異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「成程、時空系はだいたい効果あり」
悟と甚爾の戦いを見ながら何やらメモをしている樹を見る。
「五条の無下限を突破するものを確認しているのか?」
「ああ、せっかくだからな私の術式がどこまで通じるか確認しようと思って」
呪符、樹の術式が込められた使い捨ての呪具で幾つかは高専で売られている。樹は悟同じ別格だと思っていたが、最強であるはずの悟ですら樹は倒せる手段を持ち合わせているのが判明した。
「うん、いい感じ。悟君は無下限を突破する相手がいなかったから想定してなかったみたいだけどいい感じに追い込まれてる」
「相変わらず規格外な力だな」
「一回で確信掴めるかな?掴めなかったらまたやるけど、傑君も自分に反転ぐらいは使える様になろうね」
「アハハハハ…がんばります」
「おっ、終わったね」
甚爾が取り出した二股の短剣によって滅多刺しになった悟が倒れる。
「…へぇ、一発か。やっぱり悟君は優秀だね」
「反転術式!」
悟の怪我が逆再生されるかのように回復していく。
「兄貴」
「甚爾、どうする。私が変わってもいいよ」
「問題ねぇよ、呪符の補充を頼む」
「はい、追加」
樹が甚爾に呪符の束を投げ渡した。
「よう、まだ終わってねぇよ!」
「だろうな」
「言うは易し俺も今まで出来たことねぇもんが死に際でつかんだ呪力の核心で出来た!」
「お前、ハイになってんな。まぁ、そんなことはどうでもいい。やろうぜ五条、今のお前の力を見せてみろ!」
「あ゛ーーーー?そうか?やっちゃっていいだなぁ!」
そこからの戦いはまるで別物だ。悟も甚爾も動きのキレすら違う。
「ほう、この速さについてこれるか…ならもっとギアを上げてやる!」
「来いよ!」
甚爾の動きが完全に見えなくなった。
「覚醒した事で100%以上のパフォーマンスを引き出しているみたいだね。これに黒閃が合わさったら面白そうだな」
「この状態の五条に黒閃なんて甚爾先生だってただじゃすまないはず」
「大丈夫さ、今の悟君は確かに強いけどまだ力を使い始めた殻付きのひよこだからね」
「ひ、ひよこ」
「あの状態の悟に甚爾先生が勝てるんですか?」
「将来は分からないけど、今は甚爾の方が強いよ」
樹の言った通り最初は果敢に攻めていた悟だがどんな攻撃も甚爾の素早さについて行けないのか当たらないことにイラついてさらに狙いが甘くなってきている。
「虚式・茈」
「そんなトロい攻撃あたるわけねぇだろ!」
最後はまたあの短剣で五条の首を跳ね飛ばした甚爾の勝利に終わった。
「悟君、頭は冷えたかい?」
「あ゛ーー、多分?」
「それならよかった、物足りないなら私とも戦うかい?」
「いや、それは今度で良いわ。今の状態で樹に勝てるわけねェもん」
「そっか、でも一回で呪力の核心を掴んだね。ご苦労様、悟君。甚爾もかっこよかったよ」
「そう簡単に負けるわけにはいかねぇよ、俺は兄貴の護衛だからな」
呪符のお陰で天逆鉾なくても無下限突破できる天与の暴君が出来上がりました