異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「やあ」
星漿体護衛任務をバックレて逃亡していた俺たちは樹が持ってきた天元様の一筆を持って天内たちと樹に任せて上層部に突撃、天元様の同意の元星漿体の同化を無しにした俺たちは高専に戻った。
そして戻って数日後、樹がまたふらっと高専を訪れた。
「兄貴、来たのか」
「この前の事もあったしね、はいこれ理子ちゃん達の逃亡資金とかもろもろまとめた請求書」
「へーい」
樹が取り出した書類を受け取る。
「樹も手を貸したのか」
「追いかけて捕縛しろって命令だったけど、一番意見を聞かないといけない人に意見を聞いてその通りにしただけだよ」
夜我センは樹に向けて呆れたような視線を向けているが樹はまったく気にしてないようだ。
「そうだ、甚爾。せっかくならいつのものあれをやらないかい?」
「あれってアレか?」
「ちょうどさっき捕まえた奴もいるし、呪術師として一皮むけるならやった方が良いだろ?」
「……そりゃ、そうだがなぁ」
甚爾と樹がいうアレとはなんだろう。甚爾が渋っているって事は結構いかれた奴ってのは分かるけど。
「はぁ、いいぜやろう」
「本当か!」
樹の目がギラギラと不穏な光を帯びて輝いている。本当に何するつもりなんだろう。
「おい、夜我」
「なんだ?」
「兄貴が遊びたいってよ」
「領域展開」
「「「「はぁ!?」」」」
「召魔闘技場」
いつの間にか樹が掌印を組んで領域を展開していた。高専のグランドが厳つい中世のコロッセオのような風景に切り替わる。
「さて、ではルールを説明しよう」
領域を展開した樹を見る。
「ここは私の領域の一部闘技場だ。ここは現実世界とルールが違う」
足元に縛られた人間がいた。
「こいつはさっき捕まえたばっかりの呪詛師。対戦モード起動」
樹と呪詛師の周りに不可視の結界の様なものが敷かれる。
「はい、終了」
それを確認したのち、樹はいつの間にか手に追っていた刀で呪詛師の首をはねた。その程度で動揺する俺達じゃないけど、次の瞬間は驚いた
「ルールが違うってそういう事ね」
「そう、この領域の中にある限り対戦モードでは死は訪れない。対戦モードが終わればその死はなかったことになる」
結界が消えたかと思えば呪詛師の首は元通りに繋がり息をしていたのだ。
「傑君、消えてもいい呪霊はいるかい?」
「は、はい」
傑が蠅頭を一匹呼び出す。
「対戦モード起動、終了」
樹が蠅頭に手を添えながらもう一度結界を張りその蠅頭を握りつぶす。そして結界が消えると、握りつぶされた蠅頭が樹の手のひらの上にいた。
「こんな風に使役したものでも死ぬことはない。つまり」
「殺し合いをしようという事か?」
「そういうこと、呪術師は死に近づくほど呪力の核心を掴むらしいしいい遊びだろ。じゃあまずは私と傑君でやろうか?同じ使役系同士だしね。参加しない人達は闘技場の観覧席に、あそこなら絶対安全だからね」
傑と樹だけを残して甚爾の案内で闘技場の観覧席に移動する。
「傑君、今の君の全力を見せてくれ。将来同じ位置に立つ君の力を、対戦モード起動」
「っ、はい!行きます!」
傑が大量に呪霊を呼び出した。それが一斉に樹に向かう。
「おいで」
樹の声に呼応して魔法陣の様なものが3つ現れる。
「ヴォルフ、テロメア、バンドル」
白銀の狼、黒髪の美女、8つ頭の蛇が現れ傑の呪霊を迎え撃った。まず蛇の8つある頭から炎がブレスとして吐き出される。それによって突っ込んでいた戦闘の呪霊達は消し炭にされていく、それをよけて向かう呪霊に美女が前に出て無数の光の玉を放つ。
それは目が眩むほどの光を発し、
「すこしお粗末だな」
「なっ」
一瞬の目くらましでどうやって傑の元に行ったのかわからないがいつの間にか傑の後ろに樹がいた。
「ぐあっ」
「……私が動いたらすぐに終わりそうだ。ヴォルフ適度に遊んであげて」
「がうっ」
それからはまるで大人と子供が戦っているみたいに傑が転がされる。奥に樹が立っていて2匹の式神が樹を守り、狼が傑本体に攻撃を仕掛ける。気が付けば傑が出した呪霊は全部倒されていて傑もボロボロにされていた。
「傑君、君はまだ発展途上だね。もっと強力な呪霊を取り込んで君自身も反転を使えるようになればもっともっと伸びる…だからここで一回死んでいこうか」
「がふっ」
傑の喉が狼にかみ砕かれた。少し間が置いて結界が解除される。
「イタタタ、樹さん容赦ありませんね」
「生き返るんだから大丈夫だろ。じゃ、次は甚爾と悟君がやろうか」
樹が傑を抱えて観客席に移動したので俺と甚爾が闘技場に降りる。
「対戦モード起動、甚爾」
「あぁ?」
「思いっきりやっていいぞ」
「了解」
甚爾が武器庫呪霊を吐き出す。
「そんじゃま、大盤振る舞いと行きますか!」
武器庫呪霊が何かを吐き出す。
「呪具じゃない、なんだ」
警戒しながら距離を取って蒼を打ち出す。無限があるとはいえ甚爾相手に接近戦はやりたくない。
ザシュッ
「!?攻撃、どこから」
「へぇ兄貴の予測通りだな。そんじゃ、調査を始めますか」
甚爾の手の中には無数の紙束があった。
これがあるからサモナーさんの戦闘欲求が満たされている感じ