麻帆良祭
麻帆良祭の打ち合わせのため、世界樹前広場に集合した魔法先生と魔法生徒達は新入りのフルフェイスヘルメット……もう面倒くさいからメットだな。メットのクソガキ……ネギ・スプリングフィールドを紹介された。
その現場を覗き見されていることに【円】で真っ先に気付いたルシルはピアッシングでステルス・ドローンを撃墜した。
「流石はルシル君、感知と魔法発動が誰よりも早いね」
「流石はルシルさんです」
ガンドルフィーニ先生と愛衣に褒められた。
「ガンドルフィーニ先生、あとはお任せしてもいいですか? 犯人は3Aのチャオリンとハカセです」
光学迷彩を着込んであそこにいますよと視線を向けた。
「また彼女達か。任された。高音君とあと一人誰か、」
「ボクも連れていってください!」
うげっ、クソガキここででしゃばるか。
…………結果チャオリンを捕縛するもクソガキが庇い釈放されるという……
その後で学園長室で……
「実はな、ネギ君がルシル君に、」
「帰る」
私は席を立った。嫌な予感しかしない。
「ちょっ、待っておくれ。鎌倉銘菓くるみっ子とプティ・フール・サレ付けるから」
「割に合わない」
「十四代を一升瓶で」
「中々私の好みを心得ているね」
お茶菓子と十四代をインベントリに収納してからソファに座った。
「で、あのクソガキが私に弟子入りしたいとか?」
「その通りじゃ。ルシル君はあの時始動キーなし無詠唱無動作杖なし魔法でステルス・ドローンじゃったか? 撃ち落としたじゃろ。あんなことできるのはルシル君しかいないとガンドルフィーニ君達が絶賛しとったそうじゃ」
ちっ
「あのクソガキまだまだ魔力制御未熟だよね。寝言は夢の中で言えと伝えておいて」
「そこをなんとかならんかのう」
「魔力暴発で裸にされたら堪らない。公然わいせつ罪に該当するのだけど? 一般常識と魔力制御が先。学校にあの大きな杖持ってくるな」
「学園長、ルシル君の言う通りネギ君はまだまだ未熟ですよ」
「むう……」
「未だにあの杖に乗って飛んでいる姿が目撃されている。認識阻害も使わずに。対処する魔法先生達の身にもなれ」
苦笑いしている魔法先生が多い。
「それに初日に魔法バレした時に勝手に記憶を消そうとしたよね? ふっざけんな。何様のつもりだ。未熟者がしていいことではない。下手をすれば全ての記憶を喪うところだ。人生が滅茶苦茶になる。未遂は暴行罪だね? パンツ消したのは迷惑防止条例違反か不同意わいせつ罪が適用されるか」
「ルシル君の言う通りネギ君は一般常識を身に着けることが先ですね」
「しずな君も同意見か……」
「それから魔法使いの杖は武器だよね?」
「うむ」
「銃刀法違反に該当する」
「ふぉっ!?」
「皆様想像してみましょう。公共の場で包丁やバタフライナイフの刃を剥き出しで持つ輩を。……危ない人にしか思いませんよね? あいつは頭が可笑しいから近寄るなとしか思いません。魔法使いの杖も同様です」
「……ネギ君には僕から伝えておくよ」
「あとは先生と生徒達で何人か銃や刀を裸で持ち歩いている方達がいますが、これも銃刀法違反です」
「ふぉっ!?」
「刀の持ち運びは専用の袋に入れて持ち運ぶ必要があります。簡単には使えないように定められているのです。刀子先生と刹那は法律を守っていますが。ここは日本であって魔法世界ではない。治外法権ではないのだから早急に改めるように」
顔色の悪い者達が何人もいる。
「魔法は秘匿するものだ。あのクソガキが無駄な正義感でチャオリンを庇ったことで一般人に魔法がバレるリスクが増えたことも理解していないだろう?」
「しかしチャオ君はあくまでも一般生徒であって、」
「いや、巧妙に偽装しているがあれは魔法使いだから」
『!?』
ルシルの暴露に先生達は目を瞠った。
「私の感知能力を甘く見るな」
「タカミチ君を始めとしてチャオ君から学祭期間中は目を離さないように」
魔法関係者達は全員頷いた。
「チャオリンには私からお話しておく。妙なことをしでかさないようにしておくから」
ということでルシル君はチャオリンとお話しだ。
「ルシル君、お話って何ネ? デートなら大歓迎する、」
「未来の火星人チャオリン」
「!?」
「時間操作懐中時計「カシオペア」か。面白いアーティファクトだね」
「…………何故それをルシル君が知ってるネ?」
色仕掛けしようとしていたチャオリンが一気に警戒心をMAXにした。
「チャオリンの心を読んだ」
原作知識と開心術があるからね。嘘は吐いていない。
「ルシル君なんでもありネ…………確か読心術は相手に触れる必要あったと思うネ……」
開心術だからね。
「魔法の世界バレねえ。チャオリン残酷な現実知りたい?」
「何ネ?」
「この時間軸で世界魔法バレしたところでチャオリンのいる時代は変わらない。既に別の時間軸として確立されているから」
「そんな……」
「チャオリンの知る今の時代に私はいなかったんだよね? エヴァがいたことになっているのか。チャオリン、カシオペア貸して」
「いいよ……」
「うん、カシオペアはパラレルワールドに跳ぶ機能もあるようだ」
「そういうことネ……」
真相はインスタント国境門でこの異世界に介入したルシフェリアにより別の時間軸、世界線になったということだが。
「それにしてもルシル君よくすぐわかたネ?」
「逆転時計タイムターナーというものがあるらしい。古文書に載っていた」
実は持っているが(笑)ハリポタ世界の魔法省からコピってきたよ。
「え、それってまさか……?」
「カシオペアはタイムターナーと感じが似ているからすぐにわかった」
タイムターナーは砂時計型で、カシオペアは懐中時計型である。
「そういうことか……」
「悲惨な世界に帰るよりもこの時間軸で幸せになればいい」
「そんなこと許されるネ……?」
「幸せになる権利は誰にでもある」
「ルシル君ありがとう……」
「お礼に超包子でごちそうしてよ」
「あはは、ルシル君ならいつでも歓迎ネ」
で、超包子でチャオリンと飲み食いしながら……
「あれの子孫ねえ……。本当にあれが教師のIFがあったとは……」
「初等部に通うことになったのもびっくりしたネ」
「労働基準法違反や学歴詐称諸々、文科省や労基署、マスコミなどにリークしてやろうかって妖怪とお話した結果だね」
「ルシル君そんなことしてたのネ……」
「このかのおパンツ様をぬらりひょんの頭に被せてやろうかと」
チャオリンは吹き出した。
「このかの脱ぎたてほかほかのおパンツ様もらったからね。準備はできている。いつでもバッチコイ」
チャオリンは暫しゴホゴホと噎せていたが、「…………そ、それやたら、確実に学園長終わるよ……」とコメントされた。
「大体訛ったウェールズ英語など迷惑極まりない。学習指導要領ではアメリカ英語を教えることと定められている」
「あ……」
チャオリンはまほら武道会開催は止めると決めた。
3Aで麻帆良祭の出し物について会議になったのだが、コスプレ喫茶や大人向けのクラブ……ぼったくりキャバクラって……、
「風営法違反。それに3Aは可愛い女の子が揃っているから、セクハラされたらどうするの?」
『止めます!』
終いには千鶴から『もうノーパン喫茶でいいんじゃないかしら』と……
「千鶴、ドン引きした」
「ほほほ、もちろん冗談よ、ルシル君」
いや、だからなんで千鶴の年齢でその発想になるんだよ?
「ルシル君には何かアイデアないのか? このバカ達に任せてたら決まらないぞ?」
「ルシル君お願いします」
千雨としずな先生に「それもそうだね」と頷いた。
「浴衣喫茶はどうかな? お祭りは浴衣だよね。3Aは留学生が多いし、可愛い女の子が揃っている。日本の文化を学ぶためという、留学生のための理由もある」
『決定(です)!』
満場一致かい。しずなは「流石ルシル君、頼りになるわ」と頷いている。本当に女子校の先生は大変だよね。男の目がないからと暴走するから。
ここにルシル君いますよ?
それは男子校もか。異性コミュ力不足になりそうだ。まあだからこそ男女共学化というのは有りだと思う。
「問題はメニューだけど、あんこは断固拒否する」
「あ〜、ルシルあんこ大嫌いだものね……」
「チャオリン、なんとかならない?」
「和食甘味処であんこ使えないのは相当厳しいネ」
さっちゃんからもそれは厳しいですと無言の訴えをされた。
「ルシル君、あんみつは鉄板だよね?」
「真名はあんみつ大好きだったか…………ん? チャオリンとさっちゃん、米麹で発酵させた小豆のデンプンを糖化させたあんこ知ってる?」
二人は首を横に振った。
ちょうどアバターのフィードバックがあったんだよね。
「家庭科室貸してもらおう」
結果大好評だ。
料理現場はチャオリンとさっちゃん、このか、千雨、千鶴達で担当することになった。
「ねえルシル、那波さん接客にしないの?」
「セクハラされたら面倒」
『ですよね』
彼女はとても中学生には見えない。女子大生かと。一年生の時あれがついこの前までランドセル背負っていたのかと、それは相当痛い姿だったのではなかろうかと思っていた。
麻帆良祭当日…………おい、麻帆良大学の航空部? またかよ…………飛行機や飛行船を運転しているが、ライセンス持っているのか?
フライトスクールは桶川市にホンダエアポートがあるから、麻帆良から通えるね。趣味レベルなら200〜500万円でライセンス取れるのか。それでもライセンス取得まで2年〜4年かかる。大学に最低2年在籍する必要があるみたいだし。
違法だね(爆)
また非常識を目の当たりにしたよ。もう3年目だから遠い目をしてスルーした。千雨も同様だ。
ルシル君は宣伝も兼ねてガールフレンド達と浴衣で交代で宣伝していった。
世界樹前広場でもないのに、ルシル君に告白する女の子が続出した。
「…………さよちゃん、小夜子、どうなってるの?」
「「ルシル様ですから」」
ハモったよ……
「しかもクソガキのクラスメイトが何人もいたよね」
それにクソガキが失恋の相が出てると勝手に占った女の子もいた。
「例の悪魔襲撃事件じゃないですか?」
「ルシル様が瞬殺して紳士的な対応をされたのですよね。それは惚れます」
「ルシル様は胸が出てきてからにしなさいってお断りしていましたけど」
「那波さんみたいな女の子から告白されたらどうするんですか?」
「流石に小学4年生はアウト」
昔のエヴァの時点で色々ヤバいのだから、洒落にならん。エヴァは中身大人だからいいのだ。
「ルシル様はどの年齢層にもウケますからね」
「小夜子、止めて」
「ルシル様に幼女が発情しても当然と言いますか、」
「言い方!」
「いえ、あれはルシル様に発情してる目でした」
ドン引きした。
おのれ、将門めーーーっ!!!
世界樹の異常発光による告白阻止に駆り出された真名は、世界樹広場前でもないのに告白されまくるルシル君にモテる男も辛いねと段々と呆れていった。
「しかし水無瀬も随分と明るくなったものだ」
「1Aに転入してきた時はルシル殿から離れようとしなかったでござるからな」
「それだけルシル様が神だということだ」
「楓と刹那か」
真名は後ろを振り向きもせず答えた。
「およ? ルシル殿達の姿が消えたでござるよ?」
「……恐らく認識阻害の類を使われたのだろうな。あのように告白され続けたら鬱陶しくもなるだろう」
「真名や刹那でも見抜けないでござるか?」
「ああ、お手上げだ」
「完璧な隠形だな」
またまた売上利益入場者3Aが1位だ。別にお祭りで順位なんて気にしていないけど。
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