異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「終わった」
「おっと」
やっと羂索達の後始末終えるとまるで電池が消えたように意識を落とした兄貴を抱きかかえる。いくら体が頑丈とはいえほぼ不眠不休で動いていたんだ流石に兄貴でも厳しかったか。
「樹様!?」
「大丈夫だ、やっとやることやって気が抜けたんだろ」
「私が診るか?」
「心配ねぇよ、本拠地で寝てれば一日で元気になるだろうよ」
兄貴を抱き上げる。
「じゃ、兄貴を本拠地に届けてくるから何かあったらテレパスで連絡くれや」
兄貴を抱き上げた状態で高専を出た。高専の近くにある拠点に移動して兄貴を火星にある本拠地に連れて行こうとすると
「親父?」
「恵か」
声をかけられて振り返る。そこには任務帰りだろう恵と同級生の虎杖・釘崎・吉野の4人がいた。
「樹さん、倒れたのか?」
「「「え!?」」」
「問題ねぇよ、本拠地で一日休ませればすぐに良くなる」
「「「本拠地?」」」
「あそこに行くのか?」
「あそこが一番回復するからな」
「…親父、俺達も行っていいか?」
「構わねぇぜ、来るなら来いよ。兄貴には俺の判断で人を入れて良いって言われてるからな」
そう言って拠点にあるオベリスクへと向かう。
「これに触るんだ。まぁ、許可証がないと反応しねぇけどな」
「許可証?」
「俺達ならこれだな」
恵が服の中に隠していたペンダントを他の3人に見せている。
「召魔の森へ」
オベリスクが光る。そしてその光が消えると見慣れた闘技場に俺たちは立っている。
「ここって樹さんの闘技場?」
「アレは、本拠地にある闘技場を持ってきてるって感じだからな。ほら、さっさと移動するぞ」
闘技場を出るとまず目にするのは白く輝く城館だろう。城館と闘技場の間にあるのは田畑や牧場、竹林、果樹園、そして煙が立ち上る作業場など城館以外は人が住むことを想定していない場所だ。周囲は高い城壁に囲まれ、兄貴の式神達がところどころに闊歩している。
『む、甚爾。樹はどうしたのだ』
「やっと一仕事終わって気が抜けただけだ。ここで休めばすぐに元気になるさ」
翠色に輝く鱗を持つドラゴンが話しかけてきた。
「「「「ど、ドラゴン!?」」」」
「ここに住むエメラルドドラゴン様だ。珍しいな、俺と兄貴以外がいるときに出てくるなんて」
『そろそろ、我らと顔を合わせても問題なさそうだからな。まぁ、一度に全員と顔を合わせる事は悪影響が出そうだから他の者達は離れているがな。まずは樹を休ませるのが先だ、我らと話したいなら樹を休ませた後にまた来るといい』
「おう、そうするわ」
唖然としている恵たちを連れて城館へと足を進める。いつの間にか式神達が作っていた庭園を抜けて待機していた式神が城館の扉を開けるのを横目に見ながら城館にある兄貴の部屋に向かった。
兄貴の部屋は、この城館の中で一番豪華な部屋だ。兄貴本人はそういう事に興味がないから式神達に丸投げにしているので自分たちの主である兄貴の部屋が一番豪華になるのは必然だった。
「ゆっくり休めよ」
兄貴をベットに寝かせる。部屋を興味深そうに見ていたガキどもを連れて部屋を出た。
「 」
「お前ら、飯食ったか?」
「「「?」」」
「まだだな」
「なら、用意してあるみたいだから喰いに行くか」
部屋を出ると執事姿の式神が待機していて「何かお召し上がりになりますか?」とプラカードを持っていたのを見て恵たちに聞くと喰ってねぇって返事があったので食べることにする。
「ここの飯は絶品だからな楽しみにしとけ」
火星に行き来できるのはサモナーさんと禪院甚爾と禪院恵だけ、3人以外は3人の付き添いがないと移動できない