異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く   作:cohaku

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第20話

「傑君、うちに所属するつもりはないかい?」

「所属ですか?」

「そう、やっぱり一般家庭出身だと後ろ盾が弱いからさ。呪術高専卒業した一般家庭出身を勧誘しているんだ、こっちに所属したら補助監督はこっち側の人が必ずやるし、任務の精査もしっかりやるから所属するメリットはあるんだよね。

加茂や五条はそういう事やんないから私がやっているだけだけど」

樹さんの言葉に私は考えた。確かに一般家庭出身の私は後ろ盾が弱く、補助監督の人だって信用できない人もいるので樹さんみたいな御三家に所属してくれている補助監督を手配してくれるのはありがたいかもしれない。

「七海たちも誘うけど、高専に所属したままでもこっちに所属する事も出来るよ。任務も怪しいって思えばこっちに情報さえくれれば精査するし、こういう呪霊がいないかって聞いてくれれば探してあげる。

あと呪符の買える金額は学生価格のままで買える種類も増えるよ」

「え!」

「はい、これ。こっちに所属した時用のカタログ」

渡されたカタログを受け取る。呪符の販売価格は複数設定されていて高専生用、外部の術師用、高専所属術師用、禪院家術師用、そして今手の中にある身内用と書かれたそれぞれのカタログを見て買う呪符を選ぶ。

内容も色々違うとは聞いていたが、高専生用以外を見るのは初めてだ。

「うわぁ、大分種類が増えますね。攻撃用の呪符がある」

「悟君の無下限を突破できる奴以外は買えるようになっているよ。流石にそれは自重した」

「他にも色々増えてますね、このテレポートってのは」

「使うと高専の近くに設置してある起点に瞬間移動する奴だね。うちに所属している補助監督とか窓は必ず持ち歩いている呪符だよ。まぁ、術師も持ち歩いているけど緊急避難に使えるから」

「成程」

異様に低い死亡率の高さの秘密はこれか、ヤバくなったら必ず逃げられる手段がある。それだけで生還率は高くなるだろう。これだけでも所属するメリットは高い。

「お値段も高専生の時と同じお手頃価格、所属するメリットが凄いですね」

「元々うちに所属してない人達も勧誘するんだからメリットもちゃんとないと駄目だろ?窓や補助監督はそれを買えるってだけですぐこっちに来てくれるから楽でいいけどな。まぁ、スパイはあぶり出すけど」

剣呑な殺気に息を飲む、私の様子に気づいた樹さんはその殺気を抑えて申し訳なさそうな顔をして謝った。

「いいえ、警戒するのも無理はないかと」

腐った上層部は、勢力を拡大している樹さんを警戒して勢力を少しでも削ろうと嫌がらせが絶えないと悟から聞いている。庇護下に入ってきた者達だってスパイが紛れ込んでいることはよくある事なのだろう。

「術師も家の関係とかで所属できない人も多いし、身内じゃない人に売れるものでもないからな。ままならないものだ」

「全員が使えればいんでしょうけど、無条件に渡すのはちょっと怖いですもんね」

「何時か全員が買えるようになればいいんだけどな」

それから様々な話を聞いた。日本全国に結界を張った拠点がある事、任務で地方を移動する時にその拠点を自由に使っていい事。拠点は呪術師の卵である子供達の保護施設が併設されている場合もある事、食事なども頼めば用意してくれること。もし結婚して子供が出来た場合、その保護施設に子供を預けることもできること。たまに保護施設の子供達に呪術の指南などをしてくれたら給料が出ることも、任務先で保護した子供を施設に預けることもできる事など色々な話を聞いた。

「それで所属するデメリットって何かありますか?」

「まず上層部に嫌われる」

「元から嫌われているので問題ないですね」

「私と敵対関係の家からも嫌われる」

「呪術師家系とあまり関係ないのでデメリットといえるものじゃないですね」

「後は…たまに私と鍛錬?」

「それはメリットでは?」

話を聞く限りデメリットらしいデメリットはなかった。

「じゃあ、所属します」

「よかった。まぁ、断った子達も数日したら後ろ盾の重要性を再確認して所属するって返事する子ばっかりだけど」

「でしょうね」

「じゃ、これ。うちに所属した証明書みたいなやつ」

渡されたのは金色のチェーンブレスレット。中央に透明な宝石が輝く高そうな奴だ。

「錆びたりしない金属だから手入れは簡単だし頑丈だから任務の時着けてても壊れたりしないから」

「これが証明書?」

「そう、これを呪符の販売店で見せればその身内カタログが出てくるし、各地の拠点に張っている結界の中に入る許可書にもなってる証明書」

「綺麗ですね」

黄金の輝くブレスレットを身に着ける。サイズはピッタリでいつサイズを測ったのだろうと思いながらも樹さんにお礼を言った。

「じゃ、これからよろしく。補助監督たちもそれ付けているからそれ付けてない人だったら警戒してね」

「これ偽造できるんじゃ?」

「大丈夫、見たらわかるよ」

そう言って笑う樹さんの顔は悪戯っ子のようだ。

そして言葉の意味を知ったのは所属してから少し経った日の事だった。所属してから必ず補助監督は私と同じブレスレットをつけた人たちだけが来ていたのだが目の前のやつの手首にあるブレスレットを見てその意味が分かった。

ぱっと見、同じ黄金のブレスレットのように見えるが存在感というか格というものが違うのが一目見ただけでわかった。携帯を取り出し連絡を交換した補助監督に電話するとすぐに偽物は回収され別の補助監督が派遣された。

「結構わかるものなんですね」

「ああ、これですか?これ樹様しか手に入らないもので作っているので金で作ってもパチモンになるだけなんですよ」

補助監督の言葉にそうなのかと思いながら自分の手首にあるブレスレットを見た。確かに偽物が持っていた奴にはない何かが感じられてすぐ偽物だとわかった。

「樹さんの言う通り見たらすぐに分かったな」

 

 




オリハルコン合金+ダイヤモンドの全耐性上昇で毒とか洗脳にも強くなれる呪具
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