ソシャゲ転生したら主人公の偽物だったので、偽りの久条運命としてGARDENに所属します   作:木津

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第002話 後ろをついて行っているだけ

 

 

「はぁ!」

 

「とりゃー!」

 

「てやー」

 

 身の丈ほどの巨大な聖剣を振るうカノンが、マネキンのような人型の敵『天使』を吹き飛ばす。

 プロブレムは二対の巨大ドローンからビームを放ち天使の軍勢を薙ぎ払い、少し離れたところではシオンが巨大チェーンソーで天使たちを破壊していた。

 

 まさに一騎当千。

 不老不死の英雄である騎士に相応しい活躍だった。

 

 後方で見守り指示を出す久条運命(本物)。そのさらに後ろから俺(久条運命偽物)はその様子を見ていた。

 

「おぉ……」

 

 戦場を縦横無尽に駆け回る騎士達の姿は、ゲームで横から見ていた戦闘とはかなり違っていて思わず声が漏れる。なんというかリアリティがすごい……

 

「ふわぁ……」

 

「おっつかれー」

 

「お疲れさまです。運命くん達は怪我はないですか?」

 

 プロブレムのビームで天使たちを生み出す魔剣種子体を破壊。戦闘が終わった彼女達がこちらにやってくる。

 シオンはあくびしているし、プロブレムもカノンも汗一つかいてない。かなり余裕がありそうだ。

 

「おつかれさま。怪我一つないよ」

 

「お疲れさまです! すごかったです!」

 

 この神域を対処しに来たGARDEN御一行に着いて行くと、割とすぐにこの神域を作り出している『魔剣』の痕跡を発見。

 そこを『魔剣使い』の配下である『天使』達に襲われたのだ。

 

 突然の戦闘におろおろしていると「運命くん達は下がってて」との声を受け、現在に至る。

 

『魔剣』は神域を生成できる超常の兵器。神々はそれを人類に与えることで神の代行者たる『魔剣使い』に神域を作らせるのだ。

 

『魔剣』が『神域』を作り出し、その使い手である『魔剣使い』を守るために『魔剣』が生み出すのが『天使』。

 

 聞くたびに少し分かりづらいネーミングだよな、と思ったりする。

 魔の剣と書く魔剣が神域と天使を作り出せるのは少し変な感じだ。

 超常という意味の『魔』なのかもしれないが……

 

「やっぱり偽運命くんは戦えなそうですか?」

 

「うーん、あんまり自信ないです……」

 

 本物運命の持ち物も再現されているので、彼の愛剣である『リリーリベルタ』を俺も持っているのだが、俺自身は剣なんか振るったことはない。

 

 身体が覚えているのか、なんとなく使えそうな気がするも、いきなり戦うのはインドア派な自分には厳しかった。

 

「オッケー。じゃあ偽運命くんは運命くんと一緒にいてね」

 

「うん、今回の敵はあまり強くなさそうだし私の近くにいれば安全だと思うよ」

 

「ん……うんめいたちは守る……」

 

「……ありがとうございます!」

 

 守ってくれるのはありがたい……得体のしれない偽物である自分を近くにおいてくれるなんて流石は運命様……GARDENの皇帝陛下は懐が広い。

 

 ただ完全に足手まとい扱いなので、どうにかしないとまずいかもしれない。GARDENに保護されたい自分としては少しでも役に立たなければ……! 

 いざという時は運命陛下の肉盾にでもなろうと心を決めておく。

 

 周囲の安全を確保し終えたので、敵の痕跡を分析し始める。

 なにやってるかさっぱり分からないので俺はシオンと共に周囲の警戒という名の待機をしていた。

 

 ……順調に無能としての実績が積み上がっている気がする。

 

「さぁ! 魔剣使いの元へ出発です」

 

「「おー」」

 

 しばらく分析を続けた結果、魔剣使いの居場所が判明したらしい。カノンの元気な号令で出発した。

 

 




【魔剣種子体】
 神域を生み出せるマスタークラスと呼ばれる魔剣ではない、神域から生えてきて結晶から剣に成長する量産機(アーキタイプ)。その初期段階。様々な色と成長段階を持つ鉱石生命体であり、天使を生み出したり攻撃したりしてくる。リバxリバの戦闘の大半はこいつが敵。
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