普通なウマ娘の、フツーじゃない日常   作:ローマン

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 本来はツチノコのお話を投稿予定でしたが、諸々の事情を踏まえ、じんめん犬のお話を投稿します

 前後編になります

 それではどうぞ







じんめん犬と寮長 前編

 

 

 

「ねぇ聞いた? 深夜の学園に不審者が出るって話。」

 

「聞いた聞いた、マジで無理なんですけど〜。」

 

 

 

 ある日のトレセン学園

 

 クラスメイトが話していたのは、ここ数日出没しているという不審者の話だった

 

 

 

「最近は学園に出る不審者の話題で持ちきりだね〜。」

 

「だね、早く捕まえてほしいもんですよ。」

 

「おや、お二人は不審者の正体をご存知でないのですか?」

 

 

 

 私とネイチャの話に入ってきたのはイクノ

 

 不審者の正体って、イクノどういうこと〜?

 

 

 

「正体ってなによ、イクノは誰か知ってるの?」

 

「誰というよりかは……ネイチャさんは人面犬を知っていますか?」

 

「人面犬?」

 

「私も初めて聞いたかも。」

 

「人面犬とは、犬の身体に人間の顔を持った妖怪のことです。」

 

((妖怪……!))

 

 

 

 イクノの口から飛び出した妖怪という単語に、私とネイチャは反応する

 

 まさか、これも妖怪の仕業ですと!?

 

 

 

「マ、マチタ〜ン……!」

 

「た、ターボ!? どうしたの、大丈夫!?」

 

 

 

 そんな中、ターボが青ざめた表情で私たちの前に現れる

 

 いつも明るいターボがこんな風になってるのは珍しい

 

 

 

「ターボ、見ちゃったんだ……」

 

「見たって何を?」

 

「おじさんみたいな顔の犬!」

 

「ターボさん、世の中には中年男性のような顔をした犬も存在しています。見間違いということは……」

 

「ないっ! ターボ見たモン!!」

 

 

 

 ターボの言う通りだとすれば、本当に人面犬は存在してるってことになる……!

 

 ありゃ? けど人面犬が妖怪だとしたら、人間やウマ娘には視えないんじゃ……?

 

 やっぱり、ターボの見間違いなのかな?

 

 

 

「ターボさんもここまで怖がっています。私たちで人面犬の正体を突き止めませんか?」

 

「お〜、イクノがいつになく乗り気だ。」

 

「私、手伝うよ! むんっ!」

 

「ターボも行くぞっ! こ、怖くなんかないもん……!」

 

「待った待った、それなら寮長にも話を通しておいた方がいいんじゃない?」

 

 

 

 確かにネイチャの言う通り、寮長にも話をしておいた方が良いかもしれない

 

 万が一妖怪じゃなかった場合を考えると、絶対に私たちだけじゃ危ないもんね

 

 

 

 

 

_______________

 

 

 

 

「なるほど、大体の話は分かったよ。」

 

「確かに、ポニーちゃんたちからも人面犬の目撃情報は出ているし、私たちも協力するよ。」

 

「ただし、勝手な行動はしないこと! アタシたちと一緒に行動するんだよ?」

 

「はーい!!」

 

 

 

 早速、寮長のフジキセキ先輩とヒシアマゾン先輩にも事情を話し、私たちは夜の見回りに協力することになった

 

 

 

「しかし、物騒なもんだね。人の顔をした犬なんて。」

 

「私も信じ難いけど、ポニーちゃんたちの不安な顔は見たくないからね。正体を突き止めようじゃないか、ヒシアマ、カノープスの皆。」

 

「それでそれで〜、先輩たちはなにか後輩ちゃんたちから聞いてませんか〜?」

 

「そうだね……その犬の犬種はトイプードルだったってことしか分からないね。」

 

「確かポニーちゃんは……眼鏡を掛けていたように見えたと言っていたよ。」

 

 

 

 ふむふむ……犬種はトイプードルで眼鏡を掛けていたと

 

 もしや人面犬って、結構可愛い分類なのでは!?

 

 

 

「な〜んだ! それなら人面犬も怖くないかも〜。」

 

「ですが、油断は禁物です。」

 

「犬の祖先は狼って言うしね、凶暴な個体もいるし。」

 

「よし! それなら、美浦寮と栗東寮で二手に分かれようじゃないか! アタシはターボと一緒に行くよ!」

 

「おや? そしたら4:2になってしまわないかい?」

 

「確かに、ヒシアマゾン先輩とターボだけになっちゃうね……」

 

「あ〜、ならアタシが行きますよ。ターボもそれで良いよね?」

 

「うん! ネイチャなら大歓迎!!」

 

「どーゆー意味なんですかね……」

 

「ネイチャ、大丈夫……?」

 

「大丈夫大丈夫、それにあんたとアタシで分かれた方がお互いウォッチ持ってるし、最低限の対処はできるっしょ?」

 

「なるほど!」

 

 

 

 ネイチャの機転で妖怪ウォッチを持ってる者同士で分かれ、私とイクノとフジ先輩、ネイチャとターボとヒシアマ先輩の二手に分かれて人面犬を探すことになった

 

 

 

「う〜ん、見つかりませんなぁ〜……」

 

「懐中電灯の光に怯えているのでしょうか。」

 

「どうだろう、これは地道に探すしかないね。」

 

 

 

 私も時折妖怪ウォッチの光を照らしたりするけど、やっぱり見つからない

 

 そんな時、私の様子を見たフジ先輩は私のことを不思議そうに見下ろしていた

 

 

 

「随分と不思議な時計をしているね、大切な物なのかい?」

 

「ひょわっ!? こ、これはですね〜、その〜……」

 

「フフッ、そんなに驚かなくてもいいじゃないか。でも君にとってはとても大事な物なんだね。」

 

 

 

 フジ先輩は優しく微笑みかけながら、私の持つ妖怪ウォッチを眺めていた

 

 とても頼りになる先輩だけど、妖怪の存在に関しては学園だと現状私とネイチャしか知らないから、ここは私がリードしなきゃ!

 

 その時、近くの花壇でガサガサと物音がした

 

 

 

「今のは……! 何だ、可愛い仔犬くんか。迷い込んでしまったみたいだね。」

 

 

 

 後ろ向きで歩いていたのは、小さな仔犬だった

 

 その姿を見たフジ先輩は保護してあげようと仔犬にそっと近づいていく

 

 ……ありゃ? あの仔犬、毛並みがまるでトイプードルのような……

 

 

 

「フジ先輩! もしかするとその仔犬……!」

 

?「……あの、ほっといてくれませんか?」

 

「え……?」

 

「……わぎゃゃぁっ!? で、出たーーーっ!!!!」

 

 

 

 その日トレセン学園には、私の悲鳴が響き渡るのでした

 

 むんっ……

 

 

 

 つづく……

 

 

 

 

 

 

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