ♥️
『ヒヒーーーン!?』
ハッハッハッ、ユルゲンシュミットの魔獣は死んだら即魔石だから、チョコボは食用には適さない。馬肉♥️
『ヒヒーーーン!?』
チョコボはまた別の異世界から導入した魔獣だが、ユルゲンシュミットに適応して死んだら魔石になることを確認している。…………貧民幼子の生きたままのシュミル解体とかちょっとありえないよね…………エーレンフェストではシュミルを食用にするのは禁忌になったからもう心配していないが。
一学期中間試験後
「バカレンジャー誕生です」
「ペッパーマンゴー」なる怪しげな飲み物を飲む綾瀬夕映が宣言した。こやつは変なドリンクばかり飲んでいるが、コーラ好きとして、お勧めされた「抹茶コーラ」を飲んでみたが、あれは有りだな。
バカブラック 夕映
バカレッド 明日菜
バカイエロー 古菲
バカブルー 楓
バカピンク まき絵
「ううっ、満点で学年1位のチャオリンや2位のハカセはともかく、なんでルシルは試験免除されてるのよ…………しかも授業は音楽や美術、技術家庭以外全部サボってるし……」
「私はMIT卒業しているからね」
図書館島に籠もってるよ。それに体育の時間は保健室や屋上、個室で保健体育閨実技しているよね。
『はい!?』
「あ、そういえばそうだったわね……」
「これは驚いたネ」
「ルシル様はフランツ・リストやモーツァルト、ベートーヴェン、ショパンなどの演奏も素晴らしいですわ!」
「ルシル君は絵画で国際コンクールに出展されたえ」
「技術ではロボ作ったりな……」
趣味全開しているよ。
ルシル君は放課後の居残り授業で出張のタカミチに頼まれ、バカレンジャーの英語のミニテストをしたところ、何回やっても覚えない明日菜に違和感を覚えて、これは黄昏の姫巫女の記憶が封印されているため、人格が二つに分かれてリソースがその分、割かれているからではないのかと疑った。
「明日菜、多分なんだけど、その状態を改善することができるといったら、なんでも我慢できる?」
「え? わたしがおバカなの改善できるの? ルシルに迷惑かけられないから、なんでも我慢するわ」
ということで記憶を戻して人格を統一したところ、過去の記憶を思い出した明日菜は暫しORZしていたが、立ち直り、ミニテストに楽々合格した。
「ありがとうルシル…………わたし色々忘れていたのね……」
明日菜にどういった理由か説明したところ納得された。
「でもルシルはわたしのことなんで知ってたの?」
「私の固有魔法にステータスというものがある。他人のステータスを見ることができるんだけど、明日菜に『黄昏の姫巫女』の称号があってね。ステータスではその詳細もわかる」
「そうなのね。お礼にがんばるから」
ということで世界樹の下で明日菜と盛り上がった。
…………明日菜はツインテールを止めた。何かしら思うところがあったのだろう。以降明日菜は原作麻帆良祭のデートの時のような髪型にイメチェンした。アイゼンライヒ専属美容師の七重楼力作のようである。七重楼マジ有能。
…………エヴァが明日菜について違和感を覚えたため、事情説明したところ、「よく神楽坂明日菜の人格が消えなかったな」とコメントされた。
「ルシルがそれは人格破壊っていう意味での殺人だからって人格を統合してくれたのよ」
「そうか……、流石はルシルだな……」
原作からわかっていたことだからね。
次の期末テストでバカレンジャーの汚名を返上した明日菜は周囲にどうやったのか質問されまくり、自慢そうにルシル君に抱きついて「ルシルのお陰よ」と浮かれている。
で、新たなバカレンジャーはというと……
「桜崎さん、新たなバカレンジャー歓迎するです」
ゆえきちの宣告に刹那は衝撃を受けた顔になり固まってしまった。
「…………………………………………わ、わたしが新たなバカレンジャー……」
「せっちゃん、下から5番目やからな〜」
「二代目バカレッド誕生にござる」
「刹那歓迎するアル」
「居残り授業頑張ろうね」
1Aには学年1位のチャオリン、2位のハカセ、4位のあやかがいるから、バカレンジャーは相当目立つな。明日菜は10位以内に入ったから相当話題になっているし。
刹那はバカレンジャーになったことで、神鳴流師範代の葛葉刀子からお嬢様の護衛としてそれはどうなのですかと滾々とお説教されたとか……
「刀子先生、離婚して再婚に焦っているみたいだからね」
「せっちゃんも気の毒やね」
「ちょっと、刹那さん可哀想じゃないの?」
「このかの護衛として自覚が足りない。居残り授業で護衛できないってなんなの? ということで、今夜は刹那を招待して逝かせずに耐久レース決定(笑)刹那だけ逝かせない(笑)」
「うふふ、せっちゃんの反応が愉しみやわ〜」
明日菜は刹那の冥福を祈った。
その日の夜はルシル君のガールフレンド達が目の前で愛でられて絶頂しているのに、刹那だけは逝く寸前でお預けされるというプレイを愉しんだ。
最近気になることがある。チャオリンや古菲ことクー、四葉五月ことさっちゃん、ハカセの朝のHR前の教室中華まん販売だ。私にはヴァッシェン・バリアがあるため関係ないが、肉まんの匂いが教室に籠もっていそうだ。
しかしなんていうか……
「朝から教室で中華まんを食べている女の子、色気なくない?」
ルシル君のコメントに教室の空気はビシッと凍り付いた。
「私は男子ということを忘れていないかな? 中華まんを食べている円、真名、裕奈、さっちゃん? それから中華まんを販売しているチャオリン達? 共学化って異性の目も気にしろという意図があることを理解しているのかな?」
『うっ!?』
「あはは、これはまいったよ……」
「お小遣い稼ぎと超包子の宣伝は否定しないけど、教室中華まんの匂いが籠もってない?」
『あ……』
円の食べている肉まんの匂いを嗅いでみたところ、咽た。
「……チャオリン、まさかこれ豚まん?」
「そうネ」
「ちょっと豚まんは……」
「ルシル様は敏感ですからね」
「ザジ、ルシル君の嗅覚鋭すぎると思うぞ」
「ルシル様は基本的に臭いもの嫌いですからね」
ルシル君の朝は魚介茶漬けかご飯に味噌汁、魚の煮付け、出汁巻き玉子などの和食派だ。鶏粥、パンにスクランブルエッグやベーコンエッグ、サラダ、イングリッシュ・ブレックファストなどもある。
教室が臭いのは勘弁してくれ……
「寝坊して朝食べてこなかったとか、部活の朝練でお腹が減るという事情もわかる。でも歯磨きどうするの?」
『あ……』
「真名の食べているのはあんまんかな?」
「あ、うん……」
「あんまんならセーフなのかな?」
お、真名が嬉しそうになった。
「でもルシル、あんこ嫌いじゃなかったかしら?」
「あんこの匂いは大丈夫なんだよね。それにイメージ的にも女の子らしいから、あんまんなどのスイーツ系ならありかな的な? 女子力で真名は円や裕奈達よりも上だね」
真名は肉まんを食べていた連中に対して勝ち誇った笑みを浮かべた。
真名、その反応も大人の女性だよね。本当に同じ中学生なのだろうか?
「今話題の『女子力』……」
「あっはっは、ボク達はいつもあんまんだよ! ボク達は女子力上だね!」
「わたし達もチャオチャオ達のあんまんにお世話になってます……」
風香と史伽の鳴滝双子姉妹はスタイルだけでなく、女子力でも負けていることに気付かないのは本人達だけかと、少しは危機感を覚えろと思うのは私だけなのか?
あ、周囲は生温かい目で双子を見ているね。
まあ鳴滝姉妹や春日美空とは悪戯でよく盛り上がるけどね。結構仲が良い。風香と史伽に付き合ってさんぽ部の麻帆良お散歩を体験したこともある。
美空のいる教会にポンッと寄付したこともあり、シスター・シャークティからルシル君に絶対に失礼な真似はしないようにと、美空は厳命されているようで。
「まあ私のイメージ的にだけどね」
「ルシル様のイメージは大事ですわ!」
あやかはぶれないな。
「まあ大分暖かくなってきたから、もう中華まんの需要もなくなるだろうし、これ以上は言わないけど」
と言って図書館島に向かった。
そこに朝のHRのために入ってきたタカミチは愕然とした雰囲気を訝しく思い、明日菜に質問したところ……
カクカクシカジカ
うまうまマルマル
タカミチは確かにこの年頃の女の子達は色気よりも食い気かなと苦笑した。
「そういえばなんか違和感あると思ったらチャオ達の中華まん販売だったのか……」
「ん? 千雨君は思い当たることがあるのかい?」
「はい、普通は中華まん教室販売なんかないと思います」
タカミチは明日菜の様子を見るために時間があるとルシル君の家を訪問していたため、千雨とも中等部進学前から顔見知りだったのもあって名前呼びだ。
「あはは、わたし達の始めたことだからよ」
「でももうチャオリン達の中華まんに胃袋掴まれちゃったよ…………寝坊した時なかったら辛いかな……」
「もう1年生はほとんどのクラスに浸透したネ」
「固定客掴んだアル」
「超包子恐ろしいな……」
「ルシル様のおっしゃる通り、歯磨きエチケット問題もあるため、色気がないと疑問を呈されるのではありませんか?」
ルーナにほとんど頷いた。
「裕奈達も龍宮さんみたいにあんまんに切り替えればいいんじゃないかな?」
「アキラ、うん、そうする」
「お、これはあんまん需要増えるネ」
「売りまくるアル」
スイーツ系中華まん開発します。スイーツ系なら冷やしても売れると思います。
さっちゃんにも火がついた。
超包子はたくましいな。
「ええ……、肉まんがなくなるの辛いんだけど……」
円に同感という女の子も多い。
肉食系女子か
「飴でも舐めて匂い消せばいいんじゃないかしら?」
「「それだ! 明日菜天才!」」
これはルシル君のある意味クレームのため、タカミチは黙認することにした。
「高畑先生、やはりルシル様のおっしゃる通り、女子力が重要なのですね?」
「まあ一概には言えないけど、好ましくは思うかな」
あやかの質問にタカミチは無難に返した。
「女は30歳になる前に結婚できなきゃ負け組の烙印押されるぞ? これでもかって勝ち組からマウント取られるみたいだな」
「それは屈辱的ですね」
千雨と茶々丸の会話に女子力皆無な連中は危機感を抱いた。
翌日からあやかが教室に花や柑橘系フルーツを飾るようになった。芳香剤代わりだ。流石は華道部。
…………ルシル君の席にも飾られているという……
…………これを翌朝見たルシル君は内心これが菊だったらイジメだよねと乾いた溜息を溢していた。
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