異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
樹さんに九十九もろとも叩きのめされた数日後。任務に訪れた廃村、まだ建物は新しく廃村になったのが最近だとわかる。
「なぜ廃村になったんだろう?」
「えっと確か今回祓除対象の呪霊を代々抑えていた術師の家系があったそうなんですが、ほらここ田舎でしょそれで気味悪がられて村八分にされていたみたいで、この村から出て行って抑える人がいなくなったせいで呪霊被害が増えて一時的に村から出て行ったみたいです」
「成程」
正規の呪術師じゃないらしいし、虐げられてまで仕事を続けるのも酷だろう。その家系の人たちが今幸せに過ごしていることを願うしかない。
呪霊を取り込み、今日はもう任務がないから高専に帰ることになった。ゲロ雑巾味の呪霊に憂鬱になりながらも車に乗り込むと車に置いてあった瓶を手に取り、ふたを開け飴を一粒取り出した。
それを口に含むと、呪霊の後味は消えて優しく甘いはちみつの味が口の中を満たした。
「あ、樹さん」
「傑君、任務帰りかい?」
「はい、樹さんは?」
「来年、私の保護している子たちが高専入学の年齢になるからそれの打ち合わせ」
「保護?」
「うん、傑君はさ両親は呪霊のことどう思ってる?」
「私の両親は私がいるというならいるのだと信じてくれてます」
樹さんに叩きのめされてから少し休暇を与えられ、その時に両親にも会いに行った。相変わらず両親は善人で私の事を心から心配してくれていたのを感じ、一瞬でも非術皆殺しを考えたことに罪悪感を感じてしまった。
そうだ非術師にだっていい人はいる。それを皆殺しにしようなんてあの時の私は精神に異常があったんだろう。と休みを取って落ち着いた頭で考えるとそう判断できる思考が戻ってきた。
「そっか、そういう人ばかりだと良いんだけどそういう当たりってのは結構少ない。大抵嘘つき呼ばわりか気味悪がられて虐げられるか。後は術師家系でも術式とか呪力とかで良い待遇じゃないとか、そういう子達を保護している施設を運営しているんだ、ついでに術師として才能があるなら人材確保にもなるしね」
「成程、でも今まで見なかったですけどどうしてですか?」
「たまたま君たちの世代の年齢の子がいなかっただけだね。君たちの世代だと窓になれる位の素質しかなかったから普通の高校に行かせたし、来年行かせる子が久々に術師とか補助監督になれそうな子達だよ」
そんなことをこの人はしていたのか、特級として呪霊を祓い、呪符を作って術師を助け、虐げられていた者達を保護する。なんて人なのか同じ特級なのにここまで違うなんて。
「凄いですね、そんなことまでしているなんて」
「そうかい?元はさ、任務で忙殺していた時に任務が多いなら人手を増やそうって思って始めたんだ。そんな助けてやろうなんて高尚な考えなんてなくて私が楽になりたいから始めた」
「それでもそれで助かる人がいるなら凄い事ですよ」
「そうか?ありがとう」