異世界バトルドロイド軍団   作:サイリウム(夕宙リウム)

10 / 10
10:ほわぁぁ!

 

 

「ほ~、それゴーレムかい? 豪勢だねぇお嬢ちゃん。どこで手に入れたんだい?」

 

「あはー! 飯のタネ話す商人がどこにいるってんの! もうちょっとしたらいっぱい作ってドカーンと売り出しちゃうから、それまでお預けね!」

 

「……は~、そりゃ結構なことで。けど薄給の俺には買えねぇだろうなぁ。今のうちに目に焼き付けておくことにするよ。……流石に見物料は取らねぇよな?」

 

「え~、どうしよ~! ……あは! 冗談冗談! んで、通行料いくら?」

 

 

“なぜか”ほんの少しだけ返答が遅い門番。

 

そんな彼との会話に興じながら、けらけらとした笑みを投げかけていく。背丈や見た目も相まって、今の私は正に『新種のゴーレムを連れたメスガキ』っぽいムーブが出来ている事だろう。こちらに向けてくる視線が“いかにも”という感じだったので少しカマを掛けてみたのだが……。面白い様に引っかかってくれている。

 

うんうん、こういうのめっちゃ楽しい。

 

 

(はい! というわけでミクニちゃん。なんと町に到着しました!)

 

 

ちょっと大きめの都市で、石壁でぐるっと囲んだ城塞都市! 今回の旅の目的地にようやくたどり着いたってわけですね! いやはや、ここまで来るまでどれだけかかったか……! 改造馬車ことただの自動車で2時間くらいかかっちゃった。

 

……まぁ馬車の中でドロイドたちとカードで遊んでたから全然暇では無かったんだけど。

 

とまぁそんな感じでたどり着いたのが、この町。エリンちゃんたちが教えてくれた『グレズナ』だ。

 

 

(この辺りでは一番大きな街だっけ? 出入りに門番配置してるあたり、結構人と金が集まってる感じかな?)

 

 

前も言ったが、この旅の目的は鉱石探し。

 

戦艦の修繕やドロイド作成で減った鉱物資源を、この惑星で補充できるかの調査となっている。本音を言えば、本国とかにいる地質学を専門としたドロイドを呼んで来て、地面を延々と掘って調査してから行動した方がいいんだろうけど……。無いものねだりをしても仕方がない。

 

現地で鉱山がある場所を探す、もしくは目的の鉱石を見つけてどこから流れてきているかを探す。これを行うために、人や金が集まり、情報が集まっているであろう大きめの町にやって来た、ってわけだ。

 

あ、ちなみに通行料だけど『魔物の襲撃から救ってくれたお礼』ってことで村の人たちから少額だけど分けてもらってるんで問題はないです! マッチポンプなので私の心が痛む以外はねッ!

 

 

「あ~、馬車1台で銀貨1枚、人は銅貨3枚なんだが……。いいもん見せてもらったし、今日は銀貨だけでいいぞ。」

 

「マ? 助かるー! あ、でもちょっと細かいのしかないからさ。嵩張っててもいい? 正規の値段払うから、オール銅貨♡」

 

「数えんの面倒なんだが……?」

 

 

そんなやり取りをしながら、銅貨が103枚入った袋を彼に投げつける。

 

事前に調査した内容、この町にやってくる前に光学迷彩を起動した護衛ドロイドたちに色々と調べて貰ったんだけど、通行料の値段は情報通り。どうやらこの男は『門番の仕事』自体はしっかりしているのだろう。少し面倒そうにしながらも、硬貨を数えているあたり何か問題があるようにはみえない。

 

だったら“副業”するなよと言いたいところだが……、そこまで口出しする必要はないよね。

 

 

(でもこの反応を見る感じ、商人って名乗っても違和感はないみたい。それは良かったかな?)

 

 

今回の旅において、私は『商人』というカバーストーリーを用意している。

 

流石にSF世界から来てドロイドとか宇宙船を直すのに使う鉱物探してます、と馬鹿正直には言えないわけで。周囲に疑問を抱かれないよう、それ相応の作り話が必要だったわけだ。

 

ということで私ことミクニちゃんは『商人』を名乗り、ドロイドたちを『ゴーレム』として扱うことに。富裕層や貴族向けにゴーレムを売りつけるのが目的で、商品の数を揃えるためにも素材。ゴーレムに必要な鉱石を安く手に入れられる場所を探している、って感じだ。

 

何故かおばさんこと、交渉ドロイドの彼女がちょうどいい服を持っていたからこの作戦で行ことにしたんだけど……。アイツもアイツで私有財産めっちゃ持ってるよね。服見せてもらったとき、とんでもない数出て来たし。本人は『交渉で使う』とか言ってたけど、自分のサイズ以外の服も合ったから……。

 

ま、私も人の事言えないか~!

 

 

「ひぃ、ふぅ、みぃ……。ちゃんと全額あるな。俺が数え間違えてなければだが。」

 

「アタシも数えてるんだし、ダイジョブダイジョブ! んじゃ、もう通っていい? 結構いい時間だからさ、さっさと宿取っておきたいのよ!」

 

「おう、いいぜ。ようこそ『グレズナ』へ。それと、宿なら3番通りの『兎のしっぽ亭』がお勧めだ。煮込みがうめぇ。」

 

「ほんと? たすかる~!」

 

 

ドロイドに繋がれた偽装用の手綱に手を伸ばしながら、通信。馬役になってくれているD2ドロイドたちに進むようお願いし、門番に対して軽く手を振る。

 

あとは門の中をすいーっと通り抜ければ、ようやく町へとご到着だ。

 

 

(いいんですか、アレ。)

(絶対なんかしてきますよ?)

 

(あはー! それが良いんじゃない!)

 

 

ドロイドたちが送って来る通信にそう返しながら、町の中へと視線を向ける。

 

そこに広がるのは、正に西洋の中世らしい町並みたち。ドロイド達のようなSFや、前世の世界と比べると未成熟ではあるが、今を生きる人間たちによって創意工夫がこなされた建物たち。石と木によって形作られており、どこか懐かしさを覚えるソレ。

 

前世を持つ私からすれば『昔アニメで見たやつ~!』だが、今回連れてきているドロイドたちからすれば非常に目新しいものだろう。

 

 

(……まぁ確かに、木と石の建物なんて初めて見ますけど。)

(それよりもさっきの門番、本当にいいんですか?)

 

(うん! お決まりのイベントみたいだし、“洗礼”を受けてみようかなーって!)

 

 

そんなことを通信で言い合いながら、起動するのはこの改造馬車に備え付けられたカメラ。360度全てを確認できるソレを見てみれば、先ほどまで会話していた門番が誰かに耳打ちしているのが見て取れる。

 

おそらく、いや確実に。こちらを獲物と見定めたのだろう。

 

……会話の節々から感じられたが、こちらを探る様な動きが多かった。そして何か考えている、もしくは隠しているからこそ起きる、会話テンポの悪さ。開口時に『あ~』とか『ほ~』とか言っていたのも、その一つだろう。そのような喋り方に見せかけて、思考する時間や会話を組み立てる時間を稼ぐやつだ。

 

かなり手慣れの様で、常人であればすぐに騙されていただろが……。

 

 

(こっち、全員ドロイドなんだよねぇ?)

 

 

私は人の精神を持つが、肉体は完全なドロイドである。

 

つまり眼前にいる対象の動きを、より細かく識別することが出来るのだ。流石に本職である交渉ドロイドことおばさんには負けるけど、対象の体温や脈動、後は汗とかで大体何を考えているのか、ってのは推察できる。

 

というわけで私がそれを察知し、相手の思惑に“あえて”乗ってあげたがゆえに、このD2ドロイドたちも口を出してきたのだろうが……。

 

 

(ほら二人とも、私って今さ。この星の通貨持ってないわけじゃん。)

 

(あ~、たしかに。ドロイドですから個人では持てませんし、何かあった時のために船共有の連合国クレジットが少しあるだけですものね。それも使えないとなると、実質無一文か。)

(……例の村で現地通貨を入手したのでは?)

 

(だね、でもそれも少額。)

 

 

この星ではよくある事らしいが、あのような地方の農村では物々交換が基本だという。

 

一応所属している国家の通貨を使えはするらしいが、村全体で出回っている貨幣の量が少なく、もっぱら取引に使うのは自分たちで育てた農作物など。外から何かを購入する時の為に蓄えはあるが、ソレにも限りがあるとのことだった。

 

んで私達は村を助けた理由として、溜め込んでいた貨幣全額をそのまま頂いたわけなんだけど……。実はもう、通行料だけですっからかんなんだよね。ほら見てよ私のお財布。両手で数えるぐらいしか銅貨が入ってない。

 

 

(うわぁ、グロテスク。)

(……え、つまり?)

 

(そう! なら“奪っちゃえば”いいの!)

 

 

先程の門番の行動を見るに、彼らは確実にこちらを襲ってくるだろう。

 

先程の会話で開示した情報から、私達が初めて街にやって来たがゆえに土地に不慣れなこと、そして人間は私一人だけというのは把握しているはず。初めて見るドロイドという『ゴーレム』を持ち、乗っている馬車にも何かしらの積み荷がある。その正確な価値は解らずとも、“高値で売れる”ことは確か。

 

町の中で襲い、全てを奪い取るには絶好の相手と言えるだろう。

 

 

(それを撃退して、慰謝料として逆にお財布の中身を貰う! 何せこっちには“切り札”の護衛ドロイドちゃんがいっぱいいるからね~! 複数人でかかってきても、隠れた彼らが後ろからグサってして終わり! ふふふ、これが高位戦術ドロイド様の戦略よ……!!!)

 

((うわぁ……))

 

 

といわけで先に町の中に光学迷彩で忍び込んでた護衛ドロイドちゃんたち~!

 

さっき門番さんが話してた相手。それがどこに行って、どんな仲間を集めてくるかささ~っと調べちゃって? たぶん最後に紹介してきた宿屋、私達をそっち方面に誘導するための布石だと思うから。そこを重点的に調べてね!

 

 

(んふふ! さすがに殺すつもりはないけど……。ごろつきの強さ一つで見えてくるものもあるからねぇ? お財布の中身だけじゃなく、この星のより詳細な情報も頂いちゃうとしますか!)

 

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

というわけで、町の中を見物しながらの移動。

 

光学迷彩で隠れてる護衛ドロイドちゃんたちからの報告もあるし、もうそろそろだと思うんだけど……。

 

 

「た、助け! 助けてくださいっ!」

 

(お、来た来た。)

 

 

声が響く方に視線を向けてみれば、路地裏からこちらに向かって駆け寄って来る女性の姿が。

 

事前に色々調べてたからある程度解ってるんだけど……、かなり手慣れているご様子。息も絶え絶えで、ほんの少しだけ汗ばんでる。同時に胸元も少しだけ開けており、服もちょい乱れ気味。いかにも性的に襲われそうだったのを命辛々逃げてきました、といった感じの様相だ。

 

まぁ護衛ドロイドちゃんの報告で、私の前に飛び出す前。その場で走り込んで息を切らす偽装してたのはわざわざ映像で送られてきてるから、知ってるんだけど……。

 

 

「わ、わたし! お、襲われて!」

 

「まてやゴラァ!」

「あっちだ! 追え!」

「逃がすな!」

 

「の、乗せてください! それで出して!」

 

「あらら、可哀想に。んじゃ“ゴーレム”ちゃんたち、ちょっと気合入れて走ってねっ!」

 

 

私が許可を出すよりも早く、馬車の運転席に飛び乗って来る彼女。そして追いかけるふりをしながら、怒号を出す男たち。

 

彼らの作戦としては、こうだ。

 

まずこの町に不慣れな旅人を見つけ、襲われている可哀想な女性を用意する。それを助けた旅人は一緒に逃げようとするが、土地勘が無いので上手く逃げれない。そのため女性が先導するのだが……。

 

案内されるのは袋小路。隠れていた仲間たちが現れ、追われていたはずの女性も本性を現す。あとは囲んで殴ってもいいし、持ち物全部を奪ってもいい。高位戦術ドロイドとしてはもう少し練った方がいいと思うんだけど……

 

 

(結構な人数が集まってるっぽいし、この町では実績のある“稼ぎ方”なのかねぇ?)

 

「あ、あっちです!」

 

 

そんなことを考えながら、私も表情を作り。けれど内心呑気に構えながら、彼女の案内通りに動いて行く。

 

ちなみにこの馬車、外見上は“ゴーレム”ことD2ドロイドたちが引っ張っているように見えるのだが、実際は自動車。というか現在も自動運転中である。この飛び乗り腹黒女性の指示に従うように命令を出し、その指示通りに動いているってわけだ。

 

……ちょっと速度出し過ぎたのか、D2ドロイドたちが通信で『速度落して! 足がッ! 足がッ!』ってのが滅茶苦茶飛んで来てるんだけど、黙殺することにする。いやだって今更速度緩めても不自然だし……。

 

とまぁそんなことを考えていると、ようやく終着点が見えてくる。

 

 

「あ! そこです! そこを右に!」

 

「はいよーッ!」

 

 

彼女の言う通り角を曲がり、狭い道へと入っていくが……。待ち構えていたのは、行き止まり。町の中に生まれた不自然な開けた場所へとたどり着いてしまった。

 

そして私が『道を間違えたのでは?』と言おうとした時には、既に隣に座席はもぬけの殻。座っていた彼女の姿は無く、馬車から飛び降り走り去っていく背中が視界の端に。

 

ちょっと楽しくなってきて、何が起きているのか解らない顔をした後『まさか騙された!?』という驚愕してみれば……。物陰からぞろぞろと現れて来る、武装した男たち。

 

 

「くっくっく、どうやらウチの女が世話になったよだなぁ?」

 

「ごめんなさいねぇ?」

 

「……あはー、騙されちゃったってワケね?」

 

 

おそらくリーダー格であろう男が口を開き、その男から受け取った武器を此方に向けながら、形だけの謝罪を口にする彼女。

 

一応、強がっているような発声を意識しながら、スピーカーで出力してみるが……。どうやらお気に召したようで、その場に集まった荒くれ者たちから下卑てイヤに湿った笑い声が響き渡る。

 

数にして、15。見た目だけなら小娘一人の私に人数をかけすぎだと思うが、門番から知らされた未知のゴーレムを警戒していると思われる。それぞれが有効そうな打撃武器を持ってきているあたり、準備は万全なのだろう。

 

けれどまぁ、それはこっちも同じ話で。

 

 

「さぁって、痛い目見たくなかったら、解ってるよなぁ?」

「死にたくなかったら言うこと聞いた方が身のためだよお嬢ちゃ~ん?」

 

 

「くッ! 殺せッ!」

 

 

前世では一つのジャンルを生み出した名セリフを思い出しながら、その言葉を口にする。私の様相に下衆な笑みを浮かべながら、彼らが口を開こうとするが……。

 

それよりも先に動く、別の存在。

 

 

『『『御意』』』

 

 

 

「…………は?」

 

 

私の声に反応し、動き出すのは50の護衛ドロイドたち。

 

護衛と言いながら、暗殺特化としか言いようがないその力。魔物の軍然に対しても全力を出さなかった彼らの力は、このような閉所でも十二分に発揮することが出来る。

 

 

「あはー!!! もしかして、“お決まりのセリフ”だと思ったァ?」

 

 

娯楽作品などでよく見られる、捕まった女騎士が発する声。

 

全く同じイントネーションで発声したため、荒くれ者くんたちは勘違いしちゃったかもしれないが……。これは単に、ドロイドたちへの命令に過ぎない。

 

それを示すように、赤く発光したロッドたちが彼らの背後に突如として出現する。そして何の反抗もさせずに、一閃。殺し切らず適切にダメージを与えるように、武器が振るわれていく。

 

気が付けば彼らの仲間は瞬く間に倒れていき、残ったのはリーダーらしき男と、私をここまで連れて来た女のみ。

 

 

「ねぇ今どんな気持ち? どんな気持ち? あはー! すっごく楽しぃ! あっはっは!! あ~、もう最高。いやはや! ごめんね本当に! そういう“機能”でさァ!!!」

 

 

彼らに言っても解らないことだろうが、私達のような戦術ドロイドには、一種の傾向。定められたプログラムと言うのが存在している。

 

それが、『策が上手く決まった時』に生じる多好感。

 

戦場でドロイドたちが生き残るように生み出されたモノの一つであり、同時に作戦を成功させることに対するちょっとしたご褒美。犬のしつけに使うオヤツのようなものが、コレだ。

 

まぁ私は本来禁止されているプログラムへの関与。倫理機構だったり、これみたいな多好感のシステムを自由にオンオフ出来るんだけど……。“作戦行動中以外”は、オンにしてあることが多い。

 

本来逆に思われるかもしれないが、人の精神を持つせいか、ちょっと刺激が強すぎてね? 戦闘中にコレやっちゃうと楽しくなりすぎて、能力がガタ落ちしちゃうのよ。

 

まぁそれでもただの戦術ドロイドより頭良いけど。あはー!

 

 

「今日はちょっと面白そうだったから、オンにしちゃった! そしたらもうこんな素敵な娯楽を提供してくれるなんて! こりゃもうタダでお返しするわけにはいきませんなァ!!!」

 

「チィ! “大外れ”かよ!」

 

「あ、あんた! どうすんのよ!?」

 

 

私の豹変に、不利を悟ったのだろう。武器を構えながらも、そう喚き始める襲撃者たち。まぁミクニちゃんはお優しいですから!? 何かやりたいことや言いたいことがあるなら!? 聞いて差し上げても構いませんことよ!!!

 

……え、どうした護衛ドロイド君。

 

あ、ハイになり過ぎ?

 

いやそんなわけ……。でもわざわざ通信送って来るってことは相当なのか? 一旦機能オフにして、さっきまでの発言のログを……。ぅわぁ。

 

 

「こいつだけは取っておきたかったんだがなッ!」

 

 

自己の発言を鑑み放心しかけている私を余所に。

 

リーダー格の男が懐から、勢いよく何かを取り出す。

 

その様子。私達が元居たSF世界において『ブラスターを懐から取り出す』動きによく似ていたおかげか、急激に思考が戦闘へと傾いて行く。自然と世界の動きもゆっくりになっていき、彼が取り出した物体が“巻物状の何か”であることが判明。分析を開始。

 

そんな全てが遅延した世界の中で。彼が開いた巻物の中に記されていたのは、幾何学的な文様。

 

それが薄っすらと光を描いた瞬間。

 

文様を中心に出現する、真っ赤な火の玉。

 

 

 

「喰らえ! ファイアボールっ!!!」

 

 

 

ま、ま、ま

 

魔法だぁぁぁああああああ!!!!!!!!!

 

 





〇改造馬車 ナマエボシュウチュウ

高位戦術ドロイドことミクニが艦長を務める戦艦、それに配備されたメカニックドロイドたちが作成した一品。その名の通りミクニが命名を求められた際、『じゃぁ船の奴らに適当に考えさせるか!』と思い口にした言葉が、何故かそのまま名前になってしまっている。

初めて出会った原住人類ことエリンちゃんの村で入手した馬車の情報を元に、拠点設営などで切り開いた木材を使用し外装が作成された。一見するとただの幌馬車だが、その内部はSFらしい意匠が細かに散りばめられている。

自動運転AIを搭載しており、最高時速300kmで移動可能。揺れはほぼ存在せず、小型エネルギー炉心が設置されているため理論上無限に走り続けることが可能。搭乗員として選出されたD3ドロイドが駆ることで、ほぼ音速で走り回りながら弾丸をぶち込み続けるバケモノ車体となっている。

偽装のためD2ドロイドが馬の代わりを務めているが、彼らには偽装以外の役目はない。この役目にD1ドロイドが選出されなかったのは、勝手に馬車の操作権を奪って爆走しながら遊び始めることが懸念されたからである。

というか本拠地で一度試作機を勝手に乗り回し、戦艦の外壁にぶつけ全員ぺちゃんこになっている。戦術ドロイドが頭を抱えながら“労災”扱いとした。




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