異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「それはアリだ」
「ありじゃねぇわ、馬鹿者が!」
ゴンっと音が響いた。顔を上げれば九十九の頭に拳骨を振り下ろしている樹さんがそこに立っていた。
「っあ、ちょっと樹君!いきなり何するの!」
「お前が世迷言を言っているのが悪い、何が非術師皆殺しだ」
「それが一番イージーじゃん!非術師を皆殺しにして、術師だけにする生存戦略でいずれ術師しか生まれなくなる」
「その過程の犠牲は無視か?非術師の赤ん坊が産まれればそれを殺すのか?それを殺された両親の怒りと恨みは?」
樹さんの言葉にふと3人で話していた事を思い出した。
『呪霊の産まれない世界…』
『まぁ、そんなことになったら俺たち術師家系はどうすんだって話だけどな。今更一般社会で俺達が働けると思うか?』
『無理じゃない?五条の顔ならアイドルとかも出来そうだけど性格がクズだからすぐスキャンダルで破滅しそう』
『確か呪力を甚爾みたいに完全に捨てるか、全人類が呪力コントロールを覚えるか』
『非術師皆殺しかって所だけど、非術師皆殺しなんてしたら生活水準落ちて大変なことになるよ。私は絶対にやだね』
『呪力を完全に捨てるってのもすぐには無理だし、呪力コントロールなんてどうすればいいんだか』
『ひ、非術師皆殺しって』
『一番手っ取り早い方法ってだけで一番お勧めしないよ。非術師から術師が生まれる様に術師から非術師が産まれることなんて珍しくもない。そうなった時、赤ん坊をどうするかなんて考えたくもないね』
どうして忘れていたんだろう。そうだ、3人で話してた。
呪霊の産まれない世界、呪力を甚爾先生みたいに完全に捨てるか、全人類が呪術師になるか、非術師の皆殺しか確かに話をした。
「結局、殺した奴と殺された奴が呪いあって人類が滅亡するって未来しかないじゃないか」
「それなら甚爾くんを研究させてよ!」
「ダメに決まっているだろうが!私の庇護している子に手を出すならそれ相応の覚悟があるって事だよな」
「樹さん」
2人の会話に割り込む。
「私は九十九由基さんの考えにある程度賛同します。いつまでも対処療法でやってないで根治療法をした方が良い、確かにそうです」
「夏油くん!」
「でも非術師皆殺しはダメだってのも分かります。生活水準が下がるしその後に産まれた非術師の処遇など問題点が多いのも事実です」
「それで?」
「なんで九十九さんの研究に協力しないんですか?皆が甚爾先生みたいになれば呪霊は産まれないんですよね?」
「実験動物扱いをされるのを黙ってみてろと?」
「そんなことしないよ、ちょっと血とか肉片とか脳の構造とか色々調べたいだけで」
「それに根治治療したとしてその後の術師の生活のプランニングは出来ているのか?ただ治療したいってだけで私の協力を引き出せるとでも?」
「そんなの研究して手段を確立してからでも問題ないでしょ?」
「樹さん協力してあげてくれませんか?」
「なら、私に勝って見せろ。そしたら考えてやる」
2人して闘技場に誘われ、ボッコボッコに叩きのめされた。
弟を実験体にはしたくないサモナーさん。あと仕事サボっているせいで忙しかったからあまりいい印象ないのであたりが強い