あと山奥の村の住人たちに名前がなかったのでAIさんに生成してもらいました。
設定は『小説以外の投稿』として処分の対象になってしまうので、ひとまず活動報告に簡単なのを載せておきます。
ひとまず名前だけ。
勇者の養父ダズンと養母メルタ
剣の師匠ガロンと魔法の先生カダル
いつだったか、エドガンと共にキングレオの城からサントハイムへと逃げた時のことを思い出す。
目の前が真っ白になって。そして、地面に叩きつけられるように着地した時には激しい眩暈に襲われる。幸い、これまでにもブライの爺様やマーニャのルーラで経験を積んでいたこともあって、初めてのルーラの時よりも酔いから意識を取り戻すのは早かった。
「う……」
「姉さん、しっかりして。今ホイミをかけるわ」
「あんた、大丈夫かい?」
「俺は、大丈夫だ。それより、カダルの爺さんを」
「なんじゃ、ガロン。だらしない。そっちの嬢ちゃんたちを見習わんか」
「る、ルーラなんか使ったこともねえんだから、仕方ねえだろうが……」
俺は自分にベホマを使いながら、周囲を見回す。
真っ先に意識したのは、異臭だった。肉が焼ける臭い。だが、それは料理される獣の肉などではない。生理的な嫌悪感と吐き気を催させる嫌な臭いだ。
「ここ、どこ…?」
マーニャがポツリと呟いた。
俺たちは知っている。以前に一度は来たことがある。そうでなければルーラで飛んで来れるはずがない。ただし、記憶の中と目の前の光景が一致しなかったのだろう。
俺たちが訪れた時は、ここは大勢の坑夫で賑わっていた。金を求める坑夫と、その坑夫を相手に商売をする人間が集い、大いに栄えていた。
「うっ……!」
姉にホイミをかけて、そして俺の方を振り向いたミネアが反射的に口元を手で押さえて顔を背けた。無理もない。年頃の少女にとって、この光景はあまりにも過酷で悲惨だった。
――
適当に掘られただけの穴に投げ込まれ、積み重ねられた死者の亡骸に黒っぽい粉が撒かれ、そして松明が投げ込まれる。火薬らしい粉がパチパチと爆ぜる音を立てて燃え上がる。
立ちのぼる黒煙と、辺りに漂う異臭。酸っぱいものが喉の奥からこみ上げてくる。
「なんだい、これは」
「ひでぇ……」
勇者の養母が顔を顰め、隻眼の偉丈夫が思わず吐き捨てた。
「なんだ、あんたら。わざわざこんなところに来るだなんて物好きだな。命が惜しければ早く逃げろ。こんなところに近づくな。死ぬぞ」
荷車に積んでいた遺体を穴に投げ込んでいた老人が俺たちを見咎めて声を上げる。
「……アッテムト。坑道から、毒ガスが出たのか」
ポツリと呟くように言った俺にマーニャとミネアが愕然として目を向け、しかし住人の老人は呆れたように首を横に振った。
「なんだ。それも知らんで来たのか。城からの役人も、兵士も、とっくに逃げ出して戻ってもきやしねえってのに」
「生き残りはどれくらいだ?」
「まだ、辛うじて息を繋いでいるのは少しだけいる。こんな状況でも金を掘ってる能天気な連中もな。競争相手が減ってる今なら掘り放題、だとさ。馬鹿どもが」
低く吐き捨てた老人は、そこで軽く咳き込んだ。
「おい」
「ああ、心配するな。ここで生き残ってる連中も、ほとんどがこんなもんだ。
原作ゲームでも、毒ガスが発生したアッテムトは半ば廃墟と化していた。陰鬱なBGMが流れる中、毒沼と化した墓地に転がる白骨死体と、その死体が握っている手紙の文面がトラウマになった子供は多いはずだ。
「マーニャ、ミネアを連れてエンドールに戻れ。トルネコの店に行って、少し休ませてもらってこい。いずれトルネコも戻っては来るだろうし、ブライの爺様も、そこに無事の報せを寄越す手はずになっている」
バラバラに逃げた後の連絡拠点として、エンドールは最適だった。ネネとポポロの顔を見れば、顔を真っ青にした今のマーニャとミネアも少しはマシになるだろう。
「でも、バルザックは……」
「ここを放っておくわけにはいかないだろう。城の役人や兵士が逃げ出しているのなら、ある意味で好都合だ。ここで俺が何をしようと、咎める者はいないし、捕まる心配もない。明日の朝にでも迎えに来てくれればいい」
「そういうことなら、あたしも残るよ。こういう時こそキアリーやキアリクの使いどころだ。ああ、悪いけど魔法の聖水は少し分けてってもらえるかい? きっと必要になるだろうからさ」
メルタと名乗った勇者の養母は、マーニャとミネアの頭を優しく撫でた。こんな状況でも明るく振る舞える強さは今こそ勇者にとって必要なものだろうに。
「なら、俺も残ろう。死体を運び出す役には立てる。ダズンはカダルの爺さんと一緒に、嬢ちゃんたちのお守りだな」
隻眼の剣豪も鎧の胸を拳で軽く叩いた。銅鑼でも叩いたような大きな音がした。片手が使えない養父は眉を寄せたが、
「早くソロのところに行って、安心させてやれ。親父が息子に心配をかけてるんじゃねえよ」
そう追い打ちをかけられると渋々と頷いた。
「バルザック、……ええと」
マーニャが何かを言いかけて、しかし言葉に詰まる。
「そんな真っ青な顔で無理するな。山道を登って、戦って、逃げて。その挙げ句に
「……うん」
一瞬だけ何かを言い返そうとして、しかし横のミネアを見たマーニャは小さく頷いた。意固地になって無理をするより、姉として妹を
「すまないが二人を頼む」
「任せよ」
老翁が承諾する。
「メルタ、また後でな」
「あんたも。ソロによろしく言っておいておくれ」
養父母が軽く声を交わした。
マーニャが魔法の聖水を俺に手渡してから、ルーラで四人は姿を消す。
「あんたも苦労性だねえ。そんなに心配そうな顔をするくらいなら、一緒にいてやればいいのにさ」
訳知り顔で苦笑する養母は、俺の肩を手で軽く叩く。
「あまり甘やかすのは良くないって、頭ではわかっているんだがな」
「気持ちはわかるけどね。子供が幾つになっても、やっぱり親は守ってやりたくなるもんさ」
「血が繋がってなくても、か?」
「当然だよ。血の繋がりなんか些細なことさ」
わざと意地悪く返した俺の答えを、女傑は呵々と笑い飛ばした。
「自分が産んだ子じゃないから何だって言うのさ。ソロはあたしの可愛い息子だよ。それだけは変わらないさ」
「メルタに勝とうとは思わない方がいいぞ。ダズンも村では尻に敷かれてたからな」
「おや、ガロン。なんか言ったかい?」
剣豪は素早く目を逸らした。隻眼のくせに随分と目敏いな、おい。
「まあ、いい。すまないが手を借りる。優先するべきは生き残りの手当てと、死者の埋葬だ。坑道の中にまでは手を出さない。俺たちでは無理だ」
「あいよ」
「わかった」