異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「結界と封印は大丈夫だな」
ここは召魔の森の地下にある地下迷宮の一角。新たに場所を確保して作られた秘密の場所。
「少し警備を強化しておかないとな」
元からあった結界にさらに結界を被せる。いくら両面宿儺でもここにたどり着くのは実質不可能とは言え警戒しておくのは悪い事じゃないだろう。
「作っておいてよかったな」
この世界に産まれ落ちて任務などで手に入れた呪具や呪物。その中でも両面宿儺の指の様な危険物だと判断したものを封印する場所。絶対に誰にも侵入できないと確信できるここに土精霊達やドラゴン達、神様達とかの助力を得て作った俺だけの忌庫。
ショートカットも存在しないし一から攻略しようとしてもすぐに出来るものでもないし、異変があれば俺が感知できる。
「一先ずこれで両面宿儺が完全な力を取り戻すことはない」
6本の指は完全に秘匿できる。俺の本当の領域は知られていないからここまで侵入してくることすら両面宿儺には出来ない。高専のものを奪われても14本なら大した問題じゃないだろう。
まぁ、領域の場所が知られたとしてもまず侵入は不可能だろうが。
「問題は体の主導権を奪われた場合の被害か」
どれ程の術式かは知らないがあれほど恐れられた呪いの王。少しでも自由にするわけにはいかない。
完全に封じ込めるなら封印術があった方が良い。呪符を使うなら人型が一番都合がいい。
「……逢魔と言祝。後はレプリカントとインビジブルストーカーの4体編成が無難か」
レプリカントとインビジブルストーカーは付けていたが、そこからさらにオリジンの召魔である逢魔と言祝をつける。2体を一度呼び出して作りためていた封印術の呪符を持たせて虎杖悠仁に付けた。
「さて、じゃあ腐れミカンどもを黙らせに行くか」
「相変わらず面倒な事だな」
報告書を睨みつけた。
既に概要は悟君から連絡は受けているし式神たちからも簡単には聞いていた。宿儺の器・虎杖悠仁を殺すために上層部が仕掛けた少年院の任務。
これには高確率で宿儺の器の製造者が関わっているだろう。今日本に放置されている宿儺の指は存在しない、あんな危険な物存在を知った時点で回収するに決まっている。代わりの呪物は置いてあるから問題はないだろう。
宿儺の指を取り込んで特級になった成り立ての呪霊。成り立てで術式もない特級に区分するのも躊躇うがまだまだ2級の恵や3級の野薔薇ちゃん、成り立て術師の悠仁君には荷が重い。
少年院に入ってすぐ生得領域に囚われた恵はすぐに護衛を呼び出して事なきを得たが、連絡を受けた悟君がまだまだ呪術師としての経験や修行の足りない悠仁君に修行をつけようと言って死を偽装してとある場所に匿う事を提案してきた。
それに俺は了承して、甚爾にも個別指導を頼んだ。
「呪力に関しては悟君が、体術に関しては甚爾が、結構恵まれた育成環境になったかな?」
上層部共は宿儺の器を始末できたと上機嫌だと報告書には書いてあった。
「まったく、私の式神が付いていて死ぬわけないだろうに」
そんな当然の事さえも分からない愚かな腐ったミカンどもに溜息を一つ吐いた。
「だから利用されるんだ」
今回の計画、確実に宿儺の器の製造者が関わっている。それが上層部と結託しているのか利用しているのか知らないが上層部を動かせるとなるとそこそこ厄介だ。
「まぁ、それでも何とかしないとな」
今回の計画、上層部は宿儺の器の抹殺が目的だが製造者は違うだろう。
「少なくとも死んでも何とかなる算段があったと考えるべきか」
宿儺の器を人工的に作り出した製造者はこんな所で器が死ぬわけないと判断している。だからこそ、今回虎杖君と呪霊を戦わせた。
「…少し探りを入れる必要があるか」
両面宿儺が受肉してから両面宿儺に関する資料を集めているが詳しい事は分からなかった。そんな資料不足である過去の術師である両面宿儺の力量について製造者が詳しく知っている場合、製造者と宿儺が関係がある可能性が高い。
「相手も呪物が受肉したのか、それとも」
天元という存在がいる以上、そういう可能性も考慮に入れるべきだろう。
自分専用の忌庫を作っているサモナーさん。地下ダンジョンを突破してセキュリティを突破しないと入れないよ!
サモナーさんを舐めている上層部