異世界バトルドロイド軍団   作:サイリウム(夕宙リウム)

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28:引きずりモヒおじ

 

はい、ということで。

 

 

「やって来ましたギルドの裏口! あはー! 恐れ慄くといいッ!」

 

「相変わらず煩いなお前。」

 

「あ、モヒカンおじジャァーン! はろはろ~!」

 

 

魔道具屋の店長にして私の大親友らしいルーちゃんと別れ、やってきたのはギルドの裏口。

 

そう! 余ったドラゴンの素材を換金しに来た感じだね!

 

ほら、ルーちゃんと色々一緒にやっていくことになったでしょ? だったらこっちの情報もある程度開示した方がいいと思って、信頼の証。その1つとしてあの子を私の船に招待しようかと思ったんだけど……、その前に色々やることあるな~って話になったんですよ。

 

というわけで、一旦別行動ってわけ。

 

 

(面倒ごとを先に処理しておきたい、ってやつだね!)

 

 

ルーちゃんが今してるのは、ドラゴン素材の処理。本人からすればこの後に待ってる『魔法銃に刻む魔法陣の開発』っていう特大プロジェクトに注力したいらしいんだけど……。

 

ほら、竜の内臓って媚薬に使われるって言うでしょう? 本当はそんな効能なんてないみたいなんだけど、一部の貴族からすれば垂涎もの。さっさと市場に流しておかないと超面倒で、こっちが大事な仕事をしている時に『竜の内臓持ってる!? 持ってるよね! 売れ!!!』って突撃して来る輩が出てくるそうな。

 

てな訳で、ルーちゃんはドラゴン素材の無毒化及び。媚薬(偽)の調合。

 

私は開いた時間を活用して、ドラゴン素材の換金って感じ。

 

まぁこっちとしては隣でずっと作業を見ていても良かったんだけど、ルーちゃん的には『これ薬学とかあんまり関係ない調合だし、誇れる仕事じゃないから……』とちょっと嫌そうな感じ。流石に無理に見学もアレかなぁと思ったので、冒険者ギルドにやって来たってわけですね!

 

 

「というわけでモヒおじ。素材持ってきたから買い取って♡ というか、前いた担当のおじさん何処♡」

 

「あいつは非番、手が空いてるからってことで今日は俺が担当だ。……あと“モヒおじ”ってなんだ?」

 

「お前♡」

 

「……1回泣き喚くまで殴るか?」

 

 

別に殴ってもいいけど……。

 

こっちドロイドだから結構固いし、私って出力だけならかなりあるよ? どう考えても絶対負ける勝負だけど、大丈夫? まぁそれでもっていうのなら、ミクニちゃんの必殺クロスカウンターが火を噴くけど……!

 

あ、マジな話。護衛ドロイドが暴走しかねんから辞めてね? 暴力反対!

 

 

「はぁ、だったら最初から煽るな馬鹿。んで? なんの素材だ? 本職じゃねぇが、鑑定の資格も持ってるから大体わかるぞ。」

 

「はぇ~、資格職! 凄いねぇ! んじゃこれ。」

 

 

そう言いながら取り出すのは、勿論ドラゴンの素材。

 

この前ウチのドロイドたちが討伐し、マッドが綺麗に分解したその一部だ。資料用に保管したのとか、ルーちゃんにプレゼントしたのもあるから丸々1頭分ってわけじゃないけど、結構な量。

 

そんな素材がたんまり入った箱を、おっちゃんの死角から目の前にドーンと置いてやる。ドロイドの高い膂力を生かしたパーフォーマンスちゃんだ。そんな急に出て来た箱たちにびっくりしたのか、モヒおじの表情が一瞬だけ固まるが……。

 

徐々に、そして急激に変化していく。

 

 

「こ、これは……!」

 

「ふふ~ん! すごいでしょ!」

 

「い、一瞬リザード系かと思ったが、この光の反射具合! あ、明らかに違うッ! 色、そして死してなお理解できる熱ッ! ファ、ファイアドラゴンの鱗じゃねぇかッ! そ、それもこれは……、全身ッ! 全身だとッ! どっかで拾ったとかそんなチャチなもんじゃねぇ! も、もしやお前ッ! 倒したって言うのかッ!!!!!」

 

「お、おう。急に流暢。」

 

 

いつの間にか白の手袋を装着し、虫眼鏡と一緒に素材を検分し始めているモヒおじ。

 

そして直後に流れ出てくる、彼の言葉。

 

た、倒したって聞かれればまぁ、(ウチの子達が)倒しましたけど……。

 

なんかこう、ひっくり返るぐらい驚いて欲しかったのは事実なんだけど、なんか驚き方が専門的と言うか、驚愕しながらも理性が残ってるというか。モヒカンの見た目と全く会ってないというか……。うん、その髪型似合ってないから辞めよ? モヒおじって見た目に反して結構デキる大人でしょ。もっとこう、七三分けにした方が親しみ出ると思うよ。モヒカンダサいし。

 

 

「な、何ォ! ……じゃねぇ! お、お前さん! マジでコイツ倒しやがったのかッ! サイズ的にも青年、いや成体期! 一番脂のってる強ぇ時期の奴じゃねぇか! すげぇなァ、オイ!」

 

「ふふふ! 実はミクニちゃん、結構やるんですよ……!」

 

「そんな細くてちんまい体なのによくやったな! アレか! 魔女だったりする奴か! なら納得がいく! えらく下処理も丁寧だしな!」

 

 

ま、魔女……。魔女だったら、良かったんですけどね。私も魔法使いたい……。

 

あ、あと。ちんまいとか言ってますけど、ミクニちゃん結構ちゃんとした肉付してますからね? 確かに少女寄りではあるけど、限界カリカリまでチューニングした超美麗ボディであることはご理解して頂きませんと。

 

 

(にしても、“私が倒した”ってコトには疑問を抱いてない感じか。)

 

 

幾らか抜いているとはいえ、竜の全体像が把握できるだけの素材たち。

 

それを私一人で持ち込んだってことで、変な誤解やちょっかいを掛けられるかな、と思っていたんだけど……。モヒおじからの反応は、賞賛。私が竜を倒したと思い、熱心に素材の検分を行っている。マッドが無駄に丁寧な仕事をしてくれたのが、理由の補強。知識ある魔女の仕事であることを勘違いさせてるんだと思うんだけど……。

 

 

(この前提にあるのは、やはり『魔法』の存在。)

 

 

ルーちゃんのおかげである程度理解してきたが、やはり魔法と言うのはかなりの破壊力を持つことが分かっている。以前荒くれ者が見せた『ファイアボール』。ルーちゃんが使った『ウォーターボール』とは比べ物にならない大魔法があるよ~って話。

 

これを教えてくれた彼女。ルーちゃんが通っていた大学の教員には、単身で竜を落せてしまうほどの魔法使いがいたという。数はかなり少ないらしいが、周囲との交友関係が著しく少ないだろう彼女でも、ぱっと口にできるのが何人か。

 

このモヒおじが『私をその一人』と考えてしまうほどには、そういった“大魔法使い”は存在すると考えられる。

 

相手も魔法使いであればルーちゃんのように魔力量の確認という手段が取れたのだろうが、似たような動きをしていないことから、モヒおじは“一般人”。勘違いしても仕方ないのだろう。

 

……150kmのストレートを投げてて、もしかして!って聞いたらプロ野球選手だったみたいなノリかな?

 

 

(元居た銀河とも、前世とも違う、この星の常識。目に見えない脅威ってわけか。)

 

 

魔法が生み出した、“見た目”による判別の難しさ。単なる戦士であれば肉体を見れば理解できるかもしれないが、魔法使いの実量は表面上は見えてこない。

 

見た目は強さの判断基準にはならない。

 

そういった独自の常識があるからこそ、私が竜を撃破したと言っても、素材が目の前にある限り疑う事など無い、って感じなのだろう。だからこそ私達も、この惑星の“仮想敵”には存分に注意しなきゃならないんだけど……。

 

ま、今はモヒおじの勘違いを利用させてもらいましょうか! ウチのドロイドたちの説明面倒だし!

 

 

「いやはや、単なるクソガキだと思ってたが、出来るクソガキだったとは。御見それした、ってやつだな! 魔石とか鉱石とか欲しがってたって担当の奴言ってたし、そういう研究してる感じか……!」

 

「あ~、お客のプライバシーとかそういうのない感じね。おけおけ。」

 

 

前世であればそういった情報は厳粛に扱うべきだし、少なくとも客の前では口にしないのが礼儀だったのだが、どうやらここでは違うようで。普通に私の購入履歴がバレているご様子。

 

まぁ『魔女』って勘違いされたおかげで、今後も魔石とか鉱石とかを『何かの研究で使うのかなぁ?』って理由をあっちが勝手に考えてくれて、入手しやすくなったり、配慮して貰る様になるかもだけど……。

 

うん、今後私達も対外進出していくわけだし。監視つけて情報の流れを見れるようにしておこう。手配手配~!

 

 

「んでモヒおじ。査定どんな感じ?」

 

「ちょっと待てよ? 今全部確認……、うん? おいクソガキ。内臓系はどうした。解ってるとは思うが、アレ無いと色々ややこしいぞ。」

 

「この町の魔道具屋、ルーちゃんとこで売ったけど?」

 

「あ、あそこか……。」

 

 

明らかに顔を強張らせるモヒおじ。

 

あ~、うん。それだけで大体理解できた。私以外に親しい人どころか、友人がいない。というか滅茶苦茶距離取られてる、ってルーちゃん愚痴ってたけど。やっぱそういう感じだったんだね。ま、まぁ彼女がヤバい奴なのは十二分に理解できるんだけど……。

 

た、確かに変だけど、良い子だよ! 善人! ミクニちゃん嘘つかない!

 

 

「あ~、まぁ悪い奴では無いんだろうが……。も、もしかして親交あった感じか?」

 

「うん。一応友達。」

 

「よ、よくやるなぁ、オイ。あ、いや、ほんとに悪い奴じゃねぇのは解ってんだぞ? ただちぃっと付き合いが難しいというか、距離感が分からねぇというか、あんま一緒に仕事したくないというか……。いやよくやるなお前さん。それだけで尊敬できるわ。」

 

 

一度口を開けばどんどんと出てくる愚痴のようなもの。

 

確かこの町の魔道具屋や、ルーちゃんの所しかなかったはずだ。魔法の回復薬とか、魔法のスクロールとかが彼女のとこでしか買えないとなると……。ギルドの職員さんは何度も顔を合わせなければならないだろう。彼とルーちゃんにどれだけの付き合いがあるのかは解らないが、その反応だけで苦労したことは理解できる。

 

いやほんとに、顔合わすたびに『私達は大親友、いやそれを超えた“超親友”なのね……!』とか言われるの恐怖でしかないですからね。お目々も超ガンギマってますし。距離取りたくなるのも解らんでもない。

 

 

「と、とにかく! 内臓の件は了解だ。あそこならそう変なことにはならねぇだろうし、親交があるってんなら“薬”の話も問題ねぇだろ。確か流す伝手だけは持ってたはずだしな、うん。んで、買取価格になるんだが……。ざっとこんなもんか。」

 

 

そう言いながら板を取り出し、さらさらっと記入しこちらに向けてくるモヒおじ。

 

それを覗き込んでみると……。

 

 

「金貨200枚!」

 

「皮膜、羽の所に穴があるだろ? それでちっと査定が下がるんだが、キリが良い所でってことで幾らか上乗せさせてもらったぜ。この量が纏めて入って来るなんて早々ねぇからな! で、どうだ? 売るか?」

 

「もっちろん!!!」

 

 

前世の現代日本円で換算して、約2億円。

 

前の銀河ではもっと大きな数を動かしていたが、それでも相当な額だ。いくらかオマケしてくれてるみたいだし、売らない選択肢は無い。何せお金ってあればあるほどいいですからね。そもそもミクニちゃんのおさいふ、ちょっと厳しいですし……!

 

今後やっていく『死の商人』で手に入る利益と合せれば、鉱山丸ごと買えちゃうかもしれない。この前来た時に調査した『査定基準』と比べても、問題は無し。

 

ならばもう売っちゃえ売っちゃえ! ミクニちゃんは苦しゅうないぞえ!

 

 

「ふぅ、なら良かった。ここで違うとこに持ち込まれれば大損だからな。……んでその売買の前に、2つほど聞きたいことがあるんだが、いいか?」

 

「おん? いいけど何? どうやって倒したとかはあんま教えたくないんだけど……。 あ、スリーサイズ! んもう、エッチなんだから! えっと、上から」

 

「誰が聴くかッ! あと普通に言おうとするなッ! 討伐場所だよ討伐場所! 位置によっちゃ色々あるだろうが!」

 

 

かなりキレながらそう言うおじ。

 

私はそういうのあんまり気にしない口なのだが、どうやら彼はエッチマンでは無かったご様子。

 

んで、話を戻しますと……

 

冒険者ギルドは私が考えていたように、冒険者たちの相互援助組織。人類の敵である魔物に対処するための組織らしい。まぁそれだけじゃ食べていけないので、傭兵みたいに誰かの護衛をしたり、町の中での雑用みたいなのもやったりするみたいだが、その本質は対魔物の組織だ。

 

彼らとしては強力な魔物であるドラゴンの情報は真っ先に集めたいものらしく、討伐した場所を知りたいとのこと。まぁ最近近くの町でドラゴンが暴れたらしいし、もしかすると近くに竜の巣が出来たのかもしれない。モヒおじとしては出来るだけ早く情報を手に入れたい、ってところだろうね。

 

 

(まぁ、その質問は想定済み何ですケド。)

 

 

この星に墜落したころならいざ知らず。私達もこの世界に付いて理解を深め始めている。

 

特に最近は魔族、テロリストとして処分した“彼”の協力もあって、その人生丸ごと閲覧したばかりだ。人間の町に忍び込む諜報員だったおかげか、人の社会に対する知識をかなり溜め込んでくれていた。彼が企んでいた策略もそうだが、こういった“常識”な情報に関しても大いに貢献してくれたと言えるだろう。

 

まぁそんなおかげで、“どう言えば最大限の利益を取れるか”の答えは用意済みってわけだね!

 

 

「えーっと、ほら北東の方に村あるでしょ? そこにいるエリンちゃんって友達がいるんだけど、彼女に会いに行く際に空飛んでるトカゲみかけてね? 撃ち落としちゃった♡」

 

「撃ち落としたってお前……。北東か、となるとこの前襲撃を受けた町とそう遠くはねぇな。この近くで巣があるとしたら……、大森林か?」

 

「あ、多分そっちじゃないと思うよ? 違う方向からこの町に向かって飛んで来てたし。」

 

「ッ! マジかよ……!」

 

 

ちょっとウチの拠点。モヒおじのいう“大森林”にドラゴンの巣があるのでは? という思考になりかけていたので、少しこちらで訂正を入れておく。

 

あの地には私の船があるのは確かだが……。ドラゴンの襲撃を受けて、かなり警戒レベルを引き上げているのだ。結構な数のドロイドがウロチョロしているため、あまり外部の人間に入り込んで欲しくない。というか間違って冒険者が入っちゃった場合、ウチのD1ドロイドあたりがまたポカして、撃ち殺しちゃいそうだから……。

 

というわけで偽情報をインターセプト! 違う方向から飛んで来てて! この町狙ってたっぽいよ! それを救ったミクニちゃんとっても偉い! ほらお前も偉いって言え!!!

 

 

「お、おぅ。そりゃ感謝はするが……。とにかく、こっちの方で色々と調べてみる。この前言ってたドラゴンに襲われた町、その個体と同一ならいいんだが、番作って巣が出来てたらまた面倒だからな。んで、2つ目の聞きたいことなんだが……。」

 

「ミクニちゃんを戦力として使いたい、ってこと?」

 

「あぁ、現状この一帯に竜を殺せる奴がいねぇ。」

 

 

金も素材も全部上げるから、たちゅけて♡ と言って来るモヒおじ。

 

まぁドラゴンが複数この辺りにいるかもしれない、そう考えればそう可笑しな話ではない。竜を倒せるだけの戦力が無い現状、相手が町に現れれば破壊の限りを尽くされてしまう事だろう。そうならないためにも、急に現れた『ミクニ』という強者に繋ぎを作っておくのは正しい行動だ。さっきの販売価格に色を付けていたのも、この話に繋げるための布石だと考えられる。

 

やはりというべきか、このモヒカンおじさん。見た目に反して結構なシゴデキおじさんなような。今後、“魔族による大規模襲撃”があることを考えれば……。まさに英断と言えるだろう。

 

んま、全部ミクニちゃんの掌の上何ですケド! あはー!!!

 

 

「それで、受けてくれるか?」

 

「もっちろん。ここには友達のルーちゃんもいることだしね! 研究には何かとお金いるし、それ払ってくれるのならモーマンタイ! ミクニちゃんのパワーを思い知るがいい!」

 

 

たぶん、ドラゴンじゃなくて他のものを対処するために呼び出されることになるだろうけど……。敵さんの計画は全て筒抜け。後はこっちの準備を進めながら、ゆっくりお茶でもシバいておけばいいってもんですよ!

 

んじゃ! そろそろルーちゃんの調合も終わってるだろうし、彼女をミクニちゃんの“ハウス”にお迎えしようと思ってた所なんです。そろそろ帰るから、金貨200枚。全額耳を揃えて払って頂戴な、モヒおじ!

 

 

「あ、あ~。そ、そのことなんだが……。」

 

 

そう言いながら、近くのカウンターから金庫らしい存在を取り出す彼。

 

此方に見えないようにパスワードを入力し、その重い蓋をゆっくりと開けていくが……。

 

中に見えるのは、片手で数えられる程度の金貨と、ほんの少しの銀貨。

 

何処からどう見ても、金貨200枚には到底届かない。

 

 

「こ、この前ウチのギルドが金欠って話。しただろう? そ、そもそもこの辺境の冒険者ギルドじゃ金貨200枚なんて大金、そう簡単に用意できるもんじゃなくて。」

 

「……。」

 

「ど、ドラゴンの素材捌いたら速攻で金を渡しに行くから、な? ここはどうか良い感じに……。」

 

「あはー! んじゃこの話は無かったってことで!!! バイバイ!!!!!」

 

「ま、待て! 待ってくれッ! ま、魔石! 魔石とか全部渡すから! こ、鉱石もいるんだろ! ウチにある在庫全部持って行っていいぞ! 竜の素材売れば各段にギルドの経営が楽になるんだ! 未払いの給料とか! 穴開いた机の修繕とか! 色々出来るんだッ! だ、だから持って行かないでくれ!!!!! てか力つよッ!? 俺ごと引っ張られるだと!?!?!?」

 

 

ふははは! 丸ごと引きずってやる~!

 

まぁ? そっちが多少の誠意と? 溜め込んでる魔石と鉱石。全部私にくれるっていうのなら考えてあげても良いですけど? ちょっとそういう姿勢を見せるのならこの話は無かったことに……!

 

 

「わ、解った! 全部やる! 全部やるから! だから引きずるなクソガキッ!」

 

「あはー! やだっ!!!!!」

 

 





〇モヒおじ

ギルド職員であり、主な業務は受付。

筋骨隆々のムキムキおじさんであり、真っ赤なモヒカンがチャームポイント。荒くれ者たちの相手を日々しているため少しだけお口が悪めだが、悪い人ではない。何故か初見からクソガキムーブを決めているミクニちゃんの相手をしてあげていることからも、優しい人であるのは間違いない。

実はギルドでもかなり重要な立場にいる人間であり、魔物素材などの鑑定に必要な資格を持っていたり、ギルドが一時的に買い取った素材を外部に売却する仕事を行っていたりする。彼がいないと回らない仕事も多く、見た目からは想像できないが、かなりのシゴデキおじさんなのだ。

昔は冒険者としてブイブイ言わせていたクチであり、今でもトレーニングは怠っていない。だからこそと言うべきか、数百キロはあるドラゴン素材を楽々と運び、それにしがみついた自信を簡単に引きずってしまうミクニを只者ではないと感じている。こういう摩訶不思議な物事は大体魔法によるもの。身体強化の魔法が使えるのか……? って思ってる。
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