着替えろヴィラン!!魔法少女なんてどうだ?   作:うめけ

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とある一日


耳郎王子と上鳴姫と拳藤ファッションショー

 

 

平和な昼休みの教室にて

 

上鳴と峰田が暇になったということはろくでもないことになる前兆だった。

 

「なあ、耳郎ってさ……王子様キャラ似合うと思わね?」

 

「は?」

 

「いやほら、顔整ってるじゃん。身体もスラッとしてるし」

 

「確かに」

 

「分かる」

 

耳郎がピキった顔をしていたが瀬呂と芦戸はうんうんと頷いている。すると峰田が立ち上がる。

 

「待て、なら上鳴はお姫様だろ!」

 

「はぁ?」

 

「金髪だし、何かアホっぽいし」

 

「最後関係なくね!?」

 

「なるほど」

 

俺が言うと全員が振り向く。

 

「なるほどじゃない!」

 

耳郎が止めに来るが遅かった。俺は立ち上がり

 

「検証しよう」

 

「やめろ!」

 

パチン

 

耳郎が変わる

 

白い軍服

マント

長靴

サーベル

 

完璧な王子様。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「似合うな」

 

「似合うね!」

 

「似合う」

 

「似合うな」

 

珍しく轟や障子まで言ってる。耳郎が頭を抱えてしまった。

 

「おおぉ・・・」

 

「普通に格好いい」

 

「うるさい・・・」

 

だがかなり似合っているのは事実だ。うん。

 

そして上鳴を見ると逃げ始めていたが遅かった。

 

パチン

 

ドレス

ティアラ

白手袋

フリル

レース

 

完璧なお姫様。

 

「ぎゃあああああ!!」

 

「上鳴姫様!」

 

「お美しいです!」

 

「おやめくださいまし!」

 

芦戸、葉隠、瀬呂がノリノリだった。

 

「やめろぉ!!」

 

耳郎王子様

上鳴お姫様

 

並ぶと完璧だった。

 

「なるほど。物語が始まる」

 

「始まらねぇよ!」

 

芦戸がスマホを出して写真を撮りだした。

 

「やめろぉ!」

 

「やめて!」

 

「待受にしよ」

 

「やめろよぉ!」

 

「SNSは?」

 

「マジでダメ!!」

 

ガラッ

 

教室の扉が開き相澤先生が来た。

 

先生は耳郎を見る

王子様

上鳴を見る

お姫様

 

「・・・何やってる」

 

「訓練です」

 

「何のだ」

 

「王子様計画とお姫様計画」

 

「そうか・・・衣替」

 

「はい」

 

「放課後職員室」

 

「はい」

 

また怒られるらしい。何度目だろうか。

 

 

 

 

 

放課後

 

耳郎は最後まで王子様だったし上鳴は最後までお姫様だった。

 

何故か女子達は結構楽しそうだったし男子達は笑い続けていた。

 

爆豪だけは「次は布切れ野郎を姫にしろ」と真顔で言っていた。

 

 

ふむ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝

 

俺はお姫様状態で席に座っていた。

 

「なんで普通に着てるんだよなんで似合うんだよ!」

 

「耳郎も似合っていたぞ、王子様」

 

「黙れ」

 

葉隠が近寄ってくる。

 

「可愛い!」

 

「ありがとう」

 

「受け入れてる!」

 

その時扉が開き爆豪が登校してきた。

 

見る

お姫様

数秒停止

 

そして

 

「ブハッ!!」

 

爆豪が吹いた。

 

「何笑ってるの」

 

「お前っ・・・!」

 

あの爆豪が笑い過ぎて喋れていない。これはかなりレアな光景だぞ。お姫様になった甲斐があったな。

 

ガラッ

 

相澤先生が来た。

 

教室を見る

衣替を見る

お姫様だった

 

「衣替・・・その格好は何だ」

 

「私服です」

 

「制服着ろ」

 

「でも似合う」

 

「制服着ろ」

 

「はい」

 

「放課後職員室」

 

「また?」

 

「まただ」

 

 

 

 

 

 

放課後職員室で説教を受けた帰りだった。

内容は覚えていない。大体いつも同じだからだ。

 

「制服を着ろ」

 

「はい」

 

「改造もするな」

 

「はい」

 

いつか説得できるだろうか。道のりは果てしないな。

 

 

 

廊下を歩いていると前から二人来る。B組物間と拳藤か。なんかもうペアだな。

 

「何・・・その格好は」

 

「お姫様」

 

「見れば分かる!」

 

拳藤に怒られた。物間は真顔で数秒見つめてきて頷く。

 

「なるほど完璧だ。分かるか拳藤?」

 

物間が語り始めた。

 

「彼は服を着ているのではない」

 

「着てるだろ」

 

「服という概念を表現しているんだ」

 

「何言ってんだお前」

 

その間俺はずっと拳藤を観察していた。

 

「そうだ」

 

「何だ」

 

「似合う服を考えた」

 

「考えなくていい」

 

パチン

 

服が変わる

 

白いスーツ

ロングコート

軍服風

肩章付き

凛々しい

格好良い

 

「おお、王道だ」

 

頷いてる物間がもはや評論家みたいになっている。

 

「拳藤の持つ頼れる姉御感を最大限に活かしている」

 

「そうか?」

 

拳藤は袖を見ながら少し嬉しそうだった。

 

「だが八十五点だ」

 

「ほう」

 

「拳藤は強い…面倒見が良い…そして苦労人だ……つまり、もっと砕けた方がいい!」

 

俺も納得したので指を鳴らす。

 

ライダースジャケット

黒パンツ

ブーツ

サングラス

 

「おお!」

 

今度は拳藤もかなり喜んでいたしかなり似合ってい

た。

 

「九十二点」

 

物間が満足そうに頷く。

 

「面白い」

 

俺も楽しくなってきたぞ。

 

パチン

 

今度は和装

 

羽織

大正ロマン

落ち着いた赤

上品だった

 

「九十四点」

 

パチン

 

探偵

 

コート

帽子

革手袋

 

「九十六点」

 

パチン

 

女騎士

 

マント

長剣

 

「九十八点」

 

「なんか高くないか?」

 

「分かっていない。服は人格を映す鏡だ。拳藤は強さと優しさを兼ね備える!だから大半の服が似合う」

 

「なるほど」

 

急にそれっぽいことをいう物間に俺も頷いておいた。拳藤が嫌そうな顔をしている。

 

「お前ら・・・私で遊んでるだろ!」

 

「そんなことないさ」

 

「俺はある」

 

 

 

 

 

数分後の廊下

 

評論家

着せ替え人形にされる拳藤

 

の三人。

 

通りかかった瀬呂は「何してんだあいつら」と言ったが誰にも答えられなかった。

 

 

 

 




最近の職員室は衣替専用説教部屋になりつつある


期末試験も林間合宿も何も考えついてません
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