異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「なんで傑がそれ付けてんだよ!」
「へ?」
「それ樹の庇護下に入ったやつが付けているやつでしょ!」
久しぶりに3人で集まって食事をしていると五条が夏油の手首に光るブレスレットに気づいて不機嫌そうに顔を歪めた。
「樹さんにスカウトされて、後ろ盾はあった方が良いだろ?」
「それ僕でもいいじゃん!」
「悟は勧誘しなかったじゃないか」
「そーだけど!」
見せつけるようにブレスレットをつけた手首を掲げる夏油にさらに不機嫌になる五条。
「それ最近付け始めたみたいだけど、なんなんだ?」
「これ、樹のところ所属になったやつらが付けるやつ」
「へぇ、これが。金?いや見たことない金属だな」
「樹さんしか入手できない金属で作られているらしいよ」
触ってみると予想よりも硬い。
「この石、ダイヤモンドか?」
「そうみたいだね」
「全部石も同じなんだよな」
「綺麗じゃん、私も欲しいな」
「硝子も所属すればいいんじゃない?ほとんど高専で働きづめだろうけど息抜きの場所は増えるし」
「それもいいかもね」
その後、夏油は所属する際のメリットとデメリットを説明した。特にデメリットらしいデメリットはないがメリットがデカい。これを聞かされたら余程の事がない限りは所属するメリットしかない。
「随分と厚遇されるんだな、特に何か強制力があるわけでもない」
「まぁ、基本は樹さんと甚爾さんで何とか出来るからってのもあると思うけど」
完全に保護目的で所属をした人たちに求めるものなんて何もないんだろう。
「樹にとっては無駄な術師の死を減らして仕事をする人を無暗に減らしたくないってのが大きいと思うよ。やっぱりさ、1級でも2級でもいいのに人手がないから仕事をサクサク終わらせる僕たち特級にその任務が回ってくるのは大変だしね」
「その為の保護か」
保護施設で術師の卵たちを育て、その権力で術師達を守り、無駄な死を減らす。
「一時期呪霊が蛆のように湧いて出て忙しくて鬱になってたけど、数年前の記録を見るとその時よりも任務って少なかったんだね。昔の術師の記録を見ると私たちはまだ楽をさせてもらっているのだとわかったよ」
「あー、傑非術師家系だもんな。それに最近は樹の教育の成果が出たのか一級とか準1級も増えたしね」
「呪符のお陰で私の仕事も少なくて助かってる」
「硝子は、樹の呪符のお陰でだいぶ楽になったよね。反転アウトプットできる人あまりいないし」
「というか、今の高専で私だけだろ」
「僕はアウトプット出来ないし、傑は何度殺されても反転覚えてないしね」
「もう、回復が出来る術式を持った呪霊を探すことにしたよ」
「まぁこればっかりはセンスだし、本格的に呪術学び始めたの高専に入ってからだからむしろ高専入ってすぐ特級になること自体が凄い事だから気にしない方が良いよ。今じゃ、樹の呪符があればある程度補填は出来るしね」
「あまり無茶するなよ、生きてさえいれば私が治してやるからな」
私の言葉に二人とも口をパカっと開けて唖然とした表情をした後、ゲラゲラと笑い出した。
「何がおかしい!」
「いやだって、硝子がそんなこと言うの初めてじゃん!」
「そうだね、私も初めて言われたよ」
「……まぁ……お前らは同期だからな」
その言葉に二人はさらに大爆笑した。私は眉間に皺を寄せて二人を睨みながら食事を続けた。
後日、樹さんに私も所属したいと言えばすぐにブレスレットを渡してくれた。それを見て仲間外れにされたと拗ねた五条にしつこく絡まれた樹さんは仕方なくブレスレットを渡していた。
お前五条家の当主やろと思いながらも駄々をこねる五条に渋々ブレスレットを渡すサモナーさん