降谷零のクローンなオリ主とコナン世界   作:ラムセス_

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ルパコナのさわり

 

 阿笠邸に帰ってしばらくすると、灰原さん達が帰ってきた。

 子供達とどこかへ遊びに行った帰りのようだ。

 

「お帰りなさい、灰原さん、博士」

「あなた!無事に羽化できたのね!」

 

 灰原さんが駆け寄って来る。

 私は膝を立ててその小さな体を抱きしめた。

 大きくなった体では、灰原さんがなんだかとても小さく感じる。

 

「相変わらず男前ね。バーボンよりかっこいいわよ」

「そうでしょうか。そうだったら嬉しいです」

 

 笑顔で灰原さんが私の頭を撫でてくれる。

 わしゃわしゃされて、私もつられて笑顔になる。

 肉体君が「母君…やさし…」とトロトロに溶けている。

 

 阿笠博士がホクホク顔でうむうむ頷いた。

 

「これからすぐにメディカルチェックを行わねばならんの。どこか具合の悪いところはないか」

「快調です。先ほど食事を済ませてきましたが、特に何も……あ、いや。文字通り羽化して翼が生えました」

「今すぐ隅から隅まで調査するわよ。下へ来なさい!!」

 

 すごい勢いで引っ張られて、私は全身剥かれることになった。

 いやん灰原さんのえっち!

 私が恥じらうと、バシンと灰原さんに背中をはたかれた。

 

 翼は相変わらず透明だった。

 光を屈折させて、まるで光り輝いているかのようにも見える。

 灰原さんがほうと息をついた。

 

「神秘的ね。このデザインセンスがあるのにどうして手足はあんなんなのかしら」

「その落差がいいとする説があります」

「無いわよ」

 

 パタパタ羽ばたくように羽を動かす。

 羽ばたくためというより、広げて拡散しやすくするための筋肉なのだろう。

 グイッと広げるとまんま天使にも見えた。

 

 阿笠博士が「飛び立つ天使君!という飛ぶ人形おもちゃを作るのもいいかもしれんの!」と謎の発想を爆発させている。

 私、新しいオモチャのモチーフになる…?

 

「幼生の受信感度はすでに実験で概算値は出ていますから、受信機で仮で計測すればおおよその命令拡散範囲が分かりますね」

「そうね。規模によっては負荷の大きさも測ったほうがいいと思うわ」

「ではわしの『ムシムシ通信機!3号君!』を出して来るかの」

 

 博士の返事に私は頷いた。

 流石、やはり頼りになる人たちだ。

 

 きっとこれなら、幼生の薬品転換の日も近い。

 

 

 

 

 

 その後は帝丹高校に復学することになった。

 病気休学の手続きだったが、みんな暖かく迎え入れてくれた。

 今は修学旅行の準備の真っ最中のようで、私は女子達の厳正な協議の結果、蘭ちゃん達と同じ班になることが決まった。

 

 授業はだいぶ進んでいたが、園子ちゃんがノートを見せてくれたので問題はあまり起こらなかった。

 優しい人たちだ。

 

 

 さて、そんなわけで本日はサクラサクホテルにてレセプションパーティに参加している。

 

 ヴェスパニア王国の新女王になる予定のミラ女王が挨拶に来ると言うことで、有名人がたくさんパーティに参加するらしい。

 私は園子ちゃんのお誘いで参加している枠だ。

 復学祝いということらしい。

 

「いいんですか?こんな重要なパーティに僕の様な部外者が参加なんて」

「イケメンは多ければ多いほどいいのよ。私は華やぎを提供してるのよ」

「なるほど」

 

 それは確かにそうかもしれない。

 私は会場に飾られた美しい花々の花瓶に負けぬよう、キリッとした顔をした。

 コナン君が胡乱な顔をしている。

 「そう言う意味じゃねぇ」とでもいいたげな視線が私に突き刺さる。

 

 ともかく。

 ヴェスパニア王国だが、原作と同じく国際社会では苦境に立たされている。

 一番大きいのは昨今の寄生虫騒ぎだろう。

 

 ヴェスパニア鉱石は電子機器を無効化する現代兵器の天敵である。

 だが、その性質ゆえに手足にはまったくの無意味……と思われている。

 その兵器転用が噂されている今、ヴェスパニア鉱石はあまり注目されていないのだ。

  

 まあ実のところ私たちの回線は電波の一種なのでその回線切断に非常に有用なのだが。

 結果は同じことだ。

 なにせ手足達はそこまで賢くないので「おう、一狩り行こうぜ!」「おう!」ぐらいのノリで集まって人を襲うので、切断したところで大した影響がないからだ。

 命令拡散機による自死が効かなくなって逆効果まである。

 

 人対人の戦いで戦況を一変するヴェスパニア鉱石も、怪物との戦いでは何とも脆く儚いものだ。

 

 各国は現在、テロの脅威に戦々恐々としている。

 

 例の寄生虫を少しばかり国内に持ち込むだけで、丸ごと大陸が死体の山へと沈むだろう。

 米国の壊滅的被害は、それこそニュースやSNSを通じて全世界が己がモノとして受け取っている。

 

 頭を割られた人の死体がうず高く積み上げられ、虫が湧かぬよう雑に火をつける光景。

 それがセンセーショナルに欧米社会を震撼させたのは記憶に新しい。

 

 もちろんそんなテロを行えば、テロで訴えたいこと以外のあらゆることが灰燼に帰すだろう。

 だがそんなの関係なく、人の愚かさは枚挙にいとまがない。

 

 ふと。

 会場に美しい女性が一人、その華やかさを隠すように静かに立っているのが目に入った。

 峰不二子さんだ。

 

 彼女も私に気がついたらしい。

 呼ぶようににこりと微笑んだので、園子ちゃんに気づかれぬよう人混みを縫って近づいていく。

 

 不二子さんが妖艶に笑いかけた。

 

「貴方が生と死で永遠を刻む、人類にとっての厄介者。阿笠空ね?」

「………ええ。高校生の姿では宙と名乗っています」

「ルパンから聞いてるわ。随分面白い子がいるってね」

「とすると、貴方は峰不二子さんですか?」

 

 私の質問に答えず、彼女は笑みを深めるだけだ。

 

「貴方の神秘的な生態は嫌いじゃないけど。泥棒って文明あってのモノダネだから、あまり貴方の肩を持ってあげられないの」

 

 「ごめんねボク」と不二子さんは肩をすくめた。

 ルパンと違って味方をする気はない、と言うことらしい。

 これは当然の反応だ。

 

 私は腹に気合いを込めて宣言した。

 

「僕は文明を滅ぼさない。その発展に寄与してみせる。そのように、自らに誓っています」

「あら、意外と男前じゃない。ふふ、期待してるわよ」

 

 そう会話した瞬間、前の壇上で悲鳴が上がった。

 「飲んじゃダメだ!」というコナン君の叫び声。

 どうやら毒殺騒ぎがあったらしい。

 

 私が僅かに視線を逸らしたその間に、不二子さんはするりといなくなっていた。

 なんとも捉えどころのない人だ。

 

 お手並み拝見、と言われた気持ちだ。

 やってやろうじゃないかと私も決意を新たにするわけである。

 

 

 その後も混乱は相次いだ。

 パーティは一時中止になったわけだが、間も無く警察も到着した。

 そしてその取り調べが終わらぬ間に火災報知器のベルが鳴り。

 ミラ王女の失踪が発覚。

 

 これすなわちテレビスペシャル「ルパン三世VS名探偵コナン」なれば。

 

 私もミラ王女捜索に参加したほうがいいかなとコナン君のところに行けば。

 コナン君はとっくに私を置いていなくなっていた。

 この場所には部活で遅れた蘭ちゃんの到着を待つ園子ちゃんと、不機嫌そうな毛利探偵しかないない。

 

 なぜ私を置いていったのだ…コナン君……。

 

 

 間も無く、哀れにも取り違えに遭った蘭ちゃんが確保された。

 彼女は何が何だかわかっていないようだったが、少なくとも本物の王女のドレスを身に纏い満足そうではあった。

 

 あんな凄まじく豪華なドレスを着ることなんて一般人にはあり得んからな。

 その点において、蘭ちゃんは役得だったことだろう。

 

 私は険悪な空気の漂う室内で、イライラする内なるアムピを感じていた。

 

 ヴェスパニア側の主張はこうだ。

 この少女は本物のミラ王女である。

 王女を守るため、お前達は引き下がってもらう。

 

 そもそも、これはヴェスパニア側にとっても歓迎すべき事柄だ。

 本国にとってこの戴冠式前後が一番暗殺の危機があり危ういのだから。

 そこでちょうどいい身代わりを用意できたなら、そのまま使うのが一番理想的だ。

 

 戴冠式が終わったら、無事に本物のミラ王女と交換すればいい。

 式の最中に運悪く偽物が撃たれることになっても、偽物ゆえに問題ないと言うわけだ。

 

 歯軋りして睨みつける目暮警部の前に立ち、私はせせら笑った。

 

「それは少々浅慮かと。この国はお国柄、国民の拉致に非常に敏感です。あなた方にとっても、女王の身代わりという非常に危険な役として何の罪もない未成年を利用するのは致命的な結末を招きかねない」

「………我々はただ女王陛下を」

「真実など、センセーショナルな噂の前ではどうとだってねじ曲がる」

 

 私は両手を広げ、皮肉げに「それはあなた方もよくご存知では?」と嗤ってみせた。

 

 ようは、メディアを使って有る事無い事騒ぎ立て、国民感情に訴えるぞと言っているのだ。

 経済的な立場は日本の方がヴェスパニアの遥か上。

 関係が悪化すれば、今度予定されている首都再開発も頓挫することだろう。

 

 伯爵は沈黙したようだ。

 

「あなた方が無理にでもこのパーティに出席したのは、日本との国交関係という利益をめぐってのモノ」

「………」

「彼女の父親である毛利小五郎は日本では有名人だ。貴国も長期的視野に立つべきだと思いますが」

「……我々を脅す気か?」

「まさか。双方の利益に沿ってご提案しただけです」

 

 実は内心のあむぴがハラワタ煮えくり返ってるので私も言葉が強くなってます。

 邦人拉致の単語が頭の中をぐるぐる回り、すっかりあむぴに取り込まれた肉体君が「殺す!!!」といきりたっている。

 落ち着け、愛国主義に負けるな肉体君。

 

「そう。納得は人の心を慰撫すると良く言うでしょう?秘密を詳らかにして溜飲を下げれば、あるいは協力もできるやもしれない」

 

 事情によっては協力するから話せ、でないとわかるな?

 

 私の言葉に、伯爵は長い沈黙ののちゆるゆると息を吐いたのだった。

 





・最近のアメリカの手足
人間から生まれた手足はチョット賢い。
「女王いないね」「いないね」「さみし」「向こうに美味げな肉いた」「美味げ行こ」「行こ」
女王が会いに行けば、飼い主に長く会えなかったゴールデンレトリバーぐらい舞い踊る。

・世界各国
海からの感染に戦々恐々で、水質調査と言い張って寄生虫チェックを欠かさない。
3時間で死亡するので、渡り鳥は案外平気。
アメリカ大陸の輸入食料に偏見の芽が向けられてて超逆風。
ちなみに経口接種でも感染はする。
輸入ジャーキーで感染した稀有な例がドイツで報告済み。
既に防疫処置は済んでいるとのこと。
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