きっとそうなるだろう、とは思っていた。もし運命なんぞというものが存在するのだとすれば、そいつはどうしようもなく底意地が悪い。本当に、全く。
「も、もう、村の傍に!」
原作ゲームでは、外からの旅人を迂闊にも泊めてしまったがゆえに、この村は魔物に襲われる。その旅人こそが魔族の王たるデスピサロだったからだ。自分たちの手で、最も警戒するべき魔物の親玉を懐に迎え入れてしまったわけだから笑えない。
だが、今回は違うだろう。これだけの人数が険しい山道を切り開いて村にまで辿り着いたのだ。俺たちを監視している目があるとすれば、それを追いかけるだけで村の場所を割り出すのは簡単だったに違いない。
「トルネコ、勇者に武具を装備させてやれ。最悪の場合、キメラの翼を使っての離脱のタイミングは任せる。スコット、ロレンスはトルネコの傍を離れるな」
「わかりました」
「ライアン、アリーナ、クリフト。手はず通りだ。前に出て戦線を支えろ」
「承知!」
「任せて!」
俺は前衛の列に並ぼうとした隻眼の偉丈夫の太い腕を掴む。
「そんな装備で前に出るつもりか?」
「何だと? だが、あの鎧や兜は、ソロに……」
「誰が勇者の分だけしか持ってきていないと言った?」
ライアンとアリーナが運んできた荷物を指で示す。
「勇者の為の装備の他に、前衛用の鎧と兜、盾と武器が二人分」
続いてブライとミネアが持ってきた分を指す。
「シンシアの為の装備の他に、後衛用の身躱しの服と理力の杖が二人分」
トルネコと俺が運んできた荷物を開く。
「薬草と魔法の聖水も、持てる限りは持ってきた。わかったら、さっさとその皮の鎧を脱げ。敵はすぐに来るぞ」
「……お前」
一瞬だけ、無事な左目を丸くした偉丈夫は、すぐに皮の鎧を自分の体から剥ぎ取るように脱ぎ始めた。
「驚いたのう。おぬしら、本気でソロのために戦う覚悟で来ておったのか」
「今さらだろう。さっきアリーナ姫が『導かれし者たち』だと名乗ったのを聞いてなかったのか」
「王族が、こんな山奥まで自分から足を運ぶものか。普通は詐称を疑うのが当然であろう?」
「その通りだね! あ、ちなみに表向きボクは今、ブランカの城にいることになってるんで、そこのところはよろしく!」
鉄の爪を嵌めた拳をグルグル回しながら元気過ぎるお転婆姫が声を上げる。クリフトとブライの爺様が慣れたように一歩だけ離れているのが何とも言えん。
痩せた老翁が肩を揺らして愉快そうに笑いながら身躱しの服に袖を通し、理力の杖を握る。
「ふぉっふぉっふぉっ、なんとまぁ、型破りにもほどがあるお姫様よな」
「それはともかく、そっちの戦力は」
「見ての通りよ。わしが魔法を、そっちのデカブツめが剣をソロに教えておった。それ以外は――」
「あたしは回復魔法が使えるよ。ベホイミまでだけどね。キアリー、キアリクも」
勇者の養母も身躱しの服を頭から被った。
「あんたも、ほら。早くおしよ」
「こっちは片手が使えねえんだ。そう急かすな」
肘から先の左手が無い禿頭の養父は鎧を身につけるのに苦労している。
「手伝います」
「すまねえ」
ミネアが鎧の着付けを手伝い始める。だが、間に合うか?
「――来るぞ」
ライアンが静かに言って、鉄仮面の面頬を下ろした。腰の破邪の剣をゆっくりと抜く。
次の瞬間、森の奥から吹きつけた激しい炎が立ち並ぶ木々を炎上させた。頭上では森から飛び立った鳥類が一斉に逃げ出していく。
「誰か、フバーハが使えるヤツはいないか!? クリフト、先にアリーナにスカラを!」
「わかりました!」
熱気が頬を叩き、高熱による陽炎で視界が歪む。
下生えの草を踏みしめるヤギのような蹄。下半身は紫の体毛が覆っている。青い肌をした逞しい上半身に、太く長い二本の角。
ばさりとマントを翻すように蝙蝠にも似た翼を大きく羽ばたかせ、髭もじゃの顔には強者の余裕と、
原作ゲームにおける四天王格の一体――ヘルバトラー。
「チッ……よりにもよって、コイツのお出ましか」
まだ、最悪ではないが。それでも最悪の二歩か、三歩ぐらい手前ではある。だが、予想してしかるべきではあったかもしれない。
ゲームの中では、この山奥の村が滅ぼされた時、一人だけ身を隠していた勇者が魔物たちの勝ち鬨を耳にしている。
その時、デスピサロと呼ばれた頭目は大声で叫ぶのだ。『引き上げじゃあ!』と。どこの戦国武将か、でなければ山賊か海賊のようだ、とプレイヤーの間では長らくネタにされるくらい、それはピサロというキャラクターにはそぐわない言動だった。
ならば。――逆に言えば、それはピサロではなかったということになる。
マネマネという魔物は、戦闘になるとモシャスを使い、勇者たちの姿を模倣する。シンシアも同じくモシャスを使い、勇者の身代わりとなった。であるなら、どうしてピサロの姿を真似られないということがあるだろうか。
しかも、ピサロは魔族の王としての仕事の合間に、たびたび恋人のロザリーに逢いにも行っているのだ。影武者ぐらいいても不思議ではない。
だが、影武者は影武者。ピサロのように指揮は出来ないだろう。とすれば、ピサロの影武者に代わって指揮官となるべき別の誰かが必要だ。
「人間ども! 大人しく勇者を差し出せば苦しませずに殺してやろう。だが、抵抗するならば容赦はせんぞ!」
村の入り口に仁王立ちしたヘルバトラーが吼える。その手には魔力の光。
「全員、伏せろ!」
「イオナズン!」
俺が叫ぶのと同時に、ヘルバトラーの魔法が村の中央で炸裂する。
爆心地となった花畑を跡形もなく爆風で吹き飛ばし、衝撃で地面が揺れた。
「こんのぉっ!」
素早く跳ね起きたアリーナが真っ先に突撃し、鉄の爪を叩きこむ。だが。
「なんだ、なんだ? 随分とひ弱だな。そんな細腕でオレさまに敵うと思ったのか?」
分厚い体毛に強靭な皮膚は、鉄の爪でもかすり傷しかつけられない。それは、ごくごく単純な話だ。アリーナの腕力が足りてない。まだ、たった13歳の少女でしかないのだから。
「そ、んな……」
「ふんっ!」
一瞬、棒立ちになってしまったアリーナにヘルバトラーが拳を振り下ろす。そこにライアンが割り込んだ。鉄の盾と刃の鎧で剛腕を正面から受け止める。
「させぬよ」
「ほう? 少しは骨のあるヤツがいたか。そうでなくては面白くない」
刃の鎧で傷ついた拳を舌で舐めながらヘルバトラーはニヤリと笑う。その拳の傷が見る間に塞がっていく。イオナズン、激しい炎、凍える吹雪に加え、こいつは再生能力まで持っている。四天王の中では最強とまで言われるほどだ。
「こいつらの相手はオレさまがやる! 勇者を探せ!」
その上、ヘルバトラーの背後からは配下のアンクルホーンが二体も進み出てきやがった。ヘルバトラーに比べればまだマシとはいえ、ヒャダルコを使う上に打たれ強い難敵だ。少なくとも、今の時点では片手間にあしらえる相手じゃない。
「ライアン、すまんが殴られ役を頼む。薬草を使って、なるべく時間を稼いでくれ」
「承知」
「アリーナ! お前にヘルバトラーの相手はまだ無理だ! 両脇のアンクルホーンを狙え!」
「わ、分かった!」
「クリフトはライアンの回復とアリーナの盾役だ」
「はいっ」
矢継ぎ早に指示を出す俺に、ヘルバトラーが不快げに眉を動かす。
「お前が戦術の要だな。放っておくと面倒だ」
「チッ! ヒャダルコ!!」
反射的に放った俺のヒャダルコと、ヘルバトラーの吐き出した激しい炎が激突する。水蒸気爆発にも似た空気の膨張で、俺の頬に水ぶくれが出来るのがわかった。踏ん張った足がそれでも自分の体を支えきれず、後方に吹き飛ばされる。
「バルザック!?」
「くっ……!」
誰かが俺の名前を呼んでいるが、こっちはそれどころではない。咄嗟にヒャダルコを放って相殺したつもりだが、向こうの火力が違い過ぎた。右手の皮膚が灼けて真っ赤になっている。だが、この程度で済んでくれたのなら、まだマシか。
「ホイミ!」
ミネアが回復魔法を飛ばしてくれて、右手の火傷の痛みが多少は和らぐ。死にたくなるほどの痛みが泣きたくなるほどの痛みになったぐらいの差だが。
勇者の養父がアンクルホーンの一体に立ち向かい、剣の師匠だという偉丈夫もそこに加勢する。回復役の養母もいる。一体は任せて大丈夫だろう。
「ミネア、ラリホーだ。アリーナが注意を引き付けてくれている間に、どちらか一体だけでもいいからアンクルホーンを眠らせろ。それで少しは戦況がマシになる」
「でも、バルザックの手当ては……」
「後でいい。終わったら自分でベホマをかけるさ」
地面に叩きつけられた背中が痛むが、歯を食いしばって起き上がる。
顔を上げると、目の前に勇者がいた。着慣れないどころか、生まれて初めて着たであろう鎧の重みで足がふらついている。兜を被った頭が据わってない。盾を持つ手も震えている。それはそうだろう。狙われているのは自分の命だ。まだ10代の半ばやそこらの子供が、剥き出しの悪意と殺意に晒されて怯えないわけがない。
「下がってろ」
「だ、だけど!」
「いいか。勇気と無謀は違う。今のお前が、あの炎や吹雪を浴びたら鎧を着ていても一発で死ぬぞ」
正確には、鎧を着た体は無事でも、口を開けて息を吸ってしまえば高温や冷気で呼吸器をやられて死ぬ、だが。
それくらい、口を閉じて黙って耐え続けるというのは難しい。痛みや恐怖に耐え続けることは、普通の人間には困難なことだ。
「誰かに守られること、庇われることにお前が引け目を感じる必要はない。子供ってのは、守られているべきなんだよ」
「でも! だったら、あの子たちだって!」
ああ、そうか。現在進行形でアンクルホーンと殴り合っているアリーナを前にしてたら説得力がない言い草だったか。
「隙あらば、お目付け役の爺様の目を盗んで闘技場にまで出場したがるお姫様だぞ。あっちの、お前の剣の師匠と同じくらい体の大きな俺の兄貴分と、正面から嬉々として殴り合いを楽しめるような筋金入りのお転婆だ。あんなのを見習うようになったら、後で幼馴染と母親が泣くことになるからやめておけ」
「……」
悲愴な決意を固めようとしている勇者に、頭から水でもぶっかけてやりたいところだ。
「さっきも言っただろう。今は借りておけばいいんだよ。今はまだ、弱くて力が足りないから、他人から力を借りる。それだけの話だ。いずれお前が強くなったら、返せばいい」
何ならそこのアンクルホーン程度、ギガデインで軽く薙ぎ払えるようになるんだぞ、お前は。
「あなたは、なんで……」
「いいから、今は下がってろ。話は後だ」
勇者の肩を掴んで後ろに押しやる。身躱しの服に着替えたシンシアが寄り添った。
「トルネコ、他の村人は?」
「既に逃げる準備は出来ておりますとも。さあ、こちらへ」
勇者たちはトルネコに任せて、俺は全体を見回す。戦況は辛うじて拮抗しているが、いつまで持つか。RTAじゃあるまいし、どう考えてもヘルバトラーを相手取るにはレベル不足だ。いや、そもそも本来なら全滅確定の敗北イベントで何とか食い下がっているだけ、まだしも善戦しているのかもしれないが。
「ラリホー!」
何度目かのミネアのラリホーが、ようやくアンクルホーンの一体を眠らせる。あの巨体が地面に仰向けにぶっ倒れて大いびきをかき始めるのは笑えるが、ヘルバトラーにしてみれば不甲斐ない部下の姿は許し難いものだったらしい。
「この役立たずがっ! ならば諸共に焼いてくれる!!」
「また炎が来るぞ! ブライの爺様!」
「わかっておるわい! ヒャダルコ!!」
ヘルバトラーの吐いた激しい炎と、俺とブライの二重のヒャダルコが激突する。至近距離で巻き込まれたライアンは薬草を噛みしめて耐えた。アリーナはクリフトが庇う。
辛うじて、今度は拮抗し切った。炎を吐き切ったヘルバトラーの顔が驚愕と、それ以上の屈辱に歪む。その分厚い胸板が膨らむほどに大きく息を吸い込む。
「オレさまの炎を、人間ごときが……許さんっ! 絶対に許さんぞぉっ!!」
「二回攻撃か!? まずい、今度は吹雪が……」
「メラミ!」
「ギラ!」
凍える吹雪を、老翁のメラミとマーニャのギラが迎え撃つ。だが、メラミはともかく、マーニャの火力が絶望的に足りなかった。押し切られた炎の残滓を蹴散らして、身も凍る冷気が吹き荒れる。
「ぐっ…!」
朦朧とする意識を、口の中に詰め込んだ薬草の苦みと青臭さで無理やり繋ぎ止める。
「ライアン! ベホマ!!」
「かたじけないっ!」
ここで真っ先に立て直すべきは、最前線で体を張り続けているライアンだ。ライアンが倒れれば一気に戦線が崩壊する。半ば氷漬けになって重度の凍傷を負っていたであろう左手を振って、鉄の盾に張り付いていた霜と雪を払い落とす。
「しぶとい! いい加減、大人しく死んでおけぃっ!」
「なんの、これしきぃっ!」
ヘルバトラーの剛腕を盾で受け止めるライアンの頼もしさといったら、その背中に思わず惚れてしまいたくなるほどだ。
「ごめんなさい、バルザック! 私が、まだベギラマが使えないから……!」
俺の隣でマーニャが悔しそうに唇を噛んだ。
「泣き言を口にしている暇があるなら、向こうの勇者の親父さんに薬草を届けて来い。お袋さんには魔法の聖水だ。お前にはまだやれることがあるだろう?」
「! う、うんっ!!」
誰一人として遊ばせておけるような余裕はない。薄氷の上を爪先立ちで歩き続けるような危うい均衡だ。
――だからこそ、これを好機と見た卑劣な敵も顔を出してくるのは必然だったか。
「けけけっ!!」
「!?」
突如として響いた轟音。クリフトが巨大な棍棒に殴り飛ばされて吹き飛ぶ。そのまま村の家の壁に背中から激突した。
「クリフト!?」
「お前は!? オレさまの戦いを邪魔するつもりか!?」
悲鳴のような声を上げるアリーナが目の前で棒立ちになっているにも関わらず、その隙を突くよりもヘルバトラーが怒声を上げる。
「人間ごときに苦戦をしていたくせに、よく言う! 勇者を仕留める手柄はオレのものだ!」
不格好なまでに横幅のある二足歩行の魔獣型。それは、進化の秘法で怪物へと変化した
そうか。ここでお前まで出てきやがるのか。本当に、運命とやらはこっちが頼んでもいないのに最悪な趣向を凝らしてきやがる。
「ギガデーモン……こりゃ、勝ち目なんざねえな」
四天王の二体目。完全な肉体派で、こっちがスクルトでガチガチに防御を固めてしまえば恐れるような敵ではない。一部では四天王最弱とまで言われるほどだ。
だが、ヘルバトラーと同時に戦いたいかと言われれば断じて否だ。まして、そのスクルト要員のクリフトを真っ先に潰された。原作ゲームでも肉体派のくせに罠や奇襲といった小細工を弄するタイプだったが、こんな状況でなければ笑い出したくなるほどに最悪なタイミングで出てきやがった。
「ブライの爺様、傷ついたクリフトとアリーナ姫を連れて逃げろ。ライアンも忘れずにな」
「おぬし……」
「早くしろ。急がないとクリフトが死ぬ。大事な姫様を泣かせる気か?」
既に勝利の芽は摘み取られた。どうあっても勝てない。少なくとも、今は。
「ミネア、俺たちも勇者の親父さんたちのところに行くぞ。ありったけの魔法の聖水を持て」
「わかった」
そう言うが早いか、ミネアは俺の頭に魔法の聖水をいきなりぶちまけてきやがった。いや、わかるが。ヒャダルコとベホマで魔力が減っていたのは事実だが。
「おい」
「ごめん、断りを入れてる暇が無くて」
「後で覚えとけよ」
隻眼の剣豪が、とうとうアンクルホーンの一体を倒しやがった。こっちが用意していた強力な装備に着替えたとはいえ、さすがは勇者の師匠と言うべきか。とんでもなく強い。あるいはライアンと同じ元バトランドの王宮戦士だったりしないだろうな。
だが、それで険悪に睨み合っていたヘルバトラーとギガデーモンもこっちを見た。すかさずトルネコが勇者とシンシア、他の村人たちを連れてキメラの翼を使って離脱する。さすがは商人、損切りの判断が早い。
続いてブライもアリーナとクリフト、ライアンを連れてルーラで逃げた。はぐれメタル鎧を着けているから一撃では死んではいないと信じたいが、それでもクリフトは重傷だ。急いで手当てしなければ命に関わる。
「すまないな。貧乏くじを引かせた」
「どうして謝る? 我らだけならとっくに死んでいたはずが、ここまで粘ることができた。ソロやシンシアも無事に逃がすことが出来た。例えここで死ぬことになろうとも悔いはない」
「そうそう。むしろ礼を言いたいよ。ありがとうね」
勇者の義両親は快活に応じる。ヘルバトラーとギガデーモンに前後から挟み込まれているという最悪のシチュエーションでも、そんな風に笑える豪胆さは見上げたものだ。
「俺たちはここで死んでも構わん。お前たちは早く逃げろ」
「わしらには家族もない。いつ死んでも構いはせんよ」
続いて勇者の剣と魔法の師匠も続ける。そんな晴れやかな顔で笑うんじゃねえよ。原作ゲームでも、きっとそうやって思い残すことなく死んでいったんだろうな。お前らは。
「馬鹿どもが。そうやって無責任に勇者に何もかも押し付けて勝手に死んでいったせいで、どれほど勇者が苦しむことになると思ってやがる」
「!?」
「ああ、わからなくはねえよ。俺も、つい最近まで似たようなことを思ってた。俺が死んでも、勇者さえいればなんとかなる。『導かれし者たち』でもねえ俺がいようといまいと、大して結果は変わらない。むしろ俺は早く死んだ方がいいんじゃないかって」
無意識にマーニャとミネアを見てしまう。自然と目が、そちらを向いちまう。ああ、クソッ。原作ゲームの
「だけどな、お節介な女神様から言われちまったからな。
ギガデーモンの巨大な棍棒を隻眼の剣豪が受け止め、流す。間髪入れず、ヘルバトラーのイオナズンが炸裂した。全員が身を寄せ合って耐えた。鼓膜が破れたように酷い耳鳴りがする。だが、俺が肩を抱いたマーニャが何を言っているのかは、その口の動きだけでわかった。
「ルーラ!!」