男は守られるのが常識の貞操逆転世界で、唯一魔法を使えるようになったので、全力で女の子達を守っていたら激しく執着されるようになってしまった 作:タンポポ西田
「昨日ぶりだね。隣国の騎士くん。君を襲いに来たよ」
部屋の扉を開けると、ベッドの上にヴィルヘルム・ティターニア公爵令嬢が右手を挙げて笑みを浮かべていた。
彼女の
シルク素材の白い半袖のTシャツを、わざと大きいサイズで着ていた。
にも関わらず、胸元の大きな膨らみは異常なほどの存在感を放っている。
それなのに、彼女の長く綺麗な黒髪はとても調和していた。
「ヴィルヘルム・ティターニア公爵令嬢? どうしてここに?」
さすがに、昨日の今日でお会いするとは思わなかった。
彼女は秘密裏に王国に来ている。
つまるところ、彼女にも何かしらの使命があるはずなのだ。
「ティターニアで構わないわ。私がやるべきことは終わったもの。現代のサティス女王陛下にもご挨拶も済ませたわ」
「いや、そういう意味ではなく……お忍びで来ていたとしても
俺が困惑しながらも伝えると、
「隣国の騎士くんの疑問に答えるとするなら、さっきも言った通り君を襲いに来た。あぁ、もちろん分かっているとは思うけど、私はひ弱な令嬢だから力で襲いにきたわけじゃない。騎士くんの実力を目の前で見ていたんだ。私が力で襲って勝てると思わない。思うほど馬鹿じゃない」
「はぁ……ということは?」
「もちろん、性的な意味に決まっているではないか」
ヴィルヘルム・ティターニア公爵令嬢はさも当たり前のように笑顔で言う。
発言を考慮しなければ、一目見たら誰でも恋に落ちそうな笑みだった。
「もちろんって……仮にもヴィルヘルム・ティターニア公爵令嬢は貴賓な訳ですから……」
俺は遠回しに無理だと伝える。
ティターニア公爵令嬢は俺の態度に眉を寄せて、
「ティターニア」
「……ティターニア様は公爵家の令嬢ではありませんか。俺みたいな得体の知らない男とコトを致したと知られればそれこそ国際問題ですよ。ただでさえ、今回のことでこちらに負い目があるのです。申し訳ありませんがお引き取り頂けないでしょうか?」
ティターニア公爵令嬢がどんな固有魔法を持っているか分からない。
もちろんできるならば誘いに乗りたい。何故なら身体を交われば交わるほど固有魔法を手に入れ、俺はさらに強くなるから。
ただ、国際的な問題を起こして、誰か犠牲になるリスクは犯せない。
俺がティターニア公爵令嬢の誘いに軽率に乗った結果、国中を巻き込んだ挙句に誰かを傷つけるような結末になるのなら、本末転倒なのだから。
しかし、ティターニア公爵令嬢は俺の懸念を『くすり』と嘲笑うような笑みを浮かべて口を開く。
「それはできない相談だな。優秀な男の遺伝子を手に入れて、次世代により優秀な子供を残すことこそ、我が公爵家の務めというものだ。それこそ、私に負い目を感じているならば、私の誘いに乗るべき。そうは思わないかい? だって誘っているのは私なのだから」
ティターニア公爵令嬢はそう言った後、急に真面目な顔をして、
「あぁ、もちろん、それなりの責任を取ってもらうけどね。ただ安心するがいい。我が帝国は寛大だ。私が
「それに?」
ティターニア様は次の言葉を強調しようと、3秒ほど間を空ける。
その次の言葉を待つ3秒間は俺にとって3秒以上の時間が流れているように錯覚する。
「私は助けてもらった恩は忘れない。必ず騎士くんにとって良いようにするわ」
「……義理堅いんですね」
「そういう
ティターニア様は満足そうに頷く。
最初、性的に襲うと言っていた時との印象と比べるとすごく優しい人物なのだろうとそう感じた。
「そういえば、学院長が言っていたな。騎士くん。君に雑務を頼みたい。これでいいいのかな?」
「なるほど……学院長から既に伺っていたのですね」
それなら、ゆっくり休めというくだりはなんだったのだろう。
いや、ひょっとしたら学院長も彼女に圧をかけられていたのかもしれない。
「ちなみに、それでもお断りをしたいとお伝えした場合は?」
「それはそれで受け入れるしかあるまい。まぁ、その場合は我が実家にありのままの出来事を報告することになるけど」
「
つまるところ、俺に逃げ場はないということ。
それは理解している。俺も、ティターニア様も。
「それで私の
「えぇ、それが
俺は仰々しく頭を下げる。
「良かった。そう言ってもらえると思ったよ」
ティターニア様はとても満足そうに頷く。
「よっと」
ティターニア様はベッドに手をついて立ち上がる。
立ち上がる時に、わざと身体を前のめりの体勢になる。
ティターニア様に実る二つの大きな果実は重力に従ってブルンと震わせる。
たしかな重量感と共に、ティターニア様に実る二つの大きな果実はシルク素材の白い半袖のTシャツを下に伸ばした。
その結果、胸の隙間を見せつける形となり、俺の視線は自然とその胸の隙間に吸い込まれる形となった。
「それじゃあ始めましょうか」
ティターニア様は俺の視線に気づいて小悪魔のような笑みを浮かべて俺に近づく。
そして俺を抱きしめた後、背伸びをして俺の耳元で囁く。
「安心するがいい。騎士くんが受けて入れてくれるなら、私も貴方の味方。騎士くんが魔法を使えることも私は知らない振りをするわ。私の名にかけて約束する。それに男の悦ばせ方は貴族教育で心得ているから心配しないで。でも実践するのは初めてだからお手柔らかに頼みたいけれど」
耳までの距離が少し遠いのか、押しつぶされた胸が俺の腹部で上下に短く擦れる。
「こちらこそ、お手柔らかにお願いします」
俺は両手でティターニア様の腰を引き寄せる。
腰を手にまわした瞬間、ティターニア様はピクリと身体を震わせる。
その
ただ、その代わりに俺が主導権を握れた……そんな気がした。
「それじゃあ、雑務するために移動しますか」
俺はベッドに視線を送る。
それを見たティターニア様はゆっくりと頬を赤く染めて無言で頷いた。
俺は彼女の長い黒髪に触れて、首筋を撫でる。
ピクリと反応するティターニア様は不謹慎ながら可愛いと感じた。
そうして俺とティターニア様はベッドの中で二人、身体を重ねる。
遠い記憶の中にある、かつての故郷……日本を想いながら。
『ヴィルヘルム・ティターニアの固有魔法『