男は守られるのが常識の貞操逆転世界で、唯一魔法を使えるようになったので、全力で女の子達を守っていたら激しく執着されるようになってしまった 作:タンポポ西田
俺、ユークリッド・ヴァミリアは元々この世界の人間ではない。
俺は元々、日本で
そんな高校生だった佐藤 翔は剣道部の部活の帰りに、事故に遭って死んだ。
そして気がつくと、ユークリッド・ヴァミリアとして転生していた。
日本と違って、この世界では魔法があった。問題は男は魔法が使えず、女性の方が力関係は上。
だが、俺はこの学院で俺自身が魔法を使えると知られる訳にはいかない。
何故なら、男の俺が魔法を使えると知ってしまえば、傷つく女の子が出てくるかもしれないから。
学院の外であれば雑務の兼ね合いもあるから割り切っているとはいえ、俺はこの学院内で自発的に魔法が使えると公言するつもりはない。
とはいえ、男の数は女性と比べて少ない。
じゃあ、少ないからと言って重宝されているかと言われれば答えはノーだ。
結局のところ、異世界だろうと一般的にマイノリティの立場は弱い。
男としての価値は蔑まれる存在か、
それは俺とて例外ではない。
「あ、ゆーくん。みーつけた」
俺は学院長から押し付けれた
「イリスさんじゃないですか。お疲れ様です」
彼女はイリス・ハリストン。
俺ことユークリッド・ヴァレミアの幼馴染みであり、学院長であるフォーゲル・ハリストンの娘である。
「俺を探していたって仰ってましたけど、どうかしました?」
俺がそう尋ねると、イリスさんはニヤニヤとして笑みを浮かべながら俺との距離を詰める。
「どうも何もちょっとムラムラしちゃってさ〜」
イリスさんは左腕を俺の腰を撫でるように回して、
「ねぇねぇ、少しだけヤラない?」
と耳元で甘く囁く。背中にゾワゾワとした感覚を覚えつつも、
俺は一度、溜息を吐いて
「イリスさん。貴女は生徒会長なんですよ? 少しは節度をお持ちください」
「えー? そんなぁ……」
俺の言葉にイリスさんは眉の外端を下げて悲しそうな顔をする。
節度の問題もあるけど、イリスさんはこの王立魔法学院で生徒会長をこなしている。
実質的にこの学院の中で一番優秀であることを意味している。
「ちょっとだけ! すぐに終わらせるから! お願い!」
「ダメですよ。少なくともここでは」
「つまり、ここじゃなきゃいいってこと??」
イリスさんは目を輝かせると、
「そういう雑務であれば仕方ありませんので」
「もー! そんなツンケンな態度を取るのはゆーくんだけだぞっ」
イリスはそう良いながら、右手の人差し指で俺の頬をつつく。
「はぁ……とりあえず、この後は授業がありますので別の機会にお相手させて下さい」
「相手するする!! いつでも呼んでよ!」
とイリスさんは呼んでよ! と言いつつ、何も言わずともイリスさんは俺の元を訪れる。
学院に転入前から既に週に2回は訪れていたのだ。
学院に転入してからは俺の元を訪れる頻度も増えるだろう。
だけど、力ある者は義務を果たさなければならない。
問題は義務を果たした結果、死亡率が高いということ。
俺はおじいちゃんから言われ続けたことがある。
それは『男は女を守るもの』ということだった。
だから、俺は女の子が傷つく世界を見るのは耐えられなかった。
どうして、男で俺だけが魔法を使えるのは知らない。
でも折角、力を持ったのなら俺の
だから、その足がかりとして王立魔法学院に入学したのだ。
そういう意味で、俺は学院長——フォーゲル・ハリストンには感謝してもしきれない。
「すいません。今、雑務を終わらせて戻ってきました」
俺が戻った頃には3限目の授業が終わった後の昼休みだった。
俺が所属している1年F組のクラスメートは次の授業の用意をする者、友達と歓談に楽しみながら食事をする者など様々な様相を見せていた。
そして俺はどこの輪にも所属しない。
俺は一人、自分の机のある教室の角まで歩く。
「ちょっといいかしら」
「リリアさんですか。何か御用でしょうか?」
俺がそう尋ねるとリリアさんは俺の机に5枚ほどの紙束を置く。
「これは……?」
「貴方がいなかった時に用意した授業のメモ。私も復習したいから明日までには返してちょうだい」
リリアさんはツンとした態度で俺に言う。
「いいんですか? なにか対価が必要でしたらお聞きしますが」
「いらないわ。必要ないもの」
リリアさんはサラッと言う。
この世界の普通であれば、男に対しては冷たく接するか、接するとしても見返りを求めるのだが……、
「あと、そんなこと言ってる暇ある? 貴方は同じクラスメートだけど転入生でしょ? いくら魔法が使えない男だからといっても筆記のテストくらいは点数取れないのは許さないから」
「ありがとうございます。リリアさん、お優しいんですね」
俺はリリアさんに笑みを向けると、
「べ、別に優しくなんかないわ。いくら一番下のFクラスでも大変なことには変わらないわ。せいぜい頑張りなさい」
リリアさんは少し照れたように目を逸らして俺の席を離れる。
なんとなくだけど、リリアさんは男性慣れしていない気がした。
態度は冷たいが、根は優しい人なのだろう。
「いや〜、ユークリッド君やるねぇ〜」
そんなことを思っていると後ろから声をかけられる。
振り向くと、銀髪でショートカットの女生徒がニマニマとした笑みを浮かべていた。
「アイリスさんですよね。今朝は庇ってくださりありがとうございました」
「いやぁ……照れるなぁ〜。あ、そうそうそれでさ? ユークリッド君ってアタシ達の
「もちろんです。なにかお困りのことがあれば対応致しますよ」
「本当?? それじゃあ、ユークリッド君にお願いがあるんだけど……いい?」
「もちろんです。基本的な雑務なら任せて下さい」
「それじゃあ……ちょっとついてきてもらっていい?」
「わかりました」
俺はアイリスさんについていく。
学院の廊下を歩いていくと、たちまち生徒の数は減っていく。
気がつけば、別の校舎に入ると人通りがなくなっていた。
別校舎の中を歩いていると、
「ここなんだけど」
「わかりました」
俺はアイリスさんの指示にされた部屋に入る。
部屋の中は物置部屋といった様相だった。
生徒の数が少ないところをみると、倉庫代わりに使っているのだろう。
使わない理由は老朽化とかそういったところだろう。
この中にある道具を運ぶ感じになるのかな?
「それで……雑務とは何をすればいいんでしょう? 昼休みもそろそろ終わりそうですけど」
俺がアイリスさんに尋ねると、カチャリと教室の鍵を閉める。
「アイリスさん?」
「あのさ……」
アイリスさんは下げていた目線をゆっくりと上げて、
「アタシを処女から卒業させてよ」
そんなことを二人きりの密室でアイリスさんは頬を赤く染めて言う。
元々白い肌をしていたが、赤くなった頬のせいで短い銀髪で映えた。
「一応、理由をお伺いしても?」
俺はアイリスに理由を尋ねる。
この学院の雑務に性的なものは
アイリスさんは飢えている感じではなく、どこか覚悟を決めたような表情を浮かべていた。
いくら雑務を言い訳にしたとしても、そういう子を俺は
アイリスさんは俺の問いに答える。
「いや、普通に考えてこの学院じゃ男なんて見つかんないでしょ……? こういうのって早く唾つけとかないと他の人に取られちゃうし、なにより……」
アイリスさんは言い淀んだあとに言葉を続ける。
「この年で処女ってダサいし。それじゃダメ?」
「構いませんよ。それが俺の仕事ですから。ですが俺は今日転入したばかりの男です。俺はアイリスさんにとって、よく分からない男のはずですよね? そんな男が初めてでいいんですか?」
俺がそう真顔で尋ねると、
「別にいいよ。多かれ少なかれいずれは知らない男とヤラないといけないんだし……それが君でも変わらないって」
「意外とあっさりしているんですね」
「別にいいでしょ。それじゃあ、床に寝て」
アイリスさんはさらっと言う。
だけど声は震えていた。
まだお会いして数時間しか経っていないが照れ隠しをしているのは分かった。
アイリスさんは制服のボタンを上から外す。
すると、アイリスさんの大きな胸がはだけて、白く綺麗な素肌が広がる。
制服の上からでも、十二分に大きいとは思っていた。
けれど、制服から解放された胸は大きいという言葉で片づけるには足りないような気がした。
「い、いくから」
俺は床に寝転び、アイリスは俺の腰の上を
不思議なことにこの世界で初体験の女の子はリードしたがる傾向にある。
男よりも女の方が上という根底にある意識がそうさせているのかもしれない。
でもせっかくなら……良かったって言ってほしい。
そうして俺はアイリスは深いところまで身体を重ねた。
『アイリス・フォーミラーの固有魔法『
そして、俺はまた一つ力を手に入れるのだった。