異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く   作:cohaku

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第27話

「お前、自分よりも身体能力が高い奴に会った事ねぇだろ」

「…すげぇ」

地面に投げ飛ばされた俺を上から覗き込む男…禪院の父親禪院甚爾。呪術高専の体術教師と名乗った禪院甚爾が楽しそうな笑みを浮かべて俺を見下ろしていた。

「なぁなぁ!もっと相手オネガイシマス!」

「おう、兄貴からもお前を揉んでやれって言われたからなちゃんと相手してやるよ。その為にわざわざここを用意したしな」

ぐるっと周りを見渡すように視線を動かした甚爾さんの視線につられて俺も周りを見回した。

ここは五条先生が樹さんに借りた樹さん個人所有の無人島。そこの中心には白亜の城館がありそれ以外は原生林がそのまま残っている。

「樹さんって金持ちなんすね、無人島を持っているとかホントすげぇ」

「必要だから買っただけだ。お前みてぇな厄介な事情を持った奴を匿ったり疲れた術師共の療養所的な役割もある」

「療養所?俺みたいなやつを匿うってのは分かるけど」

「ここは無人島だからな呪霊がいない、そういう場所で療養するのが必要な疲れた術師はいるってわけだ。呪霊なんて人間がいる以上無限に湧き出てくるもんだしな」

たまにその一生終わらない呪霊との戦いで病んでしまう人がいるらしい。そういう人たちを此処みたいな呪霊のいない療養所で療養させて休ませることもあるらしい。

「ケヒッ、現代の呪術師は随分と生ぬるい奴らが多いようだな」

「特に一般人出身者達が多いな。最近は一般人でも兄貴の庇護下で幼少期から教育されていた奴らが多いから病む奴はすくねぇけど」

「?それって」

「どうしても非術師からの理解がないと術師ってのは迫害されるからな、兄貴はそういう奴らを保護する施設も運営してんだ」

「ほう」

「そっか見えない人が理解するのって難しいよな」

確かについ最近まで呪霊の存在なんて知らなかった非術師だった俺が禪院の説明を聞いて納得したのは呪霊そのものを見たからだ最初は何ってんだ此奴って思ってた。

「さて、休憩はもう終わりで良いだろ。さっさと再開っすぞ」

「オッス!」

地面に倒れていた体を勢いよく起こして立ち上がる。

 

 

 

「悟君、進捗はどう?」

「順調だね、結構飲み込みいいよ」

「そうか」

闘技場で殺し合いをしている宿儺と甚爾の様子を観戦していた樹の隣に座った。

「やっぱり指3本じゃ、甚爾に押されているね」

甚爾は樹の強化術式を身に纏い素手だけで宿儺を翻弄していた。領域展開をしても呪力の無い甚爾に必中効果もないし、甚爾には樹の呪符もある。むしろ領域展開後の術式の焼き切れで隙を晒す結果になってから甚爾相手に領域展開を使う事はやめたらしい。

「あれほど恐れられていた術師の術式だからどれほどのものかと思ったけど効果はシンプルなんだな」

「そうみたい、ただ応用力と呪力量と出力が半端ないタイプなんだろうね」

「確かに縛りを戦闘に用いるのは凄いな」

「閉じない領域も驚異的だよね。領域の押し合いに強そう」

「反転術式の力量も脅威だと思うよ。多分悟君も出来ない他者への反転も出来そうだ」

「しょうがないじゃん、どうしても僕と他人の呪力が合わないんだもん」

宿儺と甚爾の殺し合い、これはここに悠仁が匿われてから幾度か行われている。最初は興味本位だが、その一回で甚爾を気に入った宿儺が暇つぶしにやらせろと言って樹が許可を出した。

此方としても宿儺の実力が分析できるしメリットがあったので樹の闘技場で行うならと許可を出し今に至る。

「宿儺がたまに甚爾と戦うお陰で悠仁の体に宿儺の戦闘技術が馴染んでそれが良いみたいだね」

「成程、呪力操作などの感覚を体が覚えているのか」

お陰で悠仁の修業は順調に進んでいる。

「そろそろ、実践させようと思うんだけど樹はどう思う?」

「いいじゃないか?悠仁君の身体能力なら呪力を纏わせた拳だけで雑魚ならすぐに祓えるだろ?」

「そういえばさ、ついこの間特級に襲撃されたんだよね」

突然の僕の話題の転換に樹の目が鋭くなった。

「襲撃…つまり完全に自我があるタイプか」

「そういうこと、しかもそいつしっかりと喋ってたんだよ」

「へぇ」

「しかもそいつを助けに来た他の特級もいて逃げられちゃった」

「呪霊が徒党を組むか、しかも特級同士」

「他にもいるかもしれないね」

「宿儺の器の製造者に特級呪霊共が組んだ一味…一気にきな臭くなったな」

首を切り落とされた宿儺を見届けた樹が目を閉じて空を見上げた。

「何かが起こっているな」

「そうかもね」

「悠仁君の任務の同行者は?秘密を守れる奴じゃないと駄目だろ?」

「それは大丈夫。絶対秘密を守ってくれる子達を選ぶさ」

 

 




最高峰の二人に稽古をつけてもらう主人公。宿儺は完全フィジギフに興味津々
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