異世界転生したサモナーさんは呪いの世界に行く 作:cohaku
星漿体の護衛と抹殺の任を受けて、呪詛師達からの襲撃を受けながらもやっと高専にたどり着いた私たちは同化は明日になると聞いて一時高専にて休息をとることになった。
「誰かいるか」
そんな厳戒態勢の高専に見知らぬ人が入ってくれば警戒するのも仕方ないだろう。
「誰だ」
「…君が噂の呪霊操術の生徒だね。初めまして禪院家26代目当主禪院樹だよ」
その人は優しそうな顔をしていた。禪院先生に似た面影があるのに雰囲気は緩やかで呪術師には見えないほど穏やかそうな顔をしていた。
「あれ、樹じゃん。どうしたの?」
「悟君か、久々に任務でこっち側に来たから高専に顔を出そうと思ってね」
「へぇ、アンタ忙しいのに相変わらず甚爾を溺愛してんだ。今、星漿体の同化が明日に迫っててさこっちは厳戒態勢なんだよ。アンタとは遊べないけど大丈夫?」
「構わないよ、少し様子を見に来ただけだし」
「じゃ、俺が案内するよ。傑、先に休んでて」
「あ、ああ分かった」
「お友達を借りるよ、またこんど傑君」
悟に連れられて去っていく禪院樹を見送る。悟と禪院先生が口をそろえて「呪術師最強」と称する現最強の呪術師。それは想像と違ってまるで普通の人のようだった。呆然としながら寮に戻り部屋に戻らずソファに座っていると悟が戻ってきた。
「傑、先に休んでろって言ったろ」
「あ、いや」
「どうしたんだよ、もしかして高専に戻ってきて気が抜けた?」
「あ、えっと君たちが呪術界最強って言っていた人にしては普通っぽいなって」
「ああ!樹の事が気になってたんだ、あの人普段は擬態しているだけだぜ?」
「擬態?」
「そう、怒らせるとめっちゃ怖いよ。会合の度に怒らせる奴らがいて毎度毎度樹の殺気に俺の肝は冷えっぱなし、すぐに甚爾が抑えてくれるから命があるだけでいつ殺されてもおかしくないレベル」
その言葉に驚いた。あの穏やかそうな人がそこまでの殺気を放つなんて信じられなかった。
「禪院家はあの人が当主になってからあの人の恐ろしさが身に染みたのかもう絶対服従の犬しかいないからいっつも怒らせるのは馬鹿の加茂か馬鹿の五条だったね。まぁ、その五条も俺が当主になったらそういう奴らは潰すつもりだけど」
「そんなに恐ろしいのかい?」
「特にお気に入りの甚爾を侮辱したりすると、思い出しただけでも鳥肌が止まらない」
ぶるぶると大袈裟に体を震わせる悟に意外だと思った。いつも高慢不遜で自信満々の悟にしては随分と謙虚な言葉だ。
「特に樹は呪力量が半端じゃないからね、それを開放されて圧力かけられると俺と甚爾以外全員呪力に押しつぶされて口もきけなくなる」
「そんなに?」
「だから傑も怒らせないようにね、まぁ甚爾を馬鹿にしたりしなければそうそう怒ることはないけどさ、樹にとって甚爾が一番のお気に入りだから」
どうしても悟や禪院先生が恐れるほどに怒るイメージが彼と重ならなかった。
五条と夏油が逃げたらしい。すぐに追うように指示があったがその前に天元様にお目通りをした。
天元様に一筆書いてもらい五条と夏油を追う。
「やあ」
「まじかーアンタが追跡者?」
「いいや、そんな面倒な事はしないよ。ほら、天元様からのお届け物だ」
天元様に一筆書いてもらったものを渡した。
「…へぇ、成程ね」
「さっさと上層部を黙らせて来い、五条家次期当主殿」
「了解、そうだ。二人の事を任せていい?身の安全の為にしばらくは海外に逃がそうかと思って」
「手配は終わっている10年も過ごせばある程度は落ち着くだろう」
「じゃ、頼むね」
「行ってらっしゃい」
五条と夏油から星漿体である天内と黒井を預かり手配した通り海外に逃亡させた。生活していくための資金を送るための口座も作ってあるし暫く住む家も用意した。そこら辺の金は後で五条と夏油に請求しよう。
戻ってくると無事上層部を黙らせたらしい。抹殺命令は解除されていた。
サモナーさんは現代日本に転生して普通に会社員として働いている描写もあったので猫を被るのも得意そうですよね
普段は温和な笑みを浮かべて優男に見えそう