怪盗キッドに転生した女装好き男   作:ぽていとん

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怪盗キッドに転生した女装好き男

俺は今知らない天井の上で横たわっている。

いや何があった。

確かさっきまで仕事で疲れて家に帰ってて、あ、そうだ車に撥ねられたんだ、横断歩道で前を歩いてた小学生くらいの男の子が左から爆音で突っ込んできた車に轢かれそうになって、助けようと手を掴んで引っ張ったら俺が体を持ってかれて轢かれたんだっけ。

恐怖を感じる間も無く体に凄まじい衝撃が走って、視界がギュッと狭まって、浮遊感を感じながら意識が飛んだんだ。それからは何とも心地がいい空間で浮いてて、急に落ちる感覚で目が覚めたのが今だ。

病院、じゃないよな。どこかの家?あれほどの衝撃だ。死んでいても、というよりは生きている方が不思議だろう。我ながら、よく生きていたものだ。

そして俺は少し体を起こして体をじっくり見た。生きているにしろ何かしらの欠損や麻痺があって当然だと思ったからだ。しかし、その体に異常は何も無い。というより、なんか、俺の体ってこんな感じだったか?。肌が若々しい。体が軽い。おかしい。

(移植手術があったのか?)

俺はすぐにその考えを否定した。これは、そんなレベルのものじゃない。なんなら、移植手術があったならこんな家で寝てる理由が分からない。俺がちょっと前まで植物人間で、それに心を痛めた親族の誰かが家で寝かせていた?いや、そんなことをする可能性があるほど親しい親族の家は俺の知る限りこんな感じじゃなかった。寝てる間に引越しがあった?

 

(......とりあえず、もう少し情報が欲しいな)

 

自分が歩ける確信はあった。俺の体が歩けると言っている。そうして、寝床から起きて立ち上がった。身長に違和感はない。そして、部屋を軽く見まわし、俺はあるものに目が止まった。

(鏡か)

自分の状態を知るためにも、俺の体を見てみたい。

 

「、っ!これは...!......っっっぁぁぁああああ!!!!!」

 

若い。高校生程か。顔全体を見てそう思ったが、目を合わせた瞬間に一気に何かの記憶が流れ込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「〜〜〜っはぁっ、あ、っはぁ..ハァ...」

 

俺は莫大な量の記憶の濁流に蹲って頭を抱えた。人生をもう一周するかのような感覚。それが終わった時、俺はひどく疲れ、うつ伏せに倒れてしまう。

 

「......何だよ...怪盗キッドって...」

 

そんなことはもう知っている。それは先程流れ込んだ記憶は怪盗キッド、いや黒羽快斗の人生の記憶だったのだから。そして、今自分がその黒羽快斗になっていることも直感で分かった。そんな俺の言葉は、俺一人が抱えるには重すぎる今の状況へのぼやきだったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ふう。」

(ひとまず体力は戻った、今の状況をある程度自分なりに整理できた、ような気がする。)

 

「まあでも、どんな形であれ生きてるのは良かった。それに...」

 

俺は仕事で忙しい日々を送っていた。が、別に死にたかったわけじゃ無い。なんなら、生きる希望があった。それは、tsモノ、女装モノの作品を見るという密かな楽しみ。俺は見るのが好きだったから自分がやりたいわけでは無い。それは前世の俺がバリバリの男で女装なんてしても気持ち悪いだけだと知っていたから、というのもある。しかし、黒羽快斗の記憶で女装の感覚をなんとなく味わってしまった俺は、自分が実際に女装をしてみたいと思ってしまっている。

 

(悪いな、黒羽快斗)

 

黒羽快斗の人格がどこへ行ったのかは分からない。が、それを戻す方法も分からないんだ。それなら、今この状況を楽しませてもらうぞ!

 

 

 

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この世界は名探偵コナンの世界だ。怪盗キッドはそこに登場するキャラクターだ。怪盗キッドメインの作品もあった気がするがあまり知らない。なんなら、正直俺は前世で名探偵コナンをなんとなくしか知らなかった。まあ、キッドの記憶を見てある程度は理解できた、つもりだ。

とりあえず俺は早速変装にチャレンジしてみることにした。

俺は怪盗キッドの記憶を持っているんだからそれ通りにやればできるだろうと思っていたが、記憶を思い返す必要はなかった。手が動く。手が覚えている。あっという間にどこにでもいるサラリーマンが完成した。すごいな。

 

これができるなら女装もできるだろと思って化粧してみたら本当にできてびっくり。何というか、体が覚えてるってこういうことなんだなと。

 

(というか、キッドの顔立ち自体が整ってるからよほど美人に変装しない限り素肌に化粧で化けれるんだな...)

 

俺はキッドの女装適性にも感動しつつ、女性の声を出してみる。

これもまた、すぐに成功した。また、いろいろな声を出して遊ぶ。

 

(もしかしたらこっちの方が変装技術より凄いかもしれない...)

 

俺はその声の変幻自在さに驚愕していた。

声帯どうなってんだ...?人間国宝だろもう...

 

やっぱり本物レベルの変装なんてできる怪盗だ。何から何まで技術が凄まじい、というより、もう才能単位で怪盗になる適性が高い気がする...

 

俺はキッドのスキルに感動しつつ、早速記憶の中の変装した女性の中で気に入った人に女装して街を出歩くことを決め、適当に服を選んで玄関の扉を開けた。

 

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