ドラクエ4のバルザックに転生した   作:葛轍偲刳

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筆が乗ったというか今回はAIさんの文章生成が面白い方向に進んでくれたので調子に乗って投稿します。
本作のアリーナは賢さステは成長期待値の底辺の代わりに運の良さは期待値の上振れとなっているようです。別名AIさんの文章生成ガチャで当たりを引いたとも言います。


第五章:王女と王子
第一話:会心の一撃!


大陸のほぼ中央に存在するエンドールは、北方にかかった橋でボンモールと、北西の旅の扉でサントハイムと、南西の海路でキングレオと、それぞれに密接に繋がっている。

交通の要衝であると同時に、陸海の交易路の結節点でもあるエンドールは莫大な財を築き上げ、また、それによって他国からの干渉や侵攻を撥ね退け続けてきた。

 

「――…で、いいんだっけ?」

「そんなところだな。ちゃんと勉強の成果が出ているようで何よりだ」

 

サントハイムからエンドールへの旅の扉を抜ける。ルーラの時と同じような感覚に少しだけ戸惑ったけど、それはもう慣れていたので気にしない。むしろ――。

 

「姫様、今日は……というより、城から出立なさってから、ずっと頭を気にしておられるようですが、どうなされたのですかな? 頭に乗せられたいつもの帽子は、別にどこもおかしくありませぬぞ」

「違うっ!」

 

後ろのブライに思わず振り向く。バルザックと一緒に、ここ数か月ほどでイヤというほど見慣れてしまったボクたちを面白がるように笑っている意地悪い爺やの顔を涙目で睨む。

 

「頭を揺らすと、詰め込んだのが耳からポロポロ出ちゃいそうなの!」

「ホッホッホッ、それはそれは。姫様が必死になって詰め込まれた大事な賢さの種が地面に落ちれば、いずれ世界樹のような大木となるやもしれませぬなぁ。いやはや、実にもったいない」

「いい加減なこと言って! っていうか、なに言ってるのかさっぱりわかんないよ!」

 

もっともらしいことを言ってるけど、絶対に絶対にボクたちを玩具にしてからかって遊んでるだけ!

 

「姉さん、大丈夫?」

「うー、頭が痛い。頭痛で頭が割れちゃいそう」

「それはきっと二日酔いね。水でも飲む?」

「飲んでないっ! 一滴も飲んでないったら!」

 

で、マーニャはマーニャで隣のミネアに噛みついてる。相変わらず適当にあしらわれているけど。

 

「うーっ、クリフト、ハッカ飴ちょうだい」

「姫様、あまり香りの強いものを口に含まれますと、エンドール城に上がる時にまで匂いが残るかと……」

「いや、エンドールに着いていきなりその足で城に行くこともないだろう。軽く城下を見て回るぐらいの楽しみが先にあってもいいだろうさ。宿に一泊して身なりを整えてからの方がいいだろうし」

 

バルザックが援護してくれたので、クリフトが出してくれたハッカ飴を口に含む。胸がスッとして、少しだけ気分が良くなる。面倒で窮屈な話し方を今日はしなくて済む、という安堵のせいもあるけど。

 

「じゃあ、カジノ! カジノに行きましょ! エンドールと言えば、やっぱりカジノよね!!」

 

すごく勢いづいてマーニャが力説してる。そんなに力いっぱい両手の拳を握り込むほどに行きたいんだ。何がそんなに楽しみなんだろう。

 

「ボクは闘技場に行ってみたいな。鉄の爪っていうのを見てみたいし。もし手に入るなら買いたいし」

 

ボクとマーニャの意見が綺麗に割れる。ミネアとクリフトとブライは特に意見はないみたいで黙ってる。なのでボクとマーニャは自然と残ったバルザックの方に目を向ける。

 

「心配しなくても、両方とも一度は見ておきたいからどちらにも行くさ。ただし賭け事は禁止。あと、もし闘技場が開いてないとしても文句を言うなよ」

「えーっ」

「そんなーっ」

 

両方の希望を叶えてくれたようで、実は一番の楽しみは奪われてるというバルザックの答えにボクとマーニャは不平と不満の声を合唱する。

 

「姉さん、もし賭けにお金を使うなら自分の分の宿代から出してね。もし負けたら一人だけ野宿だから。それとも、自分の踊りで稼いだ小銭を賭けるなら好きにしてもいいけど」

「ぶー! ミネアの意地悪!」

「姫様。闘技場に行かれるなら、むしろエンドールの城で王族としてご観覧を希望なされては……」

「クリフトはわかってないなぁ。ボクは席にふんぞり返って偉そうに観戦したいんじゃなくて、自分で出場してみたいんだよ!」

 

ボクとマーニャが歩きながらクリフトとミネアと話し合う。それを保護者としてブライとバルザックが見守りながら最後尾からついてくる。いつの間にか慣れてしまったボクたちの定位置。

 

――でも。バルザックは自分だけは違う。『導かれし者たち』じゃない、って言うんだろうな。そんなこと、別に気にしなくってもいいのに。変なの。

 

「ねえ、バルザック」

「なんだ」

「エンドールのモニカ姫ってさ、ボクは会って話したことはないんだけど。ちょっとだけ手紙のやり取りをしたことがあるんだよね。ほら、そんなに年も離れていないし。誕生日のお祝いの品を交換したりする時に、短い手紙を一緒に送るぐらいだったけど」

 

あまり長々とした文面を考えるのもボクは面倒だったから、クリフトやブライに教えてもらった定型文を軽く走り書きしてサインするだけだったかな。

 

「でも、モニカ姫からの手紙はすっごくちゃんとしててさ、時節の挨拶から入ってご機嫌伺いの前振りから本文まで全部ちゃんとしてて、筆跡も綺麗だった。ボクとは違ってちゃんとした『お姫様』だな、って感じ」

「そうか」

 

バルザックは小さく頷いて、だけどそこで少しおかしそうに思い出し笑いをした。

 

「だがな、アリーナ姫」

「ん?」

「モニカ姫は盗品だの偽物だのを売りさばく怪しげな商人のために、わざわざ砂だらけになってまで外国の兵士と殴り合いをしたりはしないと思うぞ」

「な!?」

 

ボクは思わず立ち止まる。

 

「そりゃそうでしょ! モニカ姫は、すごく立派なお姫様で……」

「そうか? だが、俺は聞いたぞ。『サントハイムの第一王女として、目の前の人を見捨ててはおけない。 それはサントハイムの王族じゃない』ってな。つまり、そうするのが()()()()()()()()()()()だってことだろう?」

「……」

 

止まってしまったボクの頭をすれ違いざまにポンポンと撫でてバルザックは歩いていく。ボクの両隣りにはクリフトとブライが立って、ボクの顔を見てる。

なんだか無性に恥ずかしい。別におかしなことを言われたわけじゃない。むしろ褒められたのだから胸を張るべきところだ。なのに羞恥で悶えたくなる。頬が熱くなってるのが自分でもわかるくらい。

 

「姫様、大丈夫ですか」

「う、う、うん。だ、大丈夫」

 

心配そうなクリフトの声に答えて、頭をブンブンと振る。

 

「おやおや、姫様。そんなに頭を振られては耳から何かが落ちてしまいますぞ?」

「落ちないよっ!」

 

またボクをからかってきたブライに勢いだけで言い返して、そのままズンズンと大股に歩いてバルザックの背中を追いかける。

 

「ん? おい、あれを見ろ」

「え? あ、あれって…」

「あら? 嘘、まさか…」

 

何故か立ち止まったバルザックとマーニャとミネアをそのまま追い越す。

 

「おい、アリーナ姫!?」

「うるさいっ!!」

 

ボクは勢いだけで叫んだ。顔が熱くて、体も熱くて、とにかく何かにこの熱をぶつけないと治まらなかった。

 

「バルザックなんか……バルザックなんか、大っ嫌いだぁっっっ!!」

 

ボクは思いっきり叫びながら目の前の『何か』をぶん殴った。すごく硬くて、すごく手応えがあって、でも、すごく()()()()何か。

 

――それがメタルスライムと呼ばれる希少種で。しかも何故か金の髪飾りまで落としたことに唖然呆然としていたバルザックの顔にボクが留飲を下げてスッキリしたことは、また別の話。

 

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