原作開始
お子様教師誕生はなくなり、麻帆良学園に来たクソガキは初日からやらかしやがった。
電車でくしゃみして魔力暴走で女子学生達のスカートめくり、魔力身体強化……
妖怪にクソガキの出迎えを頼まれたあやかと千鶴が女子中等部の前で会話しながら待っていた。
「どんな子なのか楽しみね、あやか」
「そうですわね。ですがわたくしにはルシル様という運命の殿方がいますから、どのような子でも揺らぎませんわ!」
「あらあら」
「あのーーー、あなた失恋の相が出てますよ」
そこにクソガキが現れた!
「え゙……、な、なんですって、このガキ!?」
「いえ、何か恋愛の話が出てたようだったので、」
「どどどどういうことですか!? 適当なことを言うと承知しませんわよ!」
「い、いえ、かなりドギツい失恋の相が、」
「ちょっと!?」
「あやか相手は子供よ?」
「わたくしはクソガキは大っ嫌いなんです!」
あやかはクソガキをアイアンクローした。
「取・り・消・しなさいませ〜〜」
ここでクソガキがまたくしゃみしてあやかを下着姿にしやがった。
「!? キャーーーーーーッ!? なんなのですか、これはーーーー!?」
あやかを下着姿にしたのにクソガキは「親切で教えてあげたのに」と、ぷんぷん怒ってやがる。
【円】で監視していたが、これは酷い。私の【円】はミュージック・ハンター センリツの聴覚能力も看取っているため、音も聞こえる。
これが原因であやかはクソガキが大嫌いになった。しずなが出てきてあやかを着替えさせて、千鶴と一緒に教室に向かわせた。
妖怪の思惑としてはショタコンのあやかと子供が好きな千鶴と会わせて仲良くなってもらい、従者にと考えていたがこれでもかとフラグが粉砕された(笑)
学園長室でぬらりひょんが学園長席に、ルシル君は応接ソファに座り、タカミチとしずなが立っている。
クソガキから自己紹介されたが、こいつ自覚もしていないから性質が悪いな。
「ネギ君には麻帆良学園初等部に通ってもらう」
「え……?」
「学校でお勉強してくるんじゃ」
「え、ですが修行は先生になることだって、」
妖怪ぬらりひょんからの通達は寝耳に水か。
「初日から遅刻する教師がいるか。教師舐めんな。心構えからして失格だ」
今日は人身事故による遅延もなかった。
クソガキにタカミチから英語の教科書を渡してもらい「P.44を声に出して読み上げろ」と告げた。
「? は、はい……、」
クソガキの教科書朗読が始まった。
「……………………その歌うような抑揚イントネーション、ウェールズ英語そのものだな」
「うむ。ネギ君、日本の英語はアメリカ英語と定められておるんじゃ」
「え……、」
「そういうことだから、ネギ君に英語教師は務まらないと判断されたんだよ」
「でもタカミチ、魔法の修行は、」
「お前ここに魔法関係者以外がいたら魔法バレしていたことを理解してないだろ。迂闊過ぎる。小学校、ここの初等部から始めて中等部、高等部、大学を卒業してから先生になれ。課題は『日本で先生をやること』だろう。先生になるための過程も修行の一環だ。そのくらい文面から読み取れ。D u understand ?」
もう面倒だからオージー・イングリッシュ。
「そんな、それならアメリカ英語の発音をすぐに覚えますから、」
「そんなこと指摘される前に調べて覚えてこい。心構えからして失格なんだよ」
「で、ですが、」
「『先生』とはどのような意味だと思う?」
「え……、」
「先を生きる者という意味だ。お子様に年上の女の子達の先生が務まるとでも? お前の周囲でこの課題は何かの間違いではないかと声を上げる者はいなかったのか?」
「それは……、」
妖怪とタカミチ、しずな先生に話を振った。
「ネギ君、ここに来るまでも全て審査されておったのじゃ」
「ネギ君、先生というのはとても厳しい職業なんだよ」
「ネギ君があやかさんにしたことは到底許されることではありません」
「え、だって、ボクは親切で占いをしてあげただけで、」
「それを余計なお世話という」
「え……、で、ですが、」
〈シュラートラウム〉
次の瞬間クソガキは寝落ちした。
「ふぉっ、どうしたんじゃ、ネギ君?」
夢の神 シュラートラウムで眠らせた。
「ガタガタ五月蝿いから眠らせた」
「ルシル君容赦ないね……」
「時間の無駄」
私が同席したのはクソガキを教師にされたら堪らないからだ。絶対にクソガキ教師誕生を阻止するために介入した。
「2Aには精神ケアが必須な生徒が何人もいることを忘れたのかな?」
明日菜と亜子、さよちゃん、小夜子のことは目を離せないよね?
「ううむ……、それがあったのう……」
だから彼女達は私の周囲の席になっている。明日菜の人格統合については明かしていないが、他にも常にフォローしていることを忘れてもらっては困る。
「亜子ちゃんとさよちゃん、小夜子ちゃんがいましたね…………本当にごめんなさい、ルシル君……」
「傷跡が癒えた亜子ちゃんまでかの?」
「……背中を見せることは本人にとっては避けたいようです……」
亜子は完全にトラウマになっているからね。朝起きたら鏡で背中を確認して、それで安心するとか……
「しずな先生、時間が解決するしかないと思うよ。近爺、頼むから迂闊に魔力暴発するような輩を担任にしないで」
「うむ、すまなかったのう……」
クソガキと手紙をアパートの管理人に引き渡した。
「重っ!? この子こんな重い荷物持ってきたんですか!? どんな身体能力してんです!? え、なんですか、この杖? それに学校にこんな荷物必要ないですよね?」
クソガキと荷物はタカミチが管理人の車に運んだ。
「ほら、一般人から見ても、認識阻害があってもツッコミどころ満載だってさ」
当日入りとか論外だろ。前日までに引越しと職員室で挨拶、周辺散策くらい済ませろ。そうすれば遅刻などしない。
「あのクソガキはメルディアナ魔法学校で幼馴染以外の子供達と交流しなかったから、余計ウェールズ訛りが酷いのだろう。図書室に引き籠もりのガリ勉くんあるある。ああ、でもUK全土から生徒が集まってくるから、矯正されたとしてもイングランド英語か」
英国は連邦国家だからそれぞれ訛があるんだよ。貴族階級アッパー・クラスではクイーンズ・イングリッシュだし、中流階級ミドル・クラス、労働者階級ワーキング・クラスでも発音異なるし、そこから更に複数種類にわかれて訛りがある。
そういえばホグワーツでも訛りが酷いのいたな。トロールやガマガエルとか。
私はホグワーツではクイーンズ・イングリッシュで通したよ。ダフネやティルミナ達スリザリン・カースト上位層もそうだったからね。
…………ハリーの中流階級ミドルクラス訛りについて、ドラコを筆頭に名家ポッターになんてことをしてくれたんだと、評判最悪だったな……
「とほほ……、とんだ落とし穴じゃな……」
無理がある。
ルシル君が2Aに顔を出したところ、あやかからクソガキについてこれでもかと愚痴られた。
「全く信じられませんわ」
「災難だったね」
「あやかが下着姿になったのもおかしいわね」
「ルシル様はあのクソガキについて何かご存知ありませんの?」
あやかと千鶴は魔法について知っておいた方がいいか。雪広コンツェルンと那波重工のお嬢様だから、何れ魔法について知るのは必然だし。
ということで昼休みに一緒に昼食を摂りながら、魔法とクソガキについて説明した。
「あのクソガキは魔力制御が未熟で一般常識に欠けるから初等部に編入させることになった」
「まあ、そのような事情があったのですね……」
メガロの人工英雄計画について、2Aはあのクソガキのための従者候補、生贄として集められたクラスだと教えたところ、あやかは憤慨した。
「それを阻止してくれたんがルシル君なんよ」
「本当にありがとうございます。公衆の面前で裸にされたら堪ったものではありませんわ」
「それは確かに迷惑ね。それにしてもルシル君は凄い部屋をもらったのね。このお昼も美味しいわ」
あやかと千鶴もダイニングサーバーのお昼……和伊懐石御膳に舌鼓を打っている。
「このお寿司はアマダイですか? 鱗の皮はパリパリで香ばしくて身は生みたいで、これは松笠揚げですか……?」
「あやか、身が生の松笠揚げなんて聞いたこともないわ。ルシル君、どんな魔法を使ったのかしら?」
「湯霜の応用で胡麻油をかけて氷で急激に冷やしてみた。これは『油霜造り』だね」
「……レモンが効いているからイタリアン風味になるのね。これが趣味って……」
「寿司職人や料理人顔負けですわね……」
趣味ですから
「毎食このような美味しい物を明日菜さん達は食べているのですね……」
「ルシルこの容姿で目立つでしょう?」
「おじいちゃんが配慮してくれたんよ」
「当然の配慮ですわね。やはり殿方はルシル様のように紳士でなければなりません」
以降あやかのショタコンは何処かに家出した。
原作破壊乙
ネギ視点
…………目覚めたらアパートの部屋にいた。学園長からの手紙があったから読んでみた。
ネギ君へ
初等部の制服はクローゼットに、授業の時間割と教科書は机の上に、ランドセルは机の横に置いてあるからの。その日の授業の教科書をランドセルに入れて、それを背負って制服で初等部の3 - 1に通いなさい。3 - 1に転入手続きはしておいたからの。
指摘された通り、初等部から大学まで卒業して先生になるのが修行の道のりじゃ。
食事は自炊してもいいし、周辺のお店を利用するのも自由じゃ。お金はナギの遺産から毎月決まった額が君の口座に振り込まれるからの。大切に使いなさい。独り暮らしも修行の一環じゃよ。
学園長 近衛近右衛門
「なんで……?」
それに学園長室のソファに座ってたあの凄い綺麗で笑顔だけど怖い人は一体誰なんだろう…………遅刻なんて日本初めてなんだから仕方ないじゃないか……
「…………でもそれも修行の一環だっていうなら…………確かにお姉ちゃんとアーニャも子供が先生なんて何かの間違いだって言ってたし…………『そのくらい文面から読み取れ』って、あの人は間違ったことは言ってないのか…………っていうか、そんなことを読み取れって無理があるよ……」
それも修行だっていうならやってみせるよ。
…………ナギの遺産? ニートにそのようなものはない。恐らくはメガロの補助金?立派な魔法使い奨学金?だろう。凄いな、女王様はニートと結婚したのか。赤毛は紐だったんだね。
女王様がメガロから亡命し妊娠出産後はサバイバル生活か? それか敵組織を潰して回り、諸々押収してそれを資金源にしていた? 青山詠春から援助されていた? どちらにしろ根無し草には変わりないな。無職のニートじゃん。
…………NGO所属だから一応収入はあったのか? 悠久の風は表向きは国連にも参加しているし…………でもニートそのものだよね
クソガキが初等部初登校した翌日学園長室でルシルは妖怪ぬらりひょんとタカミチ達とお茶をしながら、クソガキのやらかしを話題にした。
「ルシル君から指摘されたお陰でネギ君は初等部に登校したようじゃな」
「また堂々と魔法の杖持って魔力身体強化して走って登校したってさ」
妖怪ぬらりひょんはお茶をぶふぉっと吹き出した。
「途中出会った女の子にまた失恋の相が出ていると告げて一悶着起きたって。流石は英国紳士、デリカシーの欠片もないね」
タカミチは乾いた笑みを浮かべている。
「教師が教え子に『君は失恋する』なんて最低な発言はしない」
そういうのを余計なお世話と言う。って教えたのに学習せずにやらかした。
「む、むう……」
失恋も成長するには必要なことだよね?
「しかもまた電車内でくしゃみして魔力暴発して女子学生達のスカートめくり」
「……魔力制御が未熟なんだね……」
クソガキそのものだ。
「花粉症の疑いもあるから病院で検査してきたら?」
「あ、それは確かに……」
「黒板消しトラップ、頭の上に落ちてきたのが魔法障壁で一瞬浮いて早速怪しまれたって」
「魔法に頼り切りかい……」
何故日常で魔法障壁を張っておく必要がある?
「初日から魔法バレして記憶消そうとしてパンツ消すってどういうこと?」
女の子が可哀想だろう。制服代や下着代弁償しろ。慰謝料払え。
何故クソガキのことに詳しいのか? 本やレコーダーにブック・オブ・ジ・エンドの栞を挟めばその時の状況が記録されていることになる。
「麻帆良には認識阻害結界があるからといっても限度がある。一般人の前で迂闊に魔法を使うな。このままだと一般人に魔法バレ多発してオコジョ収容所直行じゃない?」
「ううむ、タカミチ君、その点ネギ君に注意を、」
「すみません、僕は放課後居残り授業がありますから」
バカレンジャーのね。
「ルシル君、」
「ヤダ。あのクソガキに関わりたくない。2Aの生徒達にも関わらせないで」
じゃあねとルシル君はタカミチと一緒に学園長室を出ていった。
屋上で一緒に喫煙しながら……ちなみにルシル君はバショウ煙草……クソガキについて話題にした。
「初日であれだよ? 先生なんか務まらないよね。タカミチさぁ、英雄の息子に夢見てない?」
「…………実感したよ。確かに教師と魔法の修行の二足の草鞋なんてできる訳がない。ネギ君は初等部で一般常識を学んで休日修行した方がいいね」
「魔力制御は早急に徹底させないとマズい。小学3年生の女の子でもスカートめくりされたら可哀想だ。このまま成長して下手したら男女揃って全裸にされる可能性もある。それは最早歩く厄災だ」
タカミチの口は引きつった。
「それも確かにね……」
「あとは学校や公共の場で魔法を使うなとね。杖の携帯も禁止だ」
「魔法先生達と共有しておくよ」
「魔力制御が未熟な間はギアスで魔法を封じることも検討した方がいい」
「……それもやむを得ないね」
魔法先生達が協議したところ、平日はギアスでクソガキの魔法を封じることが決定した。案の定初等部で魔法を使って一般生徒に目撃されたり、スカートめくりが頻発したからだ。
病院で検査したところ、花粉症ではなかったようだ。ギャグ補正?
それに惚れ薬騒動まで起きた。失恋占いをした小6の女の子のために購入したとか。違法だろ。
ホグワーツでも惚れ薬はあったが、人の気持ちを薬で操作するって最高に気持ち悪い。『愛の妙薬』アモルテンシア、吐き気がする。
「神多羅木先生、ネギ君を見てどう思いましたか?」
「ルシル君の言う通り一般常識と魔力制御が先だな。何かと魔法に頼る癖がある。いくら認識阻害結界があっても普通に怪しまれる」
「ルシル君は女の子が裸に剥かれたら可哀想、歩く厄災だと言っていましたよ」
「厄災か。僕もネギ君が担任になる予定だったクラスに娘がいるから、ルシル君に感謝するよ」
「明石教授もですか」
「僕は娘に魔法のことを隠しているからね。下手にバラしてほしくない」
「ルシル君には2Aはメガロの人工英雄計画ミニステル・マギ候補……生贄を集めたクラスとバレバレでしたよ」
タカミチの発言に激怒する者が多数……
「ふふふっ、僕の娘を生贄か……随分とふざけたことを計画しているね、メガロは……」
「ルシル君が他校から虐めの被害者を救ったんですが、虐めの主導者は『立派な魔法使いマギステル・マギ』資格信者のメガロ出身教師です」
「なんだって……」
「ルシル君は『立派な魔法使い』? 笑わせるな! と激怒していましたよ」
「それではルシル君は……、」
「『立派な魔法使い』について嫌悪しています。資格について『メガロの犬』と鼻で嗤っていましたよ。『魔法使いよ 大衆のためにあれ』が信条のようです」
「嫌悪して当然だろうね」
「ああ、本当に笑わせるなと言いたくなる」
誰もがメガロの『立派な魔法使い』資格に批判的になった。
「あ、そうだ。明石教授、これはルシル君からの手紙です」
「ルシル君からかい?」
タカミチから手紙を渡された明石教授は開封して読んでみたところ、もう少しで吹き出すところだった。
”裕奈は『お父さんのお嫁さんになる』そうですよ?”
「? 明石教授、どうかされましたか?」
「い、いや……、女の子の教育は男親だけでは難しいと思ってね……」
「明石教授も大変ですね……」
明石教授は内心それどころではないんだけどねと乾いた溜息を溢していた。
「…………女子寮で淑女教育は難しいのかな…………タカミチ君、確かルシル君庇護下の女の子達はルシル君の家に下宿しているんだよね?」
「はい、学園長公認です」
裕奈の父親の明石教授は女子校の弊害を、男がいない環境を実感した。普通に男の子と恋愛をしてくれと……
感想大歓迎です ♪