異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「その話を聞いて、私も何かできないかって考えることが多くなったね」
「へぇ、それで何か考え付いた?」
「ううん、まだ何も。樹さんに頼んで保護された子たちの理由とか教えてもらったりして考えているんだけどね」
悟と樹さんと話してから考えるようになったことを話す。私たちも高専の卒業が近くなり将来の話をすることが増えた。
「悟は五条家の当主だったっけ?」
「そう、でももう一つやりたいこと出来たわ」
「え?」
「俺、高専の教師になる」
悟の言葉に私は目を見開いた。特級術師で御三家の当主なんてとても忙しくなると思っていたのに、それに教師?悟に出来る訳がないと思った。
「この前のさ、灰原と七海の任務。やっぱり上層部が絡んでやがった、俺への嫌がらせだ。樹が居なかったらあの二人は最悪両方とも死んでた」
「それは」
「いい加減さ、もうあいつ等に好き勝手されるの面倒だからさ。樹がガキども保護して手勢を増やすみたいに俺も賢くて強い仲間増やしてこの呪術界変えることにした。俺と樹がそうやって仲間増やしてあいつらの勢力を削いで、そんで呪術界を変える」
悟の言葉に私は声が出なくなった。そんなことを考えていたなんて知らなかった。
「傑もさ一緒にやろうよ」
「一緒に?」
「そう、教師になれとまでは言わないけどさ。この腐った呪術界を変えようぜ」
その言葉に天啓を受けた気がした。呪術師として生きてきて非術師の暗い部分も術師の暗い部分も見てきた。一時は非術師を皆殺しにしようとも考えたことがあるほどに。もう、最初の様な「弱者生存」を掲げられない位には擦れてしまった自覚があった。
それでも堕ちなかったのは、術師の仲間達や非術師の家族や友達がいたから。非術師の大切な人を、術師の大切な人を守りたい。いつの間にか私はそう願うようになっていた。
非術師は術師として呪霊を祓う事で、術師は任務を積極的にこなすことで守っているつもりだった。でも、そうか術師を守るなら等級違いの任務をわざと与える上層部と総監部が腐っているからダメなんだ。腐った膿は取り除かないといけない。
そしてそれを悟と樹さんが目指すというなら、同じ特級として私も一緒に目指したい。
「うん、一緒に変えよう」
まだ道は見えないけど、やるべき目標は決まった。世界を変えるなんて大それたことは言わないけど、まずは自分たちの小さな世界を変えよう。
「お前が教師ねぇ」
「なに?」
「いや、もうちょい性格直さねぇと生徒に嫌われるぞと思ってな」
五条のが教師になると言った。呪術界を変えるために仲間を育てると。
「兄貴に任せておいた方が良いんじゃねぇの?今だって勢力拡大しているんだし」
「樹だけじゃ、動きにくいでしょ。僕も動いた方が早く改革が進みそうだしね」
「確かに御三家のうち2つが動くなら改革が進むだろうけどよ」
兄貴がガキどもや見える奴らを保護するのは上層部と総監部を信用してないから、無駄に人材を消費する馬鹿を信用など出来る訳がないそう言って保護して育てた奴らという信用できる奴らを潜り込ませる。そしてそこから引っ張ってきた情報で色々な事をしているのは知っている。
そして慢性的な人手不足を解消して少しでも自分の負担を減らすため。呪術界を変えようとまでは考えていない、だがそれが長く続けば結果的に変えることにはなっていただろう。
兄貴の教育を受けた奴らがそこそこの階級になっていることは知られている。零細の呪術家系の奴らの中には少しでも再起を図りたいと兄貴に子供達を預ける奴らも現れ始めた。
兄貴はそれを快く受け入れて、今育てている最中だ。それが花開けば数多くの非術師出身の術師と呪術家系の家が兄貴に忠誠を誓う連中になる。そうなったらその勢力は呪術界最大規模、もう上層部や総監部を乗っ取る事だって簡単に出来るだろう。
そこに五条も参戦するとなると
「いつまでも古い価値観のままで居られても困るんだよ。これからもっと時代は進んでいく、何時か呪霊のことが非術師達にバレるかもわからない。そんなときにあんな奴らが上にいたら面倒くさい」
「それはそうだな」
五条の言葉に頷いた。確かに技術も発展してきた、いつ呪霊のことがバレるのかって感じにはなってきているかもしれない。
「だから今変える。僕や傑、樹がいるときにじゃないと。こんな好条件そうそうないでしょ?」
「成程な。ならもうちょい人に寄り添えるようになれよ、俺も出来てるとは言わねぇがガキ相手にすんならもうちょいあたりを柔らかくしろ」
見てみたいと思った古い慣習が横行する呪術界をきれいさっぱり消し去り新たな呪術界を作る3人の姿を。兄貴が禪院家を180°変えたみたいに変わる呪術界を。
「へぇ、面白いな」
召魔から変な奴がいると聞いてやってきた仙台。そこにある病院に入院している女を見た。
クレヤボヤンスで気取られない位置からそれを見る。女は妊娠していた、女の額には縫い目の様な傷があった、女の脳には口があった。
「赤ん坊に細工しているみたいだし、多分マッドサイエンティストの部類だな」
大きくなった腹に手を当てて何かしらしている女にこれはヤバいなと思いながらも何もしない。女は呪術師だ、だけど呪詛師として認定されているわけでもない。しかも体には赤ん坊を抱えている、殺すのはちょっとという感じだ。
「何かしら大きなことをしそうな奴だ」
多分、あの口のある脳が本体で体は入れ物だ。術式も複数個もっている、多分今まで入れ物にしてきた人たちの術式が使える。
「赤ん坊の方の細工も…あの呪力どっかで見たような?」
赤ん坊の方を見ると何か禍々しい呪力が感じれたが女によって封じれているのかその詳細が分かることはなかった。
「女の方を探ったら面倒な事になりそうだ。赤ん坊の方は女がいなくなるなら監視をつけるか」
後に女の正体を知った樹はあの時殺しておけばよかったかと思ったらしい。
表面上はまともな大人で自分達よりも強くて頼りになる大人がいるから重荷を背を背負いすぎず原作よりも落ち着いてそうな二人
仕事じゃないと積極的には殺しに行かないサモナーさん&そのおかげで見逃された1000年生きる呪詛師