中等部三年生
…………クソガキをフォローしてくれとか言われたけど、知らないよ。
「そもそも初等部校舎違うよね」
「だな」
「牡蠣グラタン美味しいですね」
神多羅木先生と刀子先生と一緒に牡蠣尽くしで一杯やっている。
「クソガキは図書室に引き籠もりなのだろう? 初等部に放り込まれた意味を理解していないな」
「はい……」
エヴァの辛辣な指摘に刀子先生は否定できない。
「コミュ舐めてんだろ。麻帆良初等部3-1はそういう面子が集められているのに」
「過保護だな」
大企業役員御曹司子女、お茶家元、スポーツ万能女子などなど、明らかに作為しか感じられない。
「ああ、牡蠣ときのこのアヒージョのオイルにバゲットも美味しいですね……」
「おい、現実逃避するな」
「わたしは関西呪術協会所属ですから」
「くっ、正論だな」
エヴァは熱燗をクピッと飲み干して笑った。
あのクソガキは月曜日登校するとギアスで魔法を封じられて魔法使いの杖を没収され、金曜日放課後ギアスが解除されてから杖を返却されるという生活をしている。
「神多羅木先生、魔力制御は実際どうなってるんですか?」
「進歩が見られないな」
「休日外出禁止も検討した方がいいかな。先の三学期は休日度々杖に乗って空を飛んでいる姿が目撃されていたようだけど、魔法先生はそれに駆り出されてブラック極まりない」
「御愁傷様だな」
麻帆良限定ならブラック職業ワースト1ではなかろうか。
「魔法なんて才能タレントの一つに過ぎない。もう本人の記憶から魔法魔術のことを消去して、ギアスで一生魔法を封じて、一般人として生活させた方がいいんじゃない?」
「それはいいな。わたしも麻帆良に封じられてからは10年以上魔法なし同然の生活をしてきた」
まだ子供だからという言い訳は通用しない。
「それは学園長が頷かないだろう」
残念だ。
「それならくしゃみ対策にフルフェイスヘルメットさせるとか」
エヴァが吹き出してツボっている。
「この際仕方がないか」
「スカート捲りされたら堪りませんからね」
これには妖怪がゴネたが、主にこれまで後始末してきた魔法先生や女性教師からの熱い賛成意見が続出した。
「近爺、こちらとしてはストッキングを被せてやってもいいのだけど?」
「ひょっ!? そ、それはあまりにも可哀想じゃろ…………わかった……」
で、学園長室にクソガキを呼び出した。
「あ、あのー、何かご用でしょうか?」
「うむ、ネギ君や、これまで何回くしゃみして魔力暴走からスカート捲りしてきたか覚えておるかのう?」
「え……、そ、それは……、」
覚えている訳ないよね? 毎日複数回しているのだから。
「スカート捲りは性的嫌がらせ、セクハラということも理解していないだろう?」
「うっ……」
ということでクソガキにフルフェイスヘルメットを装着した。
「え? こ、これは、」
「外出する時には必ずこれを被れ。授業中や体育の時も例外ではない。食事の時にはマウスガードをずらして摂れ」
「そ、そんな、」
五月蝿い。ガタガタ吐かすな。
呪いを付与して自分の部屋以外で外せないようにしてやった。
ぷっ、ド変態極まりないな!
あ〜、ぽんぽ痛いよ〜〜www
亜子とまき絵が体育の着替えで裕奈の胸が発育著しいことに羨望のまなざしで見ている。
「またブラ買い替えないとかにゃ〜」
「ゆ、裕奈……、どうやったらそんなに成長するの?」
「ん〜、牛乳かにゃ〜?」
購買の牛乳に走る亜子とまき絵と出くわしたルシル君は事情説明されたのだが……
「それデマだから」
「え……」
「牛乳飲んだら胸が大きくなるとか迷信だよ?」
「そんな……」
亜子とまき絵はガーーーン|||と衝撃を受けているようだ。
「個性的でいいじゃない。亜子とまきの胸、私は好きだよ?」
二人は復活した。
「でもルシル君は裕奈の胸に惹かれないの?」
「いや、こちらが引くレベルのファザコン娘はちょっと……」
私の妹マインは原作では下町家族との決別の時にギュンター父さんに請われて言った言葉だからね。当時のマインは7歳だよ?
「だよね」
「あれはうちも危ないんちゃうかな思うわ」
『お父さんのお嫁さんになりたい』は小学校低学年までにしてくれ。
「あれにはアキラも引いてたよね……」
そこにアキラと裕奈も来たため、一緒にお昼にすることにしたが、裕奈のファザコンは危ないレベルだと指摘したところ……
「だってわたしがいないとダメダメなんだよ!? お父さんにはわたしがいないといけないの!」
「う〜ん、安定のファザコン重症患者だね」
「うん、ルシル君に同感だね……」
「病気扱いされた!?」
「裕奈、うちも否定できん」
「裕奈のそれは危ないと思う」
必死に言い訳するこやつはやはり重症である。つける薬はないなと放置することにした。
…
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