異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「後輩の顔を見に来たんだけど君かい?」
「へ?」
高専で甚爾先生に扱かれていると突然声をかけられて顔を上げた。
「樹じゃねぇか!久しぶりだな」
「樹さんお久しぶりです。乙骨君の顔を見に来たんですか?」
「久しぶり真希、真依。最近来ても任務の行き違いで顔を合わせるのは高専入学以来かな?そう、特級の後輩が出来たって聞いて顔を見に来たんだ」
そこにいたのは甚爾先生や真希さんや真依さんと似たような顔なのに温和で優しそうな顔つきの男の人だ。
「兄貴、此奴が特級過呪怨霊に取り憑かれて特級認定を受けた乙骨憂太だ」
「は、初めまして」
「初めまして乙骨君。私の名前は禪院樹、真希達の親戚だ」
「そして悟と同じ、御三家の一つ。禪院家現当主でもある」
「しゃけ!」
「ぜ、禪院家って五条先生と一緒に僕の」
「悟君から連絡を受けて手を貸したけど気にしなくていいよ。私と悟君は同盟関係だから、要請があれば手を貸すのは当たり前だしね」
僕の秘匿処刑に反対したのは五条先生と禪院家当主だと教えられていた。この人が禪院家当主。五条先生と同じ特級で御三家の当主。
「同盟ですか?」
「そう、同盟。後は人材確保?特級の数はもう少しいてほしいからね」
「は、はぁ」
「今日は君の顔を見に来たのと、はいこれ」
樹さんは、紙の束を甚爾先生と真希さんと真依さんに渡した。
「頼まれていた呪符、ついでに持ってきた」
「お、助かる。大分使っちまったからな」
「あと、狗巻君達にも」
渡されたのは10枚ほどの紙。それには不思議な模様が書いてあって、なんだろうと首を傾げた。
「おかか!」
「これ、身内限定のやつもあるじゃねぇかいいのか?」
「今回は特別ね」
「あの~、これは一体なんですか?」
僕の言葉に樹さん以外の全員が信じられないと言った顔をして僕を見た。
「あ~、そういえばまだ案内してなかったか?」
「そういえば、そうね」
「ならこういう反応もしょうがねぇか」
「しゃけ」
「乙骨、これは呪符って言って兄貴の術式の一部を封じたもんだ」
「術式の一部を?」
「例えばこれは軽い反転術式が使える奴」
甚爾先生がナイフを取り出して腕を切り裂いて、渡された紙束から一枚取り出して破り捨てる。傷口が光り、逆再生するかのように消えていった。
「兄貴が今渡したのは、反転術式8枚と緊急離脱用の瞬間移動と影移動のセットだな」
これとこれが瞬間移動と影移動と甚爾先生が指をさしたのを見ると確かに他の8枚は同じ模様が書いてあって、この2枚が別の模様が書いてあった。
「普段ならこの瞬間移動と影移動はうちの派閥に入らないと買えないんだが」
「真希と真依の同級生だし乙骨君は特級の同僚だからね、今回は特別。これ発動に呪力要らないから空っけつでも使えるんだ。真希とか甚爾でも使えるから何かあった時用に持っておいて」
「後で呪符の売店に案内するわね。新人だからこそ持っておいた方が良い奴もあるし」
「本当なら実力とかも確認したいけど、この後海外出張でね。甚爾、何かあったら連絡よろしく。真希達もね」
「「「おう/わかった/わかってます」」」
「じゃ、命を大切に頑張って地獄を生きてね」
ニッコリと笑みを浮かべた樹さんは僕たちに背を向けて歩き出した。
学校は五条、学校の前はサモナーさんと一応領分を決めている二人