異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
「やあ、初めまして」
そこに立っていたのは死神だった。
「これからの呪術界に君みたいな存在って必要ないんだよね」
とある駄菓子屋の店主の老婆の前に死神が立っていた。
「技術を独占するのは百歩譲って許すよ、その縛りによって効果を引き上げているんだろうしね。でも
寿命まで搾取するなんて許すわけないよね」
気が付けば死神の式神達が老婆を包囲して見下ろしていた。
「諦めろ、どれほど長く生きようと私がいる限りお前の天下はあり得ない」
事実上、老婆が目指した呪術界の頂点に座った死神がそう宣告する。
「ただでさえ呪術師ってのは人数が少ないのに無駄にお前に減らされると困るんだよ。だからお前はこれからの呪術界には必要ない」
「…なぜ、ここが…私が当主だと…」
「元から貴様の事は探っていたし、候補には入っていた。この日本で暮らしていて私の目を誤魔化せるとは思わないことだ」
「ぐっ」
「直接顔を見れば一発だったんだがな、元の総監部のままだと殺した後の始末が面倒極まりないから見逃していただけだ。だがそいつらを始末した以上貴様を泳がせる必要はなくなった」
老婆は、自分を見下ろす死神の姿に恐怖を覚える。
「簡易領域、この技術がもっと広まっていれば多くの術師達は生き残っていただろう。そしてこれからの術師達が生き延びるために貴様には死んでもらう。貴様の野望も未来永劫叶わないものになったんだ。ここらが終わり時ってやつさ」
「叶わない…だと!?」
「だってそうだろ?私がいる限りお前の願いは未来永劫成就することはない」
確かにその通りだ。目の前の死神は御三家当主にして呪術総監部の統括であり、簡易領域とは別の領域対策の呪具の製造者であり、呪術師の卵達の保護育成を行い勢力を広げるまさに呪術界の頂点。
(だが、それは)
「そうそう、寿命でもお前は俺には勝てないよ。だって」
死神の目が
「な、なん」
「自前で私は長寿だからね」
まるで爬虫類の様に縦に瞳孔が開いた死神のプレッシャーに老婆は腰を抜かした。圧倒的な上位存在に出会ったときのように悲鳴も上げられずに体が恐怖で震え出す。
「さて、もういいかな?」
老婆の首に鎌が向けられる。
「ヒッ、ま、待って」
「ああ、お前を生かす選択肢は端からないよ。無駄に野心の強い奴って面倒なんだよね、日下部君みたいな子なら大歓迎だけど…それじゃあ、さようなら」
「死体の処理を頼む。あと日下部君に今日から君がシン・陰流の当主だって伝えて」
死神、禪院樹が禪院家に前シン・陰流当主の遺体の処理を依頼して誰もいなくなった駄菓子屋を出る。
「で、君もアレに用があったのかい?」
「先を越されたみたいだね。あの老婆も運が悪い、私相手なら生き残る可能性もあっただろうに」
「当主を引退したアレがそれほど長く生きられるとは思わないが」
寿命を門弟から吸って無理矢理生きていた人物だ。それが無くなれば無駄に長く生きた体が耐えられたかどうか。
「天元から情報提供でもあったのかい?」
「ああ、憂憂に手を出したなら…ね?」
「成程な」
「今は日下部君が当主だけどゆくゆくは憂憂が継いで月謝をたっぷりとお貰おうと思っているんだけど」
「そこら辺は君たちで話し合え…ただ、そうだな。あまり月謝を高く設定しすぎて使える術師を減らすとかしなければこちらからは口を出すつもりはない」
「ふふふ、了解。それを前提に話を進めさせてもらうよ。ああ、そうだ」
同じように老婆を始末しようとしていた冥冥が笑う。
「呪術総監部統括就任おめでとう、樹様。君の派閥に所属するものとして鼻が高いよ」
老害はきっちとお掃除しましょう
どんな番外編が読みたいとか意見があったら教えてください
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1 日常小話
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2 IF小話
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3 サモナーさんが特級に成るまでの前日譚
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4 その他(コメントに書いてください)