降谷零のクローンなオリ主とコナン世界   作:ラムセス_

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推理対決①

 

 今日は時期的にテストがあり、午前中で帰宅の日だ。

 昼はないので途中でウェルカムバーガーに寄り、昼ごはんとする。

 

 まあ、テストに関しては私は何も問題なかった。

 

 先生の方は心配して免除してもらえる話もあったのだが。

 どの程度ついていけるかの指標にもなるし、今回は特別に参加させてもらった。

 こんなに頭脳のスペックが高いと、なんだか別の高度な生命体になった気分である。

 

 いやまあ、人間とは別の生命体って言えばその通りなんだが。

 

 さて。

 今、私は園子ちゃん蘭ちゃんの三人で米花町の街を歩いている。

 彼女達はお隣の工藤邸に用があるのだ。

 方向が一緒ということで、ついでに一緒にご飯を食べたと雑談しながら帰宅している。

 

 両方夫持ちということで、女子から変な目が向かないのも良いことだ。

 

 園子ちゃんがむむむと唸りながら口を開いた。

 

「そうそう、本堂瑛祐君よ。阿笠君が来るまでは居たんだけど、海外に留学して入れ違いになったのよね」

「へぇ。海外に。優秀なんだね」

「あやつが優秀かは置いといて。というか、阿笠君こそほんとなんでもそつなくこなせるわよね。昨日の体育もバスケ、すごい迫力だったじゃない」

「前の学校でも多少嗜んでたからさ。そう飛び抜けてるわけでも無いよ」

 

 薄っぺらい謙遜をしつつ誤魔化す。

 実際ちょっとマジになったことは否定しない。

 勝負事はどうしても熱が入るから、気をつけて自重しないと怪我人が出そうだ。

 

 あの後バスケ部の方々から勧誘が入ってしまったし。

 面倒ごとになる前に手加減の自制心を鍛えねば。

 

 蘭ちゃんが少しだけ微笑んで私に問いかける。

 

「阿笠君、海外に行ってたのよね。どこに行ってたの?」

「アメリカだよ。取り立てて何かしていたというわけでは無いけれどね。そういえば、毛利さんは工藤君と親しいと聞いているけれど」

「!新一を知ってるの!?」

「向こうで少し相談に乗ってくれたからね。どうも色々飛び回ってるみたいだったよ。まさか彼女を国内に残してたなんて知らなかった」

「か、彼女って……」

 

 かあっと蘭ちゃんが頬を赤くする。

 

 ちなみに、これはコナン君と相談して決めた設定だ。

 国外にいるなら連絡が付きづらい状況にも一定程度説得力があるからな。

 それと工藤新一について何か知っているそぶりを見せても不自然にならないし。

 

 真っ赤の蘭ちゃんが上目がちに眉を下げる。

 

「あの、新一は何か言ってなかった?」

「………早く事件を解決して戻りたいって言ってたよ。彼も、こんなに思ってくれる人がいるならそう思うのは当然だね」

 

 後ろでニヨッニヨの園子ちゃんを添えて。

 

 園子ちゃんが力強くサムズアップしている。

 私もサムズアップで返した。

 そう、うら若き少年少女の恋を邪魔する者がいていいはずがないのだ。

 

 我らは通じ合い、「その、そんなんじゃなくて!」と恥ずかしがる蘭ちゃんだけが残された。

 

 ちなみに、園子ちゃんは私にキラキラした目を向けつつも本気にはならない様子。

 どうもキッドと同じく目の保養としての存在という立ち位置を獲得したらしい。

 気軽にモーションはかけてきても、熱の入り方が軽いのだ。

 

 さて、やってきたのは阿笠邸の横、大きな西洋風屋敷である。

 工藤邸はいつ見ても立派だ。

 

 定期的に業者さんは来ているようだが、最近は人がいないためこまめに蘭ちゃんが掃除してくれているらしい。

 こんな大きい家を掃除なんて、お給料でも出ないとやってられないだろうに。

 

 蘭ちゃんが「じゃあまた!」と別れようとしたので、慌てて私も追いかけて口を開く。

 

「僕も手伝うよ。男手があった方が掃除も捗るだろうし、僕も工藤君には恩があるから」

「いいの?結構大変よ、新一のうち見ての通り広いから」

「構わないよ。手伝わせてほしい」

 

 こういう時でないとコナン君への恩を返せないからな。

 「律儀ねぇ」と園子ちゃんに言われつつ彼らの最後尾に加わる。

 

 彼女が持ってきた工藤邸の鍵で扉を開けると、涼しい冷房の空気が吹きつけた。

 昴さんが起きたらしい。

 昨日はどうもFBIの打ち合わせで外に出ていたみたいだからな。

 昼過ぎだが、今起きたばかりのようだ。

 

 そんなことを思っているうちに事件発生。

 不意に「新一が帰ってきてるんだわ!」と言って蘭ちゃんが駆け出してしまったのだ。

 これに園子ちゃんも便乗。

 

「あの推理オタク、女房に連絡もせず何やってるのよ!」

「あっ、違っ、待って二人とも!」

 

 それは工藤新一じゃないってば!!!

 

 昴さんがこの家に居候し出したのは、先週からのことらしい。

 このサザエさん時空において先週っていつの事なのかはよく分からない。

 ともかく先週だ。

 

 私はそれを知っているが。

 そんなこと住み始めの隣人が知っているはずがなくて、言い訳を考えているうちに対応が遅れた。

 

 私が洗面所に突入した時には、昴さんは見事に蹴飛ばされて尻餅をついていた。

 まあ、どうやら咄嗟に後ろに飛んでほぼダメージはないらしい。

 昴さんもびっくりしたようで呆然としている。

 

 私は慌てて割って入った。

 

「待ってください!彼はこの家に先週から住み始めた沖矢さんだ!泥棒じゃない!」

「………へ?」

「大丈夫ですか沖矢さん、怪我はありませんか!?」

「ええ、まあ。随分とお転婆な子達のようで。偶然なのか怪我はありませんから気にしないでください」

 

 気を取り直した沖矢さんが平然とよっこらせ、と腰を上げた。

 混乱する蘭ちゃん達に代わり頭を下げる。

 

 まあ、この魔都米花町では蘭ちゃんの対応の方が正しい。

 悪即斬で行かないと返り討ち強盗殺人が起こるのはこの世の常。

 

 だんだん事態が飲み込めてきたのか、根が素直な蘭ちゃん達は「申し訳ありませんでした!!!」と揃って頭を下げた。

 一応穏やかな空気が部屋に満ちる。

 

 沖矢さんはニコッと穏やかに笑って肩をすくめた。

 

「改めて、東都大の工学部の沖矢昴です。新一君のご厚意でここに住まわせてもらっています」

「よ、よく見たらすごくいい男…写メをとってもいいですか!?メルアドもお願いします!」

「ははは、構いませんよ」

 

 鷹揚な沖矢さんは、いかにも楽しんでる感満載の声色でOKを出した。

 

 たぶん元は結構怖目の顔つきだったから、こうして年下にキャーキャーされることが少なかったのだろう。

 それで新たな顔の効果を楽しんでいる、と。

 

 エンジョイ勢赤井秀一。虫唾が走る。

 モノローグを侵略する荒ぶるあむぴ。

 

「ですがすみません、僕は先ほど起きたばかりでまだ朝食も摂れておらず。食事の後でもいいでしょうか」

「あ、なら私たちが買ってきます!お詫びも兼ねて!」

「ありがとうございます。それでは、お願いしてもいいでしょうか」

 

 にっこりすると、己の罪を思い出した女子高生二人はピャッと駆けていった。

 二人がいなくなり、私たちだけになると沖矢さんはくつくつと堪え切れないように笑いを漏らした。

 

「楽しい子達だな。君の新しい学友か?」

「はい。先程は本当にすみませんでした。僕なら理解して止められたものを」

「新鮮な体験だった。俺の母もなかなかのやり手だっだが、彼女もやるな。ピンガ程度なら軽く転がせそうだ」

「ははは。ただ、拳が右に流れる癖が気になりますね。隙をつかれると体勢を崩されますよ」

「そこに気付く君も流石は改造人間だ。よく知らないが、仮面ヤイバーもその手のコンセプトなんだろう?」

「僕の生態をヒーローコンテンツにされるとは思いませんでした。日曜朝9時から冒涜的過ぎませんか」

「多少影があった方が作風に深みが出るさ。ふむ、ハリウッドにいい題材だ」

 

 なんだか真面目に検討されてしまい、私はクスクスと笑って「死を偽装して隠れ潜むFBIも相当ハリウッドですよ」と答えておいたのだった。

 





・赤井さん
クローンから雑談がてら生態を知らされててほぼ全て知ってる。
意外と仲良し。
「僕からコマンドを取り上げるのは人間から酒とタバコ取り上げるようなもんですよ」
「それは辛い。俺では到底想像すらつかない」
「ですよね。沖矢さんが言ってくれてもいいんですよ」
「バレたら俺が工藤邸から叩き出される。哀れな家なし子になるのはごめん被る」
「薄情者。工藤邸全館禁煙の方向で工藤君を誘導しますよ」
「やめてくれ。前向きに検討する」
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