異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
『キースや、お主がぶっ倒れるなんぞ久しぶりではないか』
「そうかもしれませんね」
一日寝て、体を回復させた樹はベットを抜け出すと煙晶竜を呼び出した。
『しかし、面白い事になったのう。まさか人間が召魔になるとは』
「呪霊は、まぁ出来ててもおかしくない存在であるので驚きはしませんでしたが、まさかあの縛りがこんな結果になるとは思いませんでした」
樹にしか見えない召喚リストに新たに追加された3つを見る。
「煙晶竜様と違い、私に絶対服従みたいですけどね」
『タイミングが良かったのかもしれんな』
「タイミング?」
『お主の術式によってこの星は丸ごと書き換えられた。星そのものを書き換え絶対的な支配権を持つお主は創造神と言っても過言ではなかろう』
「私がですか?」
『我らや神々もお主の術式によって生み出された代物である以上、お主の支配下にあると言っても過言ではないのだ。やろうと思えばできるだろう?』
「……成程、確かにそうですね」
今まではあのゲームの時の感覚からそういう対象としては考えたことがなかったからできなかっただけでやろうと思えば出来たらしい。改めて術式を意識すればそれが可能なのだという事が感じ取れた。
『今の我らはお主の眷属の様なもの。地球にだって式神として呼び出せるのだぞ。今まではお主の負担になるから教えていなかっただけでな』
「まぁ、皆様の力を借りる事なんてそうそうないと思いますけども」
『星のそのものを完全に支配下に置いたキースは神と同等の存在になったともいえる。我らはその眷属であり、新たに召魔になった3人もキースに自分の全てを明け渡すと条件を付けた。神に全てを明け渡すという事はその神の眷属になると同意する事に等しい事であろう。
だから、召魔になったのだと思うぞ』
「では甚爾もそうなのだろうか」
『そうだな、だがキースが望むのは完全な主従ではないのだろう?確かに眷属ではあるが召魔となった3人とは別枠、我らと同じだ。意識して命令をしなければ絶対命令権は発動せんよ』
「そうか」
『お主が暴走すれば我らも止める。そう心配するな、それに暴走する事なんぞ万に一つもなかろう』
「それでも万が一を考えないと駄目だ。この世界に私の強さは強すぎる」
呪力を使えなくさせる太公釣魚、これの規格外さは良く分かっている。前世にてキース・オリジンが呪文の効果を強化する事を選択したことで発動中のものすら解除できるようになってしまっているため簡易領域などの防御手段も意味が無くなっているが恐ろしい。
これが発動してしまえば相手は、単純な身体能力と呪具でのみ私を相手どらねばいけないという最強の禁じ手。
「前世の世界ならそれでも何とかある目がありました。でも今はもう」
『そうじゃな、前の世界ならステータスという基礎能力があるがゆえに効果が切れるまでの耐久も出来る可能性もあった。だが今はもうそれすら不可能だ』
「それに術式になったことで時間制限がなくなりましたからね」
『呪力が続く限り効果が続くようになったからのう』
「この身には狂気は未だ宿っています。その矛先を違える気はありませんが万が一がありますから」
嘗て本来の自分の血筋が行って来た狂気の継承。それを子供達や兄弟へと向けたことはないがあの身に流れる親殺し子殺し、祖父殺しを行って来た狂気の血筋を持つ私自身を私は信用していない。
「まぁ、保険があった方が私が心穏やかになれるってだけの自己満ですけどね。いざとなれば甚爾と一緒にスパッとやっちゃってください」
『…ふむ』
多分殺される前に半殺しにされて捕獲される。
実はやろうと思えば神様達もドラゴン達も動員できるサモナーさん、そりゃサモナーさんの術式で作れているんだから当たり前だよね